予約の取れない自宅教室
~人気レッスンの魅力をレポート~

波乱万丈!?イタリア留学から料理教室開設へ

前澤由希子さんさん

前澤 由希子さん

インタビュー連載 第3回

今月のサロネーゼは、千葉県船橋市のご自宅で『イタリア料理教室 Ciao Bambina』を主宰する前澤由希子さん。イタリア各地方に伝わるマンマの味や手打ちパスタなど、伝統料理の魅力を伝える教室は、県外から来る生徒さんも多く常に賑わっています。今も年に2回、イタリアへ子連れ留学もするという前澤さんのレッスンにお邪魔し、その模様とインタビューを4回にわたりご紹介。

第3回目は教室開設までの軌跡などインタビュー前半です。

掲載日:2011/7/19(火)

 

───お疲れさまでした、とてもわかりやすくて楽しいレッスンでした!まずは教室のコンセプトについて教えてください。

前澤さん はい、私が実際にイタリア各地を訪れて味わった家庭料理をお伝えしています。日本のイタリア料理店では食べられない素朴なメニューばかりでちょっとマニアックなのですが、身近な材料を使って家で再現しやすいレシピであることにこだわっています。

その一方で、ホンモノを知っていただきたい、という思いから、時には日本で手に入らない食材をご試食いただいたり、本物のバルサミコなどをお出しして、安価なものとの違いを比べていただいています。
また、メニューの構成は、季節感、地方性、食べたときのバランスを大事にして組み立てています。

───イタリアの各季節、各地方のお料理を学べるのは魅力的。そして試食がコース仕立てなのも嬉しいですね。

前澤さん 1回のレッスンで3~4品を作りますが、試食は前菜、プリモ、セコンド、ドルチェ、と順にお出ししていて、グラスワイン、エスプレッソも付きます。

レッスンの定員は6名までの少人数制で、私がイタリアで習っていた時のように、「楽しく作って美味しく食べる!」がモットーですが、私が一番楽しんでいるかもしれません(笑)。

教室風景

生徒さん同志、和気あいあい。今年3月にはナポリなどへ2回目の教室ツアーも実施

 

───どんな生徒さんが多いですか?

前澤さん 平日の昼のみの開催なので30代~60代の主婦の方が多いですが、バリバリ働いているOLさんや学校の先生、新幹線に乗って遠くから来て下さる方も。
そうそう、臨月の最初のほうにいらして、翌月出産後、月の最後のほうに来て下さって毎月欠かさず通い続けて下さっている方もいらっしゃいます!

毎月好きな日程を選んで、みなさんご都合のいいときに来ていただいています。

───習ったレシピを必ず家で再現する、という方も多いようですね。

前澤さん そうなんです。ご家族から好評で、「ユキキーナの教室に行ってくる」というとご主人が喜んでくれるという方も多くて嬉しいです。

───『イタリア料理教室 Ciao Bambina』を始めたきっかけを教えてください。

前澤さん 小さいときから料理が大好きで、いつか料理教室をしたいな~とぼんやり思っていました。

結婚後もOLを続けたのですが、時間があったので料理学校へ通い調理師免許も取りました。でも具体的に何か始めることはなかったのですが・・

あるとき、次の休みはどこに行こうかなと考えていた時、「カナダかイタリアで、ホームステイをしながら家庭料理を学びたい」と思って探したんです。
迷った結果、イタリアには2度行ったことがあってまた行きたいと思っていたし、料理の当たり外れがなさそうだなと思ってイタリアに決定(笑)。一人で9日間行きました。

教室風景

著書「イタリアで家庭料理を学びたい」は、結婚後に果たしたイタリア留学体験記

───いかがでした?

前澤さん それがすっごく楽しくて!!ホームステイ先は小さなお家だったのですが、こんなふうに家庭で楽しく料理を一緒に作って教えるのっていいな、って思ったんです。
それまでは「料理教室って立派なスタジオやキッチンじゃないと・・私にはできないな~」と思っていたので、「私がやりたいことはこれだ!これなら私でもできる!」と衝撃的な出会いでした。

本格的にイタリア家庭料理を学びたくなって、帰りの飛行機の中で「すぐに長期の料理留学をしたい、いや、絶対するんだ!」と決心をして帰りました。

───帰国してすぐご主人に相談されたとか。反応はいかがでした?

