料理を作る楽しさを伝えたい

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宮澤奈々(みやざわ なな)さん

インタビュー 連載第2回

今月のサロネーゼは、「セ・トレボン」を主宰する宮澤奈々さん。カジュアル懐石・フレンチ・イタリアン・エスニックなど幅広いお料理と、お料理に合わせたセンスの良いテーブルコーディネートが学べるレッスンは大人気。今回は、「料理を作る楽しさを伝えたい」という宮澤さんの思いがたくさん詰まったレッスン風景の続きをお届します。

掲載日: 2010/09/20(月)

●たくさんの情報やコツも一緒に

20100827_s-31.jpg和やかな雰囲気の中、レッスンは続いていきます。

「では次にヤムウンセンです。タイ語でヤムは和える、ウンセンは春雨という意味で、春雨の和え物ですね。
タイでも緑豆春雨で作るので今日は手に入り易い中国の緑豆春雨を使ってつくります。」

「パクチーが苦手な方は?あ、やっぱり。必ず毎回お一人はいらっしゃいます(笑)」

「でも食べられます!」という生徒さんに、「では頑張って切ってみましょう!切ると香りが広がりますが、チャレンジです!」

宮澤さんのおちゃめなスパルタ先生ぶりにどっと笑いが広がります。
「・・がんばってみます!」生徒さんもとても前向きです。

ゆでた春雨と、炒めた他の材料を和えドレッシングで合わせてできあがり。ナンプラーの香りが食欲をそそります。

20100827_s-44.jpg「ではここで、今日パッタイにも使うエビの処理の仕方をお教えしますね。
エビは、腹を上に持ち、頭をポキッと折りそーっと引っ張ると一緒に背ワタがついてきます。
頭は良い出汁が出ますので捨てないでくださいね。うちでは抗生物質を使っていないエビを使っているので、とっておいてお味噌汁などに使っています。

そして尾っぽには、結構先まで身が入っているので、このように丁寧に抜くと・・はい!こんな風に尾の先までキレイに身が抜けます。お家でぜひ試してみてください」

背ワタが見事にスーッと抜け、「ほんと、すごい!」と生徒さんから感心の声があがります。

「では次にパッタイを作ります。パッは炒める、タイは国の名前ですのでタイ風炒め物という意味ですね。

麺の『クエイティオセンレク』はお米からできたもので、今日はアジアスーパーで買った3mmのものを使います。他に、富澤商店では2.5mmのものがあって、フォーには向いているのですが、炒めもののときは、私は少し太い3mmのもののほうが良いのでアジアスーパーまで買いに行ってます。

アジアスーパーに行ってみたい方~。ここにお店の場所と名前が書いてありますからご興味あったら見てみてくださいね」

デモンストレーションをしながら食材の知識や入手情報、ちょっとした調理のコツなどたくさんの情報を伝えていく宮澤さん。メモが間に合わないほどです!

●どんな味になるのか楽しみ

20100827_s-47.jpg「パッタイですが、まず卵を炒めます。中華の芙蓉蟹(フーヨーハイ)もそうですが、たくさん油を入れないとふわっとできないんですね、ですので結構油をたくさん使います。

次に、肉、エビ、厚揚げを軽く炒めますが、肉は今日は都合上先に炒めておいた豚ひき肉を入れますね。そして、センレクを水を切っていれて、少し柔らかくなったら合わせ調味料を入れていきます」

工程上、別のフライパンで炒めなければならないものなどは先に用意されていて、調理は実にスムーズ。生徒さんは全員でしっかりポイントをチェックできます。

パッタイのレシピを真剣に見つめていた生徒さんが、「たくあんを入れるんですね!」と少し驚いたように質問されました。
「はい、たくあんを入れるのがポイントで、歯ごたえもよいのでお薦めです」
「へえ~」「どんな味になるのだろう?」と生徒さんも楽しみのよう。

