「Salon de R」主宰 山田玲子さん
教室を長く続ける工夫
――ご本から広がる料理の輪もステキですね。社会貢献的な活動など、料理の持つ役割と可能性の大きさを感じます。東日本大震災の復興を食で応援する活動もされているとか。
山田さん 麹町の教室で被災地の生産者さん達の食品を販売したり、それらを使った料理教室を開催して寄付する活動もしています。
――周囲の方にもその意識を広げる素晴らしい活動だと思います。
そのほか、お教室でツアーも開催されるとか。
山田さん 生徒さん対象に毎年甲府のワイナリーツアーを開催しています。今年は行き先を変えて山形県高畠町の高畠ワイナリーにしました。マイクロバスで行くのですが、大人の遠足みたいで楽しいですよ。
――お教室を通じていろいろな出会いや体験ができるのは魅力的ですね。
通い続けたくなる居心地のよさのあるレッスン。キッチンにはクリナップの洗エールレンジフードが。
――22年と長く続けてきたには様々な工夫や努力があったと思います。どういったことを心がけていらっしゃいましたか?
山田さん 自宅教室でも出張教室でも、全ての教室で心がけているのは「生徒さんに平等に接する」ということです。
長く通ってくださっている方、最近通い始めてくださった方、両方いらっしゃいますが、例えば古くからの方とばかり会話が弾んだり、またその逆があったりしないように、どんなときでも公平さを大切にしています。
あとは料金が安いこともあると思います。自分もあちらこちらのレッスンに参加していろいろ考えたのですが、全部ひとりで運営し、アシスタントさんもいないのに高い金額をいただくのは申し訳ないなと思うのです。
生徒さんが通いやすい金額にして、長く通っていただけるように、と思っています。
――そうなのですね。ほかにも心がけていらしたことはありますか?
山田さん そうですね・・・。居心地が良いように、ということもいつも考えています。
例えば、玄関やテーブルに花を活けて皆さんをお迎えしていますが、豪華な花ではなく、庭で咲いている季節の花をあえて飾るようにしています。
空間は生徒さんと共に作っていくものだと思うのです。
花も、自分自身も、生徒さんがリラックスできるようになるべく自然体でお迎えするようにしています。
教室主宰者に必要なこと
――レシピも家庭で作りやすいようにこだわっていらっしゃるのですね。
山田さん 私が教室をやっているのは、皆さんに家庭で料理を作ってもらいたいからなんです。ですので、家庭で作りやすい材料で、作りやすいレシピに工夫しています。
なるべく簡単にはしていますが、食材の切り方一つで食感や味が変わりますし、ポイントとなることはきちんとお伝えしています。また、料理は器とのバランスがとても大切ですので、美味しくいただくための器使い、盛り付け方も毎回伝えています。
――いまも学んでいることはありますか?
山田さん 実は、チーズの資格の試験を受けました。来年は日本酒の資格を取ろうと思っています。
「これからも教室を続け、海外での活動も広げたい」。食がつなぐ人の輪はますます広がります
――それはすごいです!食の世界は奥深いですね。
これからお教室を開きたい方や初めて間もない方へ、先輩からアドバイスをお願いします。
山田さん この仕事は肉体労働ですから、体力が必要です。まずは健康第一ですね。
私は22年間自分の体調不良でレッスンを休んだことは1回もないです。手を折ってもやっていました(笑)
あとは、自分の都合で「今月は休む」ということをしないことです。始めた以上は続けないと。私も、海外から帰った翌日でもレッスンをやっていました。
料理教室は生徒さんにとって、どうしても通わなくてはいけないものではありません。趣味趣向の世界といいますか、通いたい!と思って通っていただくものです。
通っていただきやすい雰囲気やしくみを作ることが大事だと思います。
――最後にこれからの夢や展望を教えてください。
山田さん まずは教室を続けていくことです。そして、海外に知人などつながりがありますので、海外での活動を広げていきたいですね。
年を取ってもやっていきたいです。
――今日は教室運営で心がけていらした貴重なお話などお聞かせくださりありがとうございました。
日本のみならず海外での一層のご活躍もお祈りしています。ありがとうございました!
山田さん こちらこそありがとうございました!
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生徒さんとって通いやすいこと、居心地が良いことを大切にしてらした山田さん。「また通いたくなる」雰囲気は、やはり主宰者が努力をして作るもの。生徒さんに期待以上にご満足いただくという積み重ねが支持につながるのだと感じました。
楽しくて、学びがあって、出会いがある。通うことで人生の楽しみも広がる、そんな素敵なお教室でした。
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介
プロフィール
山田玲子さん
フェリス女学院大学卒業後、1995年~浜田山の自宅にて料理教室「Salon de R」を主宰。
2009年からは麹町サロンもオープン。
小学生の国際交流の活動を通じ、食する事は人の輪なり・・と感じ「美味しい料理はあなたを想う温かい心から」をコンセプトに。
「おいしい!」「すごい!」なんていうお褒めの言葉をエネルギーにして、マダムなおうちごはんを大笑いの中、無理なく楽しく大胆に調理!
お料理とともにおもてなしのコーディネートから笑いの心意気まで伝授いたします。
企業の料理教室講師や、国内(甲府・葉山など)での出張料理教室、さらにはNYやHouston、韓国など海外でも定期的に料理教室を開催。
食品会社のレシピ開発やケータリング、各種イベントにも対応。
2002年 家庭画報「とっておきのおかず大賞」審査委員特別賞受賞
2008年 山梨礼賛 ワインに合うレシピ入賞
サロン情報
Salon de R
食することは人の輪なり!失敗したって大丈夫。料理の決め手のスパイスは「笑」です。
毎月のクラス案内はブログでアップします。
http://www.reiko-cooking.com/
ジャンル:
家庭料理、おもてなし
サロン特長:
初心者歓迎、平日開催、夜間開催、土日開催、お友達同士歓迎、子連れOK、男性参加OK、子供教室あり、予約制、駐車場あり、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり
所在地:
東京都杉並区、千代田区麹町
ホームページ、ブログ:
http://www.reiko-cooking.com/
とっておきレシピ
ピーナッツ豆腐
材料
・ピーナッツペースト 30g
・くず粉 30g
・片栗粉 10g
・酒 大さじ3
・醤油 小さじ1/2
・水 2カップ
作り方
- 1.くず粉を細かくする。くず粉と片栗粉に水を入れてよく溶き、ピーナッツペーストと調味料を加えて火にかける。
- 2.中火でふつふつした弱火にして香りが出るまでよく練る。
- 3.型に入れて冷やす。