お金をもらって仕事をするということ

「makicooking studio」主宰 島田まきさん

インタビュー連載 第4回

今月のサロネーゼは、東京都世田谷区で、「makicooking studio」を主宰する島田まきさん。 料理研究家であり、ソムリエと漢方アドバイザーの資格をお持ちの島田さんのお教室では、フレンチベースの家庭料理と日本の家庭料理を学ぶことができます。 美味しくて、身体にも良いお料理を手軽に作れるように練られたメニューは、毎日の食事がワンランクアップすると大好評! そこには島田さんが今までの人生の中で携わってきた仕事や経験が活かされています。 今回はフレンチ家庭料理のレッスンと、インタビューを4回にわたりご紹介します。 第4回目は島田さんのメディアでのお仕事の話や、これからの夢についてうかがったインタビュー後半です。

掲載日:2017/9/25(月)

島田まきさん

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仕事に対するぶれない姿勢


――生徒さんから島田さんが学ぶことはありますか?

島田さん 皆さんから失敗した話を聞くと、とても勉強になりますね。
「こういうところで失敗するんだ」という発見は次のレッスンの改善へつながります。

また他の方のお教室に習いに行ったけど、うまく作れなかったというお話もとても参考になりますね。
レシピの中で重点的に教えるべきポイントが分かるので、自分のお教室にもとても役に立ちます。

また試食中の皆さんのおしゃべりの中にも、世の中のニーズや流れをキャッチするポイントが盛りだくさんで参考になります。


島田まき先生1

皆さんレッスンもおしゃべりも毎回楽しみにしていらっしゃいます


――生徒さんの生の声を聞けるのはお教室ならではですね。
島田さんはメディアのお仕事も受けていらっしゃいますが、その際に気をつけていることはありますか?


島田さん お教室の時に心がけていることと同じなのですが、全てにおいて無理をしないことです。
メディアのお仕事だからといって構えすぎたり、かっこつけてしまうと、違和感が出ちゃうんですよね。
やっぱり私はお教室に通ってくださる生徒さんや、自分の目の前にいる人達を何より大切に思っています。

――以前NHKの「きょうの料理」の中で、野菜のフレンチトースト(“春にんじんのフレンチトースト”“アスパラとトマトのフレンチトースト”)を紹介されていましたが、レシピはどのように作っていらっしゃるのですか?
発想がおもしろくて印象的です。


島田さん 私は子供の頃から、香りや温度の組み合わせを考えたり、組み合わせ方によるニュアンスの違いを想像することが好きだったんです。
ですので、レシピを作る時だけに限らず、普段からこういうふうに作ってみたらおもしろいかなということを考えています。
日々何軒もスーパーを巡るのですが、食材を手に取ってみたり、香りをかいでみて、頭の中で組み立てていくんです。
あやしい動きをしてるかもしれません(笑)


華やかなメディアのお仕事の裏にある努力


――持って生まれたセンスというか、天性ですね!

島田さん そのアイディアをレシピに落とし込む時は、最初はわざとめちゃくちゃ失敗して料理を作ってみるんですよ。
家族にも「えー、なにこれ!」って言われるぐらい、何も考えずに、適当に不味く作ってみます。
そこから不味いものや、失敗を抜いていくんです。
すると、組み合わせが悪いものの表が頭の中でできます。
それを二回目に反映させていくと、美味しく作れるレシピが完成します。

それと同時に、「生徒さんもここで失敗するかもしれない」「レシピのここを変えてアレンジしよう」というポイントをレッスンまでに把握しておくんです。

また自分が一度失敗したことだと、質問された時にも落ち着いて対応できますね。


島田まき先生2

試行錯誤の末に組み立てられたレシピやレッスン


――素晴らしいですね!これだけの試行錯誤を重ねた上でのレッスンだから、生徒さんを満足させる内容と回答が提供できるんですね。
よりよいお教室作りのために、今でも勉強されていることはありますか?


