「馬場香織クッキングサロン」主宰 馬場香織さん
経験を通して生まれた、極上家庭料理が学べるお教室
渋谷から東急田園都市線で10分ほどの桜新町。「サザエさん」の街としても知られ、作者の「長谷川町子美術館」もあります。都心に近いにも関わらず緑が多く、上質を知る方々が住まう街としても人気があり、落ち着いた住宅街が広がっています。
その一角にある馬場香織さんのお教室にお邪魔しました。
笑顔いっぱいの馬場さんが迎えてくださり、リビングへ。素敵な絵画が飾られた広々とした空間は、窓からたっぷりの光が差し込み、初めてなのにすぐにリラックスできるような居心地の良さを感じます。
テーブルには今日のレッスンテーマである「ひな祭りのお料理」に合わせた素敵なコーディネートがされていました。
「今日は生徒さんのリクエストでひな祭りをテーマにしたお料理をご紹介します。ひな祭りと言えば淡いピンク、桃の色のイメージですよね。お料理に合わせてセッティングしました」
毎回異なるお料理のテーマに合わせてガラッと変わるテーブルコーディネートも好評です。
馬場さんが最初にお教室を始めたのは、もう30年以上も前。
ママ仲間の間で料理上手と評判が広がり、「教えて!」の声に応えるかたちで始まりました。
その後、ご主人様の海外転勤に伴い、ニューヨークやシカゴなどに約10年住み、その間にプロを育成する料理学校に通い、技術を習得。腕を見込まれ、日本料理のインストラクターとしても活躍していたそうです。
帰国後再度お教室を本格的に開始し、生徒さんの紹介や口コミであっというまに評判が広がり予約の取れない人気教室に。
馬場さんのお料理の味にほれ込んだ編集者さんとのご縁で料理本も出版され、今ではご著書は10冊以上。「何度でも作りたくなるほめられレシピ」「お料理上手と思われる 持ちより&さし入れレシピ」「馬場家に伝わる野菜たっぷり幸福レシピ」「世界の料理でおもてなし」など、ロングセラーも多く、本のファンという方も多数です。
そんな海外経験豊富で人気料理家の馬場さんのお教室で学べるのは、和・洋・中をはじめ、馬場さんが実際に現地で学んできた世界各国のお料理。家庭で美味しく作れるコツを、実習スタイルでしっかりと学べます。
数多くのホームパーティーも経験し、その中から生まれたおもてなしのアイデアもふんだんに取り入れたレッスンは大好評で、遠方からはるばる通う生徒さんもたくさん。評判を聞いて通いたい、と希望する方の数は約200名以上にものぼります。
リクエストに合わせ柔軟に対応
開始時間が近づき、生徒さんがいらっしゃました。
今日はお仕事関係のつながりで集まった生徒さんのグループレッスン。お揃いになると、ソファーに座ってまずはレシピの説明からスタートです。
今日学ぶのは、「タイのこぶじめ」「えんどうの浸し豆」「鶏軟骨のつくね」「蛤のおすいもの」「鰆の西京漬け」「菜の花と油揚げの芥子和え」「かにちらし」「道明寺」「巻きずし」の9品です。
例えば中華レッスンのときは5品で構成するなど、お料理の種類と内容、難易度などを考慮して品数は決まります。
「今日はリクエストいただいた、ひな祭りをテーマにしたお料理です。ひな祭りといえばちらし寿司ですが、巻き寿司のご希望もいただきましたので、両方作ります。和食は少ない量でお出しするものが多いので、品数が多めですが、頑張って作りましょう!
それではレシピの説明をしていきます。まず巻き寿司ですが・・・」
レシピ説明は丁寧でプロならではのコツが満載。説明を聞くだけで料理上手になれる気がます
レッスンは毎回テーマが異なりますが、グループレッスンでは生徒さんのリクエストによって決める多いそう。
通常レッスンも、「月替わり」というふうに固定するのではなく、その回に参加する生徒さんに合わせて同じ月でもメニューが変わることもあるそうです。
来るたび新鮮で、柔軟に対応してもらえることも生徒さんに好評で、通い続けたい魅力の一つになっているようです。
料理上手になれるコツがいっぱい
「次に『タイのこぶじめ』です。本当は柵のまま作りたいのですが、今日のように2、3時間で食べたい場合は、切り身にして作ります。最初にこぶを甘酢につけてもどしておき、薄作りにしたタイにごく薄く塩をあて、そして・・・」
「『えんどうの浸し豆』ですが、豆ごはんにも展開できます。よく、豆ごはんは豆くさくて苦手、という方がいらっしゃいますよね。でもこの方法ですと豆くささは全然なく、美味しく召し上がっていただけますのでそのコツをお教えします。まず豆ですが・・」
「では鰆の西京漬けです。西京白みそを使いますが、皆さん味噌の違いはわかりますか?漬けるときは、1、2日で食べるならそのまま、3、4日で食べるならガーゼに包んで漬けるとよいですよ。鰆にあてる塩は、重さの2%です。水分が出てきますのでその水気をしっかりとふき取り、そして・・・」
味を左右する下ごしらえはとても大切。家庭で最上の美味しさを生み出す秘訣がいっぱい。
材料についての細かな説明はもちろん、家庭で美味しく作るための下ごしらえについてもしっかりと伝えていかれます。また、そのお料理の展開や違う食材での応用、保存方法や日持ちについてなど、一品一品について奥深い知識や作り方のコツもたっぷり。
皆さんは熱心に耳を傾けてメモを取っていらっしゃいました。
「ハイ、説明は終わりですが、何か質問はないですか?大丈夫でしょうか。
それでは作っていきましょう!」
手を洗い、キッチンに移動して早速実習の開始です。
和気あいあいと楽しい雰囲気の中、出来上がりの美味しさに差がつく調理のポイントがたっぷりの実習の様子は次回ご紹介します。
どうぞお楽しみに!
インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介
生徒さんの声
Aさん
お料理の作り方はもちろんですが、材料や調味料のことも詳しく教えてくださるのでとても勉強になります。お料理に合わせてテーブルのイメージや盛り付け方も毎回変わるので楽しみです。
Bさん
お料理だけではなくテーブルコーディネートも一緒に学びたかったので、毎回違う内容を学べて嬉しいです。美味しくできるコツがいっぱいですし、身近な材料で難しくなく作れるのも魅力です。
Cさん
おもてなし料理を学びたくて申し込みました。臨機応変に対応してくださり、説明もとてもわかりやすくてしっかり身に付きます。自宅でも作って家族に喜んでもらっています。
とっておきレシピ
かにちらし
材料
・すし飯 3合
・炒りゴマ 大さじ3
・のり 適宜
・錦糸卵 卵4個分 ・・・ボールに片栗粉大さじ1と、水を入れよく混ぜ卵を割りとく
・蟹 蟹缶1缶(大)でもよいし、カニのほぐし身でもよい
・甘酢 (酢と砂糖同量 大さじ2ずつ)
・きぬさや 適宜
作り方
- 1.すし飯を作り、白炒りゴマをまぜておく。
- 2.蟹缶は甘酢につけておく。
- 3.器に半量のすし飯をよそい、海苔を一面におく。
- 4.残りのすし飯をおき、錦糸卵を広げ、中央に軽く水気を切った蟹を盛り、千切りにしたきぬさやを散らす。