「フランス家庭料理教室アン・プチ・プ」主宰 神崎則子さん
毎日作りたくなるヘルシーフレンチを
――お疲れさまでした!きめ細やかでお料理のコツがたっぷりつまった、充実のレッスンですね。
まずはお教室の情報から教えてください。
神崎さん ありがとうございます。レッスンメニューは月替わりで、毎月設定する日時からご希望のクラスにお申込みをいただいています。
入会金は不要で、1回5,000円、定員6~7名の少人数制で開催していて、いつでも単発受講が可能です。
レッスンの内容は、前菜、メイン、デザートの計3~4品を毎回ご紹介しています。最初にレシピの説明をし、全員で実習、そして試食という流れです。調理中や試食後の洗い物は不要です。
通常のレッスンのほか、クリスマスや春のフルーツが出回ってくる時期など年に2~3回、1回に4品お教えするお菓子作りのレッスンも開催していて、おかげさまでこちらも人気です。
ご自身の体験から、ヘルシーなフレンチを開発し、提案。コンセプトに共感する生徒さんが多数
――通いやすいしくみで嬉しいですね。お教室の特徴やコンセプトは?
神崎さん 旬の身近な食材を使ってバターや生クリームを多用せず、たっぷりの野菜をオリーブオイルで調理するヘルシーな南仏料理を中心に、家庭でできるフランス料理をご紹介しています。
こうしたレシピにこだわっているのは、長年フランス料理に関わっているうちコレステロール値が急上昇し、食の大切さを痛感した私自身の経験からです。
バターや生クリーム、化学調味料の代わりに、オリーブオイルや豆腐、伝統製法の醤油や味噌などを使った、オリジナルフレンチレシピです。
ご自分やご家族のために毎日でも作って頂きたいので、安心安全な食材を使い、食べて健康になれるメニュー作りを心がけています。
やりがいは生徒さんの声
――どんな生徒さんが多いですか?
神崎さん 20~70才代まで幅広い年齢層で、初心者の方、美容や健康の意識が高い方、ベテラン主婦の方など様々です。ホームページを見て教室のコンセプトに共感してくださって、”家族のために健康によいお料理が作りたい”、という方が多いです。
平日のクラスは主婦の方、土日はお勤めの方のご参加が多いですが、どのクラスも生徒さん同士がとても仲良くなってくださいます。先日も、私がいらした生徒さんに「お久しぶりです!」と言うより先に、他の生徒さんが「お久しぶりです!」とおっしゃったり(笑)。
ここでそんな輪が広がっていくのはすごく嬉しいです。
――素敵ですね!人気のお教室は必ず生徒さん同士が仲良くて、お教室のよい雰囲気を醸し出しているという共通点があると思います。
神崎さん 本当に生徒さんに恵まれていてありがたいです。
「レッスン後はスーパーに直行し、習ったレシピをすぐに再現して下さる方がとても多いです」
――ところで、可愛らしいお教室名ですが、どんな意味でしょう?
神崎さん 皆様に愛される料理教室に少しずつでもなっていけたら、という願いをこめて「アン・プチ・プ」と名付けました。フランス語で「ほんの少し」という意味です。
お伝えするレシピは、ほんの少しの材料を買い足すだけで、あとは家にある食材を使い、ほんの少しの頑張りで作れます、というメッセージもこめています。
――お教室をはじめてもうどれくらいですか?
神崎さん 約12年になります。ずっと通い続けてくれている方もいらっしゃいます。
――長年、毎月レシピを生み出すのは大変だと思いますが、その源泉となっているものは?
神崎さん そうですね・・「作りたいものがある」という思いと、「生徒さんとご家族に喜んでいただきたい」という思いだと思います。
メニューを考えるときは、生徒さんとそのご家族のことも自分の家族のように考え、皆さんに安心して食べてもらいたい、と思うものを作るようにしています。
レッスンの後スーパーに直行して早速その夜に作って、「家族が喜んでくれました!」とご連絡いただくことも多く、とても嬉しいです。そんな生徒さんの声が一番のやりがいです。
基礎があっての美味しいアレンジ
――お教室を始めたきっかけを教えてください。
神崎さん 元々お料理が大好きで、OLの頃に趣味で大森由紀子さんや井上絵美さんのお教室に通っていました。
食事に関して当たり前のことを丁寧にやってくれる母のもとで育ったので、その影響もあったと思います。
ただ母はフランス料理は一切作らなかったので、簡単なものでもいいから作ってくれないかな、とずっと思い憧れていて、それでフランス料理に人一倍興味があったのかもしれません。
OL時代はずっと忙しく働いていたのですが、結婚後専業主婦になり趣味の時間がたっぷりできて料理に打ち込むようになり、時々コンテストにも応募していました。
そんなあるとき、来日したポール・ボキューズ氏が審査委員長を務められたFFCC主催のリヨン料理コンクールに挑戦したところ、300名余りの応募者の中から8名のファイナリストに選ばれました。
まったくの素人だったので、当然優勝は無理でしたが、周りはしっかりフランス料理を学んだ人ばかり。そんな同じ挑戦者の方々からよい刺激を受け、審査員のシェフの方々からは基礎からきちんと勉強すべきとアドバイスを頂き、その後すぐにル・コルドン・ブルー東京校に入学し、最初にフランス菓子を学びました。
