日常生活に小さな幸せを

「L’atelier Plaisir(ラトリエ・プレジール)」主宰 中村薫さん

インタビュー連載 第2回

今月のサロネーゼは、スカイツリーを見上げる、東京都墨田区でお料理とテーブルコーディネートの教室「L’atelier Plaisir(ラトリエ・プレジール)」を主宰する中村薫さん。 美大を卒業後に渡英しヨーロッパの様々な文化に触れ、帰国後に料理の研鑚を積み、お教室をスタート。 身近な食材で作る和洋中の基本料理~おもてなし料理を、季節に合わせたテーブルコーディネートと共に学べるレッスンは満席が続きます。 今回は、桜満開の2017年4月上旬に行われたレッスンとインタビューを4回にわたりご紹介します。 第2回目はレッスンレポート後半です。

掲載日:2017/5/8(月)

中村薫さん

中村薫さん

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おうちでも実践したくなるテーブルコーディネート


続いて飾り皿やカトラリーのセッティングです。
まずはアンダープレートから。今回は籐を編んで作られた丸いプレートです。その上に真っ白いお皿を載せます。二枚のお皿を組み合わせただけで立派なコーディネート!

中村さんのコンセプトの中に、「暮らしの中に溶け込むテーブルコーディネート」とありますが、レッスンの随所に小さな工夫や驚きが散りばめられていて、初心者の方でも「ちょっとおうちでもやってみようかな」と思わせる演出が見事です。


中村薫先生1

おうちでも真似したくなるテーブルコーディネートレッスン。センスも磨かれます


カトラリーは持ち手部分がクリア素材になっていて、クロスのブルーが透けます。先程の籐のアンダープレートとの相性もばっちり!
グラスはつるっとしたブルゴーニュ型のワイングラスと、表面に凹凸のあるグラスを二つ並べます。異なる質感のものを並べるとコーディネートにも動きが出るそうで、切子のようなグラスもおすすめとのこと。

またそれぞれどこで購入したかということも教えてくださいます。
長年通う生徒さんからお話をうかがうと、「以前のレッスンで使ったことのあるアンダープレートやカトラリーでも、毎回全くイメージが異なるコーディネートで新鮮」とか。中村さんは、生徒さんが各家庭で実践することを念頭に、購入しやすい食器を選び、収納に困らない程度の種類を揃え、同じ食器でも違うイメージでコーディネートができるようなレッスンを行っているそうです。

「おもてなし」と聞くと、日常生活から離れた遠いものに感じてしまうかもしれませんが、レッスンを拝見していると、日々のやるべきことが溢れる暮らしの中にも無理なく取り入れられるような、ぐっと身近なものに感じられるようになります。

セッティングでは、中村さんが各生徒さんのところを回って指の本数で位置を指導していきます。またテーブルの真ん中に置かれた花についても、実際に肘を立ててみて、座る人の視界を邪魔しない高さであることを教えます。こうした中村さんの「見て、聞いて、実践してみる」分かりやすい指導も定評です。


みんなで力をあわせて作る料理


ここからみんなで調理スタートです。
今日学ぶのは、「ミモザサラダ」「あさりと春野菜のスープ」「キッシュ・ロレーヌ」「鯛のパピヨット」「ブラマンジェ・ベリースープ」の計5品です。

本日の献立が段取りよく、同時進行で作られていきます。中村さんがリードを取り、生徒さん達はそれぞれの役割にさっと分かれて、早くもチームプレイ発揮。今日初めて参加された方はどなたか分からないぐらい、コミュニケーションが取れています。


中村薫先生2

初心者から上級者まで、勉強になるポイント満載の調理実習


まずは全ての献立の野菜を切るところから始めていきます。野菜の切り方についても、先生の丁寧な説明。「仕上がりの食感をこうしたいから、このように切ってください」といった具体的な説明はとても分かりやすいです。
またキッシュについて、味の劣化を防ぐために冷凍保存よりも小さい型で作ることをすすめたり、余ったアパレイユをココットに入れて焼く方法など、各家庭にあった調理法も織り交ぜながら指導していきます。

下準備が終わり、各料理が仕上げに入っていきます。

ミモザサラダについては、黄身を網で漉しやすいように卵を固めに茹でるというアドバイスによって、簡単にほぐれていきます。
メインのお魚の紙包みは皆さんそれぞれで行います。旨味が流れ出ないように端っこを折って、それからクルクル。皆さんとても綺麗な仕上がりです。
ちょうどキッシュが焼き上がりました。お月様のように真ん丸で良い焼き色で、取材チームも思わず生徒さんと一緒に歓声を上げてしまいました。
すかさず空いたオーブンの中に先程の紙で包まれたお魚を入れます。
全く時間の無駄がないんです!
その間にスープをあっという間に作っていきます。その間にもあさりの砂抜きのポイントや、酒蒸しにしたあさりに再度火を通す理由などを説明、勉強になります。
粗熱が取れたキッシュは、縁に串を入れ、紅茶の缶で底板を押し上げて型から外していきます。
ちょうど魚の紙包みも焼き上がりました。

