『T`s Kitchen cooking cafe』主宰 緒方智子(おがた ともこ)さん
───ところで、集客はどのようにされていますか?
緒方さん 生徒さんがお越しくださるのは、ブログや口コミ、ご紹介がほとんどですが、ブログは影響力があるな~、と思いますよ。
───お教室運営にブログは必須ですね。緒方さんのブログは、写真もとても上手ですし、あたたかいお人柄や楽しそうな教室の様子が伝わります。コツや注意点はありますか?
緒方さん そうですね、気をつけていることはあります。なるべく教室の雰囲気が伝わるように心がけていますし、生徒さんのプライバシーに配慮して、お名前やお写真は出さないようにしています。
実は最初は、今と違うアカウントのブログを持っていたのですが、少し前に大分の地域ブログ情報サイト「ジャングル公園」内に引っ越したんです。
それから近隣の方が見て下さる機会がとても増えました。
生活を楽しむヒントを伝えたい
緒方さん そうですね・・最初にお伝えしましたが、生徒さんにはお料理以外のことや、生活を楽しむヒントもお伝えしたいと思っているのですが、そのためには、私も料理だけ学んでいるのでは間に合いません。なるべくいろいろな事を学ぶようにしています。
生徒さんにはお茶を習っている方などもいらっしゃいますし、私も、人をお呼びするときのしつらえやおもてなしも学ぶようにしています。やはり、知らないでするより、知ってするほうがよいですから・・。
───ブログでも、いろいろ学ばれている様子や、フットワーク軽くよく旅行に行かれていることが書かれています。
緒方さん そうなんです(笑)。楽しみながら学んでいます。
───今日のしつらえもとても素敵ですが、お重にパンを入れるのも粋ですね!
緒方さん お重ってとても使い勝手がいいですよね。持ち寄りパーティのときにもおすすめなんですよ。クレープにチーズ、ハム、レタスを巻いたものを入れたりして・・こんな提案も楽しいです。
私には、もうひとりキーパーソン、おもてなしの師匠が居て・・今、古布のパッチワークを習いに行っているのですが、その先生がとても素敵で、生活とおもてなしの達人なんです。
私、パッチワークはそう上手くないのですが、習いに行っては先生のおもてなしのセンスを勉強させてもらっています(笑)。
───師匠と思える方がいらっしゃるのは素晴らしいですね。ところで食材や道具の仕入れはどうしていますか?
緒方さん パンの道具や材料など、ネットで買うことがよくあります。買い物の時間がなかなか取れないこともありますが、ネットなら近所のお店にないものも手に入って助かります。
でも、わがままを聞いてもらえる、地域の小さなお店や雑貨屋さんなどとの付き合いも多く利用させてもらっています。
───緒方さんはインターネットを使いこなしていらっしゃいますね!ITリテラシーも教室運営には必要ですね。
こだわりの品
───お教室でよく使うものや、愛用の品はありますか?そのエプロンももしかしてオリジナルでは!?
緒方さん そうなんです、和手ぬぐいやペンをかける場所のあるエプロンをオーダーして作ってもらっています。このひっかける位置にこだわりがあるんですよ(笑)。
和手ぬぐいが好きで、見かけるとつい手が伸びてしまって。ずいぶん沢山集まりました。教室の際、誰も気が付かないのですが、なるべく季節を表す柄のものを使っています。これが一番のこだわりかな。
───和てぬぐいは本当に便利ですよね。
緒方さん ほかには、これらはよくレッスンでも使いますよ。この電子クッカーは卓上で使えて便利です。ジューサーはポタージュ作りでよく活躍します。このブリタの浄水器はちょっと変わった形で冷蔵庫に収まりやすいんですよ。
まずは一歩踏み出そう!
───教室運営をとても楽しんでいらっしゃる様子。これから自宅教室を開きたい、と思う方へアドバイスがありましたらお願いします。
緒方さん はい、まずは一歩踏み出してみる!そして、NOって言わないこと!だと思います。
女性は家庭で料理や家事を担当することが多いですよね。これってもし何かあっても絶対一生役に立つことなんです。
もし、まだ自分のするべきことが見つからないときでも、いえそんな時こそ、今目の前にあることを必死にすることが大切だと思います。
必ず、それが役に立つ時があると今振り返って思います。
───目の前のことを一生懸命していると、必ず実となり力となるんですね。
緒方さん 専業主婦だと、自分の世界がないかのように思ってしまうことがありますが、それは意識の違いで、たとえ家庭の中にいても何か自分の世界を持つことで十分自立できると思うんです。
何事も、”させられた”と思うより、”自分で決めた”という意識が必要です。
自分に責任を持って、一歩踏み出すのは簡単なようで難しいことです。
私の場合、一歩踏み出すつもりはなかったのにドンと背中を押されて思わず見えない橋を2、3歩前に進んでから「あ~本当に橋があったんだぁ~」という感じだから偉そうに言えませんが・・(笑)。
一歩踏み出すのは本当に勇気がいりますが、だからこそ何かの流れがあった時に、NOと言わずに受け入れてほしいと思います。
そして、家族でも家族以外の人にでも、誰かに必要とされているのは本当に幸せなことだと感じてほしいですね。
───とてもいきいきとしてらして、悶々としていた時期があったなんて想像できないほどです。『T`s Kitchen cooking cafe』を始めて充実していらっしゃるのが伝わります。
緒方さん そうですね、いつもレッスン後、生徒さん達が「ありがとうございました」って帰られるのですが、「こちらこそありがとうございました」って毎回思うんです。やってみて良かった、そう思います。
これからの夢
───着実に歩んでいらした緒方さん。これからの夢を教えてください。
緒方さん そうですね・・大きな夢は、いつか自分でキッチンスタジオを持ちたいなと思います。先日、東京のある先生の料理スタジオに伺ったのですが、とても素敵で!
キッチンってやはり生活の中心だと思うんです。家の真ん中にあって、みんなが集まってくる・・そんなキッチンスタジオが夢ですね。そこにミーレのオーブンを・・憧れです!
そして、今100人前後の生徒さんの「カルテ」を1000人に増やしたいです。
───カルテ!?
緒方さん 看護師の名残かもしれませんね(笑)。お伝えしたレシピや情報など、生徒さんお一人お一人ごとにカルテを作り、大切に書き記しているんです。
───1000人の笑顔の輪がつながることを楽しみにしています!今日は本当にありがとうございました。
緒方さん こちらこそ、ありがとうございました!
(おわり)
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=河本純一