料理を伝える仕事の責任

「Salon de Kurahashi クッキング・サロン」主宰 倉橋美樹さん

インタビュー連載 第4回

今月のサロネーゼは、横浜市内で「Salon de Kurahashi クッキング・サロン」を主宰する倉橋美樹さん。 調理師免許、ソムリエ資格、野菜ソムリエ資格等を持ち、毎日の食卓をワンランクアップさせるコツと共に幅広いジャンルのお料理を教えていらっしゃいます。 アットホームでお人柄の伝わる楽しいレッスンには、2005年の開始以来通い続ける生徒さんも。今年は京都・二条でもお教室を開始されました。 今回は、11月に伺ったレッスンの模様と倉橋さんのインタビューを4回にわたりお届けします。 最終回は、お教室を飛び出してのご活躍や、教室運営で心がけていること、これからの夢をうかがったインタビュー後半です。

掲載日:2016/12/26(月)

倉橋美樹さん

倉橋美樹さん

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教室から広がる輪に感謝


――まわりの応援や後押しもあってお教室をスタートされたとのこと。始めてみていかがでしたか?

倉橋さん とても楽しいです。やはりこの仕事は私にとって天職だと思っています。
正直なところ体力的にはだんだんきつくなってきていますが(笑)、「美味しい!」と言っていただけて、「早速うちで作って家族や友人が喜んでくれました」とお聞きするととても嬉しいですし、大きな励みになります。

また、教室を主宰していることで人と人の和がつながり、広がることも嬉しいことです。
友人の輪、サロネーゼの輪、野菜ソムリエの輪、繋いでくださる方々との輪。点と点はいつかつながって輪になる、その実感が得られることを幸せに感じます。


倉橋美樹先生1

ここで出会った生徒さん同士で仲良くなることも。食事会や旅行に行ったり、様々な輪が広がります。


――12年続けていらしたこと、そして長年通い続ける生徒さんがいらっしゃること、素晴らしいと思います。教室運営ではどのようなことを心がけていらっしゃいますか?

倉橋さん 技術面、衛生面、雰囲気づくりなど、常に生徒さんの立場にたって考えるようにしています。
技術面では、調理技術を的確にお伝えすることを大事にし、例えば、お魚のおろし方やお肉の筋切り、野菜の栄養を活かして美味しくする調理法や、調味料の計量など個人でばらつきがあるものは何度にもわたりお教えするなど、ポイントポイントはしっかりとお伝えするようにしています。

衛生面では消毒を徹底するなど安全に気を付け、ケガや火傷などが起こらないように気配りをしています。

また、一人の生徒さんだけに会話が偏ったりせず全員で楽しんでいただけるようにし、生徒さんが不快や不安に思われることが無い雰囲気づくりを心がけています。

――今日も和気あいあいで楽しそうでしたね!

倉橋さん ありがとうございます。いつも今日のような感じで、年齢層が違っても皆さん仲良く、楽しく過ごしてくださっています。


野菜の魅力を広げる取り組み


――自宅教室以外でも野菜ソムリエとして様々なご活動をしていらっしゃるのですね。

倉橋さん 野菜ソムリエとしての活動の一環で、日吉東急さん前で月に1回程度、不定期で開催する地場野菜の販売会で店頭に立ち、地場野菜の魅力をお伝えするボランティア活動をしています。

また最近では、野菜ソムリエコミュニティかながわにおいて私が企画した、近隣の農園での収獲体験イベントや、同じく野菜ソムリエで、野菜・果物の加工品作りを教えていただいている塾の塾長が出版された本の制作のお手伝いをさせていただきました。塾生が産地への取材やレシピ提供を行ったのですが、私も表紙の野菜料理や本文中のレシピ、画像提供などで関わらせていただきました。

野菜の魅力を伝えるうえで野菜ソムリエの知識は大変役立っています。野菜ソムリエ資格取得にあたっては、ジュニア時代に学んだ知識や考え方をベースに、野菜や果物の品目はもちろん、TPPに関してや、関税のしくみ、卸売市場法など流通の仕組みや食の歴史、栄養、青果物をとりまく環境など、非常に幅広く学びました。


