───おつかれさまでした！二名の講師体制ならではの中身の濃い、楽しいレッスンでしたね。たくさんお伺いしたいのですが、まずは、サロンのコンセプトや特徴について教えてください。

柳瀬さん　はい、イタリアンを中心にフレンチや和のエッセンスを取り入れたオシャレで簡単なおもてなし料理をテーマに、1レッスンで前菜・パスタ・メイン・デザートの3～4品をお教えしています。

最大6名の少人数制で、デモンストレーションと実習のあと、こちらで盛り付けてサーブさせていただき、ご試食はレストランのようにゆったりと楽しんでいただくスタイルです。また、お料理に合わせて選んだワインも毎回1種類お出ししています。

中辻さん　実習は必須ではなく、生徒さんのご希望に合わせ取り組んでいただけます。 また、講師は2名なので不安な点や質問があってもすぐに解消していただけますので、料理教室に通うのが初めてという方やお料理初心者の方も、安心して気軽にお越しいただけます。

───名古屋駅から徒歩５分という立地も通いやすいポイントですね。ところでお教室名の由来は？

柳瀬さん　はい、『Il fior fiore（イルフィオルフィオーレ』とはイタリア語で「１番良い場所」という意味なのですが、来て下さる生徒さんにとって、お料理を習うだけでなくお友達の家に遊びに行く感覚で楽しく寛いでいただけるような、居心地のよい空間になれば・・という願いを込めて名前を付けました。

───料理サロンをオープンしたきっかけは？

柳瀬さん　私は以前航空会社に勤めていたのですが、ずっと食に関することが好きで、30歳を機にこれからは料理の仕事をしたいと思い、本格的に料理の勉強をしようと退職してイタリアに料理留学をしました。

週末はワイナリーやチーズ工場などにも行って修行をしたり・・本当にいい勉強になり、日本に戻ったらイタリアで学んだことを活かしていつか料理サロンを開きたいと思ったんです。

帰国後は都内の「エコールエミーズ」でディプロマを取り、そして広尾のイタリア料理店「アクアパッツァ」で1年間働かせてもらったあと、出身地である名古屋に戻り念願の料理サロンをオープンしました。

中辻さん　僕は両親の都合で中学卒業と同時にニュージーランドに移住したのですが、あちらはあまり娯楽がなくて、いつのまにか料理が自分にとっての遊びというか、一番の楽しみになっていったんです。

高校卒業後、料理の世界で仕事をしたいと思い、日本に戻り大阪の「辻調理師専門学校」に入学したのですが、在学中にイタリア料理と文化に興味を持ち、卒業後はイタリア・ピエモンテ州の料理学校に入り、その後縁あってシチリアのレストランで修業をしました。 

柳瀬さん　そうしたら、修業中にそのレストランがミシュランで2つ星をとったそうなんです。

───それはすごいですね！貴重な体験でしたね。

中辻さん　そうですね、本当にたくさんのことが勉強になりました。その後日本に帰国して、「エミーズ」で3年間、講師をさせてもらいました。でもこういったスタイルでお料理を教えたいという思いもあり、こちらのサロンがオープンして1年後に加わりました。

───講師が常時お二人というのは、自宅をベースにしたお教室では少ないかと思いますが、お二人だからこそのメリットがたくさんありますね。生徒さんにとっては得る知識や情報が倍になりますし、レッスンがより充実すると思います。

柳瀬さん＆中辻さん　ありがとうございます。

───オープン後積極的な宣伝はしていないとのことですが、各レッスンはほぼ満席が続くとのこと、素晴らしいですね。どんな生徒さんが多いですか？

柳瀬さん　おかげさまで・・ご紹介や口コミで来て下さる方、あと、ホームページを見て来て下さる方が多いですね。
年代は20代～60代くらいまで幅広く、男性も１割ほどいらっしゃいます。最近はご夫婦でいらっしゃる方も増えてきました。

オープン前に、お世話になっている方や親しい方をご招待してここでパーティを開いたのですが、それをきっかけに通ってくださっている方もいらっしゃいます。この空間に50人以上も来て下さって、それはもう大変でしたが楽しかったです（笑）。

───料理サロンの運営はどんなことを心がけていますか？

柳瀬さん　「私自身が行きたいサロン」となるように心掛けています。 レッスンが楽しみと言っていただき、リフレッシュできる時間になるように、ここではゆっくり寛いでいただける雰囲気にしたいと思っています。

お料理は、ご家庭ですぐに作りたくなるような簡単でオシャレなレシピをご紹介していて、ご自宅でお料理をされるときにちゃんと再現できるよう、分かりやすい説明を心掛けています。

───なるほど、エプロンとタオルの用意や、食材や小物、道具などが割引価格で買えるなど、生徒さんにとって嬉しい細やかなサービスも、”行きたいサロン”創りをしていらっしゃるからこそなのでしょうね。

柳瀬さん　私も仕事をしていたのでわかるのですが、仕事帰りにレッスンに行く場合、持ち物がたくさんあったり濡れたタオルを持ち帰るのは結構面倒だったりするんです。それに、疲れているときや、毎日食事作りをしている主婦の方にとっては細かい実習はしたくない、というときもありますよね。

なるべく負担になることがないようにしたいと思っているので、レッスンも「やってみたい！」という方には積極的にお手伝いや実習をして頂きますが、「今回は疲れているから見てるだけで良い」という方には、椅子にかけてデモンストレーションを見て学んでいただいています。

中辻さん　レッスンで使った食材やテーブル小物など「同じものが欲しい」と言っていただくことも多いので、用意できるものは揃えて割引価格でお売りしたり、購入できるお店の情報をご紹介できるようにしています。

ご自身の体験も踏まえ、通いやすい、そして行きたくなる嬉しい心配りがいっぱいの料理サロン。
オープンして2年半ですが、早くも人気急上昇の秘訣を感じました。

次回最終回は、サロンにかける思いやこれからの夢をお伺いします。どうぞお楽しみに。

イインタビュー・テキスト＝窪田みゆき
写真＝蟹江宏樹