――お教室運営で大切にしていることを教えてください。

完全予約制の、限られた時間でのレッスンなので、参加してくださる生徒様のご希望にあった内容・レベルを第一に考えて、レッスン内容をアレンジするように心がけています。
せっかく来てくださっているのに、難しくて再現できなかったり手に入らない食材だったりすると、料理のハ－ドルが高くなり、なかなか実践できません。ですので、一般のスーパーで手に入る身近なものを中心に使用しています。市販品を上手にアレンジして時短で出来るメニューもお伝えしており、そちらも生徒様にとても人気なんですよ。
あとは、一緒にテ－ブルを囲んで、温かくほっこりした女子会のような雰囲気だったり、「今日参加して良かった！楽しかった！」と思っていただけるようなレッスンを心がけています。

みなさんに楽しんでいただくことが一番。

――逆に、大変だったことはありますか？

やはり、限られた時間の中で生徒様にご満足いただけるレシピを作ることが大変です。
常に手帳を持ち歩いて、思いついたらどこでもすぐにメモに残す癖をつけています。
お仕事の傍ら週末に試作をするのですが、それまでにメモからイメージを固めて、細かい材料などの詳細を決め、失敗しながらも試作を繰り返して、納得できる料理ができたら写真を撮って…と、常に時間との格闘ですね。
私の場合は試作段階でグラムもきっちり計って見た目も気を配るので、“試作で完成＝本番でもお出しできるもの”という状態にしています。それも、時間がたくさん必要な理由かもしれません。

――これからお教室を開きたい人に向けて一言お願いします。

夢を現実にしてお教室を始めると、周りと比較したり、理想と違うことに直面することがあると思います。でも、うまくいっているように見える人とご自身を比べるのではなく、今自分ができる事を考えて実行に移してみてください。きっとご自身の変化や進化によって、まったく違う景色が見えるに違いありません。周りと比べずマイペ－スで余裕をもって進むこと、コツコツ少しずつ続けることがいつか実りにつながることでしょう。
先生の笑顔が皆さまの笑顔につながります。どんな時も笑顔でいてくださいね！

常に穏やかで笑顔の美子先生♪

喜んでもらえることが自分自身の生きがい

――今後の展望や将来の夢はありますか？

レッスン自体は、これからも気負わずにやっていけたらいいなと思っています。
今やっていることを少しずつ積み上げていくと、その積み重ねで向上していくと思うので、小さな夢を一歩一歩叶えていけたらいいなって。
向上していく中で、メニューはもっとたくさん勉強していきたいなと思っています。
今まで培ってきた技術や、今まで作ってきたメニューを洗い出して、もう一度しっかり自分の中に落とし込んで、リニューアルしたメニューをお出ししていきたいですね。
新しいものというより、すでに自分の中にあるものをいかに洗練させていくか、みたいな、そんなことをやっていきたいです。

「今あるレシピのブラッシュアップをしていきたい」

――すごく勉強熱心ですね。

Salon de lalapanをお料理だけじゃなくて、「ここに来たらいろんなワクワクがある！」と思っていただけるような場所にしたいんです。今のこの場所を「美子先生がいる、安心できるサロン」って思ってもらえたら嬉しいなって。そんな場所になるように、どんどんレッスンの環境を整えていきたいですね。

――料理教室の枠を超える、という感じですか？

そうですね、生徒さんにとってオンリーワンなお教室で在りたいなと思っています。
そもそも私がお教室をやろうと思ったきっかけが、おもてなし料理教室の界隈では天下一品の故・高木ゑみ先生なんです。ゑみ先生が背中を押してくれて、今の私があるし、私のずっと憧れの方でもあります。
そんなゑみ先生のお料理教室が、本当にパーティのような、バーのような、そんな感じで。ひとつのパーティ空間に、お料理をしたり食べたり、好きな飲み物を自由に飲めたり。お料理教室の枠を飛び出た、素敵なおもてなしの空間だったんです。本当に素敵で、私もこんな風なお教室ができたらいいなと、今でもゑみ先生のようなサロンを目指しています。

憧れの人を目指して。

――美子先生のお教室のこれからが楽しみです！

人に楽しんでもらえたり喜んでもらえることが、本当に自分自身のパワーになるし、生きがいになっています。昔主人が単身赴任になって、一人ぼっちで寂しいなと思っていた頃に、周りの方をおもてなししたことがすごく楽しくて充実していたんですよね。
自分のやることが誰かのためになるなんて、本当に素敵なこと。その気持ちをずっと持ち続けながら、お教室をやっていきたいなと思います。

「人に喜んでもらえることが私の生きがいです」

=======================================================
お話を伺っていると、美子先生のお教室は、謙虚な姿勢と生徒さんへの愛、そして学び続けるそのひたむきな勤勉さであふれていました。美子先生、素敵なお話をありがとうございました。

ディレクション：株式会社COOK ART
インタビュー：太田 えり
撮影： 佐藤 幸一