「美味しいから幸せ」と思う人を増やしたい

「LOVELY TABLE 銀座」主宰 中村奈津子さん

インタビュー連載 第4回

今月のサロネーゼは、都内で料理教室『LOVELY TABLE 銀座』を主宰する中村奈津子さん。東京で一番歴史があると言われている、銀座・田中伶子クッキングスクール副校長としても活躍する中、香港・NY等の海外在住時に現地で開催していた料理教室の流れをくみ、サロンスタイルの新たな教室を今年7月にオープン。幼い頃から本物の食材・料理に触れ、料理研究家は天職と話す中村さんのレッスンは、洗練された雰囲気の中「正統派の料理を最も美味しいレシピで学べる」と開講後すぐに評判が広がり、すでに予約が取りにくいほど。満席が続くレッスンの模様とインタビューを4回にわたりご紹介します。最終回は、レッスンの工夫やこれからの夢などを伺ったインタビュー後半です。

掲載日:2012/12/17(月)

中村奈津子さん

中村奈津子さん

  • プロフィール
  • サロン情報
  • レシピ

どんな時も完璧なお料理をお出しすることがプロ


――長年レッスンやお教室運営をされている中で、心がけていることはありますか?

中村さん いろいろありますが、いつも心がけているのは「絶対に失敗しないこと」です。必ず予備の材料、器具を用意し、また、お料理もバックアップできるものは予め作っておくようにしています。

実際に、生徒さんの手が滑って食材や出来たお料理を落としてしまったり、突然器具が動かなくなってしまうことがあります。でも予備があれば、生徒さんに負担をかけることなく、また、自分自身も安心してレッスンをすることができます。
あたりまえのことですが、どんな時も完璧なお料理をお出しすることがプロだと思っています。


中村奈津子さん

食材も徹底的に研究し、レッスンでは必ず予備を用意。どんな時も完璧なお料理を提供


――素晴らしいですね。どんな状況が発生しても対応できる用意があると安心ですね。そのゆとりと安心が、質の高いレッスンを生みだしている秘訣の一つなのかもしれません。

.中村さん また、「美味しくて幸せ!」と思っていただく人が増えたらいいなと思い、レッスンではいつも、「美味しくて幸せになってね」という気持ちを込めています。

もうずいぶん前ではありますが、母の田中伶子が主婦と生活社さんから「おいしいから幸福(しあわせ)」という料理本を出版させていただきました。私もこの言葉が大好きで、いまブログのタイトルにもしていますが、本物の美味しいものは美しく、身体に優しく、暮らしを豊かにしてくれ、そして誰をも幸せにしてくれます。

私がご紹介する料理はちょっと手間がかかるかもしれませんが、基本に忠実な料理です。時代に逆行しているかもしれませんが、それぞれ必ず手間をかける理由があるので、それをきちんとお伝えして食べていただくと、「美味しくて幸せ!やっぱりきちんと作る方が美味しい」と、手間やコストに皆さん納得してくださいます。そして、基本を知っていると料理の楽しみがぐんと広がります。

でも、家庭でできないことはお伝えしません。プロの厨房でなければできないものや難しすぎるものを無理にアレンジするのではなくて、家庭でできる美味しいものを正しいレシピでご紹介しています。


本当に美味しいものを知って・作って・伝えたい


――また、レッスン中洗い物が出てもすぐに片付け、キッチンもシンクもいつも無駄な物なくすっきり綺麗な状態にしていらっしゃるのが印象的でした。

中村さん やはり生徒さんには気持のいい環境で料理をしていただきたいので、すぐに片付けるようにしています。特にご試食の時は、視界がすっきりしているようにしたいと思っています。

クローズドのキッチンではないので出しっぱなしにしていると散らかった印象になってしまうんです。すぐに片付くように収納の工夫もしていますが、出したらすぐしまう、洗い物はすぐに食洗機に入れるなど、心がけています。


