手作りお菓子がくれる、しあわせと笑顔

『Le Petit Citron』主宰 西山 朗子さん

インタビュー連載 第4回

今月のサロネーゼは、東京・二子玉川とシンガポールでお菓子教室「Le Petit Citron」を主宰する西山朗子さん。「ちょっとのお菓子でちょっぴりしあわせ」をコンセプトに、毎年訪れているフランス地方菓子のエッセンスを取り入れた簡単でおいしいレシピは大好評。毎月150~200名の生徒さんがレッスンに通い続けます。12月10日には7冊目の新刊も発売される西山さんのレッスンの模様とインタビューを4回にわたりご紹介します。最終回はお教室運営にこめている思いやこれからの夢などをうかがったインタビュー後半です。

掲載日:2013/12/16(月)

西山 朗子 さん

西山朗子 さん

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人気教室の人気のお菓子


――お教室を始めてもう13年とのことですが、やって良かったな、と思うことはなんでしょう?

西山さん いろいろな年代、職業の方と出会えて、いろいろなことを気づかせてもらい教えてもらえることです。

また、以前生徒さんに、「いつもは仕事やお稽古ごとで夕食は全員揃わないんですが、お菓子教室の日だけは家族みんなでテーブルを囲んで、お菓子を切り分けて食べるんですよ」と言っていただいたことは忘れられません。

――これまでのレッスンで人気の高かったお菓子はなんでしょう。

西山さん 13年間、毎回ほぼ違うお菓子を作っているため、人気のあるないがわかりませんが、アニョー・パスカルというフランス・アルザス地方のイースターの焼き菓子は毎年リピートしています。
アルザス地方のスフレンハイムという小さな村で作られている、ひつじの形をした陶製の型を使ったお菓子です。

どうしても生徒さんたちにこのお菓子をご紹介したくて、アルザス地方で一番大きな街・ストラスブールから電車とバスを乗り継いで買いに行きました。この村はアルザスの銘菓クグロフの型をつくっていることでも有名な、陶器の村なんですよ。
持って帰るのはとっても重たかったですが(笑)、大切な宝物です。



西山 朗子さん

日本ではとても珍しい、アルザス地方・イースターの伝統菓子「アニョー・パスカル」。型もキュート


――可愛いですね!食べてしまうのがもったいないくらいです。型もユニークですね。現地でどのように作られ食べられているか思いを馳せ、旅行しているような気分も楽しめて素敵です。



ちょっとの手間でおやつの時間をHAPPYに


――レッスンを通じて伝えたいと思っていることはどんなことでしょうか。

西山さん この道具がないとできない、この材料がないとできない、というお菓子ではなく、作りたいと思ったときに、なんとかあるものでストレスをためないでちゃちゃっと作れて、そのちょっとしたお菓子でちょっと幸せに感じられたらいいな、と思っています。

皆さんにも、気軽な気持ちでほんのちょっと手を加えて作るだけで、おやつの時間って結構HAPPYでしょ?、ということをお伝えしたいと思っています。

――家庭で作るお菓子はまさにそうですよね!今回の7冊目になる新しいレシピ本にもそんな思いがつまっているのでしょうか?

西山さん はい、そうなんです。12月10日に発売になった「生地を冷凍しておけるかんたん焼き菓子レシピ」(マイナビ刊)は、いつでも手軽に焼きたてが食べられる、生地を冷凍しておける焼き菓子の本なんです。

できることなら思ったときに作れるのが一番ですが、忙しいとなかなかそうはできないですよね。 生地を1台分作るときに2台分、3台分まとめて作って冷凍しておけば、あとはおやつの時間に焼くだけ、というものをご紹介しています。



西山 朗子さん2

12/10発売の新刊では冷凍できる生地で作る焼き菓子レシピを紹介。お菓子作りがもっと身近に


――お菓子作りの機会と楽しみが増えそうですね。ぜひ拝見します。

西山さん ありがとうございます、ぜひ見てみてください。

――そのほか、レッスンで何か心がけていることはありますか?

