「Maison de sucre(メゾン・ド・シュクル)」主宰 安田美紀さん
インタビュー連載 第1回
今月のサロネーゼは、札幌市・宮の森のご自宅でお菓子、料理、パン、シュガーアートを学べるサロンスタイルの教室『Maison de sucre(メゾン・ド・シュクル)』を主宰する安田美紀さん。優雅な空間の中で、フランス伝統の本格的なレシピに安田さんならではの感性とオリジナルアイデアが融合したレッスンは評判を呼び、オープン1年強ですが既に多くの生徒さんで賑わいます。今回は3か月に1回・季節ごとに開催される「お料理プレミアムクラス」の模様とインタビューを4回にわたりご紹介します。
第1回目はお教室の紹介とレッスンレポート前半です。
掲載日:2012/10/29(月)
優雅な空間で学べる『Maison de sucre(メゾン・ド・シュクル)』へ
札幌市内・宮の森、近くに北海道神宮やアメリカ総領事館のある閑静な住宅街の一角にある『Maison de sucre(メゾン・ド・シュクル)』。瀟洒に佇む邸宅の、玄関に向かうアプローチには優美なお教室のロゴがデザインされており、ドアチャイムを鳴らす前から胸が高鳴ります。ドアを開けると、爽やかな笑顔の安田さんが迎えてくださいました。
玄関を上がってすぐのお部屋は、シュガーアートのレッスン用。これまでの作品が飾られ、壁にはル・コルドン・ブルーを始め数々のディプロマの額が並んでいます。窓からは山と庭の緑が見え、心地よい雰囲気の中で学べます。
明るく優雅な空間。ここで過ごすレッスン時間は生徒さんの癒しにもなっています
それ以外のレッスンが開催されるのは二階です。階段を上がってお邪魔すると、広がっていたのは上方にある窓から光が差し込む明るく開放的な空間。洗練された調度品と、安田さんが愛するパリのエッセンスがあふれた小物やセンスのよい手作りの品々がバランスよく置かれ、部屋を彩っています。
ゆったり座れる6人掛のテーブルには、秋をテーマにした今日のレッスンに合わせたシックなテーブルセッティングがなされていました。
また、サイドに置かれたテーブルには、9月下旬から約1か月半お菓子留学してきたパリで購入してきたというルノートルの食器を使ったコーディネートも。今回は、パリのお土産レッスンでもあるそう。
優雅な空間で今日はどんなレッスンが開催されるのか、期待が高まります。
こだわりと気配りが随所に。居心地のよさを演出
お教室では、お菓子、お料理、パンをメインに、シュガーアートのレッスンがあり、それぞれ月に1回開催されます。訪問したこの日は、3か月に1回・季節ごとに開催される「お料理プレミアムクラス」。秋のおもてなしをテーマに、スープ・前菜・メイン・デザートのコース仕立てで、「かぼちゃのポタージュ」「キノコとポーチドエッグのココット」「フランドル風牛肉のカルボナード」「リンゴのクランブル」の4品を学びます。
開始時間の11時が近づき、生徒さんが集まっていらっしゃいました。入室と同時に、
「わー、素敵!」
と、テーブルコーディネートに感嘆の声があがります。
そして身につけるのは、お揃いのエプロン。安田さんがデザインし、入会時に生徒さんにプレゼントしているそうで、お教室のロゴが刺しゅうされています。カラーは、お菓子やお料理が映えるように選んだという落ち着いたブラウン。スマートなシルエットで着心地も良いと、生徒さんに好評です。
お部屋には安田さん手作りの作品がさりげなく溶け込み、温かい雰囲気を演出しています
実は、裁縫など手芸も得意の安田さん。時間を見つけては、様々なものを作っているそう。例えば写真は、多目的に使えるナプキン。教室のロゴに加え、可愛らしいスイーツの刺しゅうが柄違いでほどこされています。そして思わず食べたくなってしまうマカロン型のケースも手作り。
「生徒さんがレッスン前に指輪やアクセサリーを外される時、そのままポケットに入れては探しにくくなってしまいますから、これに入れて保管していただいています」
このような細やかな気配りは、お教室の随所にあります。例えば、生徒さんがレッスン中もご自分の好きな時に飲めるように、とドリンクコーナーも用意されています。