――そうした「美観を保つ」ポリシーはいたるところで感じます。気持ちよい空間を保つ工夫もですが、テーブルコーディネート、インテリアも中村さんのセンスが反映され統一感があって居心地が良いです。調理道具やデコレーションの道具なども素敵なものが多いですね。

中村さん  ありがとうございます。アメリカのキッチン用品のショップ「Williams Sonoma(ウィリアムズソノマ)」のものが大好きで、アメリカ在住の時からよく利用しています。調理道具やファブリック類だけでなく、レシピシートにも押しているオリジナルエンボスが作れるキットなどもあって、サイトを見ていると幸せな気持ちになります(笑)。

お洒落なデザインのものが多くて、生徒さんにも喜ばれています。

中村奈津子さん

「いかに美味しいものを食べるかが人生のテーマ。美味しいものを知って・作って・伝えたい」


――気に入った道具を持つのも料理が楽しくなる秘訣ですよね。豊富な海外体験で培っていらしたセンスが活かされているのもお教室の魅力だと思います。
ところで、「田中伶子クッキングスクール」と「LOVELY TABLE 銀座」の運営に加え、メディアへのご出演など、かなりご多忙だと思いますが、今も勉強を続けていらっしゃることはありますか?


中村さん 食材ひとつにしても一番美味しいものをご紹介したいので、常に情報を得られるような環境にして学べる体制にしています。食材の研究は本当に楽しくて、もはやオタクかもしれません。いかに美味しいものを食べていくかが私の人生のテーマでもあります(笑)。
また、様々な講習会に参加したり、評価の高いレストランにも行ったりして勉強もしています。
あと、I T能力が低いので少しずつですがこちらも勉強しています。

――お教室をやって良かった、と思うことはありますか?
 
中村さん なにより美味しかった~、と言っていただける事が一番嬉しいです。また、いろいろな生徒さんがいらっしゃるので沢山の出会いがありとても楽しいです。
いい生徒さんばかりにご縁をいただき、本当にありがたいと思っています。


これからも正統派の料理を伝え続けたい


――これから料理教室を開きたい方にとって大先輩ですが、アドバイスがありましたらお願いします。

中村さん まずは健康であることです!そして、料理の勉強をきっちりしておくことでしょうか。やはり基本や正統派の料理をしっかり身につけておくことが大切だと思います。アレンジはそのベースがあってこそですから。

――共感します。「田中伶子クッキングスクール」では、開業を目指す方のためのプログラムもあるとか。

中村さん はい、「田中伶子クッキングスクール」が主宰する「銀座料理学院」では、食のプロフェッショナルや料理教室・サロン開業を目指す方のために、法律関係や税務のことまで含めた、知っておくべき内容を網羅した集中講座を開催しています。
現在60名以上の卒業生が料理教室・サロン、レストラン、カフェ開業、企業の商品開発・食育指導などの食の仕事で活躍中ですが、こうした講座もおすすめですし、必要な知識をあらかじめ学んでおくことはとても大切だと思います。



中村奈津子さん

正統派の本当に美味しいものを伝え、「美味しいから幸せ」と思える人を増やしたい


――これからの夢やお教室の展望を教えてくだい。

中村さん なりたかった料理研究家になれこうしてお教室をさせていただけて、現状にとても満足と感謝をしています。お教室も仕事もこのままずっと続けていきたいですし、あと、美味しいものの伝道師になりたいと思っています。

私は大学で食物学、調理科学を学び、卒業後はプロフェッショナルシェフの団体「全日本司厨士協会」に就職したのですが、そこでアピシウスの高橋シェフ、キャンティの盛岡シェフ、プティポワンの北岡シェフなど、沢山の伝説的な名料理人の方々から伝統料理を学びました。おそらく、こうしたシェフたちから直接学べた最後の世代なのではないかと思います。ですので、シェフたちから学んだ貴重な正統派の料理と知識を伝えるお役目をいただいているように思うのです。

もちろん新しい料理も良いのですが、でも正統派の料理を伝える人がいなくなってしまえばすたれてしまいます。私は、「田中伶子クッキングスクール」で教え続けている日本の伝統的な家庭料理も含めて、本当に美味しいものを伝えていきたいと思っています。
そして、母のようにお婆さんになってもずっと現役で美味しいものを追い求めていきたいです。

――”基本があってこそ”の大切さにとても共感しました。これからも中村さんならではのお料理の発信とご活躍がとても楽しみです。貴重なお話を本当にありがとうございました!

