「Maison de sucre(メゾン・ド・シュクル)」主宰 安田美紀さん
インタビュー連載 第3回
今月のサロネーゼは、札幌市・宮の森のご自宅でお菓子、料理、パン、シュガーアートを学べるサロンスタイルの教室『Maison de sucre(メゾン・ド・シュクル)』を主宰する安田美紀さん。優雅な空間の中で、フランス伝統の本格的なレシピに安田さんならではの感性とオリジナルアイデアが融合したレッスンは評判を呼び、オープン1年強ですが既に多くの生徒さんで賑わいます。今回は3か月に1回・季節ごとに開催される「お料理プレミアムクラス」の模様とインタビューを4回にわたりご紹介します。
第3回目はお教室情報や開設のきっかけなどを伺ったインタビュー前半です。
掲載日:2012/11/12(月)
『Maison de sucre(メゾン・ド・シュクル)』について
──よろしくお願いいたします。たくさんお伺いしたいのですが、まずは、『Maison de sucre』のコンセプトやレッスン情報について教えてください。
安田さん はい、「大切な方に作りたい!贈りたい!幸せレシピ」をコンセプトテーマにしています。手作りのあたたかさを大事に、ご家族やお友達など大切な方に作りたい、贈りたい、と思っていただけるレシピをお伝えしたいと思っています。
手作りのアーティフィシャルフラワーがあたたかみを添える洗練された空間で学べる「幸せレシピ」
──素敵ですね。レッスンの開催情報も教えてください。
安田さん お菓子、お料理、パンを中心に、シュガーアートも学んでいただけるサロンスタイルの教室で、フランスに昔から伝わる伝統のレシピを基本に、旬の素材を大切にしながら、オリジナルのアイデアと感性を加えてご紹介しています。
お菓子とパンのレッスンは完全な実習スタイルで、お菓子のクラスは、フランスの伝統菓子を中心に季節を取り入れたヨーロッパ各国のお菓子や、パリや東京で人気のスイーツなど、初心者の方から経験者の方まで、より上手に作れるプロのポイントを丁寧にご指導しています。
パンのクラスは、家庭のオーブンでできる作り方でお教えし、フランスの地方伝統パンのお話や、焼きあげたパンを使ってのアレンジもご紹介しています。
また、お作りいただいたものは、ケーキなら1台丸ごと、パンもたくさんお持ち帰りいただけます。
10月のお菓子レッスンは「タルト・オ・ポンム」と「キャラメル・ヴァニーユ」。充実の2品
安田さん お料理のレッスンは「おもてなし料理」と単発の「ビストロ料理」の2コースがあります。
今日はおもてなし料理の「お料理プレミアム」のクラスでしたが、こちらは3カ月に1回・季節ごとに開催し、前菜、スープ、メイン、デザートの4品フルコースを作り、ご試食いただくスタイルの授業です。
単発の「ビストロ料理」のクラスでは、例えばパテ・ド・カンパーニュやガレットを作るなど、フランスのビストロで人気のお料理を1品作るクラスも月に1回開催しています。
どちらもテーブルセッティングと共にお教えしています。
基本的には、毎月第1週目がお菓子、第2週目がお料理、第3週目がパン、第4週目が単発のクラスというスケジュールで、週に2回ずつ開催しております。
またウェディングコースもあり、花嫁さん自身がゲストをもてなすケーキと引菓子の制作やご指導も行っています。
──優雅な空間の中でそれぞれ本格的なレッスンを、少人数で学べるのも魅力ですね。
安田さん ありがとうございます。初心者の方から、経験者の方まで、学んでいただくことでバリエーションが広がったり、新しいライフスタイルへのきっかけになれば嬉しいです。
日々の暮らしをスイートに
──これだけ多彩なことが1つのお教室で学べるのは、生徒さんにとって便利で嬉しいことだと思います。複数のレッスンに通っている方もいらっしゃるのでは。
安田さん はい、いらっしゃいます。やはり全部つながっていますので、お菓子をなさるとパンもなさってみたい、というふうにご関心を持って下さる方が多いです。
実は教室を開く前に、お菓子ならお菓子、お料理ならお料理だけの教室を・・とも考えたのですが、せっかくこれまでいろいろ学んできましたので、少しずつ皆様にお伝えできたらと思い、思い切って4つのコースを開催することにいたしました。
パンフレットもおしゃれ。HPやブログ同様、教室に込めているメッセージが詰まっています
──教室名の由来は?
安田さん 「Maison de sucre」はフランス語で「お砂糖の家」という意味です。サロンに来られた生徒さんに、日々の暮らしをスイートに変えるきっかけとなるひとときを過ごしていただきたいという思いを込めました。
──どんな生徒さんが多いですか?
安田さん 平日のお昼のクラスは30代、40代の主婦の方が中心で、土曜日は、20代、30代のお勤めの方もお越しくださいます。
──皆様がいらっしゃるきっかけは?
