おもてなしのプロによるレッスン

「サロンドマリー」主宰 横井満里代さん

インタビュー連載 第3回

今月のサロネーゼは、神奈川県横浜市で、「サロンドマリー」を主宰する横井満里代さん。横井さんはご結婚を機に大手企業を退職、自宅にてサロン形式のお菓子教室を始めます。その他カルチャースクールにて洋菓子講座や、サロン開業講座を開講、パーティープロデュースも手がけていらっしゃいます。その実績から度々メディアでも取り上げられ、横井さんのサロンには多くのサロネーゼさんも通われています。今回は整理収納アドバイサーの大熊千賀さんとのコラボレーションレッスンと、インタビューを4回にわたりご紹介します。第3回目は横井さんがお教室を開いた経緯をうかがったインタビューの前編です。

掲載日:2018/1/22(月)

横井満里代さん

横井満里代さん

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サロネーゼを生み出すサロン


――いつサロンを開設されましたか?

横井さん サロンドマリー設立は2003年9月です。
ただしその前身として友人対象の小さなお教室の始めたのは、今から29年前です。
まだ結婚して間もない頃だったのですが、主人の転勤で名古屋へ転居することになりました。私は幼少期からピアノを習っていたのですが、近所の方からピアノを教えてほしいと頼まれます。そのレッスン後にお出ししていた手作りのお菓子が好評で、お菓子の作り方も教えてほしいと言われたことがきっかけです。

横井満里代先生1

ピアノの先生からサロネーゼへ、おもてなしの心は変わっていません


――現在はどんな生徒さんが多いですか?

横井さん 私の生徒さんは女性ばかりで、年齢は40代50代の方が中心で、お教室を運営されている方が多いです。
当教室ではディプロマコースと、今日のようなランチ付きレッスン、ランチなしレッスン、プライベートレッスンが設けられておりますが、現在の主はディプロマコースとなっています。
こちらのコースの生徒さんは9割がサロネーゼさんなんです。

――9割ですか!どの分野のサロネーゼさんが多いですか?

横井さん お花、紅茶、パン、お菓子など様々です。
その中には立派な料理学校や製菓学校で学ばれた方もいらっしゃいます。
学校では技術を中心に学ぶことができますが、サロン運営でもう一つ大切なことは、おもてなしの心です。
この心ならば私にも伝えられると思いました。

――サロン運営者にとって何よりも大事なことですね。

横井さん 長年サロンをやっておりますと、これからサロンを始めたいというご相談を受けた時に、「この方はうまくいくかな」「この方は少し難しいかな」ということが分かるんですよ。
それは素敵なおうちに住んでいるとか、高価な物を持っているとか、技術を身に付けているということではないです。
自分を良く見せることが目的ではなくて、来ていただいた方に楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいというという気持ちですね。
サロンを開こうと考えていらっしゃる方には、このおもてなしの心の大切さをお伝えしています。

――同業に近い生徒さんもいらっしゃる中で、何か気を付けていらっしゃることはありますか?

横井さん 気を付けていることは、自分を先生と思わないことですね。
生徒さんのことをお客様だと考え、常に大切なお客様をお迎えするつもりで接しています。
「いらしていただいて、ありがとうございます」という気持ちです。感謝しかありません。

おもてなしの楽しさを知った幼少期


――横井さんが心からそのように思われていることはきちんと生徒さんに伝わっていると思います。こちらのお教室には新幹線に乗って通われている生徒さんもいらっしゃるそうですが、その理由がよく分かります。 生徒さんを増やすコツや、リピートしてもらうポイントはございますか?

横井さん 私はパソコンなどを使った自分の売り込みは苦手なんです。 ブログもやっておりますが、どちらかというとどなたかが書いてくださったブログが口コミに近い形で広がっていったんだと思います。 それでも29年前はご近所の方の口コミだけだったのが、ブログやフェイスブックをやるようになってからは遠方の生徒さんにもお越しいただくようになりました。

――苦手とはおっしゃいますが、ブログもこまめに更新されていらっしゃいますものね!

