予約の取れない自宅教室
~人気レッスンの魅力をレポート~

多くの方にパンづくりを楽しんでもらいたい

河合香(かわい かおる)さん

河合香(かわい かおる)さん

インタビュー 連載第4回

福岡市にあるK’s Kitchenは、ビジネス街のスタイリッシュなビルの一室にありながら、都会の喧騒を忘れるようなゆったりのどかな時間が流れるパン教室です。その秘密は主宰である河合香さんの、ふんわり柔らかなお人柄にありそう。今月は少人数制が好評のパン教室・K’s Kitchenの応用コースのレポートを織り交ぜながら、河合さんのサロン運営のこだわりをお伺いしていきます。

掲載日: 2010/2/8(月)

サロン運営への責任感

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――少し実務的なことも伺っていいでしょうか。
 河合さんが使われて使い勝手のよかったグッズなどがあればぜひ教えてください。

河合 とにかく手軽にパンづくりを楽しんでいただきたいので、器具や食材は手に入りにくいものはあまり使いません。ここにあるのはどこでも買えるようなものばかりです。

 たとえば、生徒さんに人気のグッズは教室で使っているこね台。ここに来られたほとんどの方が真っ先に買われます。
 キッチンの調理台に手ごね用のスペースがとれればいいのですが、1人暮らしのワンルームや、一般のご家庭でもまな板の上になってしまったり、なかなか難しいですよね。それで、教室でも使っているポータブルなこね台がとても人気なんです。
 でも、喜んで台を買われて帰ったら、「先生、はかりがありませんでした…」という方もいらっしゃるんですよ(笑)。

 シリコンの刷毛もおすすめです。
 教室では卵用、バター用とそれぞれの刷毛を用意できますが、ご家庭ではなかなか用途ごとに刷毛を準備できませんよね。卵の匂いも付きにくく、洗うのもかんたんなので、特別繊細な作業でなければシリコンがいいと思います。
 熱に強いので熱いワッフルの表面に塗る場合などにも使えますし。

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――では運営上、気をつけていることなどはありますか?

河合 運営上は、とにかくトラブルのないように注意しています。

 たとえば、食中毒が出るのは一番怖いですから、生ものは扱わず、かならず火を通したものを試食していただいたり、持ち帰っていただくようにしています。

 それから、教室以外で生徒さんと会うことは、なるべくしないようにしています。
 もちろんK’s Kitchenという場では、個人的なこともいろいろおしゃべりしますし、妊娠中に来てくださっていた方が赤ちゃんを連れてきてくださったり、お友だちのような関係性はうれしい面もありますけれどね。

 サロンを主宰する方によって、生徒さんとのおつきあいをどうするか、考え方はいろいろだと思いますが、私はそんなふうに自分の中でルールをつくっていて、ほどよい距離感で居心地よくやらせていただいています。

 自分のサロンをもつことは得るものが多く、楽しいのですが、それには主宰としての責任が伴うものと日々、気を引き締めています。

あくまで〝家庭のキッチン〟を舞台に

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――今後はどんな展望をお持ちでいらっしゃいますか?

河合 あまり野心的なほうではないので(笑)、おうちでパンづくりをされる方が1人でも増えればな、と思っているくらいですね。

 いろんな方にパンづくりを体験していただきたいから、少人数制にして間口を広げているんです。

――河合さんのレッスンは月に約50回と伺って、すごい回数!と思ったのですが、そういう意図があったんですね。

河合 ええ。体験コースと、基本、応用、特別講座以外にも、一度習ったパンをK’s Kitchenでもう一度つくってみるフリーコースもあって、ご家庭にパンをつくる場所がないとか、人にプレゼントしたいけれど一人でつくる自信がないという方にも好評いただいています。
「食パンを極めたい!」と何度もいらして、上手になるまでがんばられる方もいらっしゃるんですよ。
 通常のレッスンは私が下準備をしますが、フリーコースは材料の計量からご自分でやっていただけます。

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――なるほど。

河合 私自身は、今後、結婚や両親の介護などで、ライフスタイルが変わることがあっても、その時々の無理のない形で、食にかかわる仕事が続けていけたらいいなぁと思っています。

 教室の規模を広げることはあまり考えていなくて、教える私も、勉強に来てくださる生徒さんも、あくまで〝家庭のキッチン〟を舞台にできたらと思っています。
 ここにいらっしゃる方は、「このあいだのパン、主人がおいしかったって」とか「焼いてみたけれど失敗しちゃいました」と報告してくださいます。ちゃんとつくっていただいてるんだなーという実感が感じられるのが私のやりがいなので、今後もそういう感覚が得られるようにこぢんまりと続けていけたらうれしいです。

 それから、ワインやスパイス、ハーブの勉強もしてみたいんですよね。

――Dreamia Clubのショッピングサイトでもオーガニックワインを販売しているので、一度ぜひご賞味ください!

河合 まあ! オーガニックは最近人気ですものね。ぜひ(笑)。

――では最後に、河合さんの理想のキッチンを伺えますか。

河合 そうですね…一日中ずっとキッチンにいるので、リビングと一体になったようなキッチンが理想ですね。自分のお気に入りのインテリアや雑貨に囲まれて過ごせたら いいなあと思います。
 やはりアイランド型がいいですね。大きなアイランドなら、そこで生地をこねたり成形したりもできますし。

河合さんの1日のスケジュールを伺ってみると――

1日のスケジュール(レッスンが2組入った場合)

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7:00・・・起床
8:00・・・朝食・身支度・メールチェック・掃除
9:00・・・レッスン準備
10:00・・・1回目レッスン開始
13:00・・・1回目レッスン終了・片付け・昼食
14:00・・・2回目レッスン開始
17:00・・・2回目レッスン終了・片付け
18:00・・・買い物
19:00・・・夕食・プライベートタイム
23:00・・・メールチェック・レシピ準備
24:00・・・就寝

たしかに、ほとんどの時間をキッチンで過ごされています!

 K’s Kitchenのレッスン枠は、10時、14時、18時から、それぞれ2時間半が基本。個別レッスンなので相談すれば受講者の都合に合わせてくださるとのことです。
 予約は公式ホームページに掲載されているメールでも電話でも可能。「レッスン中は電話に出られないので、メールのほうがつながりやすいかも」とのことです。体験レッスンもありますので、ぜひ一度、パンづくりに挑戦してみてください。癒されます!

(おわり)

企画構成=深澤真紀(タクト・プランニング
テキスト=橋中佐和(タクト・プランニング
インタビュー/写真=宮野友紀子(Dreamia Club)

プロフィール

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河合 香(かわいかおる)さん

K’s Kitchen主宰/食育指導士

1966年福岡生まれ。
会社員時代に友人に誘われて行った料理教室で横野律子先生と出会い、
家庭料理の大切さを学び、食に興味を持つようになる。
1994年より横野先生の自宅料理教室に通い始め、
アシスタント等を経験し、現在に至る。
2006年、手ごねパン教室「K’s Kitchen」をOPENさせる。
2007年より「西部ガス香椎教室」にて「初めてのパン作り」講座を担当する。
現在も自宅教室「K’s Kitchen」と「西部ガス香椎教室」にて楽しいパン作りを実践中!

サロン情報

K’s Kitchen
ホームページ、ブログ:
K’s Kitchen HP

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