安田さん 教室を開始するときに、お伝えしたいことを込めたホームページを開設し、ブログも始めたのですが、おかげさまでそれを見てお越し下さる方が多いです。
これまでの学び・体験の集大成として地元で発信を
──沢山飾られているディプロマに驚きましたが、パリのル・コルドン・ブルーをはじめ、お料理、テーブルコーディネート、シュガーアート、紅茶なども資格をお持ちで、本当に多分野にわたり深く学んでいらしたのですね。
安田さん こうしたことが好きで学び始め、東京にも通いました。そのうち東京だけでは満足できなくなり、パリにも学びに行くようになりました。
今も年に一度はパリに行き、本場の味とトレンドを確認し、卒業校のプログラムにも参加してブラッシュアップに努めています。
本場で培った食と食空間を彩る多くの学びと研鑽を、レッスンを通じて札幌から発信
──学び続ける姿勢も、たくさんの生徒さんに支持される理由の一つなのかもしれませんね。ところで、教室を開いたきっかけを教えてください。
安田さん 料理好きの母の影響で、小学生のころからよく料理やお菓子を作ったりしていました。結婚後は、好きな料理やお菓子のほか、地道にいろいろなことを勉強してきました。
教室を開くために、と学んでいたのではなかったのですが、東京やパリなどで学んだ集大成として、地元の札幌の方々へ自分が体験したことをお伝えしたいと思い、教室を開くことを考えるようになりました。
そして、一昨年の12月にフランス大使館での研修を終え札幌に戻ってきたあと、翌年中に教室を開催しようと思い、準備を始めました。
春に始めようと考えていたのですが、東日本大震災が起こり、この大変な時期に教室を始めるのはどうかと一時は迷ったのですが、今だからこそご家族やお友達との絆が深まる手作りの あたたかさをお伝えしたいと思い、少し遅らせて昨年の7月に開始しました。
──実際にお教室を開始してみていかがでしたか?
安田さん それはもう、とても良かったです。お教えしたものを生徒さんがご家庭でお作りなって、ご家族がおいしいと喜んでくれた、おいしいので1か月に何回も作っています、などと言ってくださるのがとても嬉しいです。
大切な人に作ってあげたくなる・贈りたくなる本格的で美味しいレシピを家庭で再現できるよう工夫されたレッスン内容に加え、パリや東京のトレンドをはじめ、いつ参加しても新しい知識に出会えることも、教室開設一年強でたくさんの生徒さんが通われる理由のようです。
次回最終回は、お教室運営に込めている思いやこれからの夢などをお聞きします。どうぞお楽しみに。
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=安田美紀(Maison de sucre主宰)、加藤幸雄
プロフィール
安田 美紀さん
『Maison de sucre メゾンドシュクル』主宰
今田美奈子食卓芸術サロンにて、製菓、シュガーデコレーション、テーブルセッティング等全てのデュプロムを取得。フランス、オーストリア、イギリス等ヨーロッパ各国で研鑽を積み、パリのリッツエスコフィエ、ベルエコンセイユ等で学ぶ。その後、ルコルドンブルーにて料理、菓子、パン全て卒業しグランデュプロムを取得する。フランス大使館でのスタージュを経て、札幌市宮の森にてお菓子・料理・パン教室「メゾンドシュクル札幌」を主宰。
・ル・コルドン・ブルー グランデュプロム取得
・仏政府公認 国際テーブルデコレーター
・オーストリア文部省公認 社交界認定書受領
・英シュガーデコレーションディレクター
・米ウィルトンシュガーライセンス
・ブルックボンドハウス ティーコーディネーター
・チーズプロフェッショナル協会 COC認定
・今田美奈子食卓芸術サロン分室
・国際食卓アカデミー協会会員
サロン情報
Maison de sucre メゾンドシュクル
< 自由に学べる4つのコース >
お菓子をはじめ、お料理、パン、シュガークラフト等自由に学べる。フランス伝統のレシピを基本に、旬の素材を大切にしながらパリや東京の情報をいち早く取り入れ、オリジナルのアイディアと感性を加えて新しい味わいやフォルムを作り出し発信。
ゆったりとしたサロン形式の教室で、初心者の方から、現在料理やお菓子に関わる職業の方でも学ぶことで、広がるバリエーション。新しいライフスタイルへのきっかけに。またウェディングコースもあり、花嫁さん自身がゲストをもてなすケーキと引菓子の制作やご指導も行っています。
ジャンル:
フレンチ、パン、洋菓子、チーズ、おもてなし、紅茶、テーブルコーディネート、ナプキンワーク、フラワーコーディネート、その他
サロン特長:
初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、子供教室あり、予約制、駐車場あり、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)
所在地:
北海道札幌市中央区宮の森3条11丁目
ホームページ、ブログ:
http://maisondesucre.com
http://ameblo.jp/maisondesucre
レッスン情報:
いつからでもご入会可能で各コースを毎月自由にお選びいただけます。単発レッスンもありますのでお気軽にお問い合わせください。
●入会金:10,500円(各コース共通)
●受講料:
・パティスリーコース 22,050円(3ヶ月前納)7,350円/1回
・キュイジーヌコース 22,050円(3ヶ月前納)7,350円/1回
・ブーランジュリーコース 22,050円(3ヶ月前納)7,350円/1回
・シュガーアートコース 22,050円(3ヶ月前納)7,350円/1回
※11回全納の方は1回分無料で受講することができます。
※2012年11月現在の受講料です。
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とっておきレシピ
かぼちゃのポタージュ
材料
(4人分)
・かぼちゃ 400g
・レンコン 50g
・トマト 1個
・チキンスープ 600g
・無洗米 大さじ1
・バター 15g
・牛乳 200g~
・生クリーム 大さじ2
・ローズマリー 1枝
・ナツメグ 適量
・塩・胡椒 適量作り方
- かぼちゃは種と皮を取り除き5mm厚さ位にカットする。
- レンコンは皮をむきかぼちゃと同じ位にカットする。
- トマトは湯むきをして皮と種を取り除き粗くカットする。
- 深めの鍋にバターを熱し、かぼちゃ、レンコン、トマトの順に炒め、チキンスープと無洗米、ローズマリーを加え煮立ったら中火で約30分程南瓜とレンコンが柔らかくなるまで加熱する。
- 火を止めてローズマリーを取り除きハンドブレンダーまたはミキサーでなめらかになるまでまわし、ピューレ状にする。
- 牛乳を加えてナツメグ、塩、胡椒で調味する。
- 仕上げに生クリームを加え、器に注ぐ。好みで引き立ての黒胡椒を適量のせる。