予約の取れない自宅教室
~人気レッスンの魅力をレポート~

『boa mesa』主宰 若林三弥子さん

若林 三弥子さん

今月ご登場いただくのは、北鎌倉でおもてなし料理を教える『boa mesa』(ボアメーザ)を主宰する若林三弥子さん。47歳からはじめた料理サロンは、”ここに来れば癒され、満たされ、磨かれる”と評判を呼び、たった数年でキャンセル待ち500名以上の人気サロンに。4月からTVとラジオのレギュラー出演も決定し、ますます活動の幅が広がる若林さんのレッスンの模様とインタビューを4回に渡りご紹介。

第2回目はレッスンレポート後半です。

掲載日:2012/4/9(月)

おもてなしの心を料理でも表現

キッチンに移動し、さきほど引いたくじの番号の席に座ると、いよいよデモンストレーションの開始です。

若林さんが31歳のときに自ら図面を引いて考えたというキッチンは、ボアメーザのイメージカラーであるグリーンで統一されていて、すっきり気持ちのよい空間。当時はいつか料理サロンをするとは夢にも思わなかったそうですが、窓から移りゆく北鎌倉の景色を眺めながらお料理ができる素敵な造りです。
デモンストレーションのテーブルには、すでに”メニューシート”の他、今日の食材や調味料が整然と並べられ、アシスタントさんがきびきびと準備を進めていました。

「さぁ、それでは始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。そちらは、”メニューシート”と呼ばせていただいています。まずは表紙からご覧ください。1月から3月は、『boa mesa2012 春を待つメニュー』として、8品ご紹介しています。いつもお料理に合わせたお飲みものをご用意していてワインが多いのですが、今日は和がテーマなので『月の桂』という発泡した日本酒をお出ししますね。では前菜からご説明してお作りしていきまーす」

目の前で展開されるデモンストレーション。一人一人に話しかけるようなわかりやすい説明

 

 

『boa mesa』では、生徒さんの目の前で調理をする完全なデモンストレーション形式なので、生徒さんは作る過程を全てしっかり見て学ぶことができます。

1回のレッスンで学べるのは毎回約8品。今日のメニューは、”和モダン”のテーマに合わせた「さつまいものきんとん ゴルゴンゾーラ風味」「アボカドのザーサイ和え 豆腐とともに」「サーモンの和風リエット バゲットとともに」「クリームチーズの味噌漬け」「しっとり鶏ささみと長芋の大葉ソース」「ぶり大根ボアメーザ風」「カルボナーラ風うどん」「豆まめきんつば しょうが風味」です。

そのうち前菜は5品。前菜が多めですが、それには理由があります。

キャプションテキスト

「様々な種類の前菜をお出しするのがボアメーザ流なんです。
前菜って一番最初にお出しするだけに、いろいろなものが美しく盛られていると
楽しくて気持ちがはずみますよね。つかみはOKといいますか(笑)。

テーブルを華やかにし、その場を和ませ、次のお料理を楽しみにしていただける、
とても大切な役割があると思うんです。ですからいつも多めにご紹介しています。」

お料理にもハッと思っていただけるサプライズをいつもご用意するようにしているという若林さん。前菜は多彩な表現でおもてなしの気持ちを伝えることができる、とのセオリーに、おもてなしのプロとしての高い意識を感じます

 

魔法の調理法「蒸しいため」

デモンストレーションは若林さんの軽やかで楽しいトークで、皆さん終始笑顔に包まれています。
実は大阪出身の若林さん。ご自身を「遅咲きのキッチンのピン芸人・ナニワンヌの若林です」と称するほど、ユーモアたっぷりな方です。ウィットの効いた、誰もが楽しくなるトークとデモンストレーションはまさにエンターテイメントの域。柔らかな語り口でときには爆笑を誘うギャグも飛び出し、一瞬たりとも生徒さんの気をそらしません。
そんな楽しい雰囲気の中、1品1品丁寧な説明とデモンストレーションが続きます。

「では次に、しっとり鶏ささみをご紹介します。ささみはどうしてもパサつきやすいのですが、蒸しいためで作るとしっとりおいしく出来上がるんです。繰り返し作ってくださる方の多い、とても人気のメニューなんですよ。ではまず厚手の鍋に・・」

