決断と選択、そしてステップアップ

「サロンドファリーヌ」主宰 三谷良子さん

インタビュー連載 第4回

今月のサロネーゼは、神奈川県横浜市のご自宅でパン&料理教室「サロンドファリーヌ」を主宰されている三谷良子さん。こちらの教室では、家庭でできるパン作りと、パンによく合う料理を学ぶことができます。三谷さんはご自宅以外にもカルチャーセンターなど様々な場所で外部講師を務めたり、企業とのお仕事にも力を入れています。
今回取材したのは、2019年5月に開催された「天然酵母パン&お料理クラス」です。そのレッスンの様子とインタビューを4回にわたりご紹介します。第4回目はインタビュー後半です。



掲載日:2018/6/24(月)

三谷良子さん

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決断と選択によって作られていった自宅教室


――最初は外部講師としてスタートされて、いつ頃から自宅で教室を始めることを意識されたのでしょう?

三谷さん ABCで働き始めて3、4年経った頃でしょうか。 そこでの仕事は本部が考えたレシピをマニュアルに従って伝えるということがメインだったのですが、その頃になると一通りのことは自分でできるようになって。
そうすると次のステップとして、自分の場所で、自分のオリジナルのレシピで、自分の生徒さんに伝えたいと思うようになったんです。

それで結婚したタイミングで具体的に自宅教室の計画を進めていきました。
2008年に引っ越しをすることになり、この部屋も教室ありきでなるべく作業台が広いキッチンがあるところを選びました。

三谷良子先生1

自宅教室開設を考えて選ばれた空間は、生徒さんにとって最適な学びの場

――お部屋選びからとなると、ご家族のご理解とご協力あって始まった教室なんですね。

三谷さん そうですね。
レッスンをする空間からは生活感をなくすためにテレビも置いていませんし、一部のキッチン用品は他の部屋に置くなど、今でも家族には協力してもらっています。

――実際に自宅教室を始めてみて、始める前には想定していなかったことはありましたか?

三谷さん 今うちには10歳の子供がいるんですが、教室を始めた2008年当初はまだ赤ちゃんだったんですね。
そうすると人脈が子育て世代の方たちが中心になってきて、教室に来てくださる生徒さんも子供連れで参加される方が多かったんです。
でも教室の計画を立てていた時に想定していたのは、もっとご年配のマダム層で、ゆったりとした時間の中でパン作りのノウハウを丁寧にお伝えしていくというものでした。
それが実際には、小さいお子さんがいらっしゃり火や包丁などを使えなかったり、パンだけ焼いてお茶をして終わりというレッスンになっていたんです。

そういう状態が2年ぐらい続いた時に思い切って方向転換をすることに!
一旦子連れレッスンはクローズにして、大人の方だけにご参加いただくようにしました。

――お断りしなくてはいけない方もいたりと、ご苦労も多かったでしょう……。

三谷さん そうなんです。
その時は生徒数も激減しましたね。

――でもここで思い切った決断をしなかったら、三谷さんが目指される教室にはならなかったでしょうね。
教室運営には時にはこういう取捨選択を迫られることもあるんですよね。
そこから集客はどのように行ったのでしょう?


三谷さん HPやブログの更新はこまめにやっていたんですが、それだけでは限界もありカルチャーセンターに頼ることにしました。
具体的には、自宅教室の生徒さんを無理に増やそうとするのではなく、カルチャーセンターに集客していただいた生徒さん一人一人に丁寧に接していくようにしたんです。
今もそうなんですが、自宅教室と並行して、カルチャーセンターなどでも外部講師を務めるなど、常に外部との接点を増やすようにしています。
ただ、あくまでも核となるのは自宅教室に通ってくださる生徒さんですね。


あの超有名料理番組への出演を夢見て


――今も学んでらっしゃることはありますが?

三谷さん フランス語ですね。
私はフランスなど現地に行くことが好きなんです。
だからいつか生徒さんのこともお連れして、現地のパンやお菓子の教室に行ったり、お店を巡ったりするような研修旅行を企画したいんです。
旅行会社の方とのタイアップ企画もいいですね。

その他には、その時々のトレンドをキャッチして生徒さんに提供できるように心がけています。
先日も外部講師依頼でキャラクターを模したパンを立体的に仕上げる「3Dちぎりパン」の依頼があったんです。
今まではやったことなかったのですが、きちんと教えられるレベルまで勉強しました。

あとは、紅茶が好きなのでもっと勉強してレッスンにも取り入れていきたいですね。
パンと紅茶は発酵食品同士で合うかなと思うんです。

三谷良子先生2

人気教室の一つの特徴は、先生自身も学び続けていること


――三谷さんが学び続けていらっしゃるから、生徒さんも長年通われていても常に新しい発見があるのですね!
三谷さんが常にヴィジョンや目標を持って教室運営に取り組まれていることが分かったのですが、近い将来に実現したい夢について教えてください。


三谷さん まずは自宅を核にしつつ、外部に自分の教室を持てたらいいなと思っています。
そこでは自分だけはなく、協力してくださる先生たちに、パンを中心に私が考えたカリキュラムやレシピを教えてもらうというスタイルです。
そこでは食材や道具などの販売もしたいですね。

――総合プロデュース的な立場ですね。
目の前の生徒さんだけはなく、より多くの生徒さんにも想いが伝えられる場となりますね。
その先の夢は?