生徒さんが快適に過ごしてくださるようにという、安田さんの思いが伝わってきます。
本格的なレシピを家庭で再現できる工夫を
エプロンをつけ着席後、まずはレシピに目を通していただき、そして説明からスタートです。
「ではレシピの説明から始めます。今日は4品作ってまいります。まずかぼちゃのポタージュですが、レシピを見て驚かれたかもしれませんが、レンコン、トマト、お米が入っています。レンコンは、かぼちゃの甘みを引き出して味に深みを出し、少し粘りがありますのでとろみもつきます。トマトは甘みと酸味を加えて爽やかなお味になります。また、お米を入れることで濃度がつき、おいしいポタージュになります。そしてローズマリーは・・」
ル・コルドン・ブルーで料理、菓子、パン全て卒業しグランデュプロムを取得したほか、今田美奈子食卓芸術サロンで製菓、シュガーデコレーション、テーブルセッティング等全てのデュプロムを取得。フランスをはじめヨーロッパ各国で研鑽を積み、フランス大使館でスタージュも経験したという安田さんが伝えるレシピはどれも本格的。
フランスの伝統的なレシピを基本に、培ってきた感性とアイデアを加え生みだされるオリジナルのレシピは、家庭用に手を抜いたものではなく、プロの味がきっちり家庭で再現できると、生徒さんに喜ばれています。
今も年に1回はフランスに行き、新たな学びや情報を得てレッスンに反映しているそう
「今日の2つのレシピに出てくる『カソナード』はフランスの赤砂糖で、コクがあります。札幌でも手に入るところがありますが、無ければきび砂糖など他のお砂糖で大丈夫です。そして、フランドル風牛肉のカルボナードですが、これはフランドル地方のお料理で、牛肉と玉ねぎを炒めてビールで煮込んでいきます。カルボナードとは、泡立つ、という意味が語源で、現地での食べ方は・・」
レシピの紹介と共に、その背景や文化、現地での食べ方などを含め、より深くお料理のことを伝えていかれます。
「それではキッチンの方へいらしてくださーい。途中、お疲れになったら座って休んでくださいね。あと、あちらにコーヒーやお水のご用意をしていますので、ご自由に飲んでください。では、流れからご説明します」
キッチンへ移動し、デモンストレーションの開始です。このあとの模様は、引き続き次回お届けします。どうぞお楽しみに!
サロネーゼから皆さまへ
Maison de sucre(メゾン・ド・シュクル)では緑あふれる閑静な住宅地、宮の森にある一軒家の優雅な空間の中でお菓子、料理、パン、シュガーアートを学べるサロンスタイルの教室です。フランスに昔から伝わる伝統のレシピを基本に、旬の素材を大切にしながら自由なアイディアと感性を加えて新しい味わいやフォルムを作り出しています。大切な人に作りたい、贈りたい皆様へ幸せレシピをお届けします。
Q&A人気サロネーゼに7つの質問
Q.1 サロン/教室名の由来は?
A. 「Maison de sucre」はフランス語で「お砂糖の家」という意味です。サロンに来られた生徒さんに、日々の暮らしをスイートに変えるきっかけとなるひとときを過ごしていただきたいという思いを込めました。
Q.2 サロン/教室の特徴は?
A. 当サロンは札幌市の緑あふれる閑静な住宅街にある一軒家の優雅な雰囲気の空間で学べるサロンスタイルの教室です。フランスの伝統的なレシピを基本に、本格的なお菓子・パン・お料理、シュガーアート等をご自宅で再現出来るようにアレンジした少人数制レッスンです。
Q.3 サロン/教室を主宰してよかったことは?
A. 当サロンのコンセプトテーマは「大切な方に作りたい!贈りたい!幸せレシピ」ですので、ご家族やお友達に喜んでいただいたというお話を伺った時。
Q.4 レッスン中、心がけていることは?
A. 初心者の方から経験者の方まで、お一人お一人に合わせてどんな小さな質問でもわかりやすく丁寧にご指導させていただく事を心がけています。
Q.5 今も勉強していることはありますか?
A. 年に一度はパリに行き本場の味とトレンドを確認し、卒業校のプログラムにも参加してブラッシュアップに努めています。
Q.6 教室で愛用しているキッチングッズは?