みんなで盛り付け作業です。
キッシュはケーキスタンドに乗せ、お花の横に。さらにテーブルが華やぎます。
完成です!
ここから撮影大会。
中村さんも「椅子の上に乗ったら全体が撮れますよー!」とアドバイス。生徒さんの嬉しそうに写真を撮る様子に中村さんも満足そう。
教室を運営されることは準備から始まりご苦労も多いかと思いますが、先生達は料理や作品が完成した時の生徒さん達のこの笑顔を見られることが何よりも幸せだとおっしゃいます。


春の優しい味


「かんぱーい!」
いよいよ試食タイムです。
皆さん一口食べるごとに「美味しい!」の声。
今回は取材チームも試食させていただきました。

サラダはお花畑のように華やかで季節感もぴったり。しっかりと乳化させたドレッシングがとても美味しいです。
スープはホッとする優しい味。ベーコンの燻製香と、あさりの海の味がとてもよく合います。
キッシュは固さもちょうどよく、パイ生地もサクサク!クリーミーなのにいくらでも食べられてしまいます。
魚もいい塩加減で、蒸し焼きで身はふっくら、野菜の甘みも引き出されています。
デザートのブラマンジェはアーモンドの香りはしっかりあるのにしつこくなく、甘酸っぱいベリーのソースと良く合います。乳白色と赤色のコントラストが綺麗です。


中村薫先生3

並べられた料理でさらにテーブルの上が春めきます


ここで皆さんにお教室についてお話をうかがいました。
今回のレッスンには初めての方が2名いらっしゃいましたが、どなたか分からないぐらい馴染んでいらっしゃいました。初めての方も安心して一人で参加できるアットホームな雰囲気も魅力です。

初めて参加された方にこのお教室にいらしたきっかけをうかがうと、ご友人の勧めでいらっしゃったそうです。
なんとそのご友人、元々は料理に対しても、食べること全般に対しても興味がなかったとか。
そんなご友人がある時から急にSNSに美味しそうな料理写真や、お店みたいなテーブルコーディネート写真をアップするようになりびっくり。聞くとこの中村さんのお教室に通うようになったということで、思い切って一人で参加されたそうです。
その他の方からも「こんなに見た目も綺麗で美味しいものが自分で作れるなんて信じられない」「楽しかった」「自分の家でもやってみたい」などなど喜びの声多数。中村さんは少し恥ずかしそうです。

興味のなかったことに踏み出させること、それは生活を変える大きな一歩です。
その先には新しい人やものとの様々な出会いが待っています。
日々の暮らしはやるべきことに追われてあっという間に過ぎ去っていきます。
でもそこでちょっと一手間、それはお料理一品でも、お花でも、テーブルクロスでも、それだけで暮らしは一気に豊かになります。
今までただの道具だったものに急に愛着がわくようになるかもしれません。当たり前に顔を合わせてきた家族にも感謝の気持ちが芽生えるかもしれません。
「おもてなし」とはお客様のためだけではなく、家族、そして自分にとっても幸せをもたらすものだということを中村さんは教えてくれました。

次回はインタビューの前半部と、お教室開催情報をお届けします。
どうぞお楽しみに!

Q&A人気サロネーゼに7の質問 Question

サロン/教室を開設した年月は?
2008年1月です。

サロン/教室名の由来は?
「Plaisir」とはフランス語で「喜び」という意味です。暮らしの中に溶け込むテーブルコーディネートや手軽なお料理も、ほんの少しの工夫と手間を加えれば、華やかなおもてなし空間に変わります。 日常の中で、小さな幸せを感じる時間がもっともっと増えますように、毎日のお料理を小さなエッセンスで喜びに変えるお手伝いができればとの思いで名付けました。

サロン/教室の特徴、コンセプトは?
2ヶ月に一度テーマを変えて、テーブルコーディネートとおもてなし料理をご紹介しております。 テーブルコーディネート、お料理ともに季節感を大切にし、そのままご自宅でのおもてなしに取り入れて頂けるようにメニューはコース形式となっています。 食材もスーパーで手軽に手に入るものを使っておりますので、ご自宅でも簡単に再現することができます。 お料理だけでなく、ナプキンの折り方や食器の選び方、テーブルフラワーのポイント、料理の盛りつけ方まで、ご家庭でもテーブルコーディネートを楽しんで頂けるよう、おもてなしのポイントを丁寧にお伝えすることを心がけています。 テーブルコーディネートを敷居の高いものと捉えず、ほんの小さな工夫で身近におもてなしを楽しんで頂くことがコンセプトです。

