全ての経験が今につながっている

『めだかの学校料理教室』主宰 中山桜甫さん

インタビュー連載 第3回

今月ご登場いただくのは、都内文京区で『めだかの学校料理教室』を主宰する中山桜甫さん。専用のキッチンスタジオで料理教室を開催するほか、料理研究家・栄養士としてメディアでも活躍し、療養食・介護食の研究も手掛ける中山さんは、モデル、芸能マネージャーという一味違う経歴もお持ちです。様々な生徒さんが通う人気のレッスンの模様とインタビューを4回に渡りご紹介。
第3回目は料理サロンオープンのきっかけ~お教室に込めている思いなどを伺ったインタビュー前半です。
※2012年3月訪問時のインタビューです

掲載日:2012/6/18(月)

中山 桜甫さん

  • プロフィール
  • サロン情報
  • レシピ
  • 書籍

『めだかの学校料理教室』について


───たくさんお伺いしたいのですが、まずは、『めだかの学校料理教室』のコンセプトや特徴について教えてください。

中山さん クラスは、基礎コース、サロンコース、食事療法コース、ダイエットコース、専門家コースがあり、定員は1回4~6名の少人数制です。設立当時は1クラス20名ほどで開催していましたが、一人ひとりにきちんと指導しにくいため、約10年前からマンツーマンに近い形に変更しました。
短期で花嫁修業をしたい方向けに、ブライダルコースもあります。

交通至便で見晴らしのよい空間で、たくさんの「笑顔」と「おいしい」が広がっています


───食事療法も学べるのですね。

中山さん はい。実は私は25歳のときに循環器系を壊してしまって、どんなに生きても「10年」と余命宣言されたんです。それから25年以上経ちお医者さんにも驚かれていますが、自分が病気をしたこともあり、食の大切さを多くの人に伝えたいと思い、今医学博士達と一緒にいろいろな研究をしています。
栄養士として、患者さんが食べる喜びを持ち、食事療法で挫折した方も、介護食が必要な方も、簡単で楽しく美味しく安心して召しあがれるものをご提案しています。

美味しいものを食べた時の笑顔は計算のない心からの笑顔ですよね。皆さんの美味しい笑顔がもっとたくさん見れるように、お役に立っていきたいと思っています。

───いろいろな方がお越しやすいようにと、この場所を選んだとか。

中山さん そうです。皆さんが通いやすい便利な場所を探して、ここに決めました。景色も良いので、皆さんの気分転換や憩いの場所にもなるかな、と。居心地がいいと言ってくださる生徒さんやお客さんが多いです。


医者をめざし、モデル、芸能マネージャーを経てそして・・


───『めだかの学校料理教室』というお教室名もユニークですね。由来は?

中山さん 30歳になる年に教室を始めたのですが、始めてすぐTV番組の取材があり、来たディレクターの方が間違って年配の生徒さんを私(先生)だと思ってインタビューしてたんです。
そのあと番組中に「教室名をつけましょうよ」と言われ、ディレクターには悪いですが間違えられたのを題材にして「誰が生徒か先生かわかりませんよね~。じゃ、『めだかの学校』にしましょうか」と話すとプロデューサーにも大受けで、「それにしよう!」とその場で決まりました。今はもう年齢を重ねて、生徒に間違われることはないですが(笑)。

───おもしろい由来ですね。今お教室にはどんな生徒さんが多いですか?

中山さん OLさん、タレントさん、お医者さんなど医療関係の方や、食事療法が必要な方など幅広い方が来て下さっています。
多くはネットでご覧になって、また、生徒さんの口コミでお越しになる方が多いです。

───プロフィールを拝見すると、モデル、OL、茶・華道・和装教授、武田鉄矢さんのマネージャーを経て料理研究家、栄養士になられたとのこと、とても幅広いご経験をお持ちです。

中山さん よくおもしろい経歴だね、と言われます。最初にモデルになったのは、医学書が欲しかったからなんです。


父の病気を治したくて医者を目指し、医学書を買いたくてモデルへ。そして様々な経験を


───医学書ですか?

