これからも伝え続けたいこと

「くぼぞの料理教室」主宰 久保園キヌ子さん

インタビュー連載 第4回

今月のサロネーゼは、福岡県北九州市内で35年以上続く「くぼぞの料理教室」を主宰する久保園キヌ子さん。 家庭料理を基本とし、日本料理、西洋料理、 中華料理、和洋菓子、茶懐石と幅広く学べるレッスンは、基礎から確実に身につくと評判をよび、多くの方が長年通います。 地域のコミュニティの役割も果たす老舗の料理教室で、2015年12月のある日に開催されたレッスンに伺った模様と久保園さんのインタビューを4回にわたりご紹介します。 最終回は長年心がけてきたことや、これからの夢をうかがったインタビュー後半をお届けします。

掲載日:2016/1/25(月)

久保園キヌ子さん

久保園キヌ子さん

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35年間心がけてきたこと


――35年続けていらしたことは本当にすごいことです。レッスンではどのようなことを心がけていらっしゃいましたか?

久保園さん そうですね・・・毎回毎回、皆さんが平等にしっかり学べるようにと心がけてきました。洗い物ばかりしている、、切ものばかりしている、などどなたかだけに作業が偏らないように、全員に携わってもらえるようにしています。そうするとやはりご満足度が高いと思います。

一日に複数クラスのレッスンを開催するので、違うクラスの方が重なる時間帯はありますが、1度に15人も20人も教えるのではなく、5人くらいずつレベルに合わせて教え、なるべく生徒さんに作ってもらいます。
自分で作ることでやりがいがあり、しっかり身に付き、そして長く通ってもらえることにもつながってくると思います。

――拝見していて、一人ひとりをしっかりケアしていらっしゃるのを感じました。生徒さんをしっかり見て、レベルやご希望に合わせて教えていらっしゃるのですね。


久保園キヌ子先生1

「伝えるためには、何年続けても、何歳になっても、大切なのは学び続けること」


――長年続けていらして、料理教室の主宰者として大切なことは何だと思いますか?

久保園さん かねがね思っているのは、人に何かを教えるには、自分がそれ以上の勉強をしなければならないということです。自分の専門の勉強を1回でも2回でも多く続しけることです。どれだけ学んでも、これでいい、ってことはありません。

最近は学校を出てすぐに教室を開く人が増えてきましたが、学び続けないとそこで止まってしまうことになります。学び続けることが大切だと思います。


本物の味を覚えてほしい


久保園さん そして、体調管理はやはり大事です。私の健康の秘訣は、手作りの美味しいものを食べることです。
インスタントのものはなるべく使いません。教室でも、出汁も昆布やカツオ、いりこから取り、ブイヨンも骨を買ってきてラーメン屋さんのようにコトコト煮て作ります。

生徒さんには、「難しければお家では簡単にインスタントのものを使うことがあっても大丈夫ですよ、でも、きちんと本物の味を知っておいてね」と伝えています。

本物の味を覚えてもらい、体に優しいのはこちらですよ、と伝えていると、初心者で「今まで出汁をとったことがなかったという生徒さんも変わっていきます。
先日は若い生徒さんが、「先生、家で出汁を取るようになりました!美味しいです」と言ってくれ嬉しくなりました。

なかなか全部はできませんが、自分自身もなるべくきちんと丁寧に作った美味しいものをいただくように心がけています。


久保園キヌ子先生2

「手間を惜しまずきちんと作ること、本物の味を伝え、覚えてもらう。そして周りに伝えてほしい。」


――食べたもので体は作られていますから、何をどういただくかは大切ですね。
とてもお忙しそうですがお休みはあるのでしょうか。


久保園さん はい、日曜日や月曜日などレッスンが無い日はお休みしています。と言ってもいろいろ勉強したり、レシピを考えたりと、家でも仕事をしているようなものですが(笑)。

おかげさまで去年までレッスンを休んだことは一度もありませんでした。不思議なもので、レッスンの無い日に風邪をひいて、でもレッスンがある日は風邪もひきませんでした。

昨年は少し体調を崩してお休みしましたが、その間初級クラスはアシスタントさんが続けてくれました。回復後、不安もありましたが生徒さん達は待っていてくれ、連絡するとまた通い続けてくださり、とても感謝しています。

――そうだったのですね。ところでこれだけ長く続けていらして、なにか困ったことはありましたか?