これまで刊行した7冊のレシピ本でも多彩な「蒸しいため」レシピを紹介

蒸しいため』とは、厚手の鍋に、少しの塩・油・水を入れて強火で数分加熱する調理法。南米駐在から帰国後、日本の野菜は味が薄いと感じ、なんとか素材のおいしさを引き出せないかと考え出した新たな調理法です。

「蒸しいためは、塩で素材のおいしさを引き出し、油で包んで水蒸気で調理する方法です。短時間で調理できるうえ、単に蒸したり茹でるより栄養分が逃げず、色も食感も良く仕上がるんですよ」

おいしくて簡単なうえ見栄えもよく、さらには栄養価が高まり省エネもできると、生徒さんにも大好評。

「今までしてきた野菜料理はなんだったのだろう?と驚く方も多くて、もうこれからは茹でません!と、皆さん蒸しいため党に入党されます(笑)。野菜嫌いだったお子さんが野菜好きになったり、料理が面倒でなくなった、と嬉しいお声を沢山いただいています」

納得のいくおいしさのために日々研究

「では次に、ぶり大根を作っていきますね。私は大阪出身なのですが、初めて東京でぶり大根を食べた時は真っ黒で固くて本当に驚きました。なんとか、身がふわっと柔らかく見た目も美しくできないか・・と試行錯誤してこの方法を考えました。まずは大根と人参を蒸しいためしていきますね。そして・・」

「えー、そうやって作るのですね!」
「なるほど~!」

それぞれ素材本来のおいしさと洗練された完成度を目指して編み出したという、その意外な作り方に生徒さん達も驚きます。

蒸しいためは「色・味・栄養価」三拍子揃った調理法。野菜も魚も肉も美味しく仕上がります

「水蒸気で調理していく、食材にストレスを与えない作り方なんです。なのでぶりが柔らかくおいしく出来上がるんですよ。お楽しみになさってくださいね。次に、カルボナーラうどんです。カルボナーラと言ってもチーズも生クリームも胡椒も使いません。今回は徹底的に和をテーマに作ろうと思い、こちらも試行錯誤して考えました。胡椒の代わりには実山椒を使うのですが、私はここのものが好きで使っています。よろしればこちらもお回ししますね」

この日使う食材や調味料をその都度まわし、生徒さんはしっかりチェック。

若林さんのレシピは独創的で斬新なアイデアがいっぱい。蒸しいためを生み出したように、納得のいくおいしさを完成させるために調理法の研究を惜しみません。添え物までも妥協せず、ベストな相性のものを探します。
このこだわりも、多くの生徒さんをひきつける魅力の一つです。

『boa mesa』の魅力

 

「では、これで一度デモンストレーションを終わります。カルボナーラうどんは、アツアツをご試食いただきたいのでまたのちほどご紹介します。どうぞお席におかけください。前菜の試食からご用意いたしますね」

デモンストレーションが終わるとテーブルに着席し、いよいよ試食のスタートです。ボアメーザの試食は、心地よいタイミングで若林さんがサーブするレストラン方式。美しい器に盛り付けられた前菜がサーブされると、

「わー、きれい!」と歓声があがります。

そして、料理に合わせたスパークリングの日本酒『月の桂』で乾杯です。

 

器との見事なマリアージュ。料理がよりおいしくなる素敵なコーディネート

「お口にあいますか?」
と若林さんは一人一人に声をかけながら、さりげなく皆さんに話題を提供し、生徒さん同士テーブルで会話が弾みます。

ご試食の途中に、生徒さんに『boa mesa』の魅力をお尋ねしました。

「お料理のアイデアがとにかく素晴らしくて、そしておいしいんです。蒸しいためを習ってから料理がとてもラクになりました」

「お料理もテーブルコーディネートも本当に素敵。こちらに通うようになってから、毎日の暮らしがステップアップできているような気がします。先生のおもてなしとライフスタイルはお手本です」

「お料理はもちろんですが、先生のお人柄が素敵でずっと通っています。ここに通うのは自分へのご褒美なんです。
先生にお会いして、ここで他の生徒さんと楽しい時間を過ごすと、心のもやもやが吹き飛んでいきます。かけがえのない貴重な時間です。」

