予約の取れない自宅教室
~人気レッスンの魅力をレポート~

「リコズキッチン」主宰 山脇りこさん

山脇りこ先生

山脇りこさん

インタビュー連載 第1回

今月のサロネーゼは、都内で料理教室『リコズキッチン』を主宰する山脇りこさん。九州の観光旅館で生まれ、四季のしつらえや旬の山海の幸を使った板前さんが作る料理を五感で学びながら育った豊かな経験を活かし、旬を大切にした家庭料理のクラス『旬の教室』と、日本のだしについて基礎から学べる『だしの教室』を開催。ひと工夫もふた工夫もあるワクワクするメニューとセンスの良いスタイリングは評判を呼び、開設2年にして満席が続きます。2冊の著書も好評で、今年1月には3冊目も刊行する山脇さんの人気のレッスンの模様とインタビューを4回にわたりご紹介します。第1回目はお教室の紹介とレッスンレポート前半です。

掲載日:2013/1/7(月)

旬を伝えるおもてなしのテーブル

上質なレストランやショップが集まる人気の街・代官山。都心でありながら緑が多く、洗練され落ち着いた雰囲気に包まれた魅力的なこの街に「リコズキッチン」はあります。

温かい笑顔の山脇さんに迎えられお邪魔すると、思わず「わぁ~!」と歓声をあげたくなる素敵なレッスンスペースが広がっていました。

山脇りこ先生

季節が伝わる旬の生花で彩るテーブル。試食時にはコーディネートが変わるのも楽しみ

まず印象的なのが、キッチンの優しいラベンダー色の壁。インテリアにもとてもこだわりのある山脇さん。クロス張りが苦手と言うこともあり、塗り壁にし、考え抜いた末この色にしたそう。
優しい色に気持ちがふわっと柔らかくなり、始めての方もすぐに緊張がとけて楽しく受講できる雰 囲気です。

そしてテーブルにはビビッドなピンクを基調にし、秋咲きのバラと、ガーデニング的に旬なビオラをポイントにした華やかなコーディネートがなされていました。

実はこちらはウエルカムテーブル。季節感を大切に、毎月表情を変えおもてなしのアイデアを込めてご紹介しているそう。そして調理後の試食時は多くのお料理が並ぶということもあり、快適に召しあがれることを優先に、ガラッとコーディネートを変えてご紹介していらっしゃいます。

1度のレッスンで2つの異なるテーブルコーディネートを学べるとあって、生徒さんにも好評です。 食卓の愉しみを伝え、また、快適にお食事も楽しんでほしいという細やかな配慮を感じます。 開始時間が近づくと生徒さんが次々にいらっしゃり、「わー、華やかなテーブルで素敵ですね!」と歓声があがり皆さんの目が輝きます。
きゅっとエプロンをつけたあと楽しそうにウエルカムテーブルの撮影をされる様子に、皆さんのワクワク感が伝わってきます。

料理が楽しみになる”家庭で美味しく再現できるレシピ”

レッスンは毎回6~8名の少人数制。レシピを挟んだバインダーを持って着席していただくと、ウエルカムティーを飲んでいただきながら、まずは皆さんに簡単な自己紹介をしていただきます。初めて会う方同士も、この自己紹介できゅっと距離が縮まります。
そしてウエルカムテーブルのご紹介とレシピの説明のスタートです。

「こんばんは、今日もよろしくお願いします!
今日のウエルカムテーブルは、秋っぽくしようかとも思ったのですが、いま秋咲きのバラの季節なのであえてバラをメインにして華やかにしました。そしてガーデニングでは旬のビオラも生けました。
器はアンティークのジノリで、バラの雰囲気に合わせています。実は20代前半に初めて自分で買ったマイファーストジノリなのですが、全部ジノリにしてしまうとちょっと重たくなるので、これくらいのバランスが良いかなと思います」

テーブルにはいつも必ずその時期の生花を生けているという山脇さん。季節感・旬を大切にしているこだわりの一つです。また、器はひとつのブランドだけで揃えるのではなく、あえて他のブランドや作家ものも入れて組み合わせ、皆さんがご家庭で取り入れられるスタイルを提案していらっしゃいます。

そんな、お花も器もルールに縛られ過ぎず、肩ひじはらずにもてなす人ももてなされる人も楽しめるおしゃれで遊び心あるスタイリングは、そのコンセプトとともに生徒さんを惹きつける大きな魅力の一つです。

山脇りこ先生

毎月変わるメニューは”必ず家庭で美味しく再現できること”を大切にレシピを作ります

訪問したこの月のメニューのテーマは、「秋から冬の、毎日の食卓にピッタリなおかず」。
「春雨と鶏団子のスープ、季節の青菜入り」「失敗しない さばの味噌炊き」「大人の海老チリ」「海老マヨ」「シンプル鶏飯」の5品を学びます。