前澤さん 最初は「何言っているの?」と本気にしてもらえませんでしたが・・本気だし、会社を辞めて半年以上行きたい、と伝えると「絶対ダメ!」と反対されました。

でも季節感を大切にするイタリア料理を学ぶにはワンシーズンだけではなく、一年を通して学びたい。どうしても四季の食卓を見たいという思いもあって、真剣に思いを伝えたり、イタリア語を一生懸命勉強したりして最終的にはわかってもらいました。

───そして7ヶ月間留学されたのですね。

前澤さん 本当に良い経験でした。今思い出しても涙ぐんでしまうほど・・とてもいい勉強になりましたし、いい人たちとの出会いがたくさんありました。もちろん、大変なこともありましたが、長期間行ったからこそ、地方ごとの料理や季節の料理を学ぶことができました。

───帰国後すぐに料理教室を?

前澤さん いえ、料理教室をしたくて勉強しに行ったのに、帰国してからはイタリアが恋しくて泣いてばかり。イタリアに帰りたい、そう思って2週間くらい泣きっぱなしでした。

でもイタリアにいる友達からの「何言ってんの、料理教室するためにイタリアで勉強したんでしょ」というメールの一言で目が覚めて、「そうだ、私、イタリアで出会ったような楽しい料理教室が開きたくて行ったんだった!」って思い出したんです。

教室風景

イタリアで出会ったような楽しい料理教室が実現

 

───それからの行動が早かった!

前澤さん そのメールの翌日に早速近所の公民館の調理室を見に行って、まずはそこで2回の限定開催のレッスンをやってみることにしました。開催までは2週間しかなくて、市の広報誌に情報を載せてもらえるように頼んだり、チラシを300枚作って近所に配ったりして、9人集まってくれました。

───初レッスンはいかがでした?

前澤さん とても楽しかったですし、皆さんに「2回目も楽しみにしています」と言っていただいてほっとしました!

そして2回目が終わったら今後定期的に開催できる自信のようなものが出てきたんですが・・今度はもう一度違う視点でイタリアを見たい、イタリア人の主婦が趣味で習っているような料理教室を知りたい、と思ったんです。

これまでイタリアには春から秋にかけて滞在していたので、冬やクリスマスの料理をどうしても知りたい!と理由をつけて主人を説得して(笑)、また3週間イタリアに行くことにしました。

教室風景

教室にはイタリア各地の思い出の品がいっぱい。まるで一緒に旅しているよう

 

───すごい行動力です!

前澤さん 今度はもう帰国のときも全然悲しくなくて、むしろ早く帰って料理教室を開始したいくらい(笑)。たくさんの調理道具を買って帰りました。
そして帰国後は、出産まで月に3回くらい公民館で開催していましたね。

出産後、生徒さん達に「私たちが赤ちゃん見てますから!」と言っていただいて、悩んだのですがお言葉に甘えて交代で抱っこしてもらいながら、それまでの生徒さんを対象に自宅料理教室を始めたんです。

───――イタリアの方々も驚くパワフルさなのでは!その後も定期的にイタリアに通い、今も年に2回、そのうち1回は子連れ留学をされているとか!?

前澤さん はい、妊娠中にも1回、子供が生まれてからも年に2回行っていて、今は春は子供の春休みに子連れで、秋は1人で行っています。子供は1歳~8歳の今まで毎年行っているわけですが、小さい頃はおんぶをして料理を勉強したり。

子連れ留学は、長時間のフライトから始まって大変なこともたくさんありますが、子供が「もうイヤ」って言うまでは一緒に行きたいなと思っています(笑)。

波乱万丈!?なイタリア留学記は著書「イタリアで家庭料理を学びたい」で知ることができます。個性あふれるイタリア人に負けない程パワフルな前澤さんの、夢を叶えた軌跡に元気が貰える1冊。ぜひお勧めです!
次回は、レッスンや運営の工夫、愛用品などをご紹介します。どうぞお楽しみに!

