食と暮らしと環境をまるごと学ぶスクール

「タカコ ナカムラ ホールフードスクール」主宰 タカコ ナカムラさん

インタビュー連載 第1回

今月のサロネーゼは、東京都大田区で「タカコ ナカムラ ホールフードスクール」を主宰し、「一般社団法人ホールフード協会」代表も務めるタカコ ナカムラさん。 食と健康と暮らしと環境を考える「ホールフード(Whole Food)」を提唱して30年近く。 ベジブロス、塩麹、50℃洗い、低温調理、AGEなどもいち早く紹介し、著書も多数です。 今は亡き、安武千惠さんと共に福岡校も開講。そのいきさつは『はなちゃんのみそ汁』と題して出版された中でも紹介され、TVドラマ、映画化もされました。 今回は、2016年12月に開催されたおせち料理講座の模様とタカコ ナカムラさんのインタビューを4回にわたりお届けします。 第1回目はお教室の紹介とレッスンレポート前半です。

掲載日:2017/1/10(火)

タカコ ナカムラさん

タカコ ナカムラさん

  • プロフィール
  • サロン情報
  • レシピ

「Whole Food Life」


東急池上線 洗足池駅から徒歩1分の場所にある、「タカコ ナカムラ ホールフードスクール」。
主宰するタカコ ナカムラさんが、マクロビオティックを学んだあと全米を遊学しホールフードの概念に出会い、帰国後自然素材の菓子工房、カフェメニュープロデュースなどを経てスクールを開校したのは2004年。2年後には独立し、何度か移転し、2011年からこの場所で運営していらっしゃいます。(様々な出来事があった開校前~こちらに移転するまでのストーリーは第3回目で!)

ホールフード(Whole Food)とは直訳すると、「まるごとの食べもの」という意味ですが、単に食事や料理法を指すのではなく、「Whole Food Life」の略称です。

「健康で快適に暮らしたいならば、”食べもの”だけ安全なものを選んでいてもだめ。有機野菜やオーガニック食品を食べていれば健康になれるわけではないのです。

私たちの「食」と「暮らし」は密接にかかわっています。きれいになる、健康になる、ということを考えるとき、食べることだけではなく、食べ物を生み出す土や川や海など地球の環境全てを考える必要があります。

また、暮らしの中にある、防虫剤や電磁波、洗剤なども含めて、ライフスタイルをまるごと考えていかなければ健康で快適な暮らしはできません。

Whole Foodは、食と健康と暮らしと環境について新しい考え方を表現する言葉です。健康な暮らし、環境をまるごと考えるのがWhole Food Lifeなのです」


タカコ ナカムラ先生1

スタイリッシュな空間で学ぶ、食・健康・暮らし・環境。食材も調理道具もしっかり選ばれたもの。


スクールではその概念のもと、ホールフードを学ぶ基礎、応用、マスターコース、インストラクター養成講座があります。また、発酵食や伝統食、ベジブロスをテーマにした1day講座も多数開催されていて、幅広く学ぶことができます。

また、遠方のため通えないというお声を考慮し、「和食にすと」「発酵食スペシャリスト」「AGEフード・コーディネーター養成講座」など通信教育のカリキュラムの監修もしていらっしゃいます。

全国から講演や料理教室の依頼が相次ぎ、メディア出演も多数のナカムラさんですが、多忙な日々を支えるのは、「ホールフードを広めたい」という、30年以上変わらないまっすぐな思い。

『はなちゃんのみそ汁』のはなちゃんのお母さんで、ナカムラさんに師事し福岡でホールフードを広めることに尽力した、いまは亡き安武千恵さんが残した「ホールフードは地球を救う」という言葉も、大きな力になっているといいます。


基本から学ぶおせち料理


取材に伺ったこの日のレッスンは、年末恒例のおせち料理講座の初級編。この翌日には応用編も開講されましたが、いずれも大人気でキャンセル待ちが多数発生したそうです。

開始時間前に伺うと、スクール内はお出汁のいい香りに包まれていました。キッチンではアシスタントの皆さんが手際よく準備を進めていらっしゃり、これから始まるレッスンに期待が高まります。

生徒の皆さんがエプロン、三角巾を身につけ着席されると、早速ナカムラさんのご挨拶、今日のレシピの紹介からスタートです。

「それではおせち調理講座を始めさせていただきます。毎年この時期におこなっておりますが、おせちを作らない人が増えていると言われているなか、たくさんの方にご参加いただきありがとうございます。