「今月は、新米がおいしい季節ですし、ごはんがすすむ定食になりそうなおかずを、それぞれ美味しくできるポイントや下処理のコツと一緒にお伝えします。いろいろな食材で応用して、おかずのレパートリーを増やしてくださいね。
海老の料理が2種類あるのは、実は皆さんにレッスンのお申込みのときにどちらが良いか伺ったところ、ちょうどご意見が半分ずつあり、じゃあ両方やろうと思って入れました(笑)。
そして、今日はちょっと珍しい焼酎をいろいろご用意していますので、ご試食のときに一緒に楽しんでくださいね。では、鶏ごはんから始めます」

家庭で再現できるように考えられたレシピには、他にもオススメの食材やレシピの所以、美味しくなるコツなどが山脇さんの言葉で2,3行添えてあり、レシピにより興味と親しみが湧き料理が楽しみになります。

料理の”なぜ”がわかり、知識と勘どころが身につくレッスン

「では次に鯖の味噌炊きを作っていきます。味見スプーンをそれぞれ持っておいてくださいね。今日はマサバを使います。いい真鯖があったんですよ~」

と、脂ののった大ぶりで立派な鯖が披露されると、

「すごい!キレイですねー!」

「ほんと、立派ですね。キラキラしてますね!」

と生徒さんも鮮度の良い鯖に大注目です。

「皆さん真鯖とごま鯖の違いはご存じですか? あと、新鮮な鯖の見分け方をお教えしますね。まず確認していただきたいのは・・・」

と、魚の知識や見極め方を丁寧に伝えます。

山脇りこ先生

「なぜこうする必要があるのか」を丁寧に説明。料理の勘どころをわかりやすく学べます

「では今度は臭みの抜き方をやりましょう。湯引きをする方法と焼くという方法があります。どうしてそうするかというと、魚は血と脂が臭いんですね。なので、それを取ると臭みはなくなります。
2枚におろしてキレイに洗って水分を拭いたら、小麦粉をうすーくうすーくつけて、鍋に油をひいてサッと焼きます。火を通すのではなく、油で脂を呼んで無駄な脂を落とします。そうしてペーパーで油をふいて、炊く鍋に並べましょう」

「次は煮方を伝えていきます。調味料は味噌、お酒、みりん、砂糖と、シンプルです。味噌は今日は麦、米、白味噌を混ぜています。
味噌の話をします。もしお家で作るとき米味噌を使うのでしたら、このレシピより少なめにしてください。米味噌は他の味噌よりちょっとしょっぱいです。
ということで、麦味噌と米味噌の味見をしてみて下さい。味見スプーンでどうぞ~」

一人ずつに味見スプーンが用意されており、調理の要所要所で味見をして舌でもしっかり理解してもらう工夫がなされています。

「ん、甘い!」

「味噌それぞれ全然味が違いますね。おいしいー!」と生徒さん。

「麦のほうが甘いですよね。この2つ目の味噌は私が作りました。皆さんお家で味噌は何を使っていらっしゃいますか?いろいろ種類がありますが、味噌は・・・」

いつもレッスンでは「裏テーマ」を設けているそうで、例えば調理法や調味料など、メニューに共通するもう一つのテーマを用意し伝えていらっしゃるそう。
今回の裏テーマは「下処理」。料理の出来上がりを左右する青魚や海老の下処理の方法などを、細かいポイントやコツを紹介しながらしっかりと伝えていきます。

また、山脇さんがとても大切に考えているのが調味料。シンプルな料理ほど調味料が大きな役割を担っており、少々高くてもきちんと作られた調味料を買うことを勧めていらっしゃいます。
レッスンでも毎回調味料についても丁寧に伝えているそう。

美味しくなるひと手間や良い調味料を使う大切さを、ときに冗談を交えながら楽しく和やかな雰囲気の中しっかり伝えていく山脇さん。
“なぜこの作業がなぜ必要なのか”、”なぜこの調味料を使うのか”、”なぜこの順番で行うのか”・・・単に調理手順を伝えるだけでなく、必ずそれぞれの”なぜ”をわかりやすく教えてもらえるので、生徒さんはしっかりと基本の知識と勘どころが身につき、応力力も育ちます。

まだまだ続く楽しいレッスンの続きは、引き続き次回お届けします。どうぞお楽しみに!

