予約の取れない自宅教室
~人気レッスンの魅力をレポート~

Y’s Style主宰 蔵田由貴美(くらた ゆきみ)さん

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蔵田 由貴美さん

今月のサロネーゼは、東京と青森でフラワーデザインを教える「Y’s Style」を主宰する蔵田由貴美さん。食卓を彩るフラワーアレンジをはじめ、ライフスタイルに沿ったお花の新しいデザインが学べるとあって、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。故郷の青森で念願だった花雑貨ショップもオープンさせた、バイタリティあふれる蔵田さんの東京でのレッスンにうかがってきました。

掲載日: 2010/10/11(月)

 

東京・渋谷からひと駅、建築のすすむ首都高速道路・大橋ジャンクションの影響もあり、魅力的なSHOPの集積がますます期待される池尻大橋駅の近くに、蔵田さんの主宰する「Y’s Style」はあります。
駅から徒歩10分ほどで到着すると、「こんにちは~」と穏やかな笑顔と澄んだ声で蔵田さんが迎えてくださいました

「Y’s Style」のご紹介

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レッスンが行われるのは、ご自宅のリビングダイニング。テーブルには、すでに色とりどりの花材と資材が用意されていました。

今日の生徒さんは、長く通っている方、妊娠・出産を経て再開された方、駐在先の地方から戻っていらしたばかりの方、そしてDreamia Clubから事務局の塚原が参加させていただき、4名での開催です。

「Y’s Style」では、基礎からデザイン力を身に付けることのできる「プリザーブドフラワーコース」や、趣味でお花を楽しみたい方のための「Y’s Styleコース」もありますが、この日のレッスンは、生花の基本的な技術と知識をしっかりと身に付けたい方向けの「フレッシュフラワーコース」。「マミフラワーデザインスクール」の資格を取得できる人気のコースです。

季節に応じて厳選された様々な花材を使うこのコースプログラムのうち、今日のテーマは「野菜と花のデザイン」。
野菜それぞれのユニークな形、色、質感をいかし、花と混在させてそれぞれの良さを引き出してデザインする内容です。

ひとりひとりに用意されたミニかぼちゃやひょうたん、黒とうがらしといったユニークな形の野菜と花がどう素敵にアレンジされるのでしょう!?
花材を見ただけでワクワクし、早くも完成が楽しみです。

野菜も花と同じ素材の一つ

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レッスン開始時間になり、生徒さんが全員揃いました。
はじまりのあいさつと生徒さん同士のご紹介のあと、早速レッスンのスタートです。まずは、ホワイトボードを使って生け方や理論のレクチャー。

「今日のテーマは、『野菜と花のデザイン』です。
普段はブロッコリーや小茄子などを良く使うのですが、今日は花市場にミニかぼちゃやひょうたん、姫りんご、パイナップルなど、ちょっとかわったかわいいものがありましたので、これらを使っていきたいと思います。では、レジュメに沿ってやっていきますね」

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「野菜が主役でも花が主役でも、どちらでも良いです。野菜が主役というと意外かもしれませんが、花と同じ素材の一つと考えるとアイデアが広がります。例えばご自宅にトマトがたくさんあるとき、キッチンで器にトマトをメインに飾ってそこに花を生け、ハーブを添えても素敵ですよ」

野菜を花と同じように考えてデザインするとは、まさにキッチンや食卓にぴったりの楽しいアイデアです!
早速皆さんのイメージがどんどん膨らんでいるようです。

 

最初に明確なイメージを

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「生け方は、『グルーピング』でも、『アソート』でもどちらでも良いです。
同じバラならバラでまとめて生ける『グルーピング』にした場合モダンなデザインになりますし、一つの種類をあちこちに散らして生ける『アソート』で作ると華やかになります」

「また、一方見・四方見・両面見のどのデザインでも良いのですが、今日は四方見で作っていきますので、どこから見てもきれいなように、くるくるまわしながら作っていきます」

一方見とは、例えば玄関や棚に飾るのに適している、正面だけを向いているデザイン。四方見とは、テーブル花などに適している、どこから見ても正面に見えるように生けるデザイン。両面見とは、鏡の前に置くなど、自分が見ている面と、鏡に映っている面の生け方が違うデザインをいいます。

最初に、置く場所に合わせてどのパターンで作るか決め、完成形をイメージしながら生けることが大事なのだそう。

さらに、オアシスへの差し方など、技術的なレクチャーが続きます。

理論と実践に基づいたレッスンが特徴の「Y’s Style」では、資料も用意し、しっかりとポイントを伝えていきます。ロジカルでわかりやすく、穏やかで丁寧な蔵田さんの説明に生徒さんはなるほど、とうなずき真剣にメモを取っていらっしゃいます。

花器を手作り!