中山さん はい。私が小学校6年生の頃、父が癌で手術をしたのですが、入院している姿を見て「私は将来医者になる!」と決心して、ずっと医者を目指して勉強していました。でも高校1年の頃、やせ細っていく父を見て「今から大学に行って卒業して医者になるのを待っていたら間に合わない。なんとかできないだろうか・・」と思い、図書館に行っては医学書を見ていました。 でも図書館の医学書は全部古くて、何とか新しい医学書を買って読みたい・・と思って調べたところなんと7万円もするじゃないですか。
当時私のお小遣いは3,000円だったのでとても無理だと思っていたところ、たまたま地元の豊岡で、タレントのプロモーションビデオを撮影に来た人にスカウトされたんです。

ギャラをもらえば医学書が買える!と思ってやったところ、すぐに7万と8万5千円の医学書が買えました。でもその後高3の夏に父は亡くなってしまいました。いろいろ考えましたが医者になることはやめ、大学に籍を置きましたが、一人になってしまった母のそばにいられるように地元で就職をしました。

───そうでしたか。

中山さん しばらくしたら、兄の子が生まれて母も元気になり、そろそろ自分のしたいことをしたい、と母を説得して東京に出てきました。心配して反対した母には、「2年で名をあげられない場合、すぐに帰ってくること」と誓約書を書かされ、厳しい条件を約束させれらました。

上京にあたっては以前からやってみたいと思っていたマネージャーになりたいと思い、モデル時代の知人に依頼してまずはモデルと音楽の事務所を紹介してもらいました。ずっとクラシックピアノをやっていたのですが、コンサートの時に見たマネージャーさんの仕事がとてもかっこよく見えたんです(笑)。

その後いろいろな縁があって、ちょうど「音のわかるマネージャーを探してた」という海援隊の武田鉄也さんのパーソナルマネージャーになりました。ニューミュージック界初の女性マネージャーだったので、取材もたくさんきましたよ~。武田さんより多かったくらい(笑)。

OLの時に貯めた貯金100万を持って上京し、これがなくなったら帰ろうと思っていましたが、おかげさまで無くなることはなく、今でも手つかずで残っています。

「余命10年」から約30年。「私の経験を役立てたい」


───そこから料理の道へ進んだきっかけは?

中山さん その後海援隊が引退することになり、引退の手伝いや次の事務所の引き継ぎなどをしたあと、結婚をしたのですが、当時できたのはオニオンスライスくらい。これではいけないと、結婚が決まってから割烹で板前修業をしたんです。修業はとても厳しくて、料理を自分の目と舌で覚えていきました。

そんな頃、おつきあいのあった出版社の人たちが音楽から料理の担当に変わっていって、ある取材で予定していた料理研究家さんが急にダメになってしまったので代理でお願い、と言われたのをきっかけに、どんどん料理の仕事を頼まれるようになりました。

仕事が増えてきて少し不安になって、「きちんと料理のライセンスが欲しい」と思ったのですが、「料理研究家」なんてライセンスはないんですよね(笑)。じゃ、一番近いのは何?と考えて、栄養士になりました。医学書を読んでいたのでほとんど知っていて、よく先生の間違いを指摘してましたね(笑)。

その後、離婚したこともあり、フランスやイタリア、中国など、世界を回り料理の勉強をして、お教室も開きました。

世界各国をまわり料理の勉強も。あらゆる人に食の大切さと楽しさを伝授


───本当に、いろいろなご経験をされたのですね。

中山さん 私の人生を語ったら1日では足りないと思います(笑)。
仕事をしているせいで、だんだんと、収納術・掃除術も手際がいいから教えて、と取材が来たり、映画やドラマに出て・・と依頼が来たり。

「あと10年の命」と言われてからもう30年近く生きていて、医者のほうがびっくりしています。私、死なないからその学会でミラクルガールと言われていたんです(笑)。 いろいろありましたが、この病気のおかげで患者さんたちの心に寄り添うことが出来るのですから、今では「いい病気をしたね」と母と話す時があります。



ご自分の体験を通して食の大切さと楽しみを伝えたいという中山さん。「人生無駄なことは何一つない」とおっしゃるほど、すべての経験が今につながり役に立っているそう。食への熱い思いはたくさんの方を元気にし、笑顔を生み出しています。
次回は、料理教室を飛び出してのご活動やこれからの夢などをご紹介します。どうぞお楽しみに。

イインタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介

プロフィール

中山 桜甫さん
『めだかの学校料理教室』主宰

高校在学中に医学書を入手するためにスカウトされるがままにファッションモデルをし、父親の死後、医学部進学を諦めて旧太陽神戸銀行貸付担当。退職後、海援隊武田鉄矢マネージャーとなり、退職後結婚。

