「長久手キッチンスタジオさわわ」主宰 さいとうけいこさん
自分が食べるものを一から作る
――「食べることの大切さを伝える」ためにまず「作る楽しさを伝えよう!」と決意しパン教室を開始されたのですね。大きな目標があるのですね。
さいとうさん はい、そうなんです。
近しい人の発病を機に食べることの大切さと、あまりにそれをないがしろにしている人が多いことに気づき、自分はなにができるのだろうと真剣に考えました。
それまで食事に無頓着だった自分自身も反省し、大切さを伝える立場の人になるために、まずは自分が食の知識をつけようと様々な勉強をしました。
栄養学の勉強もしましたが、そこでわかったのは、栄養だけではないな、ということでした。
自分が食べるものを一から作ることも学ぼうと、「製造現場のためのパン作り」と「理論」を専門学校で学び、その後「家庭でのパン作り」を大手パンスクールで学びました。
そして、講師資格を取得したあと、自分の教室を立ち上げてオリジナルレシピを教え始めました。
目標である、食べることの大切さを伝えるための第一歩として、作る楽しさを伝えたいと思ったのです。
天職だと思っていた舞台の世界から、確固たる信念とともに食の大切さを伝える立場へ。
――確かに、「作ることを知る」ことで、「食べること」に一層関心が高まりますね。
最初はどのように集客をしましたか?
さいとうさん 知人に声をかけたり、チラシを作ってご近所にまいたりしました。また、ブログとホームページを開設しました。
おかげさまで、1回来てくれた方の8~9割はまた次回来てくださり、どんどんリピートが増えていきました。
――HPもわかりやすくてとても充実していますね。
さいとうさん ありがとうございます。こんな教室を求めてくださっている方に届くように、HP、ブログ、SNSも、自分のカラーを出すように意識しています。
肩の力を抜いて、楽しんでもらいたい
――その情報が欲しい方にまっすぐ届くように発信することはとても大切ですね。
また、1回1回のレッスンが充実しているからこそ次の参加につながり、通い続けてくださるのだと思います。
お教室運営はどのようなことに気を付けていますか?
さいとうさん 参加者さま全員がバランスよく楽しんでいただけるように、また、困っていることはないか、望んでいることは何かなどを感じとれるように心掛けています。
――レッスンを拝見していて、生徒さんおひとりおひとりに気を配っていらっしゃるのを感じました。それは居心地のよさに繋がっていると思います。
さいとうさん 特に初めてやおひとりでのご参加の方は、緊張したり上手に作らなきゃ、と思って肩に力が入っていることが多いんです。なので、なるべく肩の力を抜いて、くつろいだ気持ちでパン作りを楽しんでいただけるようにしたいと思っています。
上手じゃなくて全然大丈夫、気楽に作ることを一緒に楽しんでいただきたいです。
あと、社会のニーズやトレンドの変化にも敏感でいれるようにしたいと思っています。それを取り入れたり、自分が進化していくことも大切だと思っています。
レッスンで学べる様々なパン。初心者の方もじょじょにステップアップし楽しみが広がります。
――お教室を始めてみていかがでしたか?
さいとうさん ご参加のたび皆さんの技術が向上していく様子や、意識が変わっていく様子を感じることができて、とても嬉しいです。始めてよかったなと思います。
――ご自宅からステップアップしてキッチンスタジオを運営されているわけですが、育児、家事との両立は大変ではないですか?
さいとうさん なんとかなっています(笑)。大変なこともありますが、まわりの方もあたたかくサポートしてくださり、感謝しています。うちの広報マンの応援も心強いです!
――広報マンがいらっしゃるのですか?
さいとうさん 中学生の息子です(笑)。小さいときから自宅パン教室でよく手伝ってくれましたし、今も応援してくれていて、とてもありがたいです。
使命を持って、目指すこと
――今も勉強していることはありますか?
さいとうさん 食に関しては、調理科学や食育法、被災時の食事づくりなどを勉強中です。
また、これからレッスンを任せられる人も育てていきたいですし、教室を運営する上でも必要だと思う、心理学、コーチング、ファシリテーションといったことも学んでいます。
――それは素晴らしいですね。
さいとうさん 教室運営はいろいろな方と接する仕事でもあります。ご参加者さまをお迎えするにあたり、こうした知識も深めたいと思っています。
お子さん向けのレッスンでは、料理を通じて様々な力と知識、知恵を身に着けられます
――最後に、これからの夢や展望を教えてください。
さいとうさん おうちパン教室の1stステージレッスンをいずれは認定講師に任せ、小学生放課後キッチンを拡大したいと思っています。また、食育関連の講演活動も開始予定です。
「食べることの大切さを伝える」という目的に向かい、活動範囲を広げ、これからも努力していきます。
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夢というより、使命を持ち、お教室の枠を超えて目標に向かいまっすぐに走り続けているさいとうさん。「食」が持つ大きなパワーを、これからも幅広い方々に伝え続けていかれることと思います。
これからのご活動もますます楽しみです!
(おわり)
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=蟹江宏樹
プロフィール
さいとうけいこさん
エンターテイメントの世界から食の世界へ、「食べることの大切さ」を伝えたいとの思いから転身。主宰する『おうちパン教室sawawa(旧ひなたぼこ)』『 おうちごはん研究所』では空気感を大切にしたレッスンやイベントが好評で、店主をつとめるカフェ「茶和話」では地域産の野菜を取り入れた季節感のあるランチや、バリエーション豊かなシナモンロールを提供している。2016年度からは名古屋市内幼稚園での食育活動へ参加を開始した。
製菓衛生師。東邦ガスクッキングサポーター。キッズキッチンインストラクター。おいしさ学講師。長久手市アートスクール講師。 第一次長久手市食育推進計画策定委員。
サロン情報
長久手キッチンスタジオさわわ
<おうちパン教室sawawa>では身近な材料を使った、日々の‘おうちパン’を紹介させていただいています。
少人数で、のんびりお茶を飲みながら「わからないことを気軽に質問できる」レッスンでは、ご自宅でのパンづくり環境に即したご案内ができるように心がけています。
お子さまをお連れの方も、ご参加OK!予定の時間どおりに進まないこともありますが、にぎやかで、結構楽しいですよ♪
<おうちごはん研究所(chigo研)>では、ごくごく自然に食事づくりを身につけるために、多世代交流の中で食事づくりを楽しむ「楽会」と小学生の経験の場を提供する「小学生 放課後キッチン」を開催。いずれもラボメンバーで企画、運営しています。
ジャンル:
家庭料理、パン、食育
サロン特長:
初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、子連れOK、少人数制(6人以下)、体験教室あり、子供教室あり、予約制、駐車場あり、レンタルあり
所在地:
愛知県長久手市岩作中縄手3-4 コーポ東家101 茶和話内
ホームページ、ブログ:
https://sa-wa-wa.jimdo.com