レッスン情報(開催頻度やクラス内容、料金、定員など)
開催頻度:2ヶ月で20回~25回程
内容:家庭料理全般(フレンチ、イタリアン、和食、中華、エスニック)
料金:5,500円~7,500円
*通常レッスンは5,500円、クリスマス等特別レッスンは材料費により設定しています。
定員:6名(4名以上で開催しております。)

サロン/教室を主宰してよかったことは?
生徒様から「おいしい!」と言って頂けることが一番嬉しいです。 レッスンでご紹介したお料理がご家族にも好評だったと伺った時や、親子レッスンに参加した下さったお子様からお手紙を頂いた時は本当に幸せな気持ちになります。 お節料理のレッスンは食材の準備も大変なのですが、生徒様から「我が家のお正月には先生のお節がかかせません!」と言って頂けるのも嬉しいですね。 また色々な生徒様方に恵まれて素敵な刺激を受け、自分自身の世界が広がり、成長できることも感謝をしています。食を通じて、私自身も成長し、また生徒様方に幸せを感じて頂けることが最大の喜びです。

教室で愛用しているキッチングッズは?
重ねて収納できるやっとこ鍋やルクルーゼのストックポット、パナソニックのブレンダーを愛用しています。

初めて通ってみたい方へ、申込方法や持参するものは?
お一人でご参加の方もたくさんいらっしゃいます。きさくな生徒様が多く、すぐに打ち解けてしまうので、どうぞご心配なくご参加下さい。難しい調理法や食に関する知識は必要ありません。皆様と美味しく、楽しい時間をご一緒したいと思っています。 レッスンにご持参頂いているのはエプロン、ハンドタオル、筆記用具です。 ご予約に関しては、既存の生徒様を優先させて頂いておりまして、ご新規の方にはHPより空席のご案内をさせて頂いております。 空席状況など、HPの「お問い合わせ」よりお気軽にお問い合わせ下さいませ。 またLINE@にてレッスン情報を配信しております。ぜひご登録下さいませ。
HP:http://latelier-plaisir.com/
LINELINE@ : @osw2476y



インタビュー・テキスト=阿部麻里子、窪田みゆき
写真=原田圭介

プロフィール

中村薫さん

中村薫さん

武蔵野美術大学卒業
Christie’s Education Modern Art Studies 修了
大学卒業後渡英、ヨーロッパの文化に触れ、各国の料理やおもてなしに興味をもつ。帰国後は日系、外資系企業にてエグゼクティブアシスタントとして勤務する傍ら、老舗料亭をはじめ、数々の料理教室に通い、フードコーディネーター、食育インストラクターの資格やテーブルコーディネートのディプロマを取得。
自宅でのホームパーティーが話題となったことをきっかけに、2007年より自宅にてお料理教室をスタートさせる。
長女出産後、2年の充電期間を経て、2012年より教室を再スタート。
普段の生活の延長線上にあるきどらないおもてなしを提案している。

サロン情報

「L’atelier Plaisir(ラトリエ・プレジール)」

「Plaisir」とはフランス語で「喜び」という意味。特別な食材を用意したり、難しい調理法は必要はありません。
暮らしの中に溶け込むテーブルコーディネートや手軽なお料理も、ほんの少しの工夫と手間を加えれば、華やかなおもてなし空間に変わります。
日常の中で、小さな幸せを感じる時間がもっともっと増えますように。
毎日のお料理を小さなエッセンスで喜びに変える・・・そんなお手伝いができればと思っています。

ジャンル:

家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、中華、韓国、スペイン、エスニック、おもてなし、テーブルコーディネート、ナプキンワーク

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、子連れOK、少人数制(6人以下)、予約制、各種イベントあり

ホームページ、ブログ:

http://latelier-plaisir.com/

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レシピ

キッシュ・ロレーヌ
キッシュ・ロレーヌ
材料
(22cmタルト型)
・パイシート 1枚
・ベーコン 50g
・グリュエ-ルチーズ 35g

A
・全卵 2個
・卵黄 1個
・牛乳 80ml
・生クリーム 130ml
・塩 小さじ1/4
・胡椒・ナツメグ 各適量

作り方
  1. パイ生地をタルト型に敷いて冷蔵庫で30分休ませる。
  2. 1の生地にクッキングシートを敷き、タルトストーンをのせたら180度のオーブンで10分、下焼きをする。タルトストーンとクッキングシートを外し、再びオーブンで5分焼く。
  3. ベーコンを1cm幅に切り、Aをよく混ぜる。
  4. 下焼きしたパイ生地にベーコン、チーズを散らす。卵液を流し入れ、180度のオーブンで20分焼く。