「そして最後に卵をふわっと混ぜます。さぁできましたー。では舟形のお皿を持ってきて下さーい。盛り付けていきますね」

20100827_s-63.jpgのサムネール画像「他の料理も盛り付けしていきましょう~。ではあの怪しいお重を持ってきて下さーい(笑)」

宮澤さんの優しい号令で、生徒さんがお重を運び、宮澤さんが重なっていた3段をはずして1段ごとにレタスを敷き料理をつめていきます。

生徒さんの積極的なお手伝いもあり、レシピと一緒に配られた写真の通りに、一品一品があっと言う間に美しく盛られました。それを宮澤さんが置き場所や向きを確認し、セッティング完了!
テーブルにはおいしそうなタイ料理が絶妙なバランスで並び、なんとも華やかです。

「素敵~!」「おいしそう!」と言いながら生徒さん達は再びカメラを手にして、またまた真剣な表情で撮影大会の開始。
構図を確認しながらシャッターを切る様子はプロカメラマンも顔負けするぐらいです。

●こだわりの器もプロデュース

20100827_s-95.jpg全員の撮影が終わると、今度は生徒さんが慣れた動きで銘々のお皿に取り分けます。

ステンレスのレンゲとオレンジのナプキンが載ったお皿のフタを取ると・・大ぶりの器の中にはサイズ違いのお皿が2つ、入れ子になって入り、陶器のお重になっています!

20100827_s-25.jpg「実は私がプロデュースした食器セットなんです。入れ子になっているのでかさばらず収納に便利ですし、大きさもちょうど良くてとても使い勝手が良いんです」

大中小と大きさが違う入れ子式になった3つの器と、ふたにもなるお皿がセットになっており、和洋中問わずどんなお料理にも合いそう。生徒さんにもお持ちの方が多いようで、「すごく便利ですよ~」と説明してくださいます。

器の大きさや深さなど細部までこだわって注文したそうで、エプロンと同じく、宮澤さんのこだわりが詰まった優秀なアイテムです。

●「セ・トレボン」の魅力

20100827_s-93.jpg生徒さん方の見事なチームワークで銘々のお皿に取り分けも終わり、お待ちかねの試食タイムとなりました。

「いただきま~す!」

「うん、おいしい!」みなさん大満足の様子。
試食をいただきながら、生徒さんに「セ・トレボン」の魅力を伺ってみました。

「毎回いろいろなお料理が学べて、本当に楽しみ。どのお料理もとにかくおいしいんです!そのへんのレストランより断然おいしいです」

「もう、全て素敵です。お料理と合わせるテーブルコーディネートも勉強になります」

と大絶賛です。

「習ったレシピはお家でも作りますか?」とおたずねしたところ、「もちろん!」と皆さん力強くうなづきます。

「皆さんすごい熱心なんですよ。難しいレシピでもお家で作ってくださるんです」と宮澤さんが嬉しそうに教えてくださると、

「宮澤先生のレシピは再現しやすいんです。誰でも作れるように、あの手この手を使って簡単になるようにアレンジしてくれているんだと思います」と生徒さん。

今一度レシピを拝見すると、調理は2ステップか3ステップにまとめられています。そして、いろいろ買いそろえなくて良いようにと、食材の「肉」は全て「豚ひき肉」に統一されていました。
生徒さんに家でも「また作ってみよう!」と思ってもらえるための宮澤さんのこだわりと配慮がレシピにも表れています。

どなたに伺っても目を輝かせて魅力をお話くださり、生徒の皆さんがレッスンをとても楽しみに、そして大切に思っていらっしゃるのが伝わってきて、「料理を作る楽しさを伝えたい」という宮澤さんの思いがきちんと生徒さんに届いていることを感じます。