板前修業の後、世界の料理修行に出かけ、独創的な食材の組み合わせ、調味料の遊びに大使館のセレブを対象にサロンを開催、また、糸山政経塾サロンも担当。平家の郷に生まれて培われた日本の文化、行事、慣習、また、それに基づく料理は、食育の先駆けとなり「四季の暮らし絵教本」として出版。(著書多数)

茶道、華道、和装の師匠としてのサロンも併設し、セレブのウェディング特訓コースもあります。栄養士の知識を生かし、治療食、これからの介護食作りの研究も進み、医療系セミナー、講演会も多数、大学病院とのコラボで論文の準備中。また、商品開発3社、メーカーとのコラボも展開中。

サロン情報

めだかの学校料理教室

めだかの学校料理教室の名前の由来は、『誰が生徒か先生か~♪』を取って、「めだかの学校」と名付けました。
基礎コース、サロンコース、食事療法コース、ダイエットコース、専門家コース、ブライダルコース等、さまざまなコースをご用意しています。

他にもセレブが集う「桜甫サロン」があります。こちらは、一般の方の入会は出来ません。 また、プチセレブさんのための「桜甫プチサロン」があります。希望者はどなたでも入会出来ますが、授業料(会費)が「めだかの学校料理教室」よりも高額になります。

ジャンル:

家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、中華、薬膳、韓国、スペイン、エスニック、ベジタリアン、健康食、パン、和菓子、洋菓子、おもてなし、紅茶、コーヒー、テーブルコーディネート、茶道、華道

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、夜間開催、土日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、予約制、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり

所在地:

東京都文京区後楽

ホームページ、ブログ:

http://www.sakuraho.com
http://blog.livedoor.jp/sakuraho/

レッスン情報:

めだかの学校レッスンは、一般料理教室は少人数で3人~6人まで、和・洋・中・エスニック・スィーツなど、全般をお教えしています。個人レッスンも同様ですが、生徒さんの希望を取り入れたカリキュラムを毎月作り、オリジナルレシピをお教えします。

ブライダルコースは、結婚が決まった方、そろそろという方に集中レッスンを行います。和・洋・中・エスニック・スィーツのすべて、茶華道は基礎~初級、中級まで。

和装は装道で、季節ごとの和装、室礼(しつらい)、マナー、食事のマナーをお教えします。期間は生徒さんの希望と習得度によって変わります。

サロン全般:パーティ料理をメインにワイン、シャンパンなど、その日の料理に応じてアルコールを出し、飲食を共にしながら、お話をして頂いています。スィーツパーティなどもあります。また、今話題の料理なども教われます。 例えば、塩麹講座と料理レッスンなどサロン生の方々の希望や健康維持にかかる情報を元に臨機応変に楽しんで頂ける工夫をしています

マイサロンはこちら

レシピ

枝豆豆腐の冷やし鉢

材料
・枝豆 鞘から出して1カップ強
・だし 1カップ
・海老 中8尾
・貝割れ菜 適宜
<A>
卵4個、だし1/2カップ、塩小さじ1/2、淡口醤油小さじ1、
みりん小さじ1
<B>
だし1カップ、塩小さじ1/2、淡口醤油小さじ1、生姜汁1滴
作り方

  1. 枝豆は茹でて鞘から出しミキサーかフードプロセッサーに入れ、<A>のだし少量を加えて撹拌させる。
  2. なめらかになったら卵を割り入れ、<A>の残りの調味料とだしを加え混ぜる。
  3. 漉し器を通して流し缶に注ぎ入れ、湯気のたった蒸し器で約20分蒸す。
  4. 粗熱をとって冷蔵庫でよく冷やす。
  5. 海老は背ワタを取って塩茹でにする。
  6. <B>を煮立てて冷まし切り分けた枝豆豆腐にかけて盛り、エビと貝割れ菜を天盛りに。

書籍

四季の暮らし絵教本

『四季の暮らし絵教本』

平家に生まれて6歳6ヶ月から叩き込まれた四季折々の行事、慣習の起こりと料理を次の世代に残すべくまとめてあります。英、米、仏でも発売され、日本の文化を学べると国際文化賞を受賞した本で、食育の始まり本です。

著者 中山桜甫
出版社 アズコミュニケーションズ
価格 税込2,446円

ご購入はこちら