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~人気レッスンの魅力をレポート~

「デリス ド キュイエール 川上文代料理教室」主宰 川上文代さん

川上文代 さん

川上文代 さん

今月のサロネーゼは、都内渋谷区で「デリス ド キュイエール 川上文代料理教室」を主宰する川上文代さん。 フランス料理、イタリア料理を中心に少人数で本格的な内容が学べるレッスンには、初心者からプロまで、全国から幅広い生徒さんが通います。 今回は毎月開催されているフランス料理レッスンにお邪魔し、その模様と川上さんのインタビューを4回にわたりご紹介します。 第2回目は、レッスンレポート後半をお届けします。

掲載日:2015/2/9(月)

プロならではのコツをたっぷりと


下準備とレシピの説明が終わったら、早速今日の課題でもある「チョコレートのテンパリング」の開始です。

テンパリングとは、チョコレートに含まれるカカオバターを分解し、細かく均一の粒子に結晶させて融点を同じにするための温度調整のこと。 テンパリングをすると、美しい光沢が出てなめらかで口溶けの良いチョコレートに仕上がります。

「では今からテンパリングをします。温度と時間がとても大切で、1分でも違うとうまくいきません。
テンパリングがうまくいかないと艶がなく、口どけが悪く、砂糖の結晶が表面に出て白い皮膜におおわれるブルーム現象が起きてしまうので気をつけてください。

溶かしたチョコレートを流し入れて固める型をモールドといいます。いろいろありますよ。これは私がフランスで30年前に買ったものです。こちらは・・・」

チョコレートのための専用の型もいくつもあり、年代ものに皆さんも興味津々な様子。そのほか、川上さんがフランスに行くたび買ってきたという日本では珍しい調理道具もたくさんあり、そうしたプロならではの道具の情報も勉強になります。

温度や状態の見極めなど、細かいところまで指導。プロのコツをたっぷり学べます


「ハイ、では溶かしていきますよー。ヴァローナ・スイートチョコレートの場合は53度~55度で溶かします。それ以上になったら風味もなくなるので気をつけてください。
その後温度を下げるので、水を入れたボウルを用意しましょう。いま水道の温度ってどれくらいでしょう?室温も考えて調整してくださいね」

温度管理はテンパリング成功の鍵。見極め方やタイミングなど、細かに伝えていかれます。
時間も大切とのことで、生徒さんも真剣な表情で手元に力が入ります。
全員で協力して行い、型に流し入れ、トリュフも作り、無事に終了!

「できましたね~。ではここを全部片付けて、これから料理しましょう。みんな終わった気になっているけど全然料理やってないの知ってる~?」

川上さんの明るく楽しい話し方に、緊張の続く作業を終えた生徒さんちが思わず笑顔に。

「お疲れ様でした!では鴨いくよー。鴨は室温に戻しておいてください。こんな風に筋があるので取っていきます。そして皮目に切り込みを入れます。包丁を上にむけて・・」

食材の扱い方、包丁の持ち方、細かい作業のコツを実演しながら伝えていきます。

「皮のはじのほうも切り込みを入れます。なぜでしょう?そして塩、胡椒をします。胡椒は白と黒、どっちだった?そう、赤みの肉には黒胡椒でしたね。赤みの肉ってほかに何がありますか?」

生徒さんに質問を混ぜながら、関連するたくさんの情報も提供。なぜこの作業が必要か、なぜこの調味料をこのタイミングで使うのかなど、ひとつのメニューを学びながら多くの知識を得ていきます。

調理法もその場で決定!みんなで作り上げるレッスン


「では鴨を焼きますが、オーブンと直火とどちらがいい?直火?そう?オーブンのほうがカンタンだけどじゃあ直火でやりましょう!」

皆さんのリクエストで直火で焼くことに決定。このように調理方法をその場でリクエストに応じて選ぶこともよくあるそう。

直火で調理することなりましたが、オーブン調理の場合についての説明も交えます。香ばしいにおいが広がり、鴨がこんがり焼けてきました。

「だんだん焼けて弾力が出てきたね。さわってみて。わかる?ちょうどいい塩味ですね」

「わ、こんな塩味でいいんですね!」

「そう。これくらいがちょうどいいんです。覚えておくださいね」
調理中、常に食材の状態と味の変化に注意するよう、五感を使って確認していきます。

料理はタイミングも大切。食材の状態を一緒に確認し、味見も。五感で身につけます


「次にソースを作って、そして塩干し鱈のブランダードにいきましょう!」

本場から取り寄せているという塩干し鱈。日本のものとずいぶん違いや特徴があり、それも丁寧に伝えます。

「チョコや鴨も塩干し鱈も欲しい人は買って帰れますよ~。あとで言ってくださいね」

教室では食品の製造販売許可も取得しているので、食材のほか、例えば塩レモンなど、ここで作られたものの販売もしています。レッスンで習ったメニューの食材をその場で購入してすぐに家で復習できるのはとても嬉しいことです。

「じゃあ○○さんと○○さん、鱈をほぐしてください。ほぐして混ぜて、そうそうそんな感じ!」

生徒さんにまんべんなく役割分担してもらい、全員で仕上げていきます。

通い続けたくなる魅力


「できましたね!ではお皿を持ってきて盛りつけよう!」

生徒さんのお一人がお皿を選んで持っていらっしゃいました。
教室では幅広いレッスンがあるので、お皿の数も膨大です。そこから生徒さんのセンスで選んでいきます。

料理を仕上げる人、洗いものをする人、カトラリーを準備する人、グラスを並べる人、それぞれ積極的に動いて試食の準備が完成。テーブルにはレストランのような美しいお料理のお皿が並びました。

