『Convivialite』主宰 杉山 純子(すぎやま じゅんこ)さん
福岡駅からほど近い閑静な住宅街の一角に、杉山さんが主宰する『Convivialite』はあります。
レッスンが行われるリビングダイニングにお邪魔すると、窓一面に広がる緑豊かな景観が一瞬にして緊張をほどきリラックスさせてくれます。室内にはあたたかな雰囲気を醸し出すナチュラルテイストの家具とともに、ところどころに杉山さんのセンスがキラリと光る小物がバランスよく並べられている居心地の良い空間で、今日はどんなお料理が学べるのでしょう?
早くも期待が高まります!
『Convivialite』のご紹介
私たちスタッフがお邪魔した時にはもう、作業台には下準備された食材や計量済みの調味料、調理道具などがきれいに並べられ、生徒さんを迎える準備が整っていました。
今日のレッスンメニューは、アペタイザーに「ゆずの香り 蕪のとろとろスープ」「とろ~り ローストビーフのサラダ」、メインに「牡蠣といかのピラフ」、デザートに「いちごのふんわりフロマージュ乗せ」の4品。
「簡単・美味しい・きれい」をコンセプトに、ご家族との食卓やおもてなしに活躍するお料理とお菓子を、毎月違うテイストでご紹介されています。
レッスンは、杉山さんのデモンストレーションと生徒さんによる実習をバランスよくミックスしたスタイル。生徒さんは洗い物や下準備はなく、お料理のポイントをしっかり集中して学べます。
サロン名の『Convivialite』(コンヴィヴィリテ)とは、フランス語で「一期一会。会食の楽しみ」という意味だそう。
美味しくて安全で四季を感じる食材、そして、ここで出会う方々との『Convivialite』を大切にし、食べて下さる方に温かい笑顔がこぼれる様なおもてなしのお料理を提案したいと思っています。お友達のおうちでごはんを頂いたらレシピも付いてきた・・、そんな感じで寛いでいただければ」
という杉山さん。
自然体でおもてなしと教えることを楽しむ杉山さんの、ふんわりやわらかなお人柄も人気の秘訣です。
ウェルカムティーでほっと一息
開始時間が近づき、
「こんにちはー!」
生徒さん達が次々にいらっしゃいました。
今日の生徒さんは、もう何度も通っていらっしゃるという3名さまです。
エプロンをつけて着席されたら、ウェルカムティーとして、季節に合わせた「sakura tea」を。ちょっと珍しいお茶も、会話が広がるきっかけになる嬉しいおもてなし。毎回、生徒さんの笑顔を想像しながら工夫をこらしていらっしゃるようです。
ほっと一息ついていただいたら、レシピの説明からスタート。アペタイザーから順に、食材と作り方を丁寧に説明していかれます。
「ローストビーフって難しそうかもしれないけれど、今日は失敗しない作り方をお教えしますので、ぜひお家で作る時もいいお肉で作ってみてください」
「蕪は、筋っぽくなってしまうので、買ってきたらすぐに葉っぱを切ったほうが良いです。葉っぱは買った時はしなってなっているけど、切って水につけておくとすぐワサワサと元気になるので、ぜひそうやってパリッとさせてから使ってくださいね」
お家で再現していただくときに参考になることもたっぷり交え、わかりやすく伝えていかれます。
いよいよレッスンスタート!
