予約の取れない自宅教室
~人気レッスンの魅力をレポート~

「ル・プティ・プレジール」主宰 いなむら純子さん

いなむら純子さん

いなむら純子さん

今月のサロネーゼは、東京都町田市内で「Le Petit Plaisir(ル・プティ・プレジール)」を主宰するいなむら純子さん。 初心者でもプロのような洋菓子が作れるきめ細かなレッスンと、いなむらさんの洗練されたセンスに惹かれて遠方から通う方も多数、幅広い生徒さんでにぎわっています。 2月上旬に開催されたレッスンに伺った模様といなむらさんのインタビューを4回にわたりお届けします。 第2回目はレッスンレポート後半です。

掲載日:2017/3/13(月)

細やかな心配りがあちらこちらに

材料と作り方の丁寧な説明が終了し、早速実習の開始です!
生徒さんにアイランドキッチンの周りに移動していただきます。

大きなアイランドキッチンは、レッスンのしやすさや生徒さんの作業スペースを考えて設計したそう。シンクは背面の壁付けキッチンのほうに設置し、こちらにはガスコンロを。お菓子作りの過程で材料を温めることも多くあるため、これが最適な配置のようです。

ふと見ると、生徒さんがレジュメをはさんであるバインダーをひっかけることができる工夫がなされていました。手元に置いてレッスンの途中でメモをしたいとき、これがとても役立ちます。
ちょっとした工夫ですが、「生徒さん視点」を忘れない、いなむさんならではの細やかな心配りのひとつです。

いなむら純子先生1

細やかな心配りがあちらこちらに。生徒さんに快適に過ごして頂きたいという思いが伝わります

そんな心配りはお教室のあちらこちらに見られます。
例えば、早くいらした方がソファーでくつろいてお待ちいただけるように、お菓子の本や雑誌をそばに置いてあったり、お菓子のイメージに合うお花が飾られていたり、おしゃれな写真立てをメニューボード代わりにして試食タイムにお出しする紅茶の銘柄を紹介してあったり、お手洗いを出たところにハンドクリームが置いてあったり・・・。
どれもさりげなくて、おもてなしの心を感じ嬉しくなります。

「それではまず、ガトー・ショコラを作っていきます。最初に、耐熱容器に卵黄とグラニュー糖を入れて、湯煎にかけて人肌程度に温めます。ハイ、これくらいのあたたかさで大丈夫です。触ってみてください。そして、クベルチュールとバターを40℃くらいにして溶かしたらこちらを加えて混ぜますね」

「型ですが、日本のオーブンはどうしても下火が弱いので、こうしたセルクルが良いと思います。ロールケーキ用の天板にオーブンペーパーを敷くとすきまがありませんのでこぼれる心配もないです」

レッスンではそれぞれ一台ずつ作るので、皆で一緒に作業を進めていきます。”人肌程度のあたたかさ”の確認や、材料を加えたときの状態など、ポイントをしっかり教わりながら、自分で確認しながら作っていきます。

レシピ本ではわからないコツや情報がいっぱい

「では卵白を泡立てていきますね。あまり泡立てすぎると、ケーキが膨らんでも、そのあとしぼんでしまう原因になります。たまに真ん中がへこんだガトー・ショコラがありますが、泡立てすぎが原因のことが多いです。
ゆるい角が立ったらグラニュー糖を入れ、また泡立てます。しっかりしてきたら、ミキサーを低速にして1分ほど泡立ててキメを整え、コシのあるメレンゲを作ります。
それでは一緒に泡立てていきましょう!最初はミキサーを高速にします。こんなふうに、できるだけ斜めにしてください」

目の前で先生と同じ作業をしていくので、とても分かりやすく、質問もその場ですぐ解決してもらえます。

いなむら純子先生2

失敗しない作り方と、失敗したときの見極め方やリカバリー方法も教えてもらえます

「ハイ、皆さんいい感じに泡立ちましたね!では、”犠牲のひとすくい”と言って、小麦粉と混ぜるときに質感を揃えるため、泡立った卵白をこのようにひとすくい入れてまぜます。あまり混ぜると小麦粉のグルテンが出て固くなってしまうので優しく混ぜてくださいね。混ざったら一気に入れて混ぜ、最後にゴムベラできれいにします。

もし少し固いなと思ったら、クベルチュールとバターを混ぜるときに、もう少し温度が高くてもよかったな、と思ってください。そのように、季節に合わせて温度も考えてみてくださいね。

ではオーブンに入れてます!どうしても焼きムラが出てしまいますので、焼き時間の半分が経ったところで、前後を変えましょう」

失敗しない泡立て方や泡立ちの確認のしかた、ゴムベラの使い方、季節に合わせた温度の考え方や焼き方など、レシピ本ではわからない細かなコツや道具の扱いなど、役立つ情報がいっぱいで、実践的な知識が身に付きます。

 

出来上がりに感激!センスが光る仕上げ

30分焼いている間に、皆で洗い物をします。そして半分の時間が経ったら天板の上下や前後を変えます。扉を開けると温度が下がってしまうので、この作業は素早くやります。

そして残りの時間で生クリーム泡立てを。その間もいなむらさんは材料や道具の情報をたくさん伝えていかれます。

焼き時間が終了になり、甘くていい香りが部屋中に広がって、皆さんのガトー・ショコラがとてもきれいに焼けました!