三谷さん これは私が料理の先生になった時からの夢なんですが、NHKの「きょうの料理」に出演したいです!
やっぱり「きょうの料理」には昔から絶対的な信頼感があるんですよ。

――今まで着実にステップアップされてきたように、その夢も叶うと思います!
サロネーゼさんにとって必要なことは何だと思いますか?


三谷さん 教室を始めた時から変わらないのですが、生徒さんが来たら妹がうちにやって来た時のように接しようと心がけています。
年配の方に対しては母親かな。
家族がうちに来ると、「あれも食べてみる?」「これも持って帰って!」とかいろいろしてあげたくなる、あの感覚ですね。
先生と生徒という上下関係ではありません。

生徒さんと一緒に仕事がしたい


――お話をうかがっていると、三谷さんが本当に好きなことを仕事にされていることが伝わってくるのですが、そうは言っても大変なことも多いかと思います。
三谷さんにとって頑張れる原動力は何でしょう?


三谷さん 私は、マニュアルがあってそれを事務的にこなしてくのは苦手なタイプなんです。
それよりも常にクリエイティブなことをし続ける、アーティストでありたいんです。
それが続けられるのであれば、多少辛いことがあっても乗り越えられるんですよね。

三谷良子先生3

これからの夢を語る三谷さん、そこに向かって日々着実に歩みを進めています


――その観点から見ても、教室の先生という職業はまさに天職でしたね!
料理という自分の作品を作るだけはなく、生徒さんを育てていくというところにも創造性を感じます。


三谷さん さらにこれからは、先生になりたい人も育てていきたいです。
先生になりたいけれど何から始めたらいいのか分からない人も多いと思うんです。
そういう方々を後押しできたり、いつか一緒にお仕事ができたら嬉しいですね。

――三谷さんのご活動がさらに広がっていくことがとても楽しみです!
最後に、これからサロネーゼさんになりたいという方へメッセージをお願いします。


三谷さん 自宅教室を開設することで、無駄のない仕事ができるようになると思います。
家のこと、仕事、趣味の配分も自分で決められますし、自分の人生を設計しやすいです。
だから女性だけはなく男性にもぜひやっていただきたい職業ですね。
自分の家で、自分が置かれている立場で、自分の人生も大切にしながら良い働き方ができるのではないでしょうか。

また、教室運営をしていくと様々な問題に直面することもありますが、あまり生徒数を増やすことにこだわり過ぎずに、いらしていただいた目の前の生徒さん一人一人に丁寧に接していくことも大切にしていただきたいです。

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活動の幅を広げるためには、行動力あるのみ! そのためには核となるものが必要で、それが三谷さんにとっては自宅教室であるということが分かりました。
三谷さんのこれから、そして三谷さんのもとで学ばれた生徒さんのこれからも楽しみです!

(おわり)

インタビュー・テキスト=阿部麻里子、窪田みゆき
写真=原田圭介



プロフィール

三谷良子さん

料理研究家 ・フードコーディネーター・ワインエキスパート・チーズプロフェッショナル・フードライター・薬膳マイスター


経歴

服部栄養専門学校にて製菓パンライセンスを取得。

藤野真紀子先生 高木康政氏 河田勝彦氏に師事。

フランス・パリの料理学校 ルノートル ル・コルドン・ブルー東京校 で学ぶ。

田崎真也ワインスクールにて学び、チーズプロフェッショナル、ワインエキスパートの資格を取得。

恵比寿フードマエストロクッキングスクール等の料理教室にて 料理 パン 製菓の講師を務める。


アシスタント

広尾 petit-point 北岡シェフ

広尾 アクアパッツァ 日高シェフ

赤坂離宮 譚料理長

乃木坂神谷 神谷料理長

サロン情報

サロンドファリーヌ

「パンを通して食文化を楽しむ」をコンセプトに 美味しい物の向こう側にある物語を含め ワクワクをお届けしています。

世界各地の魅力ある食文化に触れ、皆様にお伝えし ともに楽しむことで、社会や文化に貢献したいと思っています

ジャンル:

家庭料理、イタリアン、フレンチ、パン、洋菓子、ワイン、チーズ、おもてなし、紅茶

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、予約制、駐車場あり、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり

所在地:

神奈川県横浜市栄区(本郷台)

ホームページ、ブログ:

http://www.r-farine.com/

https://ameblo.jp/salondefarine/

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