島田さん 薬膳の勉強は続けています。
母が漢方の薬剤師だったので、薬膳は幼い頃から身近なものでしたが、さらに深く掘り下げてみたら楽しいかな、人に伝える時に説得力になるかなと思い、薬膳アドバイザーの資格を取得しました。
今日のフレンチの中にも薬膳の要素を取り入れていますが、今後はもっとブラッシュアップしていきたいです。


料理教室の先生として


――今後の夢を教えてください。

島田さん 海外でも日本の家庭料理のレッスンを行ってみたいですね。
きっかけは、以前取材で、タスマニアに行って現地の人にレッスンを行ったことです。
現地で調達した食材を使って昆布締めを教えたのですが、近所の人達も興味を持って集まってきて、喜んでくれたんです。

とてもおもしろい体験だったので、例えばフランスで同じようなことができたらいいなと思います。

日本の家庭料理のすごいところは、伝統的な日本料理とは異なり、バラエティに富んでいて、縛りがないこと。
どこの国でも受け入れられるぐらいのバリエーションが日本の家庭料理にはあると思います。


島田まき先生3

次になる夢に向かって着実に歩を進める島田さん


――お教室で実現したいことはありますか?

島田さん お教室の先生を育成するようなレッスンをやってみたいです。
生徒さんや知り合いから、「お教室をやりたい」「料理研究家になりたいけどどうすればいい?」という相談をよく受けます。

料理人、レストランのマダム、ソムリエとしての経験を活かした客観的なアドバイスで、そういう方達をサポートしたいです。

――様々な立場を経験した上で、料理教室の先生だからできることは何だと思いますか?

島田さん 料理は食べるだけではありません。
美味しくて健康的な食卓をどう作るのか、また自分自身も楽しく作れるか、ということをきちんと伝えていくことが料理教室の先生の使命だと思います。
家庭の食卓には入り込めないプロの料理人との違いはここにあるのでしょうか。

また生徒さんからお金をいただいて教えているので、そのコストと来ていただく価値のバランスは毎回考えています。
おうちに帰ってから実践できることは大事だけれど、簡単すぎても金額に見合わないので、+αで新しい発見や、パフォーマンス性のあるものを取り入れるように意識しています。
こうしたバランスを考えることも料理教室の先生に求められることだと思います。


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自分をよく見せようとすることなく、ご自身の中できちんと消化した知識や経験を理論的に説明する島田さんのスタイルは、レッスンの間も、インタビューの間も変わりません。
安心してこの先生に付いていきたい、仕事を依頼したい、と思う人がどのような姿勢で仕事に取り組んでいるのか学ぶことができたインタビューでした。

インタビュー・テキスト=阿部麻里子、窪田みゆき
写真=菊池友里



プロフィール

島田まきさん

島田まきさん

料理研究家・ソムリエ・漢方アドバイザー

幼い頃から「料理」に興味を持ち、ママゴト遊びはいつも本物。釣りをしては、魚をさばいて夕飯に。小学校入学祝いに母に強請ったのは、オーブンレンジと料理本2冊。きっと料理人になるのは、決まっていたのでしょうね。
そして漢方薬剤師の母親の影響も受け、「医食同源」を感じながら育つ。
自身3人の子育てをしながら、病気を未然に防ぐ事を毎日の食生活に生かし美味しく楽しくを心がけている。

フランス料理修行後、夫と恵比寿「イレール」を開業。近年の身体に優しいフランス料理のさきがけでもある。この頃に、レストランでのサービスをし始めマダム業のスタートとなり、ソムリエ資格も取得。二子玉川「イレールドウーブル」、恵比寿パテイスリー「イレール ボントン」銀座デリ「イレール」などをオープン。
身体に優しいをキーワードに、遊戯施設キッズカフェ、フレンチレストラン、カフェ、企業メニュー開発などを手がける。その他、農水省「食育」に関するメニュー提案など。企業主催料理教室講師を務める。

2013年に自宅にて料理教室を主宰。

サロン情報

「makicooking studio」

「食を通じて幸せを」をコンセプトにした料理教室。 毎日食べる大事な食事は、毎日創るからこそ手軽で楽しく身体に優しくありたいと思います。

ジャンル:

家庭料理、フレンチ、洋菓子、おもてなし

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、男性参加OK、少人数制(6人以下)、子供教室あり、予約制、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり

所在地:

東京都世田谷区

ホームページ、ブログ:

http://www.irreelbis.jp

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