「皆さんのケーキが冷める間に、飾りつけのデモンストレーションをしますね。ガナッシュ・ミニョンをケーキにかけるときはこのように・・・。とろりと少し垂れるくらいにかけると見た目にも美味しそうですよ。

先ほど泡立てた生クリームはもう一度泡立てて整えます。そして、お配りしたレジュメに矢羽模様の絞り方を矢印で載せましたが、このように絞っていきます。そして、桜パウダーを茶こしでこしながら散らし、丸形に作ったチョコレートを乗せて・・最後にミントの葉、ピックを飾って、ハイ、完成です!」

「わーーーすごい!!」

「ではそろそろ冷めたと思いますので、皆さんも仕上げていってください!」

いなむら純子先生3

皆さんの表情は真剣そのもの!出来上がりをイメージして、ゆっくり丁寧に。そして完成!

 

拝見しているとなかなか難しそうな作業で、皆さん真剣な表情です。
でも、デモンストレーションを見て、絞り方の図もインプットしていらっしゃるからか、とても上手に仕上げていかれ、素敵に完成されました!

「お疲れさまでしたー!それではお持ち帰り用の箱に入れていただき、ご試食にしましょう!」

作ったケーキはお持ち帰りいただくので、ご試食では、いなむらさんがあらかじめ作ったケーキを召し上がっていただきます。今日は、もう1点レシピを学んた「焼きバナナのアイスクリーム」や、ほかのお仕事で試作のために作ったというキュートなマカロンなども提供されました。

おしゃれなフレンチレストランのデセールのような華やかな盛り付けに歓声があがり、皆さんのトキメキが伝わってきます。

着席されたら、淹れたての紅茶と共にお待ちかねのご試食の開始です。
今日は初めてご参加の方もいらっしゃいましたが、いなむらさんの気さくでフレンドリーなお人柄とお教室の心地のよい雰囲気に、皆さんすっかり溶け込みとても楽しそうです。

いなむら純子先生3

思わず歓声があがる美しい盛り付けも大好評。おもてなしのセンスも学べる、と喜ばれています

ここで、お教室に通ったきっかけと魅力をうかがってみました。

「何か新しいことを初めてみたいと思っているときに、ホームページを拝見し、とても素敵だったので申し込みました。難しいかと思いましたが、わかりやすい説明で、プロのようなお菓子が完成して嬉しいです。今日は初めて参加しましたが、皆さんとても優しい方ばかりで楽しかったです」

「マカロンに興味があって、ブログを拝見し申し込みました。先生のお菓子はとても素敵で、おもてなしのセンスも良くて、勉強になります。美人なのにすごく気さくでテキパキしていらっしゃり、それも魅力です」

「私も最初は先生のブログを見て申し込みました。お菓子はどれも素敵ですし先生の説明も丁寧で、時間を惜しみなく使って教えてくださるのが魅力です。なかなか他ではこのように学べないと思います。家でも作って、みんなに喜んでもらっています」

と、いなむらさんが生み出す美しいお菓子の世界とわかりやすいレッスン、そしてお人柄が魅力のようです。
お店で買う、プロが作るような洗練されたお菓子を作れる幸せに出会える、とても素敵なレッスンでした。

次回は、お教室情報やお教室開設のきっかけを伺ったインタビュー前半をお届けします。どうぞお楽しみに!

 

Q&A人気サロネーゼに7つの質問

Q.1サロン/教室名の由来は?
A. Le Petit Plaisir ル・プティ・プレジール(小さな幸せ)は、スイーツから広がる、小さな幸せを届けたい、皆さんにも広げて欲しいとの思いからです。

Q.2サロン/教室を開いたきっかけは?
A. お菓子好きだったことから、無謀にもフランスの学校へ行き、パティスリーで修行を経験しました。それを通じて私がガツンと衝撃を受けたのが、お菓子には小さな、でも大事なコツが沢山あるということ。本にはなかなか書ききれないコツが。誰にでも、それを知れば、綺麗で美味しいケーキが作れる、それをパティシエではない、普通の方にお伝えして、同じように楽しんで欲しい、もう失敗して落ち込んだりしないで欲しい、と思ったのがきっかけです。
恩師(フレデリック・カッセル氏)に恵まれたこともあり、お菓子の楽しさと奥深さを知り、この世界で続けたいと思ったのもあります。
あとは、女性なら将来起こりうる結婚・出産・転勤などという人生のイベントがあっても、自分の腕ひとつでいつでも、どこへいっても、仕事を続けていきたいという想いがあって、教室を開くという業態を選びました。