皆さん、毎年おせちを作りますか?和食がユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、日本の伝統文化であるおせちをぜひ家庭で受け継いでいっていただきたいと思っています。
実はおせち料理は、煮る、茹でる、蒸すなどの料理の基本を学ぶ絶好のチャンスでもあります。市販のものは、早くから仕込むために添加物や沢山の砂糖、甘味料を使う心配もあります。
今年こそはぜひおうちで、手作りおせち料理とお屠蘇で新年を迎えましょう。

それでは最初におせち料理の基本をご紹介していきます。レジュメでもご紹介していますが、おせち料理のいわれですが、「せち(節)」とは「節日(せちにち)」のことをさします。節日とは・・・」


タカコ ナカムラ先生2

新年のはじめに年神様にお供えし、ともにいただくおせち料理。一品一品に意味があります。


おせち料理のいわれからはじまり、田作り(ごまめ)、数の子、きんとん、黒豆、昆布巻き、煮物等々、おせちに欠かせない食材や料理の意味、重箱の詰め方、お屠蘇についても正式な知識について細やかに説明していかれます。

ひとつひとつの理由と、そこに込められた伝統の意味を知ることで、おせち料理がぐっと身近で、そして一層貴重なものに感じられます。皆さんも真剣に耳を傾け、メモを取っていらっしゃいました。

さて、今日学ぶのは、「しわがよらない黒豆の煮方」「低温スチームで作るお煮〆」「50℃洗いで作るブリの照り焼き」「低温スチーミングで作る紅白なます」「はんぺんで作る簡単伊達巻き」「豚肉入り昆布巻き」「みりんで作る洋風田作り」「叩きごぼう」「こんにゃく寿司」「甘酒りんごシャーベット」の10品です。

50℃洗いや低温スチーミングなど、スクールで学ぶ調理法と伝統的な和食の調理法、両方を交え、お子さんなど若いご家族にも食べやすいアレンジも入れた、年代を問わず喜ばれるおせち料理です。


素材の旨み、栄養価を最大限に引き出す調理法


50℃洗いや低温スチーミングについては、いちはやくナカムラさんが提唱し、ブームともいえるほど広がり、NHKをはじめメディアでも多数紹介されているのでご存知の方も多いと思います。
そのほか「ベジブロス」「塩麹」「AGE」など、食のトレンドを次々に発信していかれるのは、常に最先端の食に関する研究やデータを調べ続けているから。そして、専門家を交え実証し分析するという、長い時間をかけた調査と努力の積み重ねから生まれているものです。

そうした食のトレンドだけでなく、ナカムラさんは常に”本物の”食材や調味料を探し、生産者さんの元を訪れ、生産方法やこだわり、材料を確認し、納得したもののみ教室で使用し、生徒さんにも紹介し、情報発信をしていらっしゃいます。そうした活動が、本物を作り続ける生産者さんの応援になっています。

新しいヒト・モノ・コトに出会い、良い縁がつながっていく秘訣を伺うと、「気になったことは実際に足を運んで調べる。気になった人には会いに行く」という取り組みを日常的にしているから、と教えてくださいました。
高いアンテナとフットワーク軽い行動力、モノや情報を見極める確かな目が、業界の多くの方から熱い信頼をよせられているのも納得です。


タカコ ナカムラ先生3

スクール入り口には、厳選された”本物”の食材や調味料の販売コーナーが。書籍も多数あります。


今日使用する食材も調味料も、もちろん厳選されたもの。料理に関わる鍋、浄水器、包丁、まな板、器まで、すべて理由があって選ばれたものであり、その選択軸を学ぶことができるのもスクールの大きな魅力です。

おせち料理の基礎知識、お屠蘇の作り方も学んだら早速ナカムラさんによるデモンストレーションと2グループに分かれての実習の開始です。

「では早速デモンストレーションを始めます。最初に低温スチーミングの方法をご紹介します。皆さん、見やすいところにお集まりください。

低温スチーミングとは、野菜を100度以下の低温で蒸すことで旨みや栄養を最大限引き出し、色や触感もよくなる調理法です。
野菜はアクや生臭みが抜けて食べやすく、甘くシャキシャキになり、肉や魚も臭みが取れます。専用の蒸し器が無くても家庭にある調理器具で簡単に行うことができますので、その方法をご紹介します」

今日は初めて参加する生徒さんもいらっしゃり、興味津々なご様子。スクールでは専用鍋の用意がありますが、生徒さんがご家庭で簡単に取り組めるよう考えられた方法で学びます。
数日経つとしなっとなる なますも、65℃で20分間低温スチーミングしてから甘酢に漬けると、しなびれにくく、シャキシャキ感が長持ちするのだそう。
なぜなのか?という科学的理由もしっかり教えてもらえるので、納得して身に付きます。

素材の美味しさを引き出す調理法と、たっぷりのコツが詰まったデモとその後の実習の様子は次回ご紹介します。どうぞお楽しみに!

