「Felicious」主宰 鈴木美穂さん
実体験で得た学びを伝えたい
――楽しいレッスンでした!まずはお教室の情報から教えてください。
鈴木さん ありがとうございます。
レッスンは、世界各国の料理をテーマに2か月に1回のペースでメニューを更新し、各クール5~8回ほど行っています。毎回テーマに合わせたお料理とテーブルコーディネートをお伝えしています。
定員は4~6名で、その都度レッスンの内容やレシピに応じて判断しています。
レッスン料は基本的に5,000円ですが、レッスン内容に応じて変動もあります。その際は皆様に事前にご案内しています。
――お教室の特徴は?
鈴木さん スーパーなどで揃えることができる身近な材料でご自宅で気軽に作っていただける、ちょっとおしゃれなおもてなし料理をご紹介しています。
単にレシピをお伝えするだけでなく、その国や文化について、またクリスマスやハロウィーンなど日本でも取り入れられているイベントは日本との違いや、その国ならではのイベントやお祝いの仕方など、なるべく実体験を通じて学んだお話を皆様にさせていただいています。
調理に関しては、なるべく理論も含め「なぜ?」と思う部分を明確になるようにお伝えし、やるべきことと省いてもよいこと、そしてその理由もしっかりお伝えししています。
何でも気軽に質問していただたきたいので、生徒さんと会話のキャッチボールが出来る教室を目指しています。
毎回テーマに合わせた世界各国のお料理、テーブルコーディネートを紹介
――各国の料理や食文化を、実体験によるお話を交えて学べるのは生徒さんにとって嬉しいですね。
鈴木さん 父の仕事の関係でアメリカで生まれてヨーロッパで育ったのですが、インターナショナルスクールに通っていたので様々な国の人との出会いがありました。
ホームパーティーが盛んで、呼ばれて行ったりしますと、その国のお料理を食文化と一緒に体験することができました。暮らし方、考え方まで幅広く学ぶことができ、とてもありがたい経験だったと思います。
幸せ+美味しい=「Felicious」
――「Felicious」というお教室名は造語だとか。
鈴木さん そうなんです。「Felice=幸せ」と「Delicious=美味しい」を掛け合わせました。
美味しいお料理をいただく喜びは世界共通だと思います。料理教室へ来て下さる生徒さんはもちろん、その先にいらっしゃるご家族やお友達など大事な方々との楽しく大切な時間を、お料理を通して作るお手伝いが出来たらと願いを込めました。
「生徒さんにとって、日常から少し離れてリフレッシュできる時間にしたいです」
――素敵ですね!どんな生徒さんが多いですか?
鈴木さん 20代~60代までいろいろな方が来て下さっていて、バリエーション豊かな教室だと思います。とてもオープンで明るく楽しい方ばかりで、食に興味をお持ちということが共通しています。
お一人で参加される方も多く、最初は不安そうにされていても終わる頃にはSNSの交換をされたり、レッスン以外でもお会いになったりと仲良くなられることが多くて私も嬉しいです。
――お料理教室で得るのは料理の知識だけでなく、そうした気の合う仲間との出会いもありますよね。それも通う楽しみだと思います。
鈴木さん そうですね。場所柄、郊外の緑の多い中でちょっと日常から離れて、息抜きできる場所になれたら良いなと思っています。
実体験があるからこそ伝えられること
――お教室を始めたきっかけを教えてください。
鈴木さん 以前は料理の仕事をするとは想像していませんでしたが、忙しい会社員時代に食の質の大切さを痛感し、改めて料理を学びなおして料理の楽しさを再認識し、この楽しさを少しでも多くの方に伝えたいと思ったのがきっかけでした。
また、長年海外で育った帰国子女だからこそ伝えられる海外のことや各国のお料理のこと、おもてなしの仕方などを伝えたいと思い、教室を開こうと思うようになりました。
元々お料理はとても身近でした。母が料理好きで海外在住の頃は特に、よく自宅でおもてなしをしていました。
外国人の方も多くて、当時はまだ日本食はそんなにメジャーではない時代でしたが、アレンジしてお出しするととても喜んでたくさん食べてくださるのが嬉しかったです。
母のおもてなしを手伝っているうちに、お料理は楽しいことだと自然に刷り込まれていったように思います。
また、インターナショナルスクールに通っていたので、色々な国のお料理を見ること、食べることが多く、そんな経験や情報が役立つ仕事でもあると思いました。
――お料理の先生は、これまでの経験が全て生かせる仕事ですものね。
鈴木さん いろいろな体験ができて環境的に恵まれていたと感謝しています。
学生の頃、お弁当におにぎりを持って行ったら全部無くなったことがありました。まだまだ海外では海苔を食べる文化はなくて、海藻を食べるなんて…と言われていた頃ですが、友人たちは美味しいと食べてくれて、母におにぎりを多めに作ってもらって学校に持って行った事もありました。
自分のおにぎりはなくなりましたが、交換に北欧産のサーモンや各国のチーズなどが回って来ましたので交換条件は決して悪くなかったと思います(笑)。