西山さん 皆さん貴重な時間の中お越しくださっていますので、ここにいらっしゃる数時間は日常のことを少し忘れて、お菓子作りを楽しんでいただきたいと思っています。
皆さんに気持ちよく過ごしていただき、どのような状況で参加しても「楽しかった」と思ってもらえるように、例えば、生徒さんに不公平感がないように心がけています。

グループ参加の方、お一人参加の方がどちらも気持ちよく過ごせるように会話に気をつけたり、作る作業、洗い物などの片付けが特定の方にならないようにしたり、お菓子はお一人ずつお持ち帰りとなるので、できあがりに差がでないように・・など気をつけています。

でもまだまだいたらないところがたくさんありますので、レッスン後は毎回一人反省会です。

――レッスン中、なにより先生が楽しそうでいらっしゃることがとても印象的でした。

西山さん 本当に楽しいです!生徒さんたちの楽しそうな顔を見せていただけるのが幸せだからかもしれません。



「伝えられる何か」


――ところで、今も勉強していることはありますか?

西山さん いまも藤野真紀子先生やパティシェの先生方の講座へ参加しています。

また、今年もちょうど11月下旬から行ってきたところですが、パリから足を伸ばしてフランス各地へ行ってフランス地方菓子を見てくることを10年以上毎年続けています。

――これからお教室を始めたい方へアドバイスをお願いします。

西山さん そうですね・・、私は「伝えられる何か」を持っていることだと思います。

――西山さんにとっては何でしょう?

西山さん 私にとっては、これだけ作り方を簡単にしても家庭で十分おいしいお菓子が作れる、という「そぎ落し方」かもしれません。

絶対計量を細かくしなければだめ、絶対粉をふるわなければだめ、と思い込んでいる方がいらっしゃるかもしれませんが、細かく計量しなくても、ふるわなくても大丈夫なお菓子って意外とたくさんあるんです。

こうでなきゃダメ、と思っているところをちょっとひいて、例えばふるわない粉で作ったらどれくらい味が違うんだろう?あ、変わらない。だったらふるわなくていいわ、と、いろいろ試してきました。

その中ではたくさん失敗もありましたが、でもうまくいったものもたくさんあります。だったらもう素晴らしいお菓子はこれだけたくさんいらっしゃるパティシエの方にお任せをして、私はとにかく簡単に、ストレスためずに、思い立ったらすぐ作れるお菓子、焼きたてのお菓子でおやつの時間を楽しんで、と伝えることだと思っています。



西山 朗子さん3

思いたったら作れる焼きたてのお菓子で楽しむ、ちょっとしあわせなおやつの時間を提案


――とても共感します!最後に、これからのお教室の展望や夢を教えてください。

西山さん お教室はいままで通り、このスタンスできちんと続けていきたいと思っています。

私にとって、お菓子の仕事をするうえでの全ての土台がこの教室なんです。13年前に始めたときの7名の方が今も通ってくださっていることが、私にとって何よりの宝であり自信なんです。

どこかの大きなスタジオを借りて広げていくなどではなく、この自宅で、狭い空間ですが、このままのスタイルでやっていけたらと思います。

お菓子研究家としては、フランスの地方菓子の本を出すことが昔からの夢なんです。

ひとりでフランスの地方をあちこちまわり、つたないフランス語ながら、お菓子屋さんに何度も何度も通って厨房を見せていただいたり、味見させていただいたり・・。「うちのお菓子がこの地方では一番おいしいんだよ」と教えてくれた、地方の普通のお菓子屋の職人さんたちからもらった感動をみんなに伝えられるような本を、というのが私の夢です。

――とても興味があります。8冊目、9冊で叶ってほしいですね!今日は本当にありがとうございました!

西山さん そうですね、夢が叶えばよいなと思います。こちらこそありがとうございました!

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「ちょっとのお菓子でちょっぴりしあわせ」になる、気軽にできるお菓子作りを伝え続けてきた西山さん。おうちで手作りするお菓子がもたらしてくれるしあわせは、作った人も食べた人も笑顔になる魔法なのかもしれません。
そんな笑顔としあわせを生むお菓子作りが、このお教室からもっともっと広がっていきそうです。
これからも西山さんの発信するお菓子とご活躍が一層楽しみです。

