「Atelier Dupleix」主宰 マダムエミコさん
今月ご登場いただくのは、横浜市・大倉山と東京・渋谷区松濤でフランス菓子、パン、お料理の教室「Atelier Dupleix」を主宰するマダムエミコさん。 フランスやアメリカへ料理留学をし、レストランでの研鑽を積み帰国後は「ル・コルドン・ブルー代官山校」の助手に。その後独立してお教室を開講されました。 プロ並みの菓子やお料理が初心者でもわかりやすく学べ、テーブルコーディネートや盛り付けのセンスも磨けると、長年通う方が多数です。 今回は、9月初旬に大倉山のお教室で開催されたレッスンの模様とインタビューを4週にわたりお届けします。 第2回目はレッスンレポート後半です。
掲載日:2017/10/10(火)
納得するから記憶に残り、身に付くレッスン
アトリエにいい香りが広がり、業務用の大きなオーブンから焼きあがったシフォンケーキを取り出します。ふんわりと盛り上がってなんとも美味しそう!
しばらく置き、冷めてからデコレーションをしていきます。
「では冷めるまでの間に、デコレーションのデモをしますね。
まず型からケーキを抜く作業のポイントです。
このように、端にシフォンナイフを少し差し込みます。ナイフがいつも側面に沿っているようにまわしていってください。真ん中の穴のまわりは、ナイフを上下に動かすと取りやすいですよ。
底の面は、ナイフを横に入れていきます。一周したら回転台にのせて出してください。
ハイ、出せました。そうしましたら、カードでクラムを落として表面をきれいにしていきましょう」
具体的な説明でナイフの使い方がよくわかります。ケーキを型からきれいに出して整えることは、仕上がりに影響する大事なポイント。生徒さんも真剣なまなざしで見つめます。
一つ一つの作業の理由と細やかなコツを伝授。納得して、しっかり理解できます
「次に、シロップを打っていきます。ケーキを時計だと考え9時あたりを見て、ケーキをまわしながら塗っていくと良いですよ。このあとクリームを塗るのでシロップはいらないのでは?と思われるかもしれませんが、クラムをおさえて、ラム酒で風味がアップして美味しくなりますしクリームとの馴染みがよくなり、塗りやすくなりますので、ぜひ省かずにおこなってください。
続いてクリームを塗りますが、下塗りと本塗りをします。まず下塗りですが、クリームをひとすくいして、ポンとのせることを3回してパレットナイフでのばしていきます」
マダムエミコさんの説明は、「この作業をする理由と必要性」も丁寧に伝えていかれるので、なるほど!と納得して記憶に残ります。
下塗りのデモが終わったあたりでそろそろ皆さんのシフォンケーキが冷めてきたので、ケーキの型抜きから実習再開です。
失敗しても大丈夫!
「型から抜いてクラムのお掃除ができたら金台紙を敷いてくださいね。そしてシロップを塗っていきましょう」
「あ、先生、側面が少しはがれてしまいました!」
「それはクリームで糊付けできますから大丈夫ですよ!」
「先生、家で作るとこんなに膨らまないです・・」
「それはおそらく、こんな理由だと思います。まず・・・」
失敗したときのリカバリー法を学べるのも、レッスンに参加する大きなメリット。
型抜きのときケーキが欠けてしまった場合のきれいな直し方や、ケーキが思いのほか膨らまなかったときの理由と対応策なども交え、様々な質問に明確に答えていかれます。
皆さん真剣な表情でクリームの下塗りと本塗りを。きれいに塗るコツを学び、見事に完成!