「赤と白があります、ワイン飲みたい方はどうぞ~。今日は生徒さんが持ってきてくださった町村バターがあるからみんなでいただきましょう。これすごくおいしいんですよ。あとトマトやパイナップルのジャムもあるからパンにつけて食べてみて。
ではみんなで乾杯しよう!お疲れ様でしたー!」

乾杯してお楽しみの試食タイムです。おいしいー!と早速声があがります。

「先生はよく、珍しい食材や調味料を出して試食させてくださるんです。知らない食材も多いですし、とても勉強になり嬉しいです」

と生徒さんが教えてくださいました。

試食の準備も全員で協力して。乾杯のあとは美味しい情報交換も楽しみながら


ここで生徒さんにお教室の魅力を伺ってみました。

「TVや本で先生のお名前を知り、ホームページを探してお教室に参加するようになりました。いまで2年目です。お教室の魅力は何と言っても先生の気さくなお人柄と、良い食材に出会えることです。
調味料なども、いつも珍しいものを惜しみなく試食させてくださり、とても勉強になります。
また、おひとりで来ている方が多いので、参加しやすい雰囲気も良いと思います」

「これまでイタリア料理は習っていましたが、フランス料理をきちんと学びたくてこちらに通い始めました。
本格的なフランス料理を基礎から学べるところはなかなかないので、とても貴重だと思います。本物の料理と技術が学べますし、ワインなどそのほかいろいろなレッスンがあるのも魅力です」

「イタリア料理とフランス料理、両方のレッスンに参加しています。先生と近い距離でプロの技術が学べるのがよいと思います。毎回新しい知識に出会え、通うのが本当に楽しいです」

と、本格的なレシピを先生と近い距離でアットホームな雰囲気の中学べること、そして先生の気さくなお人柄が魅力だと教えてくださいました。

初心者でも安心して通える雰囲気でありながら、本物の食材と本物の料理に出会え、しっかりプロの技術が身につくレッスン。
通い続けることで確実に料理の腕も意識も向上する、とても素敵なお教室でした。

次回は、お教室情報や川上さんがお教室を開いたきっかけなどを伺ったインタビュー前半をお届けします。どうぞお楽しみに!

Q&A人気サロネーゼに7つの質問

Q.1 レッスン開催情報を教えてください。
A. フランス料理とイタリア料理レッスンのコースを軸として、家庭料理、季節の料理やお菓子、パティシエコースや、私の著書から選んだメニューを学ぶレッスンもあります。また、他の講師によるパンやワイン、タイ料理などのレッスンや、食と健康、食と農に関する講座なども開催しています。

Q.2 お教室のコンセプトは?
A. 一言でいえば、「食を通して幸せになろう!」です。手作りの良さと料理の楽しさを伝え、食を通して、作った人も食べた人も幸せになる機会を広げていきたいと思っています。

Q.3 お教室の特徴は?
A. 少人数でアットホームな雰囲気のなか、本格的な料理を学べます。
様々な調理道具、調理器具もそろっていますので、それらの使い比べや、料理以外にも食に関わる講座を開催しており、幅広く学んでいただけます。
一回支払制なので、お好きな時間にお好きなコースを選んでお気軽にご参加いただけます。

Q.4 どんな生徒さんが多いですか?
A. 初心者からすでにプロとして活躍している方まで、年齢層も含め幅広い方に参加していただいています。これからレストランや料理教室を開きたい方やすでにプロとして活躍している方も多くいらっしゃいます。

Q.5 レッスン中心がけていることは?
A. 本物の食材を使い、生徒さんが家庭で作りやすいように伝えています。必ずポイントポイントで味見をしていただくこと、全員に作業してもらうこと、全員と会話をすることを心がけています。
参加してくれたみんなに、今日は来て良かった、楽しかった、いっぱい学べた、美味しかった、自分でも作れる、と思ってもらいたいので、いつも生徒さんの立場に立って考えるようにしています。

Q.6 いまも勉強していることはありますか?
A. 料理だけでなくハート面でも、生徒さんに「来て良かった」「通っていて良かった」と思ってもらい続けることができたらいいですね。
そのためにも私自身も幸せで、心の底から笑顔であり続けたいと思います。

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介

プロフィール

川上文代さん

川上文代さん
1983年、辻調理師専門学校を卒業。同校職員として12年間勤務。
この間、フランス三ツ星レストラン”ジョルジュ・ブラン”での研修をはじめ、辻調理師専門学校(大阪)、同グループであるフランス・リヨン校、エコール辻東京にてプロ料理人の育成に勤める。
●1996年、東京・広尾に「デリス・ド・キュイエール 川上文代料理教室」を開設。
持ち前の明るさと気さくな性格と確かな技術に裏打ちされた”本物の技”は知る人ぞ知る存在となっている。
教室では本格的なフレンチ・イタリアン・パティスリーを中心に、基本の家庭料理、世界の料理、オリジナリティ豊かな料理を提案。

サロン情報

「デリス・ド・キュイエール 川上文代料理教室」
デリスは「おいしい」、キュイエールは「スプーン」という意味です。『美味しい料理は、本では学べない”さじ加減”が大切!』という思いを込めて名づけました。
本当の料理を知りたい!レストランや料理教室を開きたい!食べること、作ることが大好きな方のための教室です。

ジャンル:

家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、韓国、インド、エスニック、パン、洋菓子、おもてなし、テーブルコーディネート、その他

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、夜間開催、土日開催、お友達同士歓迎、男性参加OK、予約制、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり

所在地:

東京都渋谷区広尾

ホームページ、ブログ:
http://www.delice-dc.com/

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