久保園さん 困ったこと・・・特にないですね。思いつきません。生徒さんはいい方ばかりですし、結局は人と人のコミュニケーションなので、お互い合った方が通ってくださっているのだと思います。


果たしたい役割


――最後にこれからの夢やお教室の展望を教えてください。

久保園さん これからを担っていく子ども達が本物の食事ができるように、料理を伝え続けたいと思っています。
最近は、空腹を満たすために塾に行く前に自分でインスタントラーメンを作って食べていくなどよく聞きますが、そうした食事を続けているとやはり問題ですよね。きちんと作られた食事をとっていると、キレる子どもなんてなくなるのではなかと思うのです。

それには、お父さんやお母さんが料理ができないと実現できません。普段は忙しくても、せめて週末だけは手作りの食事を囲み一緒に過ごす時間を大切にしてほしいと思います。そうした大切さを、これから家庭を持つ若い方々に伝えていきたいです。

とはいえ、ここに来てくださるのは全体の中のほんの一部の方ですから難しいかもしれませんが、少しずつでも、そんな役割を果たしていきたいです。

――とても共感します。一部の方だとしても、その方の周りにはたくさんの人がいるわけで、伝えていってもらうことができると思います。

久保園さん そうですね。


久保園キヌ子先生3

「ここでは世代を超えてみんなで料理を学び、楽しく共有しています」まさに地域のコミュニティ


――子どもの食育も大事ですが、今日拝見していて、大人の男性の食育も大事ですね。

久保園さん 男子厨房に入らずで育ってきた世代の方々ですから、これまでお料理はしたことがなかったという方々多いですが、夫婦のかたちや生活のスタイルが変わったりする中で、ご自分で料理をしようと学ばれることはとても素晴らしいことだと思います。

うちに通ってくださっている男性の生徒さん達も、肩書きをお聞きするとすごい方がたくさんいらっしゃいますが、ここに来るとそんなことは関係なく、みな同じ料理を作って美味しく食べて、楽しい時間を過ごしていただいています。男性に料理の大切さを知っていただくのは嬉しいですね。

――お家でもお料理なさるでしょうから、家族仲も良くなりそうですよね。

久保園さん そうだと思います。お孫さんにお菓子を作ってあげたり、まだ奥様はお勤めだから朝食や夕食をを作ってますよ、という方もいらっしゃいますし、ご家族にとても喜ばれていると思います。お料理をすることでいろいろなことに気が付いたり、率先して家事をしたり・・と変わっていく方も多いです。

――世代を超えて、料理を軸にコミュニティも広がる素敵なお教室ですね。これからも素敵な場所であり続けてください!今日はありがとうございました。

久保園さん こちらこそありがとうございました。


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生徒さんのお一人がお教室の魅力を、「先生が一生懸命教えてくださること」とおっしゃってましたが、「一生懸命であること」が全ての原動力であり、お教室が長く愛されることにつながっているように感じました。学び続けること、一人ひとりの生徒さんを大切にすること、伝えたい料理があり信念を持っていること。そんな先生に会えることも、お教室の通う楽しみだと思います。
世代を超えて地域のコミュニティにもなっている素敵なお教室、ぜひ通ってみてください。

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=二石光正



プロフィール

久保園キヌ子さん

久保園キヌ子さん
小倉の江上料理学院卒業後、昭和56年にくぼぞの料理教室を開始。
教室は35周年を越え、家庭料理を基本とするわかりやすい授業が好評で、
男女、年齢を問わず幅広い生徒さんが通う。
卒業者は1,080人以上。

全九州料理学校協会副会長。
全国料理協会 教員認定委員。

サロン情報

「くぼぞの料理教室」

家庭料理を基本とする教室で、授業科目は、日本料理、西洋料理、 中華料理、和洋菓子、茶懐石です。
入学されますとまず家庭料理の基礎コースを 学びます。
やさしい初級コースから1年過ぎるごとに少しずづレベルをあげていく教育方法です。
長く教室へ通って下さる生徒さんはお客様料理(おもてなし)を色々勉強出来ます。
1学年~31学年の学年がありそれぞれのクラスで勉強し、資格も沢山の生徒さんが取得しています。

ジャンル:

家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、中華、和菓子、洋菓子

サロン特長:

 

所在地:

福岡県北九州市

ホームページ、ブログ:

http://www.kubozono.com/

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