生徒さんに喜んでもらうことが幸せ

「ル・プティ・プレジール」主宰 いなむら純子さん

インタビュー連載 第3回

今月のサロネーゼは、東京都町田市内で「Le Petit Plaisir(ル・プティ・プレジール)」を主宰するいなむら純子さん。 初心者でもプロのような洋菓子が作れるきめ細かなレッスンと、いなむらさんの洗練されたセンスに惹かれて遠方から通う方も多数、幅広い生徒さんでにぎわっています。 2月上旬に開催されたレッスンに伺った模様といなむらさんのインタビューを4回にわたりお届けします。 第3回目はインタビュー前半です。

掲載日:2017/3/21(月)

いなむら純子さん

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作る人も、もらう人も嬉しいお菓子


――とてもわかりやすくて実践的なレッスンでした。お菓子の盛り付けも素敵で、”より美味しく魅せる演出”まで学べるのですね。お疲れさまでした!

いなむらさん ありがとうございます!取材でちょっと緊張しましたが(笑)、いつも通りにさせていただきました。

――いろいろお聞きしたいのですが、まずは、レッスンの開催情報を教えてください。

いなむらさん 現在レッスンは週に2~3回開催しており、1回3時間~4時間、料金は8千円になります。定員はメニューによりますが4~5名の少人数制です。

内容は月替わりで、「新メニューのクラス」「リクエストメニューのクラス」「マカロンマスターコースのクラス」(別料金設定)があります。


いなむら純子先生1

華やかで美味しい、プロのパティシエのようなお菓子が家庭で失敗なくできるコツを伝授


――基本的には、ひとり一台のケーキを制作しお持ち帰りいただけるのですね。今日のケーキも素敵でしたが、月替わりで多彩な作品が作れるのは魅力です。毎月のメニューはどのように決めているのですか?

いなむらさん 「新メニューのクラス」では、まず旬のフルーツを考え、そこからアイデアを広げます。また、例えばケーキ、タルト、焼き菓子、ムースなど、同じようなお菓子が続かないようにしています。
バレンタインやクリスマスといったイベントや季節の行事に合わせたお菓子も取り入れています。

メインが比較的簡単なメニューの時はもう1、2品加えるなど、毎月のレッスンのバランスが同じであるようにしています。

――過去のレッスン作品のお写真をいくつかお借りしたのですが(上の4枚)、こちらも美しくておいしそうです!

いなむらさん ありがとうございます。写真のものは、「フルール・ド・フレーズ」「ガトー・アニヴェルセール」「マンゴー・デテ(マンゴーの夏のヴェリーヌ)」「苺のビュッシュ・ド・ノエル」です。

――お店で売られているような素敵なお菓子を家庭で作れるなんて、嬉しいですね。

いなむらさん 教室のモットーとして、初心者の方でもご家庭で失敗なく作れて、作っても、もらっても喜ばれるお菓子であることを大切にしています。
生徒さんから、「家族や友達に、本当に作ったの?すごい!とほめられました」「贈り物にしたらものすごく喜んでもらいました」「買うより、自分で作ろう!と思うようになりました」というお声を聞くと、本当に嬉しいです。


惜しみなく技術を伝えるマカロンマスターコース


――マカロンマスターコースも大人気だとか。

いなむらさん このコースは6回1セットで、6回目の試験に合格すると認定書を差し上げています。最近はじめたばかりですが、おかげさまで好評で毎回満席をいただいています。
増席のリクエストのお声も多いのですが、とてもデリケートなお菓子なので、梅雨や夏を避け、涼しくなる10月から春先までの季節限定で開講しているため、どうしてもお席が限られてしまいます。


いなむら純子先生2

大人気のマカロン作りの技術をしっかり学べる「マカロンマスターコース」も好評です


――マカロンはみんな大好きですよね!私も好きですがうまく作れず、失敗ばかりです・・・。

いなむらさん 私もそうだったんです!たくさん失敗して、でも上手に作りたくて。数えられないくらいの失敗と試作を重ねました。
でもちょっとしたコツを知ると、うまく作れるんです。私が失敗から得たことや、プロのパティシエさんたちから教えていただいたコツをたくさんお伝えしたいと思い、コースを作りました。

6回のうち4回は、2種類の製法と、ガナッシュ、バター、アーモンドクリーム、それら属さない特殊なクリームという4種類の異なるクリームを教えます。
そして5回目は、上にデコレーションをするプチガトーです。
最終回は、オリジナルのマカロンを作ってもらう試験です。
皆さんに切磋琢磨して作ってもらい、みんなで試食をするのですが、「こんな組み合わせいいね」「この味、新しいね」と、お互いとても勉強になります。

それに加えて、ランチにオリジナル・スコーンをお出ししているのですが、皆さんがそのスコーンを美味しいとほめてくださるので、そのレッスンを最終回にしています。合格した方は、マカロンもスコーンも同じレシピで教えていただいてOKです。毎回お渡しする、レジュメも使って頂いて構いません。ご希望なら、ランチも同じメニューで出していただいてよいので、「そのままやってください」と伝えています。

――わ、すごいですね!

