理論も技術も。天然酵母パン作りが身近になるレッスン

「しあわせパン教室 ブラウニー」主宰 小笹友実さん

インタビュー連載 第2回

今月のサロネーゼは、大阪・吹田市で天然酵母パン教室『しあわせパン教室プラウニー』を主宰する小笹友実さん。「自家採取した天然酵母で作るパン作りをご自宅でも楽しんでいただけるように」と工夫された丁寧なレッスンは評判を呼び、毎月1日に募集開始となるその月のレッスンはすぐに満席になってしまうほど。天然酵母で作るパンの楽しみを広げる大人気のレッスンの模様とインタビューを4回にわたりご紹介します。第2回目はお教室の紹介とレッスンレポート後半です。

掲載日:2013/3/11(月)

小笹友実先生

小笹友実さん

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自然の力をいかす天然酵母作り


訪問したこの日のレッスンは、「天然酵母の理論講座」。天然酵母の作り方の講義をメインとし、「イングリッシュマフィン」「ロッシュ・ココ」の2品も作ります。
まずは1つ目のイングリッシュ・マフィン作りが終わり、二次発酵を待つ間に天然酵母講座が行われます。

「では皆さん、今日はレーズン酵母の採取について説明していきますね。お配りしたレシピを見てもらえますか。こちらは基本の採取法を書いていますが、冬場はなかなか発酵してこないので、今日は材料のところに『前回のレーズンエキス10g』と入れてください。
古いもので構いません、冷蔵庫に毎回少しエキスを残しておいて、それを次の種起こしに使うようにしてください。これが入るとすごく安定して発酵します。
あとレーズンはオイルコーティングしていないものを使ってくださいね。では順番にオーガニックレーズンとお水とレーズンエキスをガラスビンに入れていってください。はい、ではどうぞ~」

ガラスビンを1つずつとってもらい、早速皆さんに作っていただきます。作ったものはもちろんお持ち帰りできます。

山脇りこさん

天然酵母作りのコツや季節に応じた作り方など、丁寧でわかりやすい説明がなされます


作業の間にも小笹さんの講義は続きます。

「今の時期ですと発酵するのにだいたい丸3日、72時間くらいかかります。今日は土曜日ですから、火曜日のお昼ごろ発酵があがるかと思います。
今日は皆さんに10gの発酵したエキスを入れていただきますが、理由はおばあちゃんの糠床と同じ原理で、少し入るだけですぐ発酵が始まるからです。ですので皆さんは今日仕込んだと同時に発酵がはじまると思っていただいていいので、72時間後にエキスが完成します。もし入れずに発酵を起こそうとするとどうなるかお話しますね。まず水とレーズンだけの状態ですと・・・」

「次に発酵についてお話します。フルーツを水につけると、フルーツの周りの酵母が発酵してパンができる酵母になるのですが、ものが発酵するには3つの大事な条件があります。まず1つ目は温度。2つ目は糖、3つ目は酸素です。1つ目の温度ですが・・・・」

自然の力をいかした天然酵母で作るパンは独特の深い味わいと風味が魅力ですが、酵母作りは難しいと思われがち。でも、材料のこと、容器のことを含め、酵母作りの基本知識や季節に応じた作り方から始まる整理された説明はとてもわかりやすく、初めての方でもすっと理解できます。

貴重な情報もお楽しみもいっぱい


「では次に季節のフルーツを使った酵母作りについてお話ししますね。まずいちごですが、発酵力が強くて香りも良いのでパン作りの楽しさが味わえます。私が作ったいちご酵母がありますので、ちょっと味見をしてみましょう。
ところで生のフルーツを使うときはドライフルーツを使うときと違うところがあります。その説明をしていきますね。フルーツ酵母のレシピを見てください。こちらは・・」

小笹さんが作ったいちご酵母が紹介され、皆さんに少しずつ味見をしてもらいます。完成の見極めが難しい酵母ですが、わかりやすい確認のしかたに加え味も覚えていただき、さらに他のフルーツについても説明が続きます。

「先生、パイナップルでも作れますか?」
「オレンジやレモンは?」
「いちじくは?」

皆さんから積極的に質問も飛び、その都度丁寧に回答されます。また、小笹さんがこれまで沢山の挑戦をしてきたからこそのコツや失敗談もどんどん紹介され、貴重な情報として皆さん真剣な表情でメモを取っていかれます。