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介
 

プロフィール

西山朗子 さん

西山 朗子 さん
お菓子研究家。
「Le Petit Citron ル・プティ・シトロンお菓子教室」主宰。
慶應義塾大学卒業後、料理菓子研究家の藤野真紀子さんに師事したのち、パリ「ベルエ・コンセイユ」でお菓子作りを学び、「ピエール・エルメ」で研修。
2000年より東京・二子玉川の自宅でお菓子教室をスタート。
「ちょっとのお菓子でちょっぴりしあわせ」をモットーに、毎年訪れているフランス地方菓子のエッセンスを取り入れた簡単でおいしいレシピが好評で、多数の生徒さんが通う人気教室に。
夫の駐在先だったシンガポールでも年に2回のお菓子教室を開催している。
著者に「世界一かんたんな手作りお菓子」(主婦の友社刊)、「カップデザート
チョコレートの基本」(枻出版社刊)など。

サロン情報

「Le Petit Citron」

届けたいのは、”ちょっとのお菓子でちょっぴりしあわせ”になれるお菓子。
誰もが笑顔になれるおやつの時間にぴったりの、簡単に作れて、それでいてそのお菓子の裏側には魅力たっぷりのストーリーが詰まったフランス地方菓子を中心に、たくさんのおいしいお菓子をお教えしています。

ジャンル:

洋菓子

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、土日開催、お友達同士歓迎、体験教室あり、各種イベントあり

所在地:

東京都世田谷区瀬田

ホームページ、ブログ:

http://www.akiko-nishiyama.com/


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レシピ

ころころクッキー
ころころクッキー

材料
材料 32個分

・薄力粉 120g
・アーモンドパウダー 45g
・粉砂糖 15g
・バター 90g

・粉砂糖 適量

作り方
  1. ボウルに薄力粉、アーモンドパウダー、粉砂糖、1cm角に切って冷蔵庫で冷たくしておいたバターを入れ、カードで粉類をまぶすようにバターを切る。
    さらに指先でバターの粒をすりつぶすように手早く混ぜてさらさらの状態にする。
  2. 1をひとまとめにし、半分にすることを繰り返して32等分にし、手のひらで丸める。
  3. 150℃に温めたオーブンで25分焼く。冷めたら粉砂糖をまぶす。

書籍

「世界一かんたんな手作りお菓子 はじめてでも絶対失敗しないレシピだけ集めました」 西山朗子(主婦の友社)

世界一かんたんな手作りお菓子 -はじめてでも絶対失敗しないレシピだけ集めました-

お菓子作りは難しい、面倒、そんなイメージを吹き飛ばす1冊ができました。はじめてでも、絶対失敗しないラインナップを取りそろえた、超・初心者向けのお菓子作りの基本。丁寧なプロセス写真をたっぷり使って、作り方のポイントを解説。混ぜて焼くだけのかんたんクッキー、毎日食べたいほっこりパウンドケーキから、カップケーキ、シュークリーム、ショートケーキにチーズケーキ、イベントにぴったりなチョコレートまで、定番&あこがれのお菓子がずらりと勢ぞろいしています。女心をくすぐる可愛いデコレーションテクニックや、プレゼントにするときのラッピングあれこれもご紹介。「型なしでできるお菓子」「小さな型や紙の型でできるお菓子」「パウンド型のお菓子」「いろいろな型のお菓子」と、必要な型別の章立てで、そろえる道具がとってもわかりやすいのもポイントです。この1冊があれば、お菓子作りがぐっと身近に、楽しくなること請け合いです!

著者 西山朗子
出版社 主婦の友社
価格 税込1,344円


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書籍

「カップデザート」 西山朗子

カップデザート

ゼリー、ババロア、プリン、アイスクリーム……定番のひんやりデザートをカップスタイルで作る59レシピを集めた一冊です。カップで作れば切り分けたり盛ったりする手間も省けて、プレゼントにも最適! カップに生地を流し込んであとは冷蔵庫で固めるだけの、簡単・おしゃれなレシピが揃いました。カップだからこそ楽しめる、とろけるような口あたりのスイーツもたくさん。定番スイーツに加え、杏仁豆腐や豆腐花などアジアのデザートや水羊羹などの和のおやつも紹介します。さらに、カップデザートをもっと美味しくするソースの作り方や、カップスタイルにアレンジした冷たいチーズのデザート、カップで楽しむケーキレシピなども掲載しました。

著者 西山朗子
出版社 エイ出版社
価格 税込1,050円


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