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続いて、今日の花材の説明です。

バラ(ビターラナンキュラ)、セダム、モカラ、てまり草、ハラン、キイチゴの葉、そして前述の野菜達に加え、姫リンゴ、パイナップル、プルーン、からすうり、など、どれをどう組み合わせようか様々なイメージが膨らむ個性豊かな花材たちを、蔵田さんは特徴や扱い方など、ひとつひとつ丁寧に紹介していきます。

コロンとした姿が可愛らしいパイナップルやひょうたんには、思わず生徒さんから「かわいい!」「おもしろい~」「どうやって使おう!?」と声 があがります。

「そして器ですが、ボウルや鉢型でも良いですし、食器やメタリック系のものもこのデザインにはとてもよく合います。何を使っても良いのですが、今日は器を手作りをします!」

「では早速始めていきましょう~」と蔵田さんが取り出したのは、サイコロ型の大きめのオアシス。これにハラン2枚を巻いて器に仕立てていくのです。

「この方法は、ちょうど良い大きさの花器がないときにも役に立ちますし、プレゼントの時にもおすすめです。もらった方もそのまま飾れるので便利ですよね。作るのは工作みたいで楽しいですよ~(笑)」

上手に作るコツを丁寧に伝えながら、蔵田さんがお手本を作っていきます。ナイロン袋にいれたオアシスを透明のセロハンで包み、それをハランで巻き、重なり部分を調整しながら両面テープで留めて出来上がり。

「ちょっと難しいかもしれませんが、丁寧にやれば大丈夫。まずはここまでやってみましょう~!」

蔵田さんの声かけで生徒さんも器作りに取り組みます。
ところが、ハランを巻くのがなかなか難しそう!
なにせ直線ではなく筋もある生の葉っぱなので思い通りにいきません。みなさん真剣なおももちで蔵田さんの手順を思い出しながら、試行錯誤しながら巻いていかれます。

蔵田さんのアドバイスを参考にベストな位置を見つけて留め、オアシスが見えないように上下を少しカットしてできあがり。みなさん美しい花器が完成しました。

「仕事より真剣になっちゃいました(笑)」「ちょっとした達成感を感じますね!」と、生徒さんの真剣な表情が笑顔に変わります。

全ての花材が主役

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「ではいよいよお花を入れていきましょう。最初にキイチゴの葉っぱでベースをカバーしていきます。だいたい3か所くらいに差します。次にセダムを差して、こうしてまず周りをうめていきます」と、まずは蔵田さんがお手本をデモンストレーション。

「次に、ここにバラを入れてみようと思います。長さは、器と同じ長さが上限です。茎を切る時は、なるべくななめにカットしてくださいね。吸水面を広くすると長持ちしますので」

蔵田さんは、差し方の細かな説明を交え手際良く茎を切りながら、バランスの良い場所に生けていきます。

「最終的にオアシスが見えなくなるように生けていきますが、全ての花材が主役になるよう、重なることがないように生けていってくださいね」

どれひとつとっても脇役ではなく、主役――。
丁寧に説明を続ける蔵田さんの言葉には、はしばしに花を愛し大切にしている思いがこもっていて、花もそれに応えているかのよう。次々にオアシスに生けられる花は、一番美しく見える角度を引き出され生き生きとしています。

そしてあっと言う間に、さっきまで1本1本それぞれの個性を放ってバケツに入っていた花材達が、器の中で見事に調和してひとつの美しい作品に仕上がりました。

「わ~素敵!」「かぼちゃのこんな使い方があるんですね!」
どこから見ても美しいバランスと新鮮なアイデアに、生徒さんから感嘆の声があがります。

「さぁ、ではみなさん頑張ってください!」

蔵田さんの見事な完成にため息をついている間もなく、次は生徒のみなさんの番です!

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=菊池友理

プロフィール

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蔵田 由貴美さん

フラワーデザイン教室「Y’s Style」主宰

・ (株)ワイズスタイル 代表取締役
・ フラワーデザイン教室「Y’s Style」主宰
・ 花と雑貨の店「Y’s Style」経営
・ マミフラワーデザインスクール渋谷指定教室責任者
・ ヘアーアートカレッジ木浪学園(青森)講師
・ 八甲田ホテル「ブライダルフラワーコーディネーター」
・ (社)インテリア産業協会 インテリアコーディネーター
・ 国家検定フラワー装飾技能士1級
・ 日本切花装飾普及協会 カットフラワーアドバイザー
・ 日本アロマテラピー協会認定1級

OL時代にフラワーデザインの勉強をスタートし、マミフラワーデザインスクール講師資格を取得。同時に、インテリアやテーブル、カラー、アロマなどの周辺知識を学ぶ。また、パリを度々訪れては、フランスのスタイル・色使い・デザインを学び、現在は東京(自宅サロン)と青森市の2ケ所で、教室を主宰。

2009年、青森市松原に花と雑貨の店「Y’s Style」オープン。

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