しっかりした基礎と本場の味を知ってるからこその美味しくヘルシーなアレンジ。独自の提案が魅力。
――お菓子が最初だったのですね。
神崎さん そうなんです。その後フランス料理のコースに入り、基礎からしっかり学びました。
でも、大量のバターを使ったり、日本人にとっては濃厚なお料理が多く、なんとかバターを減らしたり、ヘルシーなレシピにできないかと思うようになり、家でそうしたレシピを開発していました。
独学でやっていたときはなかなかうまくできませんでしたが、ル・コルドン・ブルーで2年間しっかり基礎を学び様々な知識を付けてからは、美味しくアレンジできるようになり、自分のレシピが確立できてきました。
やはり基礎があってこそ、本場の味を知っているからこそのアレンジだと思います。その作業が、難しく時間もかかるのですが一番楽しいです。
そして次第に料理教室を開きたい、と思うようになり、最初は狭い場所でしたが、スタートしたのが約12年前です。
当時は本当に狭い、4~5人が入ればぎゅうぎゅうになる場所でした。アトリエを借りたりレストランの一角で始めようと思っていたのですがなかなか難しくて。そんなことを言っていたらいつまでもずっとできない!まずここで始めよう!その分お料理で頑張ろう!と決心して始めました。
いまもずっと通い続けてくださっている生徒さんもいらして、ありがたいことです。
――そうだったのですね、共感して学びたい!と思っていただければ、場所や狭さは関係ないですね。
初めてみていかがでしたか?
神崎さん とても良かったと思います。人と関わるのが好きなので、大好きなお料理を伝えることで生徒さんが来てくださり、様々な輪が広がっていきます。
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生徒さはもちろん、そのご家族も自分の家族のように思い、健康に気づかい喜んでもらえるお料理を提案し続けている神崎さん。そんなあたたかい思いがつながってお教室のあたたかい雰囲気が生まれているのだと感じました。
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介
プロフィール
神崎則子さん
ル・コルドン・ブルー東京校にてグランディプロム取得。
神奈川県藤沢市の自宅にて「フランス家庭料理教室アン・プチ・プ」主宰。
旬の身近な食材を使い、バターや生クリームを多用せず。
たっぷりの野菜をオリーブオイルで調理するヘルシーでシンプルなレシピを提案。
企業へのレシピ提供や商品開発もおこなう。
●イタリアAISO認定オリーブオイルソムリエ
●豆腐マイスター養成講座認定講師
サロン情報
フランス家庭料理教室アン・プチ・プ
レッスンは6~7名様までの少人数制です。
メニュー月変わりで、季節感溢れる前菜・メイン・デザートの3~4品をすべて実習します。
実習はひとつのテーブルを囲んでおこない、作業を分担することはせず、すべての工程を全員で和気あいあいとすすめます。
実習の後は、皆さまでゆっくりとテーブルを囲んでご試食をお楽しみください。
お食事後の後片付けや調理中の洗いものは不要なので、周囲の方々に気を遣われることなく、調理だけに集中して学んでいただけます。
初心者の方も大歓迎です。入会金不要、いつでも単発でお気軽にご参加いただけます。
ジャンル:
家庭料理、イタリアン、フレンチ、スペイン、ベジタリアン、健康食、パン、洋菓子、おもてなし
サロン特長:
初心者歓迎、平日開催、夜間開催、土日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、予約制、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)
所在地:
神奈川県藤沢市藤沢
ホームページ、ブログ:
とっておきレシピ
旬野菜と麦のリゾット くるみ風味
材料
(4人分)
・米 180g
・押し麦 大さじ2
・くるみ 約20g
・れんこん 約80g
・ごぼう 約80g
・玉ねぎ 1/4個
・ベーコン 100g
・炒り大豆 大さじ2
・バルサミコ酢 小さじ2
・醤油 小さじ2
・熱湯 約600Ccc
・パルメザンチーズ 大さじ2
・くるみオイル 適量
作り方
- 1.米をとぎ、押し麦は軽く水洗いする。これらをザルに広げて乾かす。くるみはアルミ箔で包み、オーブントースターで香ばしくなるまで焼き、あらく砕く。
- 2.れんこんは約7mm幅のいちょう切り、ごぼうは約5mm幅の斜め切りにする。玉ねぎはみじん切り、ベーコンは約1cm幅に切る。
- 3.鍋にくるみオイルを熱し、ベーコン、玉ねぎ、ごぼうを加えて炒め、バルサミコ酢、醤油を加え混ぜる。米を加えてさらによく炒め、かぶる量の熱湯を加え、塩、こしょうで味をととのえる。
- 4.3にれんこん、炒り大豆を加え、時々混ぜながら中火で12分煮る(途中で水分がなくなったら、そのつど適量の熱湯を足すこと)。火を止め、パルメザンチーズを加え混ぜる。