クリームを均一にきれいに塗る作業は慣れないとなかなか難しいのですが、パレットナイフの持ち方から上手な使い方、真ん中の穴を小さなへらで塗るやり方など丁寧に学ぶので、初心者の方でもきれいにすばやくできていきます。
続いては本塗りです。今度はクリームを4回、ポンポンっとのせて広げていきます。
「デコレーションは思い切ってやってみて下さい。ゆっくりこわごわとやっていてはきれいに仕上がりません。結構勢いが大事です!」
皆さんの姿勢がしゃんとなり、スピード感を持ってリズミカルにパレットナイフを動かし、とてもきれいに本塗りも完了!皆さんに笑顔が広がります。
より美味しくなるコーディネートも提案
「では次にモンブランクリームでデコレーションしていきます。モンブランクリームは楽しみながらやってくださいね。
クリームはまっすぐ落とすのではなく、少し手前に落として真ん中に向かって絞り、少し手前で止めるときれいにできますよ。ハイ、こんなふうに重ねて絞っていきます。
そして内側に粉糖をかけます。そうすることで立体感がでます。栗をのせたら完成です。粉糖が飛ばないようにいったんエアコンを切りますね。
では皆さん、やってみてください」
「わー素敵!」
思わず皆さんから歓声があがります。
先生のお手本を参考に早速皆さんもモンブランクリームを絞って、粉糖をかけます。
マダムエミコさんは全員を丁寧にまわり、細やかにアドバイスを。
拝見していると、スペース的にはあと数名受講できそうに思うのですが、あえて1回の定員は4名と決めているそう。一人ひとり丁寧に向き合い、同じ精度で完成を目指すには、4人がベスト、とポリシーを持っていらっしゃいます。
そのため生徒さんたちの満足度が大変高いレッスンになっています。
おもてなしのヒントがいっぱいの、美しい盛り付けやテーブルコーディネートも提案
「できましたー!!」 先生のお手本と変わらないほど皆さん上手に完成されました。
まるでお店で売られているかのような素敵な仕上がりに、皆さんも大満足のご様子。達成感が伝わってきます。
持ち帰り用の箱に入れ、冷蔵庫に保管したら、お楽しみの試食タイムです。
今日の秋色のケーキに合わせ、テーブルコーディネートはパープルをテーマカラーにして揃えたそう。お花もエレガントなパープルで、世界観が統一されていて、思わずうっとり。
「ただ作り方を学ぶだけでなく、こうしたおしゃれな盛り付けやおもてなしのアイデアが学べるのも大きな魅力です。先生のセンスはとても素敵で、真似できるポイントをたくさん教えてくださるので、毎回楽しみに通っています」
と生徒さんが教えてくださいました。
プロが作るような素敵なスイーツを初心者の方でも作れるように、しっかり基礎から学べ様々な工夫のあるレクチャーと、ケーキのイメージとぴったり合ったおもてなしアイデアも学べる、とても充実したレッスン。先生も生徒さんも楽しんでいらっしゃることが伝わるあたたかい雰囲気に包まれていて、私達も取材させていただきながら幸せな気持ちになりました。
次回は、お教室情報や始めたきっかけなどをマダムエミコさんに伺ったインタビュー前半をお届けします。
どうぞお楽しみに!
Q&A人気サロネーゼに7つの質問
Q.1 サロン/教室名の由来は?
A. フランス留学中に住んでいた、エッフェル塔にほど近いパリの住宅街の名前です フランスのエスプリあふれる空間を作りたい、初心を忘れないようにという思いでお教室名にいたしました。
Q.2 サロン/教室を開いたきっかけは?
A. 茶道教室をしておりました母の影響で、私もいつかはお着物でお琴教室をと思っておりました。 大学時代にグルメリポーターを経験したことがきっかけで、食の世界に魅了され、フランス留学に至り、「筝」のお教室のはずが、「食」のお教室になりました。 ジャンルは異なりますが、母もとても喜んでくれています。
Q.3 サロン/教室の特徴、コンセプトは?
A. 初心者の方でもひと工夫で、基礎クラスには見えない、華やかな作品をお作りいただけます。
Q.4 どんな生徒さんが多いですか?
A. プロ顔負けの技術と知識を持つ美食家、お菓子愛好家、パン愛好家、お料理愛好家、将来お教室を開きたい方、ワイン愛好家。
Q.5 レッスン情報(開催頻度やクラス内容、料金、定員など)
A. お菓子基礎、お菓子上級、パン(毎月開催)、お料理(年4回開催)。料金 8,000円、10,000円。定員 4~6名(個人レッスンもリクエスト可)。
Q.6 人気の高いメニューは?
A. ・少しのテクニックで上級者のお菓子に仕上がる、基礎クラスのメニュー
・ワインとのマリアージュが楽しめる、パンのメニュー
・プロ顔負けのお菓子に仕上がる、上級クラスのメニュー
・旬の食材を使った、四季のおもてなし料理メニュー
Q.7 初めて通ってみたい方へ、申込方法や持参するものは?
A. 希望曜日をメールにてお問い合わせくださいませ。お持ち物は、エプロン、ハンドタオル、作品を持ち帰るバッグ。
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=菊池友里
プロフィール
マダムエミコさん
「リッツ・エスコフィエ・パリ」卒業
「ICCカリフォルニア」卒業
「ピエール・エルメ」、「ルノートル」の他、
フランスやアメリカのレストランにて研鑽を積み帰国
「コルドンブルー代官山校」の助手を経て独立
フランス菓子、パン、お料理の教室を主宰
“マダムエミコ”の名で親しまれている
サロン情報
Atelier Dupleix
フランスのエスプリ溢れる空間で、初心者から上級者の方まで、本格的なフランス菓子やパン、旬の食材を用いたおもてなし料理、家庭料理を学んで頂いております。
ジャンル:
家庭料理、フレンチ、パン、洋菓子、おもてなし
サロン特長:
初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、予約制、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり
所在地:
神奈川県横浜市 / 渋谷区松濤
ホームページ、ブログ:
http://www.dupleix.jp