料理を教える人を増やしたい

  栗田 登志子さん顔写真

栗田 登志子さん

インタビュー連載 第4回

今月のサロネーゼは、神戸市内で2つの『栗田クッキングサロン』を主宰する栗田登志子さん。家庭料理、日本料理、パン・スイーツなど多彩なレッスンで教えるレシピは、自宅でも確実に作れると、超初心者の方から本格的にお料理を学びたい方まで幅広い層の生徒さんに支持されています。最終回(全4回)は、栗田さんに伺った教室運営の工夫やこめている思いなど、インタビュー後半をご紹介します。

掲載日:2011/4/25(月)

工夫次第で料理は楽しくなる

───レッスンでは豊富な知識に驚きました。何を聞いても答えてらっしゃいますし、手間を省くコツや工夫もたくさん伝えてらっしゃいますね。

栗田さん
 いえいえ、長くやってますから、やりながら学んだことも多いです・・。

みなさんお料理を作るのは嫌いじゃないと思うんですが、それ以外の余分な作業が多いと面倒になってしまうんですよね。

たとえば、テレビの料理番組ではボールも山ほど出して使ってますけど、洗うの大変ですよね(笑)。きっと同じようにしている方が多いと思うんですけど、ちょっとの工夫で洗い物も少なくできますし、とにかく料理を気軽に作ってもらえるようにしたいな、と思ってます。

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───家で再現していただくことが重要ですよね。

栗田さん そうなんです。以前は懐石をやってたので、すーっごい手間をかけていましたが、生徒さんに「ここではできるけど家ではできないな~」と言われたことがあって。

だったらもっと手間がかからなくて、でもおいしくて見栄えがいいお料理をお教えするようにしよう、と思って変えていったんです。

───簡単でおいしくて見栄えがいい、しかも洗い物が少ないって嬉しいですね~。

栗田さん 子育てや家事をこなす生活の中で編み出していったこと多いですね。

DVD付レシピブック

───それにしても、これだけコースが多いとレシピ開発に悩みそうですが、どうされていますか?

栗田さん やはり大変ですよ~!いつも考えていますね。
外食するときはそのお店のメニューを見て「なるほど~」と参考にしたり。

そして、家の晩御飯が試作と試食タイムです(笑)。

───レシピと言えば、先日DVD付のレシピブック「お家が料理教室」も発売されたそうで。

栗田さん そうなんです。和・洋・中の基本のおかずのほか、基礎知識やコツをギュッとまとめました。DVDでは全行程の作り方を動画でご紹介していて、知っているようで知らなかった料理の基本が簡単にマスターできる内容です。

DVD付レシピブック「お家が料理教室」

───37点のレシピが動画でも学べてこの価格(税込2,940円)はとてもお手頃に感じます。

栗田さん ありがとうございます・・できるだけ沢山の方にこれを見てお料理を作れるようになって頂きたいという思いから、この値段設定にしました。結婚を控えている方や一人暮らしを始める方へのプレゼントなどにも喜んでいただいています。

また来たくなる工夫

───レッスンでは、料理を「面倒」と思わないための工夫がいっぱい詰まっていましたが、教室運営でもアイデアがいっぱい。ポイントカードもあるんですね。

栗田さん はい、手作りのポイントカードをご用意して、1回ご参加ごとにレッスン料に応じて1~2ポイント押し、たまった点数ごとにプレゼントをお渡ししてるんです。

同じ通っていただくなら、楽しみがあったほうがいいかなと思いまして。賞品は、私が実際に使って気に入ったものを選んでいます。

ポイントカード

───通う楽しみになりますね。あと、レシピにも工夫を感じました。下ごしらえのポイントがしっかり書かれていて、復習しやすそうです。

栗田さん お家でも作ってもらいたいので、再現しやすいように、わかりやすく書くようにしています。でも、その日の朝の仕入れによっては食材を急きょ変えなければならないこともあって、結構直前までレシピを直していることもあるんです~。

───そうでしたか・・。栗田さんは食材にもとてもこだわっていらっしゃいますよね。野菜はオゾン処理をして使うそうですね。

栗田さん はい、野菜もなるべく国産のものにこだわっていますが、みなさんにより安心して召し上がっていただきたいので、オゾン水で洗ってから使っています。

調味料も気を配っていますし、あと、出汁も大切ですから、昆布、カツオも良いものを使うようにしています。

昆布、カツオ、野菜オゾン処理

でも、高いものがよい、という考えではないんです。健康的で経済的な家庭料理の大切さを伝えたいなと思っています。

やってみて良かった!

───もう12年も続けていらっしゃるとのこと、これまで教室運営で何か苦労したことなどありますか?

栗田さん うーん、あんまり苦労ってなかったですね・・。

───好きなことだと大変に感じないのかもしれないですね。それでは、教室を始めてよかったと思うことは?

栗田さん それはもう、やってみて良かったことばかりですよ!
人に喜んでもらえる仕事ですし、家族にも毎日いろいろ工夫した料理を食べてもらえますし・・。

あと、夢を持てるようになったことが大きいですね。
以前、専業主婦で子育てに追われていたときは、「夢って持つだけ悲しくなるな・・」って思ってたことがありましたが、今は夢があります。

───いきいきしてらして素敵です。どんな夢ですか?