Q.3 サロン/教室の特徴、コンセプトは?
A. モットーは、「誰でも、綺麗で美味しいケーキが作れる!」 です。
今まで失敗してお菓子作りをやめてしまった方も、簡単なものしか作れないという方でも、レッスンで、歓声のあがるような、美しくて、何より絶品なケーキを作れるように致します。
家庭で1台作る、ということに合わせてアレンジしたオリジナルレシピが自慢です。パティスリーとは同じレシピを少量でやってうまく行かないことがあるからです。また省けるところや変えられるところは変えて、出来るだけ簡単に落とし込んだレシピにしています。
また、「実際にやってみる」ということを最重視しているため、お一人1台の製作です。
自分で作ってみて、何度も作ってみて、分かることが沢山あります。こだわっているのは、良質の材料と、自分のモノにできるレシピ。そして、自分で実際にやってみる、ということ。
家に帰り、一人でも自慢できるお菓子が作れるようになってもらいたいと思っています。
また、スイーツに関連して、テーブルコーディネート、空間、を季節とともに、月替わりで楽しんで頂いています。高価な食器の数々でなくても、ちょっとしたアイディアでできるコーディネートなども提案し、月替わりの紅茶とともに、デセールスタイルで楽しんでもらっています。

Q.4 どんな生徒さんが多いですか?
A. お菓子作りが好きだけれど、パティスリーのようなケーキは作れない、もっと技術を上達したい、という方や、おもてなしが大好きでスイーツをもっと素敵なものが作れるようになりたいとという方、子どものころに作ったきりで、ほとんどお菓子作りからは遠ざかってしまったけれど、また作って友人や家族に作ってあげたい、という方などです。最近は、子育てもひと段落し、退職などもされたご年配の方が、新しい趣味として多く習いに来られます。

Q.5レッスン情報(開催頻度やクラス内容、料金、定員など)
A. 週に2~3回、1回3間~4時間。料金は8千円になります。定員は4~5名(メニューによる)月替わりで「新メニューのクラス」「リクエストメニューのクラス」、「マカロンマスターコースのクラス」(別料金設定)になります。

Q.6レッスン中、心がけていることは?
A. 上手な人も、初心者の人も、私にどんどん質問される人も、大人しい人も、同じく楽しんで作ってもらえるよう心掛けています。
また同じレシピでも、作り手によって、まったく違うケーキになってしまうこともあるので、「家で一人でも絶品のケーキが作れるように!」指導するようにしてます。
今、このレッスン時間を「最高に有意義な時間だった」と思って帰っていただけるようにしようと常に思っています。

Q.7初めて通ってみたい方へ、申込方法や持参するものは?
A. 毎月10日に、メールにて次月のお知らせをしています。
「メーリングリストに登録希望」の連絡を頂いたら、リストに入れてメールをお送りします。
こちらの案内でほぼ埋まってしまいますが、空きがでましたら、HPや、ブログ、インスタなどでお知らせしています。キャンセル待ちは随時メールにて承っています。
また、外部のイベントレッスンも行っています。そちらに来て頂いた方は、優先的にアトリエのレッスンをご案内しています。
持ち物は、 エプロン、お手拭き、筆記用具、カメラ、保冷バッグ、保冷剤 になります。

 

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=菊池友里

プロフィール

いなむら純子さん

 

いなむら純子さん

神奈川県横浜市出身。
8歳の娘と夫の3人で、東京都町田市在住。
大学卒業後、商社にて通関業務・輸出入に携わる。
退職後趣味のお菓子作りを学ぶべく、フランス・パリに渡る。

パリ・ホテルリッツ内の『エコール・リッツ・エスコフィエ』にて、製菓『パティスリー・コース』と製パン『ブロンジュリー・コース』のディプロムを取得。
パリのパティスリー『シュクレ・カカオ(Sucre Cacao)』、フォンテーヌブロー『F Cassel (フレデリック・カッセル)』、『フォション・パリ本店』にて働く。
パリ『ホテル・リッツ』内のパンの厨房にて修行。
2002年8月帰国。

2003年より、横浜・中山『なごみ邸』にて、洋菓子・パン教室『Le Plaisir(ル・プレジール)』を主宰。
京急・上大岡カルチャースクールにて、洋菓子の講座の講師をつとめる。
〝もう失敗しない!センスアップのお菓子作り”(月1回)
同時に、横須賀市・市民会館にて、お菓子とパンの教室を開催。
出産と育児のため、専業主婦に専念した後、新たに、「お菓子教室 Le Petit Plaisir ル・プティ・プレジール」 をスタート。
教室の主宰、飲食店へのレシピ提供や企業へのレシピ開発など、幅広く活動。

サロン情報

お菓子教室 Le Petit Plaisir(ル・プティ・プレジール)
一軒家のホワイトキッチンで、テーブルコーディネートと空間を楽しみながらのレッスン。
おひとり1台の製作、少人数制で、「お菓子作りにはコツがある」ことを学んで頂きます。自分で作ることが何より大事。
『初心者にもプロのような素敵なケーキを』がモットー。自由予約制で、楽しみながら確実に上達できるレッスンを行っています。

ジャンル:

フレンチ、洋菓子、おもてなし、紅茶、テーブルコーディネート、フラワーコーディネート、スイーツデコレーション

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、予約制、駐車場あり、駅近(徒歩10分以内)

ホームページ、ブログ:
http://www.le-petit-plaisir.com/

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