生徒さんの意見を聞き、進化するお教室

「サロン・ド・キュイジーヌ エッセイエ・ヴ」主宰 藤山朗子さん

インタビュー連載 第4回

今月ご紹介するサロネーゼは、東京・世田谷区自由が丘でフレンチのお料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ エッセイエ・ヴ」を主宰する藤山朗子さんです。 ”おいしくて簡単にできてパリジェンヌみたいにキレイになれるふだんごはん”、”さっと準備しておもてなしできるコース料理”などが学べるレッスンには、幅広い年齢層の方が毎回楽しみに参加し、親子や友人同士て通う方も多数です。

今回は、2017年10月に行われたレッスンとインタビューを4回にわたりご紹介します。最終回は、”お料理教室の敷居を下げる工夫”や、お教室運営に込めている思い、これからの夢などを伺ったインタビュー後半です。

掲載日:2017/11/27(月)

藤山朗子さん

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年に1度はフランスへ


――フレンチのお料理教室にしたのは、やはりフランスがお好きだから?

藤山さん はい、断然フランスが好きなんです。20代で初めて行ったフランスに魅了され、これまでに20回以上行きました。
教室では難しいフランス料理ではなく、日本の身近な食材で家庭で美味しく作れるフレンチの手法やエッセンスをご紹介していますが、毎年1回はフランスを訪れて、新しいお料理や情報に触れてレッスンにいかしています。

フランスでは、毎回パリに滞在して、どこか1ヶ所、ほかの地方に足を伸ばしています。
フランスへの旅行前にいろいろお尋ねくださる生徒さんもいらっしゃるので、お料理やレストラン以外の情報も提供できるようにしたり、教室内もフランスの雰囲気が出せるように心がけています。

先回行ったときは、滞在したアパルトマンのカーテンの生地や使い方がとてもおしゃれで気に入ったので、早速取り入れました。日本では床上の長さにしますが、あちらでは引きずるくらい長くします。そうすることで室内の暖かさを逃がさない工夫なんです。

――暮らすように旅することでわかる情報、生徒さんに喜ばれそうですね。また、フレンチを習いに来るとき、”気分はフランス”な方が多いと思いますので、その雰囲気の中レッスンが受けられるのは満足度があがると思います。

藤山朗子先生1

年に一度は、”パリ+どこか1ヶ所の旅”を。フランスの”今”を体感して常にブラッシュアップ。


――お教室を始めてみて、良かったと思うのはどのようなことでしょうか。

藤山さん たくさんあります!この仕事をしていなければ巡り合えなかった方達と出会い、おいしいという幸せを分かち合える喜びを味わえることは何より嬉しいことです。

また、料理のスキル、アンテナの張り方、人との接し方など、常に目標があり進歩していくことができること、実質面では、掃除がやや苦手だが必然性により部屋を整えた状態に保てることも、良かったな、と思います。

――逆に困ったことはありましたか?

藤山さん そうですね・・。キャンセル対応などで混乱した時期もありましたが、原則を貫くようにしてから安定し、今は困っていません。

じょじょに整えて、いまのスタイルへ


――今では生徒さんが300名以上とのことですが、お教室を始めて間もない頃は、集客で悩む方が多いですよね。どのような工夫をされましたか?

藤山さん ブログを始めましたので、それを見てきてくださる方が多かったです。今思うと、最初なんて頼りないブログでしたから、よくお越しいただけたなと・・・感謝しています。そのほか、一度お越しくださった方がお友達やご家族を連れてきてくださったり、口コミで増えていきました。

今はインスタグラムを見てお申込いただくことが増えています。SNSは複数持っていることが大事ですね。
現在、instagramとblogをメインで使い、HP、facebookページ、twitterにリンクを貼る方法にしていますが、あとでアップしようと思いつつタイミングを逃すということも多くあり、改善しなければならないのですが・・。

――お教室を始めるとき、準備したモノやコトはありますか?

藤山さん 住み替えたマンションをお教室がしやすい間取りにリフォームした以外は、食器や道具はあるものでスタートしました。
お越しいだきやすい料理教室にしたかったので、「うちに遊びに来てね」という気軽な雰囲気にし、リーズナブルな参加費でなるべく満足度の高いレッスンをと思い、あえてそうしたのですが、しばらくして、これではダメだな、と思うようになってきました。

高級な食器は使いませんが、お料理に合わせてある程度食器を揃えたり、お花を飾ったり、少しずつ変えていきました。

藤山朗子先生2

お教室では「作り方を教える」以外の要素も大切。雰囲気の演出や盛り付け、道具の使い方もその一つ。


――お料理だけでなく、お料理を囲むほかの事柄も大切ですよね。いま、レッスンやお教室運営においてどんなことを心がけていますか?

