50年以上愛され続ける理由

「田中伶子クッキングスクール」主宰 田中伶子さん

インタビュー連載 第3回

今月のサロネーゼは、1964年創立、50年以上に渡り正統派家庭料理を教え続けている「田中伶子クッキングスクール」代表の田中伶子先生。 料理家として活躍しながら、結婚、出産後自宅で開いた料理教室が評判を呼び、口コミで増えつづける生徒さんに対応するかたちでスクール化。 子育てをしながら数名の生徒さんからスタートした教室は、今では毎月400名以上を迎えていらっしゃいます。 今回は特別篇として、9月のある日にお邪魔した初級クラスのレッスンの模様と、「長く愛される教室」づくりの秘訣をまじえた田中先生のインタビューを4回に渡ってご紹介します。 第3回目はお教室をはじめたきっかけやこれまでの軌跡などをうかがったインタビュー前半です。

掲載日:2015/10/19(月)

田中伶子さん

田中伶子さん

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スクール情報~基礎からしっかり身につく構成


――レッスンお疲れさまでございました!今日は初級クラスでしたが、皆さん楽しそうでしたね。スムーズな流れに驚きました。

田中先生 ありがとうございます。ほとんどの方がお仕事帰りですので、調理台1台に講師1名ついて、限られた時間内にしっかり学んでいただき、そして時間通り終了するようにしています。

――初級クラスの次は、上級クラスがあるのですね。

田中先生 はい、初級クラスで1年間学んでいただいたあとは上級クラスに進んでいただきます。
初級クラスは月に2回通っていただき、和・洋・中の料理を1回4品、一年で約100種の料理を学んでいただきます。
上級クラスの期間は2年で、初級クラスを終えた方が進むことができます。こちらも月に2回通っていただき、和・洋・中の料理のほか、懐石料理、古典フランス料理、フィレンツェのイタリア料理などレベルがあがります。 上級1年で約200種、上級2年で約300種の料理を学ぶことができ、幅広い知識を身に着けていただきます。

――3年間で約300種ものお料理が学べるのですね!


田中伶子先生1

ここから巣立って料理研究家として活躍している方、幸せな家庭を築いている方が多数


田中先生 そうですね、おおよその家庭料理を身に着けていただくことができます。その後は、料理研究家コースもあり、料理の世界で活躍したい方の応援をしています。

そのほか、食育インストラクターなど料理に関する資格取得の講座や、著名シェフによる特別レッスンも定期的に行っています。


「結婚できる料理教室」として評判に


――生徒さんは月に400名以上も通っていらっしゃるとか。

田中先生 おかげさまで沢山の、幅広い生徒さんに通っていただいています。少し前から光文社さんの女性誌「CLASSY.」で「結婚できる和食教室」という連載をさせていただいているのですが、有難いことに好評頂いて、最あ近はこれを見てお申込みくださる方もとても増えています。
そして実際に、通い始めてからしばらくすると「結婚しました!」とご報告くださる方がたくさんいらっしゃるんですよ。

お料理を学ぶと自分に自信がつき、生活全般に良い影響があり、お顔の表情も変わりどんどん輝いていかれます。長年そうした生徒さんをたくさん見てきましたが、料理の力はすごいなと思います。
生徒さんが料理を通じて幸せになってくださることは何よりの喜びです。


田中伶子先生2

「ここで学んだお料理が食卓を彩り、幸せな家庭を築くことにお役に立てれば嬉しいです」


――もう50年以上も家庭料理を伝え続けていらっしゃるとのこと、すごいことですね。ずっと支持されてきた理由はなんだと思われますか。

田中先生 大好きな料理の仕事を一生懸命していたら、気づいたら50年経っていた・・という感じです。本当に生徒さんのおかげです。

伝えているレシピは始めた当時とほとんど変わりません。私たちは、手抜きや時短ではなく、きちんと作る”料理の基本”をお伝えしています。これは時代が変わっても変わりません。
かけるひと手間には必ず理由があり、その手間が美味しさを作ります。

――手間を惜しまないことが丁寧な生き方につながって、通い続けるうちに変わっていくのかもしれませんね。

田中先生 そうだと思います。また、料理は食材で決まりますので、食材をとても大切に考えています。毎日築地で仕入れた安全で美味しい活け魚や新鮮な野菜、 厳選した国産肉を使用し、生徒さんには食材の目利きにもなっていただけるよう伝えています。

例えば麺一つにしても、料理に合わせて一番美味しくできる麺を全国から取り寄せて吟味して選ぶなど、校長である中村奈津子や講師と常に研究し、生徒さんに自信を持ってお勧めできるものをご用意しています。

――そうした基本がしっかり身に付き、食材の目利きになれることが、多くの方に長年支持されている大きな理由なのですね。


今も大切にしていること


――最初は自宅教室から開始されたとのこと。そのきっかけを教えてください。

田中先生 当時は花嫁修業の一つといいますか、お料理を学ぶ人が多かったのですが、私も18歳からお稽古事の一つとして料理学校に通いました。そしてその学校の助手として勤めたのがこの世界へ入ったきっかけです。