いなむらさん いまはレッスン数も増やせませんし、私ひとりではお教えできる人数に限界があります。ですので、教えることができる人を育成して、お菓子作りを楽しむ人が一人でも多く増え、そして、小さな幸せを広げることができれば嬉しいです。


軌道に乗るまで


――お教室を開始したのはいつでしょう。

いなむらさん 2003年からです。最初は地区センターで開始し、その後、一軒家の貸スタジオを借りて開催するようになりました。

前職は貿易関係の仕事で、やりがいもあったのですが、なにかが違う・・と違和感を感じていて。これからの人生を考えたときに、大好きなお菓子作りを本場で学びたい!と思うようになり、思い切って会社をやめてパリに渡って製菓学校に通いました。

卒業後は、幸いにも素晴らしいパティシエのもとで研鑽を積むこともでき、とても貴重な経験でした。
まだまだパリに居たかったのですが、ビザのことなどもあり、帰国することになりました。

帰国後はまた貿易関係の仕事に就くことも考えましたが、せっかく学んできたお菓子作りを伝えよう!と思い、まずは地区センターで教え始めました。
当時母の体調がよくなく、会社勤めは難しいということもありましたが、将来結婚、子育てをする可能性もあるかもと思うと、どこに行ってもできて、自分のペースでできる”手に職”的な仕事がよい、お菓子教室の先生ならそれが叶う、と思ったのもこの仕事を選んだ理由です。


いなむら純子先生3

ライフステージに合わせて教室の形も変化。たくさんの努力ときっちり向き合う覚悟があってこその人気教室


――そうだったのですね。開始してみていかがでしたか?

いなむらさん すぐに集客できたわけではなく、最初は友人が一人、二人・・と寂しい状況でしたが、おかげさまで少しずつ生徒さんが増えていきました。でも地区センターは公共の場所ですから、参加費や使い方などいろいろ難しい条件もあり、どこか専用の場所が欲しいと思い、あちこち探しました。

いまと違って当時は、キッチンがあってお菓子教室ができる場所はなかなかなくて、見つけるのに苦労しました。やっと見つかったのは、自宅とは1時間以上離れている馴染みのない街。
でもここしかない!と思い、借りて開始しました。

宣伝が必要だと思い、ホームページを作ったり、写真の撮影技術を学んだりもしました。どちらも独学です。

最初は閑古鳥でしたが、一度参加した生徒さんが今度はお友達を連れてきてくださったりと、次第に増えていき、しばらくするとレッスンをたくさん増やすようになりました。土日は3回開催したほどです。
そうなると今度は忙しすぎて、体調を少し崩してしまいました。

そんなとき結婚することになり、その後妊娠しました。妊娠中あまり体調がよくなくて、産後も回復するのに時間がかかってしまいました。その間はレッスンは止めていました。

――その後再開されたのですね。

いなむらさん いろいろ悩みましたが、子どもが4歳になり幼稚園に通い始めてから再開しました。いまでも覚えていますが、しばらく休むと再開がこわくなるんですよね。体力的に心配もありましたし、腰が重くなるというか。

でも主人が教室を再開することを応援してくれ、ちょうど家を建てることにもなり、教室をしやすい設計を取り入れることになりました。
そうなったらもう頑張るしかありません(笑)。教室と家事を両立させる覚悟を決めて、この場所で再スタートしました。
また新たな場所でのスタートですから、やはり集客は大変でした。おかげさまでいまは満席が続きますが、軌道に乗るまで2年はかかりました。

――軌道になるまではたくさんの努力や工夫があったのでしょうね。ご家族の応援は一番心強いですね!

いなむらさん はい、とても感謝しています。


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これまで学んできたこと、培ってきた技術を惜しみなく全部伝えて、「生徒さんに喜んでもらうことが幸せ」と笑顔で話すいなむらさん。そんなオープンマインドなお人柄と、生徒さんのご満足を目指すひたむきな努力がお教室の人気につながっているのだと感じました。

次回は、お教室運営で心がけていることがこれからの夢をうかがったインタビュー後半をお届けします。どうぞお楽しみに!

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=菊池友里

プロフィール

いなむら純子さん

いなむら純子さん

神奈川県横浜市出身。
8歳の娘と夫の3人で、東京都町田市在住。
大学卒業後、商社にて通関業務・輸出入に携わる。
退職後趣味のお菓子作りを学ぶべく、フランス・パリに渡る。

パリ・ホテルリッツ内の『エコール・リッツ・エスコフィエ』にて、製菓『パティスリー・コース』と製パン『ブロンジュリー・コース』のディプロムを取得。
パリのパティスリー『シュクレ・カカオ(Sucre Cacao)』、フォンテーヌブロー『F Cassel (フレデリック・カッセル)』、『フォション・パリ本店』にて働く。
パリ『ホテル・リッツ』内のパンの厨房にて修行。
2002年8月帰国。

2003年より、横浜・中山『なごみ邸』にて、洋菓子・パン教室『Le Plaisir(ル・プレジール)』を主宰。
京急・上大岡カルチャースクールにて、洋菓子の講座の講師をつとめる。
〝もう失敗しない!センスアップのお菓子作り”(月1回)
同時に、横須賀市・市民会館にて、お菓子とパンの教室を開催。
出産と育児のため、専業主婦に専念した後、新たに、「お菓子教室 Le Petit Plaisir ル・プティ・プレジール」 をスタート。
教室の主宰、飲食店へのレシピ提供や企業へのレシピ開発など、幅広く活動。

サロン情報

「お菓子教室 Le Petit Plaisir(ル・プティ・プレジール)」

一軒家のホワイトキッチンで、テーブルコーディネートと空間を楽しみながらのレッスン。
おひとり1台の製作、少人数制で、「お菓子作りにはコツがある」ことを学んで頂きます。自分で作ることが何より大事。
『初心者にもプロのような素敵なケーキを』がモットー。自由予約制で、楽しみながら確実に上達できるレッスンを行っています。

ジャンル:

フレンチ、洋菓子、おもてなし、紅茶、テーブルコーディネート、フラワーコーディネート、スイーツデコレーション

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、予約制、駐車場あり、駅近(徒歩10分以内)

ホームページ、ブログ:

http://www.le-petit-plaisir.com/

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