横井さん 大したことは書いてないんですよ(笑)。
皆さんの中には一時間ぐらいかけて書いていらっしゃる方もいるそうですが、私はきっちりと書こうとすると続けられないので、あまり構えずに5分で書けることをアップしています。

――長年お教室を続けられるコツに一つに自然体というキーワードがあるのかもしれませんね。 こうした素敵なサロンを自然体で運営できる背景が気になります。 横井さんご自身はどのような幼少期を過ごされたのでしょうか?

横井さん うちは父が会社を経営しておりまして、とにかく日々お客様が多い家庭で育ちました。 年に二回ぐらいは100名を越えるパーティーも…。 毎日お客様がいらっしゃると、構えるということがなくなり、日常になってくるんです。

横井満里代先生2

小さい頃から身に付けてきたことが活かされたサロン


――日常におもてなしがある環境で育ったのですね!

横井さん こうしてお客様をおもてなしして喜んでいただく楽しみを自然と覚えていきました。中学生になった時には、もう自分で器を買い始めましたね。今でも食器戸棚にありますよ。

――お料理やお菓子はいつから学ばれたのでしょうか?

横井さん 元々好きでしたが、きちんと習い始めたのは花嫁修業の頃でしょうか。今でもお菓子作りは習い続けています。 大手料理教室から始まり、有名な料理家の先生だったり、フランス人のお料理学校だったり…お教室や学校は変わりながら、現在9人目の先生に教わっています。

学び続け、日々進化していくサロン

――これだけの生徒さんを抱えていらっしゃっても、なお学び続けていらっしゃるんですね!

横井さん お菓子は日々進化しているので、学び続けて行かないとついていけないんですよ。生徒さんに古い情報は教えられません。
本日ご試食いただいたモンブランにも最近の流行りを取り入れて、クリームをレース状にしてみました。 また、食に関する資格試験にも毎年チャレンジしています。
最近ですと、明治さんが始められたチョコレート検定の資格を取りました。
長年チョコレートについて学んできたつもりでも、新しく学ぶことも多く、刺激にもなります。
横井満里代先生3

学び続ける横井さんのお教室は、生徒さんを飽きさせません


――学ぶことも一つの原動力になっていらっしゃるんですね。
今度は教える立場側からのお話を伺います。
レシピ作りではどんなことに気を付けていらっしゃいますか?


横井さん こんなことをしていらっしゃる方はあまりいないと思うのですが、同じレシピでもその時の生徒さんに合わせて作り変えているんです。
お教室で完成したお菓子をただご自宅にきれいに持って帰りたいという方、ご自宅でも作りたい方などその方の目的に合わせています。
また、あまりお菓子作りをされない方には、あるお菓子を作るためだけにわざわざ材料を揃えていただくのではなくて、ご自宅にありそうなものを使ったレシピに変えてみることもあります。
口頭でお伝えするだけではなくて、レシピを作り直してお渡しすることでご満足いただけているかと思います。
最初はパソコン作業に慣れずに苦労しましたが、とにかく生徒さんに満足していただきたい一心で続けてきました。

――そんなことまでなさっているのですね!驚きです!
生徒さんのことを第一に考え学び続けている横井さんのこれからの夢をお聞かせください。


横井さん その時その時でできることって変わってくると思うんです。生活環境だったり、体力だったり。
ですので、これからもその時の自分に合った方法でおもてなしをしていきたいなと思います。
例えば80歳になった時にお菓子を教えることはできなくても、ご近所の方に集まっていただいてお菓子をお出しするサロンという形は続けていきたいです。

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幼少期から培ってきたおもてなしの心が、今横井さんのサロンの中で存分に活かされています。
そしてその心を学んだサロネーゼさんによって、また新しいサロンが生まれていきます。

次回は、今回の大熊さんとのコラボレーションレッスンについてお二人に伺ったインタビュー後半をお届けします。どうぞお楽しみに!

(次回へつづく)

インタビュー・テキスト=阿部麻里子
写真=原田圭介



プロフィール

横井満里代さん

横井満里代さん

学習院女子短期大学卒業後、出光興産秘書室勤務。結婚退職後、本格的に洋菓子の勉強を始める。日本菓子専門学校、加藤千恵洋菓子教室、フランスのエコール リッツ エスコフィエ、エコールクリオロなどで学ぶ。製菓衛生師、ティーコーディネーター。フードコーディネーター。

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