お誕生会やパーティーなどでもよくクラスメイトの家を行き来していたので、日頃から様々な国のお料理を口にしていたように思います。
「前職の同僚達と料理&パーティー」「友人宅でクリスマス料理教室」
結婚後も時々友人達を招いてパーティーをしていて、お料理を教えたら?と言われることがありましたが、その当時はそんなことは全く考えてもいませんでした。
お料理はあくまでも趣味であり、嫌なことがあった日は夜な夜なキッチンで料理をして気分転換をすることがありましたが、それを仕事にすることは思ってもいませんでした。
会社員のときは一年の半分ぐらいは海外出張でした。いろいろな国に行き、いろいろな方々とご一緒する食事はとても楽しく、現地ならではのお料理をいただけるのも貴重な体験でした。
もちろん仕事での出張ですのでそう楽しいことばかりでは全然なく、体力的にはものすごくハードで・・。そんな生活の中で食の質の大切さを実感し、食の楽しさ、素晴らしさを再認識したんです。
大好きな料理の勉強を基礎からしたいと思い、エコール エミーズに入学しました。
スクールで学びながらアシスタントもさせていただきましたが、やはり最前線の現場は厳しいですよね。このときいただいたアドバイスや学びはとても貴重でした。
そして食の世界での勉強を積み、最初は田園調布の友人宅で料理教室をはじめ、その後自宅教室をスタートしました。
==========================================
手料理や自分のルーツの料理が人を幸せにし、楽しい時間を作り出す体験をたくさん積んできた鈴木さん。幅広い国の食文化を実際に経験してきたからこそ伝えることができるのは素晴らしい魅力です。美味しい食事は国境や文化を越えコミュニケーションを深める最たるものかもしれません。お話から、その大切さを感じました。
次回最終回は、開始一年で満席が続く人気教室になった秘訣などをうかがったインタビュー後半をお届けします。どうぞお楽しみに!
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介
プロフィール
鈴木美穂さん
千葉県佐倉市にて“各国おもてなし料理教室Felicious”主宰
エコールエミーズにて料理のディプロマ取得
花・芸術文化協会テーブルコーディネート認定教室
海外で育った経験とインターナショナルスクールに長年在籍していた事を活かし、食と共に文化やライフスタイルも含めて食の提案を行い、レッスンでは毎回テーマに沿った料理とテーブルを紹介している。
大学卒業後、会社員として年の半分は海外出張だった経験から各国での食べ歩きはもちろん食の大切さと楽しさを再認識し退職後、料理学校にて料理を基礎から学ぶ。
エコールエミーズ在学中、井上絵美アシスタントその他雑誌へのレシピ提供にも携わる。
家庭でも気楽に作れるおもてなし料理を帰国子女ならではの視点と知識と共に紹介している。
サロン情報
Felicious
毎回テーマを決めてそれに合うお料理、そしてテーブルを準備しています。
テーマは毎回違うのですがその国や文化のお話、またイベント等は日本との違いやお祝いの仕方など、なるべく実体験に基づいたお話を皆様にさせて頂いています。
調理に関しても、なるべく理論も含め「なぜ?」の部分をより明確にするようにしています。
やるべき事と省いて良い事とその理由もしっかりお伝えししています。
作りたいと思ったらすぐに材料も揃えられ、ご自宅でも気軽に作って頂ける、ちょっとおしゃれなおもてなし料理を提供させて頂いています。
場所柄、郊外の緑の多い中でちょっと日常から離れて、息抜きできる場所になれたら良いなと思っています。
ご質問等も含め、生徒さんとのキャッチボールを大切にしています。
ジャンル:
イタリアン、フレンチ、おもてなし、テーブルコーディネート
サロン特長:
初心者歓迎、平日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、予約制、駐車場あり
所在地:
千葉県佐倉市
ホームページ、ブログ:
http://s.ameblo.jp/cooking-mszk/
とっておきレシピ
はちみつレモンパンナコッタ
材料
(4人分)
・牛乳 300ml
・生クリーム 200ml
・グラニュー糖 40g
・板ゼラチン 5g 氷水に入れてふやかす
・レモンの皮 1/2個分 黄色い部分のみシュレッド
・レモンスライス 6枚 黄色い部分は気になるようなら外す、前日に漬けておく
・はちみつ 大3 前日に漬けておく
・レモン 適量(飾用) スライス後、1/4サイズに切る
作り方
-
- 1.牛乳、レモンの皮と砂糖を鍋に入れて砂糖が溶けるまで温める(沸騰はさせない!!)。
- 2.砂糖が溶けたらゼラチンを入れ、しっかりと溶かす。
- 3.ゼラチンが溶けたら、漉しながらボウルに移し、生クリームを加える
- 4.3のボウルを氷水に付け、トロミがついたら器に入れて冷蔵庫で固める。
- 5.出す直前にレモン(飾り用)をのせ、レモンを漬けていたはちみつをかける。
*はちみつレモンは前日に仕込んでおいた方がすぐに使えるので便利です。