巻真美(まき まみ)さん 第3回
和食絵巻
巻 真美(まき まみ)
【東京都中央区築地、群馬県高崎市】
フードアート
今月の「FOOD ART」のコーナーでご紹介するのは、アメリカ生活をきっかけに和文化のすばらしさを再認識し、世界から観光客が集まる銀座・築地で日本食の素晴らしさと職人芸、デザイン性を発信する教室「和食絵巻」の巻真美先生です。東京オリンピックイヤーの2020年。日本を訪れる外国人の方へのおもてなしレッスンのヒントがいっぱいです。
8.こちらのお仕事に興味を持ったきっかけを教えてください
アメリカ暮らしをきっかけに和文化をリスペクト、帰国後に和食は巻き寿司とデコもちの資格を取得し、和服は着物教室に通いました。もともと美術やデザインが好きで、食べ物の中に絵を組み立てられることが驚きの楽しさで熱中しました。在住中は英語も苦手で日本のことも知らないし説明もできないでないないづくしで後悔した反動で、遅ればせながら帰国後はたくさん勉強しています。さらにアメリカで現地ならではの習い事を楽しませてもらったことの恩返しに、今度は日本で外国人に伝えたいなという夢もあり、今日にいたります。
9.資格を取得して良かったと思うことはなんでしょうか?
当初は、絵みたいな食べ物なんて面白いな、という珍しさからカルチャーセンターを受講し、ハマって一気に資格まで取得しました。資格講座で教わる詳しい技術やそこで出会う人達のやる気や将来の展望を聞いて刺激を受けたのも良かったです。実際に教室を始めると、基礎となる巻き寿司やデコもちの技術はとても実践的ですし、その過程で見聞きした情報は教室開始にも維持改善にも役立ち、いまなお新たに出会う人や世界が格段に広がっていきます。同時に自身も認定講座を開催する側となり、講師として常に情報更新・スキルアップは必須です。そう思うと資格って大切。
アメリカから帰国後にこれらの資格を修了した当時の自分はここまでのいろいろなやりがいは予想もしていなかったですが、あの時に行動して本当に良かったです。なんならもっと早く資格を取っていろいろなことを知って始めていたらもっと良かったかもと思うほどです。最近の資格講座を申し込まれる方には海外赴任前の奥様も多く、皆様しっかり考えて準備されていて素晴らしいなと思います。
10.講座やお仕事の内容や運営の工夫があれば教えてください
初心者対象でシンプルに。いかに簡単に作れるかを重視しています。なるべく計りを使わず、計量は細分化せず、色を混ぜる際にボールで散らかったり洗うのが大変ならビニール袋で混ぜても良い等、お家に帰ってもう一度作るのが楽な気持ちになれたらいいなと思いまして。もちろん講座では全セットが揃っていて即作れますから一番楽です。あと、難しい絵柄の場合は講座で難しい版をお伝えしたのち、ご家庭でできる簡単版も合わせてお伝えしています。やっぱりお家でまた作ってみようかなとなってもらえるのが願いなので。とは言いつつ、難しい柄の日は、完成した瞬間、ふあーってため息がみんなで出て笑ってしまうこともありますけど。
11.講座やお仕事でよく使う愛用品を教えてください(お道具など)
せいろ。
普段は小二段で餅米とデコ餅を同時に。他に日本橋木屋の九寸和蒸籠もあり。
柴田慶信の飯台。
蓋が半分ずつ開くので便利。すきやばし次郎とお揃いの海苔缶。
ミニ回転寿司セット。
外国人ゲストの試食に大好評。鮫皮おろしで生わさびをすって。