薬膳で世界とつながる

「薬膳料理教室PureLotus」主宰 高見節佳さん

インタビュー連載 第4回

今月のサロネーゼは、兵庫県芦屋市で、「薬膳料理教室PureLotus」を主宰する高見節佳さん。高見さんは、「美味しく楽しく簡単な毎日の薬膳でキレイを手に入れる」ために、手軽に手に入れられる食材を使って、毎日無理なく続けられるような薬膳料理を伝えていらっしゃいます。中医学の理論に基づいた、心と身体にとって薬になる薬膳料理を歴史や背景から学ぶことができるのもお教室の特徴です。
今回は薬膳料理教室レッスンと、インタビューを4回にわたりご紹介します。第4回目はインタビュー後半です。



掲載日:2018/3/26(月)

高見節佳さん

高見節佳さん

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気付きを得た生徒さんの嬉しい変化


――高見さんの講座を通して、体質を改善されていく方も生徒さんも多いかと思います。

高見さん 多いですね!
私のお教室にいらっしゃるきっかけは、習い事がしたいという方もいれば、体質改善を目的にいらっしゃる方もいて様々です。
私の話を聞いて、「そうか!」と気付きを得てくださる方は変わります。
感謝もされますが、私は先人の知恵をバトンタッチしているのに過ぎません。バトンを受けてくださった方が変わっていくだけです。
生活の中でほんの少し身体のことを意識して変えることや、無駄なことを止めることによって、身体は自然なリズムを取り戻していきます。

高見節佳先生1

高見さんのレッスンから気付きを得て、変わっていく生徒さんたち

――気付きを得た方は、お教室の時間だけはなく、日々の生活も見直すようになるから変わっていくのでしょうね。

高見さん 例えば、「春だから桜の季節が来た」で終わらずに、もっと広く見渡して様々な木々の芽吹きに目を向けたり、春の風を感じられるようになると、外を歩くことも楽しくなっていきます。
また薬膳の考え方の一つである「五味五色」を取り入れて、食卓の色味も気を付けるようになります。

茶色のテーブルに茶色の餃子を透明のパックのまま出すではなく、白いお皿に移して葉物やトマトを添えて供するようになったことで家族から褒められたという話も伺います。
このお教室では、こうしたことに気付いていただくためのサンプルをお出ししています。

――生徒さんの学ぶ姿勢での変化は感じられますか。

高見さん 皆さんどんどんステップアップしていかれますね。
私はなるべく無駄なことは省いて料理の楽しさに気付いてもらうために、片付けながら料理をするように促します。
また料理の姿勢として、包丁の置き方についても厳しく注意します。調理台から離れる時は、包丁の柄がまな板から出ないように置くように徹底することで事故も防いでいます。
そうした思いが生徒さんの行動に現れるようになったり、最初はなかなか積極的に動けなかった方もてきぱきと自主的に動けるようになるのを見られるのは嬉しいですね。
また、お月謝のために新札を準備するようになったりするなど、マナー面での変化も感じられます。

教室運営のポイントはおもてなしの心


――生徒さんの変化はお教室を運営するにあたってのやりがいにつながりますね。 レッスン中に心がけていらっしゃることはありますか。

高見さん 生徒さんの疑問は全て解決するということです。
例えば食材の扱い方や薬膳の効能など、聞かれたことは何でも答えられるように、薬膳のベースとなる中医学については毎日少しずつでも知識を増やすようにしています。
また、薬膳は、食だけでなく、生きること全てにつながりますので、様々な分野の方とお会いしてお話を伺ったり、お店の素晴らしいお料理やお花、舞台など、日々美しいものを目にすることで知識や心を養うようにも心がけています。

高見節佳先生2

常に新鮮なレッスンを提供するために、高見さんは学び続けます。


――集客では何か工夫されていらっしゃることはありますか。

高見さん ブログやホームページでの告知が主ですが、あまりキャッチーな言葉などが考えつかず、普通のご案内のみになってしまっています…。今後はもっと皆さんに知っていただけるように、工夫していきたいです。
ただ有難いことに、口コミやご紹介でお越し下さる方が多いため、その分責任を持って全力でお応えしようと取り組んでいます。

――SNSやブログで気を付けていることはありますか。

高見さん 薬膳の効能については、断言は避けて、「こういう効果が期待されます」といった表現にしています。

――今日の生徒さんの中にも、お教室外での活動で高見さんのことを知ったという方もいらっしゃいました。
外部で講師をなさる時と、お教室でのレッスンとの違いは何でしょうか。