「ではローストビーフから作りますね。まず、まんべんなく塩をして、表面を焼いていきます」
と、取り出したのは、デザイン性の高い柳宗理の小ぶりの鉄製フライパン。鉄製にしては軽めにできており、とても扱いやすいそう。
ジューッと肉の焼ける音と一緒においしそうなにおいが広がりだしました。
「わー、いいにおい!おいしそう~」
「家でローストビーフが作れるようになるなんて嬉しい!」
一品で豪華なおもてなしになるローストビーフが簡単に作れるとあって、生徒さんの期待も大きそうです。
「焼けたら大きめに用意したラップの上に置いて、ブラックペッパーをお好みの量をかけて、ピッタリと包みます。そしてジップロックに入れてできるだけ空気を抜いてください。それを75度くらいのたっぷりのお湯に1時間くらいつけます。そして・・」
杉山さんがコツを交えて、手際良くデモンストレーションをしていきます。
基本的にレッスンでは、生徒さんにキッチンに入っていただくことはなく、火元はガスカセットコンロと、IHクッキングヒーターを使います。
「あえて、ガスとIHの2台を置いてます。ガスはやはり火加減が見えますので確認していただくために必要ですし、ご自宅ではIHという生徒さんが結構多いので、ご自宅で再現していただくときにわかりやすいようIHもご用意しているんです」
なるほど、これも生徒さんのことを考えた工夫ですね!
情報交換もお楽しみ
続いてデザートに使うクランブル作りが終わり、お料理は順調に進んでいきます。
次はタイトルも魅力的な「ゆずの香り 蕪のとろとろスープ」作りです。
「今日は蕪をスープにするんですけど、大きいほうの蕪は皮つきのままで、浮き実になる小さいほうは皮をむいて使います。でも、野菜は皮と身の間に栄養分がいっぱい詰まっているので、皮も鍋に入れますね。食べられる部分は大切にして、なるべく食べるようにしたいと思います。そして今日は白味噌を使いますが、もしなかったら・・」
野菜の扱い方や無駄のない調理法、そして食材や調味料の代替え案など、合間合間にたくさんの情報を伝えていきます。
生徒さんも積極的に質問をされたり、感想を伝えられたりと、とても和気あいあいと楽しそう!
「では次に、ローストビーフとあえるサラダのドレッシングを作りましょう。レシピの材料を全部合わせていきますね。マスタードは、今日は無量塔(むらた)さんっていう由布院の旅館のマスタードを使います、他の粒マスタードでも大丈夫ですよ」
「このマスタード、おいしそう~。どこで買えるんですか?」
「これは岩田屋さんの地下で購入しました。無量塔のマスタードは、この粒々が・・」
生徒さんにとっては、先生が推薦する、知らなかった食材や新しい食情報を得られるのもレッスンの魅力の一つ。
また、おススメの市場やスーパーマーケット、おいしいお店や地域の情報など、レッスン中に先生と生徒さん、みんなで繰り広げられる情報交換も大きな楽しみです。
「そういえばこの前○○で○○を買って・・・」
「あー知ってます!あの角のお店ですよね!?」
様々な情報交換もありながら楽しい笑い声が響く中、レッスンは続いていきます。
(次回へつづく)
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=河本純一
プロフィール
とっておきレシピ
とろ~りローストビーフのサラダ
材料
(ローストビーフ)
牛肉ローストビーフ用…300g
塩(肉の重量の1%くらい)…小さじ1弱
ブラックペッパー…適量
(ソース)
無量塔のマスタード(または粒マスタード)…大さじ2
はちみつ…大さじ2
醤油…大さじ2
米酢…小さじ2
(盛り付け)
サニーレタス…適量
マスタードスプラウト…適量
(真空調理に必要な道具)
フタができる厚手の鍋
ジップロック
ラップ
作り方
- 1.肉に分量の塩をしてフライパンで表面を焼く。
- 2.フライパンからラップの上におろし、ブラックペッパーをお好みの量かけたらピッタリとラップで包む。さらにジップロックに入れてジップロックの中の空気を出来るだけ抜く。
- 3.大きめの鍋にたっぷりのお湯を沸かし75度くらいまで沸かしたら2を1時間くらいつけておく。取り出し、冷めるまでそのままの状態で落ち着かせる。(すぐに切るとうま味や血が流れやすいので注意)
- 4.ソースは、全ての材料を合わせておく。
- 5.サニーレタス、1.5cmのサイコロ状にカットしたローストビーフ、マスタードスプラウトの順に盛り、ソースをかける。