藤山さん レッスンでは作り方だけではなく、食材の扱い方、余った時の対処法、料理の背景などできるだけ多くの気づきや知識を学んでいただけるように心がけています。また、実際に自宅で再現しやすいように手分けして作業することは避け、流れを全部見ていただけるようにしています。

1回ごとの完結スタイルで募集しているので、メンバーは毎回違い、初対面の生徒さんがお互いに打ち解けられるように共通の話題を提供するようにしていますが、一緒に作業して食事をする間に話がはずんで良い雰囲気になることが多いです。

――今日もアットホームな温かい雰囲気でしたね。

「生徒さん視点」を忘れず、学びを積み重ね


――10年間、2種類のクラスで毎月違うレシピを伝えるのはとても大変ではないかと思うのですが、どんな風にレシピを生み出していらっしゃいますか?

藤山さん 教室を始めるときに、自分自身もバリエーションを増やしたいですし、「絶対同じメニューはやらない」と決めていました。やってみると大変でしたが(笑)。今ではレシピ数も1,000種類を超えました。
フランスに行ったときにいろいろなお店やマルシェに行ったり、フランス料理の雑誌を見たり、最近ですとインスタグラムを見たり。いつもアンテナを張るようにしています。

お肉とワイン、という組み合わせが好評で、喜ばれるものを多くご提案するようにしていて、食材はなるべく旬の食材の走りを使うようにし、その季節にあった体調を整えることが出来る組み合わせを考えています。

――薬膳アドバイザーの資格もお持ちなのですよね。フレンチと薬膳って面白いですね。

藤山さん そうですね、フレンチと薬膳って意外、と言われることがあるのですが、昔から伝わるおばあちゃんの知恵的なものでもあり、フランスにもそうしたものがあります。体を冷やしやすい食材、あたためる食材というものがありますので、季節も考えながら取り入れるようにしています。

藤山朗子先生3

「そのときの自分にあった形で、仕事は80代まで続けたい」。これからも沢山、素敵なレッスンが続きます。


――今も学び続けていることはありますか?

藤山さん 生徒さんには折に触れてご感想を聞くようにしていまし、いただく質問やメニューとレシピの考案などを通じて、自分に欠けている部分に気付くことも多々あります。知識の整理や掘り下げが不十分で、なんとなくもやもやしていることを毎年ひとつずつクリアにしていくことにしています。

一昨年はヘルシーなメニュー作りに役立てるために薬膳の資格を取得しました。昨年はスパイス&ハーブ検定1級を取得、今年はワインの資格に挑戦しました。来年は、毎年訪れながら中途半端なフランス語のスキルを磨こうと思っています。

――さらに学び続けていかれるのですね! 長年お教室を主宰されて、大切なことは何だと思いますか?

藤山さん 喜んでもらいたいというおもてなしの心と、探究心とバランス感覚だと思います。

――最後に、これからの夢を教えてください。

藤山さん パリが好きなので、お気に入りのエリアにいつかアパルトマンを買いたいです。
今は”年に1回パリ+どこか1ヵ所の旅”で学んだことをレッスンでお伝えしていますが、もっと循環させる形態にしていきたいです。実現したら、パリに行く生徒さんにも使っていただきたいです。

また、仕事は少なくとも80代まで続けたいです。内容を進化させながら、そのときの自分に合った形でできたら、と思います。

――きっと実現しそうですね! これからもますますのご活躍が楽しみです。今日はありがとうございました!

藤山さん こちらこそありがとうございました!

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穏やかで終始優しい笑顔の藤山さんですが、教室運営に込めている思いの熱さをお話から感じました。
常に生徒さんが「参加しやすいように」、生徒さん視点であることを忘れず、真摯に意見を聞き、そして改善していく。責任をもって向き合っている姿勢がレッスンでも伝わり、人気につながっているのだと思います。
お料理が楽しく、もっと好きになる、素敵なお教室でした。

(おわり)

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介



プロフィール

藤山朗子さん

藤山朗子さん

料理研究家|フレンチおうちごはん普及委員
スパイス&ハーブ検定1級
薬膳アドバイザー

フランスが大好きで、パリ+1か所の旅をライフワークにしています(渡仏20回超)。
エコール・リッツ・エスコフィエ パティスリー・ディプロム取得
L’Atelier des sens、L’Atelier des chefs、L’Atelier Guy Martinなどパリ市内や、cooking Alaturca(トルコ・イスタンブール)、Cin Cin(イタリア・シチリア)などヨーロッパ各地の料理教室を視察

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