倉橋美樹先生2

地場野菜の販売会で野菜の魅力を伝えたり、収穫体験や野菜とレシピの本制作等のボランティア活動も。


また、野菜ソムリエになる前からですが、20年近く御殿場線「谷峨」の畑に通って地元の方に指南していただきながら野菜作りをしたり、蕎麦の種まき、育成、収穫をし、11月に開催される蕎麦打ちイベントの古参兵として参加させていただいております。
過疎化が進む谷峨地区の活性化のお手伝いをしたい、また、自然とのふれあいや畑仕事のすばしさを伝えていきたいと思い、生徒さんや友人知人も誘って参加しています。

今年は悪天候と獣害で蕎麦は全滅、野菜も不作でした・・・。写真のようにこんな素敵な畑です。土と戯れると癒されますよね。来年も4月からイベントが始まりますので、ぜひまた生徒さんや周りの方にお声がけして多くの方に参加していただきたいと思っています。


倉橋美樹先生2

20年来通う御殿場線「谷峨」の畑の様子(左:蕎麦畑 右:里芋畑)。来年も4月からイベントが予定されています。


――野菜をはぐくむ畑と生産者さんを応援する取り組み、大切ですね。

倉橋さん はい、これからも様々な取り組みをしていきたいと思っています。


学びはどこにでもある


――今も勉強を続けていることはありますか?

倉橋さん プロのシェフの講座や野菜に関する勉強会、チーズやワインの嗜好品等にまつわる講座など様々な講座に出席し、常に新しい技術や知識、ノウハウを得るようにしています。
料理の世界は幅が広く奥が深いので、どこまで勉強してもしつくせるものではないため、日々情報をアップデートするようにしています。疑問が湧いたらすぐに調べますし、学びはどこにでもありますので、どこかに出かけても、必ず何か学びを得たいと思っています。

また、料理家として食べることも仕事だと思っています。美味しいと言われたり話題になっているお店を訪問してトレンドをつかんだり味の研究をしたり、いつも舌を磨いて官能を高めておくことも大事なことです。

これからの課題としては、料理写真の撮影やテーブルコーディネート、お料理のスタイリングなど、まだまだ未熟な部分を補っていきたいと思っています。


倉橋美樹先生3

お教室運営で大切なのは「人を大切に思う心、感謝する心。感謝から全てが始まります」。


――長年お教室を続けてみて、主宰者に必要なことはどのようなことだと思いますか?

倉橋さん やさしさや思いやり、気配り、そして必要に応じた決断力や臨機応変な対応力はもちろん必要だと思います。
でも、何より一番は、人を大切に思う心、感謝する心です。感謝から全てが始まると思っています。

あとは健康に気をつけることでしょうか。この2シーズン風邪を引いていないのですが、野菜パワーのおかげだと思います。

――最後に、これからの夢やお教室の展望を教えてください。

倉橋さん 皆さまにより美味しく楽しく野菜を召し上がっていただくため、野菜料理の幅を広げたいと思っています。
また、これからは食に関する情報発信をする機会を増やして行きたいです。今年から京都教室も開始しましたので、関西で料理の幅を広げ、知識を得て、色々な形で関西からも食の発信をしていきたいです。

――倉橋さんならではのご活動の広がり、これからも楽しみです!今日は貴重なお話をありがとうございました。

倉橋さん こちらこそありがとうございました!


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質問に対して丁寧にご回答くださった倉橋さん。選ぶ言葉ひとつひとつの中に、「料理を伝える仕事の責任」をとても大きく、重く感じていらっしゃることが伝わります。生徒さんへは期待以上の価値を感じてもらうこと、そして周りの方へは培ってきた知識や技術を提供することを通じ、社会に貢献し喜んでいただくこと。それがパワーの源になるという素敵なスパイラルと常に進化を続ける取り組みが、長年通い続けたくなるお教室の魅力につながっていると感じました。参加するたび新しい学びに出会える、素敵なお教室です。

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介

プロフィール

倉橋美樹さん

倉橋美樹さん
料理研究家/Salon de Kurahashi

クッキングサロン主宰平成17年6月より、代々木上原にてクッキング・サロン開催、その後、9月より横浜市日吉の自宅に開催場所を移転。
平成19年3月より、NPO主催の健康フォーラムにおいて料理講師を務める。
調理師免許、日本野菜ソムリエ協会 野菜ソムリエ、豆腐プロジェクトジャパン(株)認定 豆腐マイスター 、 (社)日本ソムリエ協会 ソムリエ、料飲専門家団体連合会 ワインコーディネーター、東京商工会議所 カラーコーディネーター、辻調理師専門学校 料理検定2級、等の資格を保持。
趣味は美味しいものの食べ歩き、旅行(国内・海外)、パーティ開催、映画鑑賞、音楽鑑賞、お料理!料理歴30年以上。