高見さん お教室では、雰囲気を含めてトータルで食べることの楽しさを伝えられるということです。
自分の教室を持つことはリスクもあるので、長年外部での講師活動を続けていました。
しかし続けていくうちに自分のお気に入りの食器を使ってお料理を供することで、生徒さんに気分を高めてもらいたいという思いから、自分のお教室を開設することにしました。
ただし生徒さんにあまり気を遣わずに楽しんでいただきたいので、紙のナプキンを使用するなど工夫もしています。

――そうした一つ一つの心遣いは確実に生徒さんに伝わります。
高見さんはおもてなしをどのように考えていらっしゃいますか。


高見さん おもてなしとは、お客様のことを気に掛けることだと思います。
忙しいのにこんなお天気の中来てくださったのだから、美味しいものを食べてお腹いっぱいになってほしいし、快適に過ごしてもらいたい…こうしたその人のために何かしてあげたいという気持ちでしょうか。
それはマニュアルではなく、オーダーメイドです。

――これが身体に良いからといって押し付けるのではなく、その人を見て、最適な提案をするというところは、高見さんの薬膳に対する考え方と一致していますね。

夢は世界へ


――これからのことを伺います。
今後の教室の展望を教えてください。


高見さん 誰もが薬膳を日常的なものとして捉えられるようになってほしいです。
正しい知識とちょっとしたコツを知ることで、忙しい方も、お料理が苦手な方も、外食オンリーの方も、誰もが簡単に薬膳ライフを楽しみながら、美しく健やかな日々を過ごしていただけるように薬膳をお伝えしていきたいと思っています。
これは子供を持つお母さんや、お母さんになる前の若い女性に対してもぜひ伝えていきたいことなので、母親学級や食育にもぜひ薬膳の知識を取り入れてほしいですね。
また、料理上手がすごいわけではないけれど、できると人生はもっと楽しいということも皆さんに伝えていきたいです。

高見節佳先生3

人生が豊かになる知識と知恵が詰まったお教室でした


――料理は人生を豊かにしますよね。
その他に夢はありますか。


高見さん 今でもリクエストベースで行っていることなのですが、自分の語学力を活かして、日本にいらっしゃる外国人の方にもレッスンを行っていきたいです。
シンプルに和食ではなくて、薬膳の考えのもとに食材選びを行った料理を教えたいです。

また、世界中の方とコラボレーションレッスンを行っていきたいです。
私は各国に留学時代からの友人もおり、今度来日するインドの友人と一緒に日本でインド薬膳の講座も予定しています。
また現地へ行って、各国の方にその国の薬膳でお教室を開きたいです。例えばイギリスに行って、本場の方に薬膳の考え方を取り入れたアフタヌーンティーを提案してみたいですね。
世界中の方々と薬膳という考え方を共有していくことが夢です。

――漢方薬など日本や中国の伝統医療が、今度の春に開催される世界保健機関(WHO)の総会で認定される方針というニュースも見ました。
これからますます世界中から注目されそうですね!
最後にこれからサロネーゼを目指されている方へ一言お願い致します。


高見さん まずはご本人が楽しむことです。その楽しさをお裾分けできたら嬉しいなという気持ちが大事だと思います。
私について言えば、身体が弱くて何をするにも気後れしていた幼い頃のことを思い出しては、そんな自分のところに来てくださる方に全力でお応えしなきゃという気持ちで取り組んでいます。
お互いに楽しむことで相乗効果が生まれて、お教室も良い方向に向かっていけると思います。

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自分を大切にすること、そして相手を思いやる心を、薬膳を通して実践しているお教室には、美しく健やかな日々を過ごす高見さんと、生徒さんの笑顔が溢れていました。

(おわり)

インタビュー・テキスト=阿部麻里子
写真=伊藤裕司



プロフィール

川口かな江さん

高見節佳さん

芦屋・薬膳料理教室PureLotus(ピュアロータス)主宰
◇中華中医薬学会認定 国際中医薬膳師
◇中華中医薬学会認定 国際薬膳調理師
◇全日本薬膳食医情報協会認定校講師
◇漢方養生指導士

幼いころからの虚弱体質に悩み、出会った薬膳で友人からも驚かれるほど元気に。
知人に向けて開催していた料理教室に薬膳のエッセンスを取り入れ、本格的に薬膳・漢方のセミナーおよび薬膳料理教室を始める。

大手デパートや化粧品会社などでの
薬膳料理教室・セミナー・スタッフ研修なども担当し、
芦屋・神戸・京都・大阪を中心に各地で活動。
難しい理論だけでなく、日常にすぐ活かせる
美と健康のヒントが詰まったセミナーが人気。

受講生には医師・薬剤師も多く、互いに学び、
西洋・東洋の医療と食を融合した健康への取り組みも。

『薬膳で人生は変わり、人生は薬膳で変わる』

語学力を活かし、日本在住の外国人へ向けた
和食や薬膳料理の教室も開催しています。

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