山脇りこ先生

毎回レッスンで「おまけの一品」を紹介。そして一緒にランチ作りを。どちらも生徒さんに大好評


「では皆さん、お疲れ様でした!前半の講義は終わりにして、ちょっと疲れていらした頃だと思うので、お菓子を作ってランチにしましょう。今日の”おまけのひと品”は、ロッシュ・ココというココナツを使った焼き菓子です。卵白が余ったときにもお勧めで、すごく簡単で沢山できるのでおうちでもすぐに作ってもらえると思います。では、やっていきましょう!」

レッスンでは毎回、二次発酵の間に簡単なお料理やお菓子などパン以外のひと品をご紹介して皆で一緒に作っているそう。この”おまけのひと品”を楽しみにしている生徒さんも多くて、最近では、お菓子の他にスペアリブやミートパイなども作り毎回好評を得ています。

和気あいあいと楽しい会話が弾む中できあがり、オーブンに入れると次にランチの準備です。ここでマフィンの発酵状態の確認も。

「うーん、発酵がもう少しですかね。ランチを食べ始める頃に焼きます。マフィンの焼き方ですが、紙でフタをしていただいて天板を乗せて、この状態で焼いてください。それから・・・」

焼き方についても詳しい説明がなされます。そして、小笹さんのリードでランチョンマット、お皿、カトラリーを並べる人、用意されていたパンを切り分けたりサラダを盛る人、ポタージュスープを仕上げる人・・とうまく役割分担し、あっという間に素敵なランチのテーブルができていきます。

ランチ、そして講義。お土産もある充実のレッスン


「それでは皆さんお疲れ様です!ありがとうございました。
今日のパンは、ほうれん草のカンパーニュ、ブルーチーズとくるみのカンパーニュ、あとこちらは少し甘いパンです。良かったら手作りのいちごバターをつけて召し上がってみてくださいね。いま牡蠣のポタージュもご用意します。どうぞー!」

「わーおいしそう!」
「いただきまーす!」

テーブルに並んだ彩りも華やかなランチに笑顔の花が咲きます。

「このパンおいしい~ どうやって作るのですか?ふわふわですね!」

「それ、酒だねで作ったパンなんです。あ、良かったらこのバターつけてみて下さい。いちごジャムとバターを混ぜて作っています。残ったパンは皆さんで分けて持って帰ってくださいね。作り方は・・・」

パン作りが大好きな方が集まっているとあって、先生の手作りパンはお手本でもあり、皆さん興味津々なご様子。パンの特徴、作り方のコツ、美味しい食べ方など楽しい会話が広がります。
ここで皆さんに、お教室の魅力をうかがってみました。

山脇りこさん

先生の手作りパンにサラダ、スープも。ピザは大人気でいつの間にか定番に


「天然酵母に興味があって教室を探していたところ、ネットで見つけて通いはじめました。たくさんの種類のパンが学べてとても楽しいです。レッスンに参加してパンを作るのは気分転換にもなっています」

「天然酵母のパンが好きで通える教室をネットで探していたところ、こちらのホームページのお写真が美味しそうだったので申し込みました。天然酵母は難しい印象でしたが、慣れると楽しいです。レッスンは気軽に質問できる雰囲気が良いです」

「友人がこちらに通っていて、「楽しいよ!」とすすめてくれたのがきっかけで、もう3年くらいになります。小さい子どもがいるので頻繁には通えないのですが、単発で都合のよいときに申し込めるので助かります」

と、天然酵母パンについてしっかり学べること、楽しい雰囲気、気軽に通える点が魅力のようです。

ランチの間に、マフィンが焼きあがるおいしいにおいが部屋に広がります。取り出すと、きれいな焼き色がついていて、皆さんから歓声があがります。焼きあがったマフィンは、皆さんにお持ちかえりいただきます。
お教室では、一次発酵済みの生地で作った作品はもちろん、そのあとにまた新たに捏ねるパン生地もお持ち帰りいただけるので、お家で焼きたてアツアツのパンが食べられるのも嬉しいサービスです。