●復習もしっかりと

20100827_s-99.jpg「ワンタンおかわりしませんか~?」
宮澤さんがお一人お一人に声をかけてまわります。みなさんそろそろ満腹のよう。

「ごちそうさまですー」とそれぞれ空いたお皿をキッチンへ。
さっと洗う方、食洗機に入れる方、テーブルを片づける方、次のデザートの用意をする方など、生徒さんそれぞれがテキパキ積極的に動き、うまく役割分担をしていかれる様子は、お見事の一言。

テーブルには、キャンドル式のティーウォーマーとティーポットが設置され、紅茶の良い香りが漂ってきました。
デザートのココナッツプリンをいただきながらしばし歓談のあと、『今日のレシピの復習タイム』です。宮澤さんが今日のレシピ6品を丁寧に説明し、質問を受けながら補足をしていかれます。

「他に質問はないですか~?では終わりにしますね。皆さんありがとうございました!」
「ありがとうございましたー!」

宮澤さんと生徒さんの気持ちの良い挨拶で今日のレッスンは終了となりました。
でも皆さんまだおしゃべりが足りなさそうです(笑)。
香りのよい紅茶を囲んで和やかな雰囲気の中、もうしばらく楽しい会話は続いていくようです。

次回は、宮澤さんが「セ・トレボン」を開いたきっかけや軌跡をうかがったインタビューをお届けします。

(次回へつづく)

 

前回インタビューはこちらから



インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=菊池友理
 

プロフィール

宮澤 奈々さん

「セ・トレボン」主宰

FFCC(上級コース)卒業、ディプロム取得
EcoleSuperieureDeCuisineFrancaiseParis校卒業、ディプロム取得。
イルプルーシュルラセーヌ(パティスリー本科卒業、ディプロム取得)。
フレンチ、イタリアン、カリフォルニアキュイジーヌのレストランにて研修。
多数料理教室にてフレンチ、イタリアン、中華、韓国、タイ、スペイン、パン、ケーキを学ぶ。
世田谷ケーキ店にて勤務。
1996年より料理教室開設。
懐石料理屋にて料理教室アシスタント。
現在東京ガスやBOSCH等のイベント講師をしている。

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レシピ

キョトート(タイ風揚げワンタン)

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材料

ワンタンの皮・・・1パック
豚挽肉・・・100g
海老ミンチ・・・100g
パクチーの根・・・1本
ニンニク(すりおろしたもの)・・・1片分
黒胡椒・・・小1/2
シーユーカオ(またはシーズニングソース)・・・小1
 

作り方
  • ボールに豚挽肉、海老ミンチ、クロックで潰したパクチーの根とニンニク、黒胡椒を混ぜる。
  • ①にシーユーカオを入れ、粘りが出るまで混ぜる。
  • ワンタンの皮に②を包み、180℃で揚げる。

スイートチリソースで頂きます♪
(粗挽き唐辛子:小1/2、酢:大2、砂糖:大2、ニンニク:少々、ナンプラー:少々を混ぜても作れます)

レシピ

パッタイ

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材料

卵・・・2個
豚挽肉・・・150g
海老・・・8尾
厚揚げ・・・1/2個
タクアン・・・5cm
紫玉葱(ホームデン)・・・4個
干し海老・・・20g
もやし・・・1パック
ニラ・・・1/2束
ピーナッツ・・・1/2カップ
ニンニク・・・少々
プリッキーヌファー・・・大1
唐辛子粉・・・お好きなだけ
クエイティオセンレク・・・260g(水に戻しておく)
オイル・・・1/2カップ
レモン・・・櫛形切りお好きなだけ

【調味料】
水…100cc
タマリンド(お好きなジャムでも可)…25g
ケチャップ…30g
シーズニングソース…15g
砂糖…大1
ナンプラー…大2
チリソース…30g
 

作り方
  • フライパンに油を多めに入れ、卵を焼く。
  • 豚挽肉、海老、厚揚げを軽く炒め、クエイティオセンレクを入れ、少し柔らかくなったら調味料、もやし、ニラ、干しエビを混ぜ、タクアン、ピーナッツを添える。