『栗田クッキングサロン』主宰 栗田 登志子(くりた としこ)さん
好きなことは大変じゃない
───おつかれさまでした!このあとも「お持ち帰りレッスン~いかなごの釘煮~」があるんですね。
栗田さん はい、このレッスンは不定期開催ですが、一人で作ると手間と時間がかかるものや、その時期ならではの旬のものを作ります。
───『栗田クッキングサロン』ではたくさんのコースがあるうえ、二つの教室を運営していらっしゃっるなんてすごいです。
栗田さん いえいえ。ここから2,3分の別の場所の『アミューズサロン』は主にビギナー向けレッスンをやっていて、講師資格コースを終了した山中裕紀さんに講師をしてもらっています。
私はこちらの『キュイジーヌサロン』がメインです。
───――ホームページに毎月のレッスンスケジュール表が掲載されていますが、ほぼ毎日開催していらっしゃいます。3人のお子さんのママであり主婦でもあり・・かなりご多忙なのでは。時間のやりくりはどうやって?
栗田さん スケジュール表は、両方の教室を掲載しているので多く見えるのかもしれません(笑)。無理のないペースでやっていますので大丈夫ですよ。それに、好きなことなので全然大変ではないです。
ただ、ここで土曜日に開催することもあるので、そんな時は家族にちょっと我慢してもらうことになってしまいますが・・・
───なるほど、ご家族の協力はありがたいですね。始める時のご家族の反応はいかがでした?
栗田さん 特に反対もなかったですね~。今もいろいろ協力してくれますし、私が楽しそうにしているので家族も喜んでくれているんじゃないかな、と思います。 それに、この仕事をしていなかったら こんなに沢山レパートリーを増やせていなかったでしょうし、色んなお料理が食べられるので楽しみにしているようですョ。
───ひとり何役もこなしてらして本当にパワフルです!
思い立ったらすぐ!
───料理教室を開いたきっかけは?
栗田さん 元々、作るのも食べるのも大好きだったんです。小さい時から料理をしてましたね。
おもてなしするのも大好きで、結婚後も家に来るお客様をもてなすことが多かったのですが、あるときお客様に、「こんなにすごいお料理の腕、もったいないからみんなに教えたら?」って言われたんです。
嬉しかったんですけど、その頃はまだ子供も小さかったので、外に働きに出るのはタイヘンだな・・、そうだ、家でやれば子供のそばにいれる、好きなことを仕事にできるしいいかも!って思ったんです。
───その通りですね!
栗田さん でも、自分にできるかどうか自信がなかったのですが、たまたまその3、4日後、近くの懐石料理教室のチラシがポストに入っていて、行ってみたらその先生がとても楽しそうにお教室してたんですね。
これなら私もできるかも!と思って、帰りの電車の中であれこれ考えてレッスン料も決めて、家に帰ってすぐにワープロでチラシ作ってコピーして配ったんです。それがはじまり(笑)。
───すごい行動力です!!
ホームページも充実
───集客はどうされましたか?
栗田さん 最初は友達からはじまって、口コミでだんだんひろがっていきました。
───今はどんな生徒さんが多いですか?
栗田さん こちらは30代の主婦の方を中心に、幅広く来ていただいています。『アミューズサロン』のほうはビギナー対象なので、OLさんや独身の方、最近は男性の方も多いです。
───みなさんがいらっしゃるきっかけは?
栗田さん 口コミや生徒さんからのご紹介、あと、ホームページを見て、と言う方が多いです。
四国や奈良から通ってくださっている方や、東京から習いたい料理に合わせて神戸に戻ってくるという方もいます。
───遠方からもお越しになるんですね。確かに、栗田さんのホームページはとても充実しています。ご自分で制作されたんですか?
栗田さん いえ、内容の希望を伝えて、制作はプロにしてもらいました。更新しやすいように作ってもらい、更新は私がしています。
───今月と来月のメニューが見え、そこからすぐに申し込めるようになっていますし、生徒さんにとって知りたい情報が全て網羅されていて、わかりやすいです。
栗田さん そうですか~、ありがとうございます!
いっぱい失敗して良かった
───開始にあたって他に準備したことは?