結婚後も料理の仕事をしていたところ、出版社の方にお声掛けいただき、雑誌の付録につける調味料の配合一覧を作ることになり、それから雑誌や本の仕事、企業様から依頼されるレシピの開発など料理家としての仕事が広がったんです。

教室は、だんだん周りの方に「料理を教えて」と言われることが増えてきて、自宅で数人に教え始めたのがスタートです。すると口コミでどんどん広がって、自宅を改築しても改築しても生徒さんが入りきらなくなってしまい、そこで思い切って銀座に教室専用の場所を借りて、今に至ります。


田中伶子先生3

自宅で数名の生徒さんからスタート。人気の秘訣は、料理の基本を大切に伝え真心を込めること


――ご自宅で数名で始めた教室は今では月400名以上が通うスクールに。子育てとの両立は大変だったのではないでしょうか。

田中先生 おかげさまで、撮影などは自宅でできましたし、料理教室も自宅がベースでしたから、子どもたちはそばにいれましたし、料理の仕事を間近で見て育つことができました。
長女の奈津子はいま私と一緒にスクールを運営してくれていますが、安心して任せることができています。小さいころから仕事の現場を見てこれたことは、今思うと貴重な経験だったと思います。

――田中先生の理念を引継ぎ、校長として中村奈津子先生が活躍されていること、次代につなぐお仕事をしていらしたこと、素晴らしいと思います。

田中先生 実は一時期、外での仕事が忙しくてスクールを講師に任せ不在になりがちな時がありました。すると生徒さんたちから、なぜ田中がいないのかとお叱りを受けたことがありました。このときハッと気づき、外での仕事をなるべく抑えて、スクールに集中しました。

やはり私にとって、スクールがベースです。一人ひとりの生徒さんを大切にして、お越しいただけることに感謝して、そして幸せになれる料理の力を伝えていきたい。これが私の使命だと、強く思いました。
私たちにとっては毎日あるレッスンですが、生徒さんにとっては1回1回が貴重です。同じ時間は二度とありません。
毎回心を込めてレッスンをする。これは私の変わらない信念です。

――そうした思いも、50年以上愛される理由なのだと思います。若い生徒さん達にとっては「銀座の母」ですね。皆さんが心から慕っていらっしゃるのを感じました。

田中先生 ありがとうございます。よく抜けてますから、皆さん私を心配してくれているのかもしれません(笑)

――そんなことはありません!親しみやすいから通いやすい。それも大きな魅力だと思います。


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50年続けてきて嬉しかったことは、たくさんの生徒さんが幸せな家庭を築いていること、と優しい笑顔で教えてくださった田中先生。長年の活躍を支えてきたのは、料理を通じて幸せになってもらうのが自分の使命という強い思い。思いは必ず伝わるということをお話から感じました。

次週最終回は、教室運営で心がけていることやこめている思いを伺ったインタビュー後半です。
どうぞお楽しみに!

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介



プロフィール

田中伶子さん

田中伶子さん
50年を超える歴史を持つ銀座の人気校、「田中伶子クッキングスクール」代表。
全国料理学校協会理事、NPO日本食育インストラクター協会理事。

福岡女子大学卒業後、料理教室を開設。
「主婦と生活」講談社「主婦の友」学研などに執筆。
食品会社、流通会社、広告、会社の企画。
テレビも20数年にわたり各局の料理番組に出演。
フィレンツェ、パリ、ニューヨークに料理関係者在住のため、再三勉強に行く。
昨年主婦と生活社から発売された、教室の人気レシピ150点を掲載した料理本「一生作り続けたいおかず」は料理レシピ本大賞、料理部門第4位に選ばれ、いまでも版を重ねるロングセラーで続編も制作中。
人気雑誌「CLASSY」に連載中のお料理コーナー「結婚できる和食教室」も大好評で、月間400名近い生徒に正統派家庭料理を今も伝え続けている。

サロン情報

「田中伶子クッキングスクール」

創立45年の料理教室です。
アレンジや創作でない本物のレシピ・味をお教えすることを信条としております。

■本校の特色■
・1964年創立の伝統校
・コツコツ学び実力をつけ、家庭で、企業で活躍する人を育てる
・授業は実習形式でメキメキ料理上手になる
・食材は毎日築地で活け魚、採りたて野菜 国産肉を使用し、安全で美味しい
・たのしいイベントが多い
・各種資格が取得できる

ジャンル:

家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、中華、韓国、スペイン、インド、エスニック、健康食、パン、和菓子、洋菓子、ワイン、チーズ、おもてなし、紅茶、テーブルコーディネート、その他

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、夜間開催、土日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、予約制、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり

所在地:

東京都中央区銀座

ホームページ、ブログ:

http://www.tanakacook.com/

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レシピ

栗飯
栗飯
材料
(4人分)
・米 3号
・栗 300g
・水
・塩 小さじ1
・酒・みりん 各大さじ1

作り方
  1. 米を洗っておく
  2. 栗は水につけて皮をやわらかくしてむく
  3. 炊飯器に米と調味料を入れて水を炊飯器の目盛りで入れて栗を加えて炊く