レッスン風景

栗田さん 同じように教室を開く人が増えて、お料理を習う人がもっと増えたらいいな、と思っています。

最近、子供の食育がよく話題になりますよね、すぐキレる子供も増えているとか・・。
食べることってとても大切で、影響あることだと思うんです。

料理って愛情。それが伝わると、家庭や子供がよくなっていくと思うんです。どんな料理でも、子供ってお母さんが作った料理が嬉しいですよね。

講師資格コースもやっていますが、そのためにも、料理を教えていける人を育てていきたいです。

───とても共感します。手作りで伝わることって大きいですね。


料理以外のことをどれだけ伝えられるか

───これから教室を開きたい方へアドバイスをお願いします。

栗田さん そうですね・・やっぱり、楽しんでやることが大事だと思います。これで儲けようとか、自分をカッコよく見せようとか、自分中心に考えていると、なんとなく伝わっちゃうと思うんです。
来て下さった方が喜んで下さることが楽しい、と思えることが大切だと思いますね。

あと、講師資格コースの生徒さんにも伝えていますが、料理だけ教えていたんではだめで、どれだけ料理以外のことも伝えられるかも大事。

ひとつでもいいから、「今日来て良かった」と生徒さんに思っていただけるよう、私も心がけています。

栗田さん&レッスン風景

───なるほど・・。料理以外のことも学べて、ほっとできて楽しくて・・それこそが自宅教室の魅力だと思います。

栗田さん そうですね。そして、気配り目配りが大切だと思います。あと、料理以外のこともいろいろ勉強したり、知っておくことも大切だと思います。

───お料理が本当に好きで、そして教えることを楽しんでいらっしゃって・・。素敵な生き方ですね。お話をうかがってこちらまで元気をいただきました。今日は本当にありがとうございました!

栗田さん こちらこそありがとうございました!

いきいきと輝く瞳で話してくださった栗田さん。あふれるアイデアと工夫で楽しくレッスンを展開していくその原動力は、お料理への愛情と情熱、そして家庭料理の大切さを伝えたい「思い」だと感じました。教室を開く方を応援したい、という栗田さんの今後ますますのご活躍がとても楽しみです!

(おわり)

前回のインタビューはこちらから

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=伊藤裕司

プロフィール

栗田 登志子さん

栗田 登志子(くりた としこ)さん

『栗田クッキングサロン』主宰

1964年生まれ 武庫川女子短期大学英文科卒業。
その頃から本格的に『フランス家庭料理』『家庭でできる中華料理』『パン専科』など習い始め、『基礎料理及び懐石料理』を3年間に亘り習得。その後助手を務めながら知識をより深める。
女子栄養大学 専門料理過程を終了し、1999年「栗田料理教室」開設。現在は「栗田クッキングサロン」として教室を主宰。現生徒数 約200名。
2010年より携帯電話(docomo、au、softbank)公式サイト 会員制『ケータイ料理教室』のレシピ、動画制作及び監修。現在会員数約5000名
教員認定師範1級  食育インストラクター 1級 フルーツ & ベジタブルJ.マイスター 西日本料理学校協会会員校


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レシピ

鯛の桜蒸し

鯛の桜蒸し
材料

鯛切り身・・・適宜

【A】
道明寺粉・・・50g
出し汁・・・50cc
塩・・・小1/8
砂糖・・・小1
食紅・・・少々

【銀あん】
出し汁・・・200cc
みりん・・・小1
うすくち醤油・・・小1
塩・・・小1/8
くず粉・・・10g

桜葉塩漬け・・・5枚
桜花塩漬け・・・適宜

作り方
  • 鯛は両面に薄く塩をし、ペーパーにくるんでしばらく置き、真ん中に切り込みを入れておく。
  • 道明寺粉は【A】を合わせた出し汁に水分が無くなるまで漬けておく。
  • 鯛で【A】の道明寺をはさむ様にし、さっと洗った桜葉で巻いて、蒸気の立った蒸し器で10分蒸す。
  • 【銀あん】の材料をすべてお鍋に合わせて、くず粉をよく溶き、混ぜながら火にかけて煮立ててから火を止める。
  • 桜蒸しを器に盛り、銀あんをかけて塩抜きした桜花をのせる。

レシピ

しぐれ飯

しぐれ飯
材料

鯛刺身・・・1さく

【A】
練り胡麻・・・20g
たまり醤油・・・大1
濃口醤油・・・小1
砂糖・・・小1/2
すり胡麻・・・大1
わさび・・・8g

【B】
つくね芋(大和芋でもOK)・・・150g
だし・・・70cc
みりん・・・小2
薄口醤油・・・小1

ご飯、うずら卵、青海苔、海苔・・・適宜

作り方
  • 鯛刺身は薄造りにし、【A】を合わせたたれに15分程つける
  • つくね芋(大和芋)は皮をむいて水につけてあくを抜く
  • つくね芋(大和芋)をすりおろして【B】と合わせる
  • ご飯に【B】のとろろをかけ、刺身を並べる。
  • さらに、青海苔を振ってうずら卵をのせ、海苔を色紙に切って散らす。