栗田さん うーん、まな板と包丁買ったくらいですね~。
コストはかからないしいいことばかりですよ、自宅料理教室って!お店だったら設備に費用がかかりますし、こうはいかないですよね。
───開始してからもいろいろ勉強されたんですね。
栗田さん 小さいときからずっと料理はやってきましたし、いろいろ習ってきましたが、料理を職にするつもりはなかったので、特に資格を取っていたわけではなかったんです。でも人に教えるからには・・と思って、いろいろ勉強しました。
ただ、資格というのは肩書の部分も大きく、やはり実践が大切です。
私はずっといろいろなものを作ってきて、ありとあらゆる失敗をしてきました(笑)。だから生徒さんが「失敗したんです」というときも、すぐその原因がわかるので的確なアドバイスができるんです。
これがもし、失敗の経験がこんなになかったらいろいろ伝えられなかったと思うので、いっぱい失敗して良かったな~と思いますよ!
───人生無駄なことはないですね(笑)
栗田さん そうですね~。失敗したときの対応をお伝えするのも大事なんです。
しなやかな外見からは想像できない(!?)、「思いたったらすぐ!」の行動力も栗田さんの魅力の一つ。パワフルなお話に、こちらまで元気をいただきます。
次回は、教室運営の工夫やこめている思いなど、インタビュー後半をご紹介します。どうぞお楽しみに。
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=伊藤裕司
プロフィール
栗田 登志子(くりた としこ)さん
『栗田クッキングサロン』主宰
1964年生まれ 武庫川女子短期大学英文科卒業。
その頃から本格的に『フランス家庭料理』『家庭でできる中華料理』『パン専科』など習い始め、『基礎料理及び懐石料理』を3年間に亘り習得。その後助手を務めながら知識をより深める。
女子栄養大学 専門料理過程を終了し、1999年「栗田料理教室」開設。現在は「栗田クッキングサロン」として教室を主宰。現生徒数 約200名。
2010年より携帯電話(docomo、au、softbank)公式サイト 会員制『ケータイ料理教室』のレシピ、動画制作及び監修。現在会員数約5000名
教員認定師範1級 食育インストラクター 1級 フルーツ & ベジタブルJ.マイスター 西日本料理学校協会会員校
とっておきレシピ
鯛の桜蒸し
材料
鯛切り身・・・適宜
【A】
道明寺粉・・・50g
出し汁・・・50cc
塩・・・小1/8
砂糖・・・小1
食紅・・・少々
【銀あん】
出し汁・・・200cc
みりん・・・小1
うすくち醤油・・・小1
塩・・・小1/8
くず粉・・・10g
桜葉塩漬け・・・5枚
桜花塩漬け・・・適宜
作り方
- 1.鯛は両面に薄く塩をし、ペーパーにくるんでしばらく置き、真ん中に切り込みを入れておく。
- 2.道明寺粉は【A】を合わせた出し汁に水分が無くなるまで漬けておく。
- 3.鯛で【A】の道明寺をはさむ様にし、さっと洗った桜葉で巻いて、蒸気の立った蒸し器で10分蒸す。
- 4.【銀あん】の材料をすべてお鍋に合わせて、くず粉をよく溶き、混ぜながら火にかけて煮立ててから火を止める。
- 5.桜蒸しを器に盛り、銀あんをかけて塩抜きした桜花をのせる。
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しぐれ飯
材料
鯛刺身・・・1さく
【A】
練り胡麻・・・20g
たまり醤油・・・大1
濃口醤油・・・小1
砂糖・・・小1/2
すり胡麻・・・大1
わさび・・・8g【B】
つくね芋(大和芋でもOK)・・・150g
だし・・・70cc
みりん・・・小2
薄口醤油・・・小1ご飯、うずら卵、青海苔、海苔・・・適宜
作り方
- 鯛刺身は薄造りにし、【A】を合わせたたれに15分程つける
- つくね芋(大和芋)は皮をむいて水につけてあくを抜く
- つくね芋(大和芋)をすりおろして【B】と合わせる
- ご飯に【B】のとろろをかけ、刺身を並べる。
- さらに、青海苔を振ってうずら卵をのせ、海苔を色紙に切って散らす。