サロン情報

「Salon de Kurahashiクッキング・サロン」

普段、苦痛になることもある日々のお料理作りを、Salon de Kurahashi クッキング・サロンでは、’作る楽しさ’を体験していただきます。少人数(6名様迄)の仲間で和気あいあいとお料理作りを楽しみ、調理後はワイングラスを傾け、おしゃべりを楽しみながらお料理をいただく、参加者の皆さんとの大事な情報交換の場でもあります。普段日常的に手に入る材料を利用して作るお料理で、テーブルの上の世界を、いつもより少しだけスタイリッシュに飾ってみませんか。
隔月開催にて、野菜をメインにしたヘルシーでおいしい、 野菜が大好きになる!教室を開催しています。
野菜のすばらしさ、おいしさ、楽しさ、健康との関連性、野菜の選び方、 調理の基本技術等が学べるコースです。
ご自宅で再現していただける、作りやすい野菜料理をお教え致します。

ジャンル:

家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、中華、韓国、スペイン、エスニック、健康食、ワイン、おもてなし

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、予約制、各種イベントあり、お酒の提供あり

所在地:

神奈川県横浜市港北区

ホームページ、ブログ:

http://www.salondekurahashi.com/

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レシピ

絶品!キノコ鍋
絶品!キノコ鍋
材料
(4人分)
<出汁> ・昆布・鰹出汁 1000ml
・干しシイタケの戻し汁 250ml
・キクラゲの戻し汁 250ml
・酒(又は紹興酒) 120ml
・みりん 60ml
・醤油 60ml
・鶏ガラスープ(顆粒) 大さじ3
・ネギの青い部分 1本
・ショウガの皮 適量
・ニンニク(みじん切り) 1片分
・ナツメ、クコの実 適量
・(あれば)プーアル茶 1パック

<鍋具材用キノコ類>
・冷凍用(参考)
 ブナシメジ、エノキダケ、マイタク、ブラウンマシュルーム等
・あれば珍しいキノコ類
 ダイコクホンシメジ、タンバシメジ、ハナビラタケ、ヒラタケ、ヤマブシタケ等 適量

<その他>
・豚バラしゃぶしゃぶ用肉 200g
・チンゲン菜 2株
・白菜 4枚
・焼き豆腐 1丁

作り方
  1. 冷凍用キノコ類は石突を落として適当な大きさにほぐし(シメジ等)、又は包丁で切る(エリンギ等)。エノキダケは食べやすい大きさに分けてラップでくるみ、他のキノコは、密封式ビニール袋に入れて空気を抜いて封をし、共に冷蔵庫で6時間以上凍らせる。
  2. 出汁材料を全て鍋に入れ、(あれば)プーアル茶のお茶パックを入れて火にかける。沸騰したら冷凍キノコを入れて30分ほど煮出す。(ぐらぐら沸かさない。ふつふつと沸騰する状態を保つ)都度アクを引く。30分たったらネギ、ショウガ、お茶パックを取り出す。
  3. 鍋具材用キノコ類は石突を落とし、食べやすい大きさにほぐし(タンバシメジ等)、又は包丁で切る(ダイコクホンシメジ等)か手で裂く。(ヒラタケ等が大きい場合、裂くと断面が凸凹になり、味が入りやすくなる)チンゲンサイと白菜は根に近い部分を5mmほど切り落とし、チンゲンサイは3等分、白菜は茎の部分はそぎきりに、葉の部分は5cm長さ程度に切る。豚バラしゃぶしゃぶ用肉は半分の長さに、焼き豆腐は食べすい大きさに切る。
  4. 2に野菜の茎→鍋具材用のキノコ類→豆腐→野菜の葉を入れて煮て、火が通ったら肉をいれ、しゃぶしゃぶでいただく。
  5. 4を食べ終わったら、(味が濃いようであれば)水を適量足し、ゴボウと豚肉の混ぜごはんを入れて雑炊にしていただく。