山脇りこさん

講義の続きと生地作り。焼きあがったマフィンと新たに捏ねる生地はお持ち帰りできます


「あ、もうレーズンが浮いてきていますね」

「そうですね!では皆さん片付けていただいたら、講義の続きをしますのでよろしくお願いします」

楽しいランチのあと、この日はあと30分ほど採取した酵母エキスから作る中種の講義があり、その後持ち帰り用の記事を捏ねていただき15時過ぎに終了となりました。
天然酵母の作り方、活用の仕方が楽しくしっかりわかる充実のレッスンで、皆さんもますます天然酵母のパン作りの楽しみが増えたようです。

『皆さんに天然酵母パン作りの楽しさを伝えたい!』という小笹さんの思いが伝わる、アットホームなレッスンで居心地のよい雰囲気、そしてパン作りが好きな仲間との出会いも魅力の、理論も技術も学べて天然酵母パン作りが身近になるとても素敵なお教室でした。


次回は、お教室開設のきっかけなどをうかがったインタビュー前半をお届けします。どうぞお楽しみに!

生徒さんの声 Voice

  • Aさん
    天然酵母に興味があって教室を探していたところ、ネットで見つけて通いはじめました。たくさんの種類のパンが学べてとても楽しいです。レッスンに参加してパンを作るのは気分転換にもなっています。
  • Bさん
    天然酵母のパンが好きで通える教室をネットで探していたところ、こちらのホームページのお写真が美味しそうだったので申し込みました。天然酵母は難しい印象でしたが、慣れると楽しいです。レッスンは気軽に質問できる雰囲気が良いです。
  • Cさん
    友人がこちらに通っていて、「楽しいよ!」とすすめてくれたのがきっかけで、もう3年くらいになります。小さい子どもがいるので頻繁には通えないのですが、単発で都合のよいときに申し込めるので助かります。

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=伊藤裕司

プロフィール

小笹友実さん
『自家製酵母のしあわせパン教室ブラウニー』主宰

会社員時代に出張先のパリでパンのおいしさに感動し、そのおいしさを自分でも作りたいと思い、パン作りの道に入りました。その後偶然に出会った天然酵母パンのおいしさ、楽しさに魅了され、天然酵母パン工房で就業の後、自宅教室を主宰。現在は自家製酵母のパン作りに特化した教室を運営しています。
家庭でもきちんとおいしくパン作りをできるよう、製パン理論にも重点をおいたレッスンを心がけています。生徒様は関東や九州、四国、遠くは海外からもお通いくださっています。

サロン情報

自家製天然酵母のしあわせパン教室ブラウニー

たくさんの方に天然酵母のパン作りの楽しさを知っていただきたくて教室をはじめました。

同じレシピを使っても、作る方によって味、風味がまったく違ってくるパン作りは
酵母を育てるところから本当にわくわくと楽しく
毎朝、酵母にも「おはよう」と声をかけてあげて一日がはじまる、まさに「子育て」のような感覚です。

じっくり発酵時間もとりますので、レッスン中は日頃の忙しさを少しわすれ、のんびり楽しく過ごしていただき、自分にも時間のプレゼントをしてあげてください。

ジャンル:

パン

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、体験教室あり、予約制

所在地:

大阪府吹田市

ホームページ、ブログ:

ホームページ:http://www.happybrownie.net/

レッスン情報:

パンの発酵時間を利用して、パンによくあうサイドメニューのご紹介をしています

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レシピ

レシピ
「イングリッシュ・マフィン」

材料
・強力粉(春よ恋)  150g
・レーズン酵母中種  60g
・水   100g
・バター  10g
・粗糖   4g
・塩    3g
・コーングリッツ  適量
計量する

  1. ボウルに小麦粉、塩、粗糖を入れる。
  2. パン種をラップにとる。
  3. 水、バターをはかる。
作り方

  1. こねる:小麦粉→水→パン種→バターの順番にいれ、菊ごねする。やや柔らかめに
  2. 一次発酵:28℃ 3.5時間
  3. 分割:65gに分割しゆるめに丸める
  4. 成型:手で軽く広げ、コーングリッツをまぶしつける
  5. 二次発酵:型に入れ28℃ 1.5時間
  6. 焼成:軽く霧を吹き天板をかぶでガス180℃、電気200℃で13分