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介

 

サロネーゼから皆さまへ

『旬のものを、楽しく作って、大切な人と食べよう!』それが私の毎日のお料理のベースです。
まずは作るのが楽しくって、そんな自分をほめてあげたくなるのが大事。
そうすると大切な人と食べたくなるし、いちばんおいしい旬のものを、と思うようになるし、
さらに作ることがわくわくと楽しくなる、好循環がはじまります。
なので、クラスでは、まず作る楽しさを感じていただくことと、
再現したくなるメニューをお伝えするように心がけています。
料理のかんどころ、手を抜いていいところ、抜いてはまずいポイントもお伝えしています。
簡単だけど、料理上手にみえるレシピも♪
あ!楽しい、これ作りたい、食べさせたいっ!と思っていただけたら
とってもうれしいです。

Q&A人気サロネーゼに7つの質問

Q.1 サロン/教室を開設した年日
A. 代官山で2010年10月~

Q.2 サロン/教室の特徴、コンセプトは?
A. まず、料理を楽しむこと、作る喜び、料理する自分をほめたくなる感じを伝えたい。なので、かならずなにか一緒にお料理をします。
もうひとつ大事にしているのが、
いろいろな料理の過程で、なぜそうするのか?ということを伝えたいと思っています。
なぜ、砂糖が先なのか?なぜ蓋をするのか?なぜしっかり絞るのか?そんな、料理のかんどころを、わかりやすく伝えたい。さまざまな疑問の答えを、私も勉強してきちんと伝えたいと思っています。
それはプロの技とかではなく、代々つないできた家庭料理をおいしくつくるひと手間だったりすると思うので。 そして、食材の旬は、はずさないようにしたいと思っています。テーブルでも旬を意識して、かならず生花を飾るなどしています。
最後に、料理は楽しくなければならないので、継続してかならず通う、というスタイルではなく、行きたいな、と思ったときに来ていただけるようにしたいと思っています。(なので、いらしたときに次回の予約をしていただく、先にお支払いいただく、などの制度は、あえてありません。)

Q.3 どんな生徒さんが多いですか?
A. あらゆる意味で、美しい、前向きな方。
20代から50代までいらっしゃいます。自分を持っている方が多いなと感じます。

Q.4 サロン/教室を主宰してよかったことは?
A. 私自身がとても勉強になります。教室が私の楽しみです。
すばらしい人にたくさん出会えます。

Q.5 レッスン中、心がけていることは?
A. 楽しく!
わかりやすく。
なによりも喜んでもらうこと。

Q.6 人気の高いメニューは?
A. やはり、だしを使ったもの、自家製のクラス(柚子こしょうや、コチュジャン、梅酒、マスタード、レバーペーストなど)、~づくし(ぶりづくし、たけのこづくし、など旬のものを産直で)、また、工程も食材もシンプルだけど、料理上手に見えるお料理。

Q.7 初めて通ってみたい方へ、申込方法や持参するものは?
A. まず、メーリングリストにご登録いただけたらと思います。メーリングリストにご登録いただいた方だけに、ご案内をお送りしています。ご持参いただくのは、お好きなエプロンです。
詳しくは、こちらから。http://rikoskitchen.com/

プロフィール

山脇りこさん
『リコズキッチン』主宰

料理家、フードコーディネイター。
『リコズキッチン@代官山』主宰。

九州の観光旅館で生まれ育ち、季節を感じる食材や料理、しつらえをこよなく愛するように。料理は”作る私も楽しい!が大事””大切な人のために♪旬のものを!シンプルに♪”が信条。

著書に『もてなしごはんのネタ帖』『かけこみおだし塾』(ともに講談社)、また1月末には『うちのごはんヒットパレード~予約が取れない料理教室「リコズキッチン」の人気レシピ125』(ソフトバンククリエイティブ)を刊行。

サロン情報

リコズキッチン
旬の食材を使ったシンプルなお料理で、おいしいちょっとステキな毎日へ。
ちょっとしたコツや組み合わせでいつものお料理がぐぐっとあかぬけるポイントに加えて、おいしくなるために、”どうしてこうするのか?”をしっかりお伝えするようにしています。素材の本当の味をお伝えしたいという気持ちから、少し大人の味、な教室かと思います。

このほか、だしの教室を毎月やっています。ほんとうにおいしい、昆布とかつおの出汁をとってみませんか?