皆さん同じく、「お料理のおいしさ」「テーブルコーディネートや空間の素敵な演出」、そして、「なにより先生のお人柄」と話されます。
単にお料理やテーブルコーディネートを学ぶだけではない、そのほか沢山の得るものがあるということが伝わってきます。『boa mesa』のレッスンは、皆さんにとってかけがえのない時間になっているようです。

『boa mesa』の魅力

「それではそろそろ、カルボナーラうどんをお作りしますね。どうぞキッチンへお越しください。普通に盛るとこのオワゾー(鳥)が隠れてしまうので、なんとか柄を活かしたいと盛り付けも考え抜きました~!」

そして完成した見事な一皿にまた歓声があがります。
通常は一度のデモンストレーションで全てのメニューを作ることが多いのですが、このようにメニューによっては、できたてをご試食いただくためにデモンストレーションを分けて実施します。今回はこのあとのデザートも、アシスタントのゆうこさんにより最後にデモンストレーションが行われました。

 

ここでの出会いも会話も心ゆくまで楽しんでほしい、と終了時間は特に設けていない『boa mesa』。
和気あいあいな雰囲気を作り出す若林さんのこまやかな気配りとユーモアのある会話、そして、一人一人に”来て下さってありがとう”という感謝が伝わるおもてなしに、テーブルでは初めて会う生徒さん同士がほとんどにも関わらず会話が弾みコミュニケーションが生まれ、心地よい時間が流れていきます。

この日ご参加の生徒さんが持参された手作りのスイーツも美しくお皿に盛って提供され、サーブの終わった若林さんもテーブルに加わり楽しい会話はますます弾みます。

“ここに来れば癒され、満たされ、磨かれる”との評判通り、キャンセル待ちしてでも通いたい理由がたくさん詰まった素敵なレッスンでした。

 

次回は、レッスン後に伺った『boa mesa』オープンのきっかけ~レッスンに込めている思いなどインタビュー前半をお届けします。
どうぞお楽しみに。

イインタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介 

プロフィール

若林 三弥子さん
『boa mesa』主宰

1958年大阪生まれ。同志社大学法学部法律学科卒業。
商社マンの夫と結婚。中近東・南米各国で、駐在員の妻として、取引先、出張者の接待、家族・友人・知人のために日々料理を作る専業主婦生活を25年続ける。

2005年47歳のとき、自宅にて料理教室”boa mesa”をスタートさせる。
全国、海外からも集まる生徒数は現在472名。ひとクラス8名のおもてなし形式で、ほぼ毎日開催のサロンを独力で運営しながら、年2回の出版、メディア、企業からのオファーもこなす。現在サロンのウェイティング登録数は500名以上にものぼる。

ブログ→http://ameblo.jp/boamesa/

サロン情報

boa mesa

訪れるかたのすべてに幸せを感じていただきたいという強い思いに貫かれた、おもてなしの空間です。
きっと素敵な時間が待っている、そんな予感を、実感に変えて差し上げること、それが boa mesa のおもてなしです。

まずウエルカムティーでお迎えし、ソファで寛いでいただいたあと、三ヶ月ごとにメニューにあわせてがらりと変わるテーブルコーディネートのご説明。キッチンに移っていただき、デモンストレーション形式の調理タイム。素材の性質、調理のポイント、講師独自の調理法を徹底的に伝授します。テーブルに着席していただき、料理にあわせてプロのソムリエが選んだワインとともに、コース形式で料理を楽しんでいただきます。

三ヶ月ごとに変わるメニューは前菜数種を含む8~10品構成、必ずデザートも含まれます。香り高いカフェをお食後に楽しんでいただいたあとは、お急ぎでないかたはこころゆくまで、おしゃべりと憩いのひとときを。大きなオーバーハンギングの窓の外はすべて緑、ゆったりと穏やかな時間の流れる北鎌倉の自然が、「もうひと品」に加わる、そんなサロンです。

ジャンル:

家庭料理、おもてなし、テーブルコーディネート

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、子連れOK、男性参加OK、予約制、駐車場あり、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり

所在地:

神奈川県鎌倉市山ノ内

所在地:

家庭料理、おもてなし、テーブルコーディネート

ホームページ、ブログ:

http://boamesa.jp

レッスン情報:

■ご予約に関して■
ただいま定員オーバー状態ですので、ご新規のかたにはキャンセル待ちをお願いしております。その月のクラスにご参加いただいたかたに、次の月のクラスに優先的にご予約いただいております。ただ、たくさんのご登録をいただいており、以前のようにメールでお知らせをした場合にご返信メールの開封もできない状態です。
空席が出来た場合のご案内を差し上げるためのシステムの準備を進めております。

現在は、デパートなど他会場でのイベントにご参加くださった皆さまのなかから、抽選・じゃんけん大会などをさせてただき、一回だけのご参加のかたを決めさせていただいています。イベント情報はnewsやブログでご確認ください。

キャンセル待ちをご希望のかたは benvenidos@boamesa.jp にご登録をお願いいたします。お名前・ご住所・お電話番号・ご携帯お電話番号並びにアドレス・ご自分でサロンをなさっている場合はその旨・boa mesa をお知りになったきっかけの媒体(お知り合いが既に生徒さんである場合、そのかたのお名前)に関してもお教え願えれば幸いです。

 

とっておきレシピ

カルボナーラ風うどん
材料

・冷凍うどん 2食分(解凍用の熱湯も用意)
・ベーコン   50g(1cm幅の短冊切り)
・にんにく   大きいもの1片(つぶす)
・グレープシードオイル  大さじ1
・実山椒  適量
・スプラウトなど好みの生野菜 適量

<A> (溶き混ぜておく)
・卵黄 2個、だし 100ml、塩 小さじ1/4強

作り方
  1. フライパンに、ベーコン、にんにくを入れ、グレープシードオイルをかけて弱火で熱する。
  2. 香りが出てベーコンがこんがり色づいたら火を止める。ベーコン・にんにくを取り出してしばらくおきフライパンの熱を下げる。
  3. 冷凍うどんを熱湯に入れてほぐす。
  4. フライパンを再び中火にかける。温まりかけたところでうどんの水気を切って加え、うどんが温まるまで混ぜる。
  5. うどんを鍋の片側に寄せ、空いた部分にAを流し入れる。うどんにからめ、すぐ火を止める。
  6. 器に盛り、ベーコン・実山椒を散らす。好みの生野菜をあしらう。

 

書籍

若林三弥子の 蒸しいため完全マスター

『若林三弥子の 蒸しいため完全マスター』

野菜の美味しさと栄養をふんだんに味わえる『蒸しいため』は「ゆでる」「蒸す」「炒める」よりも、栄養満点の画期的調理法!栄養学的にも完璧な野菜調理のスーパーテクニック「蒸しいため」の完全マスター版がついに登場!

 

商品のポイント
1.野菜別に、シンプル・コンビネーション・アレンジの3つのレシピを紹介。全部で110レシピ掲載!
2.春夏秋冬おなじみの野菜ばかり45種の「蒸しいため調理」の基本と応用が分かります!
3.主菜にもなるし、副菜にもなる野菜レシピのオンパレード!
4.「蒸しいため」は究極の”時短・節電・節水”調理です!

著者 若林三弥子
出版社 メディアファクトリー
価格 税込1,365円

ご購入はこちら

書籍

シャスール鍋ひとつで 若林三弥子の野菜たっぷり最愛レシピ

『シャスール鍋ひとつで 若林三弥子の野菜たっぷり最愛レシピ 』

北鎌倉の料理教室「ボアメーザ」を主宰するカリスマサロネーゼ、若林三弥子さんのサロンは、ここに通うと誰もが幸せになれると評判の超人気サロン。常に450人以上の生徒が足を運び、さらに450人以上がキャンセル待ちをしているということからも、その人気ぶりがうかがえます。

若林三弥子さんが愛用する、シャスールの鍋は、「煮込みに」「囲み鍋に」「オーブン焼きに」「蒸しいために」「炊き込みご飯に」と、5Wayの調理が可能な優れた鋳物ホウロウ鍋。

この鍋がひとつあれば、かんたんにおいしい野菜料理を作ることができます。その使い勝手のよさと、それを愛用する著者の人気とともに、今、全国に”シャスラー”が急増中!本書では、毎日の食卓に役立つ愛情たっぷりのレシピを全部で51点収録します。

著者 若林三弥子
出版社 小学館
価格 税込1,365円

ご購入はこちら

 

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