A. ストウブ・ルクルーゼ・ツヴィリング・キッチンエイド・クイジナート社等
Q.7 初めて通ってみたい方へ、申込方法や持参するものは?
A. いつからでもご入会いただけます。初回体験レッスンもありますのでお気軽にご参加ください。
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=安田美紀(Maison de sucre主宰)、加藤幸雄
プロフィール
安田 美紀さん
『Maison de sucre メゾンドシュクル』主宰
今田美奈子食卓芸術サロンにて、製菓、シュガーデコレーション、テーブルセッティング等全てのデュプロムを取得。フランス、オーストリア、イギリス等ヨーロッパ各国で研鑽を積み、パリのリッツエスコフィエ、ベルエコンセイユ等で学ぶ。その後、ルコルドンブルーにて料理、菓子、パン全て卒業しグランデュプロムを取得する。フランス大使館でのスタージュを経て、札幌市宮の森にてお菓子・料理・パン教室「メゾンドシュクル札幌」を主宰。
・ル・コルドン・ブルー グランデュプロム取得
・仏政府公認 国際テーブルデコレーター
・オーストリア文部省公認 社交界認定書受領
・英シュガーデコレーションディレクター
・米ウィルトンシュガーライセンス
・ブルックボンドハウス ティーコーディネーター
・チーズプロフェッショナル協会 COC認定
・今田美奈子食卓芸術サロン分室
・国際食卓アカデミー協会会員
サロン情報
Maison de sucre メゾンドシュクル
< 自由に学べる4つのコース >
お菓子をはじめ、お料理、パン、シュガークラフト等自由に学べる。フランス伝統のレシピを基本に、旬の素材を大切にしながらパリや東京の情報をいち早く取り入れ、オリジナルのアイディアと感性を加えて新しい味わいやフォルムを作り出し発信。
ゆったりとしたサロン形式の教室で、初心者の方から、現在料理やお菓子に関わる職業の方でも学ぶことで、広がるバリエーション。新しいライフスタイルへのきっかけに。またウェディングコースもあり、花嫁さん自身がゲストをもてなすケーキと引菓子の制作やご指導も行っています。
ジャンル:
フレンチ、パン、洋菓子、チーズ、おもてなし、紅茶、テーブルコーディネート、ナプキンワーク、フラワーコーディネート、その他
サロン特長:
初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、子供教室あり、予約制、駐車場あり、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)
所在地:
北海道札幌市中央区宮の森3条11丁目
ホームページ、ブログ:
http://maisondesucre.com
http://ameblo.jp/maisondesucre
レッスン情報:
いつからでもご入会可能で各コースを毎月自由にお選びいただけます。単発レッスンもありますのでお気軽にお問い合わせください。
●入会金:10,500円(各コース共通)
●受講料:
・パティスリーコース 22,050円(3ヶ月前納)7,350円/1回
・キュイジーヌコース 22,050円(3ヶ月前納)7,350円/1回
・ブーランジュリーコース 22,050円(3ヶ月前納)7,350円/1回
・シュガーアートコース 22,050円(3ヶ月前納)7,350円/1回
※11回全納の方は1回分無料で受講することができます。
※2012年11月現在の受講料です。
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とっておきレシピ
かぼちゃのポタージュ
材料
(4人分)
・かぼちゃ 400g
・レンコン 50g
・トマト 1個
・チキンスープ 600g
・無洗米 大さじ1
・バター 15g
・牛乳 200g~
・生クリーム 大さじ2
・ローズマリー 1枝
・ナツメグ 適量
・塩・胡椒 適量作り方
- かぼちゃは種と皮を取り除き5mm厚さ位にカットする。
- レンコンは皮をむきかぼちゃと同じ位にカットする。
- トマトは湯むきをして皮と種を取り除き粗くカットする。
- 深めの鍋にバターを熱し、かぼちゃ、レンコン、トマトの順に炒め、チキンスープと無洗米、ローズマリーを加え煮立ったら中火で約30分程南瓜とレンコンが柔らかくなるまで加熱する。
- 火を止めてローズマリーを取り除きハンドブレンダーまたはミキサーでなめらかになるまでまわし、ピューレ状にする。
- 牛乳を加えてナツメグ、塩、胡椒で調味する。
- 仕上げに生クリームを加え、器に注ぐ。好みで引き立ての黒胡椒を適量のせる。