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介

サロネーゼから皆さまへメッセージ

食と暮らし環境をまるごと考え実践する「ホールフードライフ」 ご一緒にはじめてみませんか?


生徒さんの声 Voice

  • Aさん
    マスターコースを卒業しています。おせち料理講座には初めて参加しましたがとても楽しかったです。ぜひ作ってみます。スクールには、元々オーガニックに関心があり、知人から情報を聞いてぜひ学んでみたいと思い通い始めました。食だけでなく環境のことまで視野が広がりましたし、食材を無駄にしないなど無理なく実践できるようになりました。娘がまだ小さいので、習ったことを娘に伝えていきたいというのが今一番の思いです。
  • Bさん
    今日は3回目の参加です。野菜コーディネーターの通信講座を受講してホールフードのことを知り、もっと詳しく勉強したいと思い1Day講座に参加しています。通信講座で学んだタカコ先生のレシピはほとんど実践しましたが、とても美味しくて、子どもも喜んで食べてくれました。食べ物から元気になりたいですし、家族のためにも食にはとても気をつけています。今日は先生から直接学べて、とても楽しく時間が経つのがあっというまでした。おせち料理、ぜひ作ってみます。
  • Cさん
    今日は初めて参加しました。以前からホールフードスクールに関心があったのですがなかなかこれなくて。明るい雰囲気で楽しかったです。おせち料理は敷居が高いと思っていましたが、気軽に作れることがわり良かったです。今年はぜひ手作りに挑戦してみます。
  • Dさん
    以前、東京ガスさんでのタカコ先生の料理講座に参加し、とても良かったのでこちらにも申込みました。料理だけでなく環境のことにまで気を配るということにとても共感しています。ホールフードを学んでからは、食材のほか、洗剤やそのまわりのことまで気をつけるようになり、意識が変わりました。暮らしの中で学んだことを役立てています。


プロフィール

タカコ ナカムラさん

タカコ ナカムラさん

一般社団法人ホールフード協会 代表理事
料理家/フードディレクター

山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚め発酵食や乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発やオーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコナカムラWhole Foodスクール」を主宰。
通信講座(がくぶん)「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」「ホールフード基礎講座」監修。

「塩麹」「50℃洗い」「ベジブロス」の仕掛け人として食のトレンドを発信。業界関係者からも厚い信頼と注目を集めている。
「奇跡の野菜だし ベジブロス」「AGEためないレシピ」(パンローリング)、映画「はなちゃんのみそ汁」(2016.01公開)のはなちゃんの著書「はなちゃん12歳の台所」(家の光出版)ではレシピ監修。
「旨塩麹のもっとおいしいレシピ」(徳間書店)、「50℃洗い」「都市型保存食のすすめ」(実業之日本社)など話題の著書多数。

タカコナカムラWhole Foodスクール
http://wholefoodschool.com/

一般社団法人ホールフード協会
http://whole-food.jp/

サロン情報

「タカコ ナカムラ ホールフードスクール」

●ホールフードとは?
ホールフードとは、もともと皮も根っこもまるごと食べる「全体食」から生まれた言葉です。タカコ・ナカムラホールフードスクールでは、この言葉をもっと広い視点でとらえなおして、食と暮らしの提案をおこなっています。
日々の食は健やかな生活を送るための要です。ですから、野菜や肉や魚・卵・乳製品は自然な方法で育てられたものを選ぶことが必要です。そして、その素材を本来の製法でつくられた調味料を使って調理し、命ある食べ物に感謝しながらいただくことが大切と考えています。

●「豊かな暮らし」とはなんだろう?
ホールフードスクールでは、安全なものを食べることだけではなく暮らしを「まるごと」考えていきます。たとえば農業を応援することや、日々使う洗剤がどこへ流れていくのかを考えることも自然を守ることにつながります。
食も森も海もぜんぶつながっている。「食」とつながる「暮らし」・「農業」・「環境」全般について、「まるごと」学んでみませんか?

所在地:

東京都大田区

ホームページ、ブログ:

http://wholefoodschool.com/

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レシピ

叩きごぼう
叩きごぼう
材料

・ごぼう 2本
・米酢 少々

<胡麻の合わせ酢>
・白煎り胡麻 大さじ6
・メイプルシロップ 大さじ1
・しろたまり 大さじ2
・米酢 大さじ2

作り方
  1. すり鉢で煎り胡麻をすり、その他の調味料を加えて合わせ酢を作る。
  2. ごぼうは、泥だけ洗い落とし、皮つきのまま沸騰したお湯に米酢を少々いれてボイルする。熱いうちに綿棒でたたき、5センチの長さに切る。
  3. ごぼうが熱いうちに、1で和える。