前回のインタビューはこちらから
 

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=菊池友理
 

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=菊池友理

プロフィール

前澤 由希子さん

前澤 由希子(まえざわ ゆきこ)さん

『イタリア料理教室CiaoBambina』主宰

OL時代に各種料理学校へ通い調理師免許を取得。結婚後、単身イタリアへ留学し、現地の料理学校の他、家庭の主婦や、リストランテのシェフからイタリア各地の料理を学ぶ。

帰国後、都内のトラットリアで修行した後に『イタリア料理教室CiaoBambina』を開講する。

自宅でのサロンほか、都内の企業ショールームや日伊文化交流サロン「アッティコ」等にて料理教室を開催。雑誌での連載を持つほか、TV等での料理制作、企業での講演等。

著書に「イタリアで家庭料理を学びたい」(白水社)、「晩酌おつまみ・簡単おいしい172品」(コスミック出版)。Mart(光文社)「ユキキーナのイタリアン」2004.10月より7年間連載。

前澤 由希子さんのMyサロンページはこちら
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とっておきレシピ

ピッツア職人風豚肉のソテー
sugiyama_beef.jpg
材料

豚フィレ肉 300g
タマネギ 1/2個
塩 適量
こしょう 適量
ニンニク 適量
鷹のツメ 適量
小麦粉 適量
オリーブオイル 適量
白ワイン 適量
トマト水煮缶  1缶
モッツアレラ 50g
オレガノ・ケッパー/バジルの葉

作り方
    • トマトソースを作ります。EXVオリーブオイルを大さじ2、ニンニクのみじん切り、種をとったタカのツメを鍋に入れて火にかけ、香りが出たらタマネギ1/2個のみじん切りを入れてしんなりするまで炒め、裏ごしたトマト水煮缶を1缶加えて塩小さじ1/2,黒こしょうをふり15分煮る。
    • 豚フィレ肉は厚さ1.5センチ程度にカットし、たたいて薄く伸ばしたものを塩、こしょう、小麦粉を薄くはたいてオリーブオイルで焼き、焼き色がついたら白ワインをふってアルコール分を飛ばす。
    • トマトソースを加え、モッツアレラとケッパーをのせてオレガノをふり、フタをしてチーズを溶かし、仕上げにバジルの葉をのせる。
    •  
    書籍写真

イタリアで家庭料理を学びたい 1,680円(白水社 )

前澤由希子さんの料理留学体験記。
個性あふれるイタリア人相手に悪戦苦闘!楽しいエピソードと愉快な失敗談の数々。

プロローグ 夏の夜はトスカーナの田舎家で
第1章 人生を変えたフィレンツェでの出会い
第2章 はじめの一歩はボローニャから
第3章 シエナで楽しく料理修業
第4章 イタリア人にご用心
第5章 住人は個性派ぞろいのへんてこアパート
第6章 噛めば噛むほど美味しいイタリア
第7章 料理教室開催へ一念発起
エピローグ ゆっくり食卓をかこむ幸せ
私の好きなトスカーナ料理(レシピ)

夫をおいてイタリアへ料理留学した元気な主婦の痛快エッセイ。料理学校でイタリア人教師相手に悪戦苦闘。楽しいエピソード、愉快な失敗談の数々がユーモアあふれる文章で語られる。

書籍写真

晩酌おつまみ かんたん おいしい172品 1,000円(コスミック新書)

作ってかんたん 食べておいしい!
人気料理家が伝授する172品。
切る→混ぜる→焼く などの見出しと写真を見れば、素早くおいしい一品が完成!

アイデア満載のMEMOで、面白いほど十八番が増えていく。
外で呑む気がしなくなる もう一杯呑みたくなる そんなおつまみを厳選!

晩酌メニューでおもてなし:すぐできるかんたんおつまみをコースメニューとしてご紹介。

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