クラスでは毎回、お料理に加えて、国内外から、マニアな私がみつけた、おすすめの調味料やリキュール、食材をご紹介、みりんや塩、お味噌などの味見もしていただいています。

ジャンル:
家庭料理、日本料理、イタリアン、ベジタリアン、日本酒、ワイン、おもてなし、テーブルコーディネート

サロン特長:
初心者歓迎、平日開催、夜間開催、土日開催、お友達同士歓迎、男性参加OK、予約制、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり 

所在地:
東京都渋谷区代官山

ホームページ、ブログ:
ホームページ:http://rikoskitchen.com/
日々のプライベートごはんブログ:http://ameblo.jp/marukinsyokudo/
Facebookページ:http://www.facebook.com/RikosKitchen

レッスン情報:
はじめにメーリングリストにご登録いただき、その方々に教室のご案内を送付しています。ご登録ご希望の方は、next10@carol.ocn.ne.jpまで、メールをご送付ください。 その際、お名前、ご連絡先(お電話番号とご住所)、メーリングリストの送付先アドレスをお知らせください。メール♪お待ちしています。

サロン日程やお申込み関係はこちら

 

  1. とっておきレシピ

    「失敗しない さばの味噌炊き」
    失敗しない さばの味噌炊き
    材料

    材料 作りやすい分量 1尾分 4切れ
    ※20センチの鍋で。

    ・鯖 2枚おろし 1尾分
    ・小麦粉 大1弱
    ・油 適量
    ・酒 カップ1/2 100cc
    ・みりん 大2
    ・砂糖 大4 黒砂糖やきび糖(白い砂糖の場合、少しひかえるとよい)
    ・みそ 大4~5(好みの味噌で、ここでは麦みそ。米味噌の方が一般的に少し塩分強めにしあがります)
    ・しょうが 40グラム ふたかけ(麺棒などでたたく)
    ・鷹の爪 半本、種は抜く

    作り方
    1. 鯖はそれぞれ2つに切ってさっと流水で血を流し、キッチンペーパーで拭く。4切れにする。これに薄く薄く小麦粉をはたき、中火で焼く。火を通すのではなく無駄な脂を落として、臭みを抜くため。ペーパーで油をふいて、炊く鍋に並べる。

      ※湯引きで臭み抜きを行う場合:ザルなどにならべて、身のほうから、全体にそっーと熱湯をかけて湯引きする。(皮にかけると皮がはがれてしまう。)

    2. 1に酒と砂糖、みりん、たたいたしょうがを加えて、中火にかける。オーブンペーパーなどで覆うように落としブタをし、そのまま沸くまで火にかける。5,6分して沸いたら、弱火にし、みそ、鷹の爪を加えて、さらに7,8分炊く。火をとめてそのまま冷まし、食べる前に再び火を入れるとよい。
      ※青魚は冷たい煮汁から、白身魚は熱い煮汁から、それぞれ煮ます。落としブタは、オーブンペーパーなどの紙蓋が、優しくて機能も果たすのでおすすめです。
    3.  

    書籍

    ほんとうは簡単! かけこみおだし塾

    『ほんとうは簡単! かけこみおだし塾』
    だしを初めてとる人、だしに自信がない人、だしのとり方を見直したい方のための、おだしの入門書です。本書では、昆布を水につけるだけの「昆布水」、「一番だし」、「めんつゆ」などだしを使った「自家製の合わせ調味料」の作り方とそれらを使ったメニューを多数紹介します。

    著者 山脇りこ
    出版社 講談社
    価格 税込1,365円

     

     

    うちのごはんヒットパレード―予約が取れない料理教室「リコズキッチン」の人気レシピ125

    『うちのごはんヒットパレード―予約が取れない料理教室「リコズキッチン」の人気レシピ125 』
    家庭料理といえば、何を思い出しますか? から揚げ、ハンバーグ、煮つけ…。答えは人それぞれ。 日本の食卓には、和食から、洋食、中華料理、エスニック料理まで、 さまざまなメニューが並びます。 しかし、一通りの作り方を知っていてもどこかうまくできない、 どうしても献立が単調になりがち、ということも多いはず。 そこで、旅館の娘として育ち、人気の料理教室を主宰する著者が、 繰り返し作ってきた「うちの味」を厳選して披露します。 おうちで食べたくなる、そして、おもてなしにも活用できるレシピが満載です。

    著者 山脇りこ
    出版社 ソフトバンククリエイティブ
    価格 税込1,365円

     

  • サロネーゼ会員募集中
  • サロネーゼ会員の書籍紹介
  • 自宅教室開講までのノウハウ
  • キッチンリフォームを特別価格でご提案
  • バーミックス特別レシピ
  • CENTRO
  • cam2011_miyakonojo
  • cam1806foodart
  • cam1912americanpork
  • cam2009alcenero_rp
  • cam2010nippun
  • cam2011alcenero_rp
  • cam2106almonds
  • cam2103alcenero_rp
  • cam2107alcenero_rp
  • cam2111americanbeef
  • cam2109alcenero_rp
  • cam2204alcenero
  • cam2023kitchen