中村さん こちらこそありがとうございました!

「基本を知ることで広がる料理の楽しさを伝えたい」と、正統派のレシピにこだわり基本に忠実な料理を伝え続けている中村さん。”絶対的に美味しいレシピ”を伝えるという凛とした軸と、明るく楽しいお人柄が一層教室を魅力的にし、他にないレッスンを生みだしています。 本当に美味しいお料理を身につけたい方にこそぜひ通っていただきたい、素敵なお教室です。

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=原田圭介

プロフィール

中村奈津子さん

中村奈津子さん

LOVELY TABLE GINZA主宰
田中伶子クッキングスクール副校長
NPO食育インストラクター1級

日本女子大学家政学部食物学科で西洋調理を学び卒業後、プロフェッショナルシェフの団体 全日本司厨士協会に就職。
ニューヨークに1年間留学し、パーソンズ・ニュースクールにてアメリカンベーキングのディプロマ取得。
フィレンツェに延べ1年間留学し、ラ・フォールアカデミーにてイタリア料理・イタリア菓子のディプロマ取得。
パリに2カ月間長期滞在しル・コルドンブルー、エコールリッツでフランス料理・菓子を学ぶ。
香港駐在中に鴻星料理学院にて中国料理・飲茶料理のディプロマ取得。
2006年よりニューヨーク駐在中にフレンチカリナリーインスティチュートでブレッドベーキングのディプロマ取得。

ニューヨークアッパーイーストサイドにて料理教室「LOVELY TABLE NEW YORK」を主宰。
2009年帰国後、実家田中伶子クッキングスクールに勤務。
2012年9月「LOVELY TABLE GINZA」をオープン。

光文社「美STORY」「VERY」「女性自身」などに寄稿。
BSフジ「阿川ごはん」阿川佐和子氏とレギュラー出演。
日本テレビ「zip!」に出演。
現在もニューヨークを行き来する活動をしている。
PHP研究所発行の日本唯一の英文総合月刊誌「JAPAN CLOSE-UP」に料理記事連載中
東京ガス主催小学生向け食育イベント「味覚のアトリエ」講師。

サロン情報

LOVELY TABLE GINZA

正統派の料理を最も美味しいレシピでお伝えしたいと思っております。
時短、節約、アレンジ料理など流行りの手法ではありません。時間や手間の掛るものもございます。
すこし時間にゆとりのあるときにご自分や大切な方々のために手を掛けた最上の美味しいお料理を作って頂ければ嬉しく存じます。

ジャンル:

家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、中華、韓国、スペイン、インド、エスニック、健康食、パン、和菓子、洋菓子、ワイン、チーズ、おもてなし、紅茶、テーブルコーディネート、その他

サロン特長:

初心者歓迎、平日開催、夜間開催、土日開催、お友達同士歓迎、少人数制(6人以下)、体験教室あり、予約制、各種イベントあり、駅近(徒歩10分以内)、お酒の提供あり

所在地:

東京都中央区銀座

ホームページ、ブログ:

ホームページ:http://www.lovelytableginza.com/
レッスンのご案内ブログ:http://ameblo.jp/lovelytableginza/
ブログ:http://ameblo.jp/natsukonakamura/

レッスン情報:

レッスンはフランス料理、イタリア料理、中国料理、日本料理、パン・菓子などをシーズンやイベントに沿ってテーマを設定してメニューを組み立て致します。

受講は1回ずつの単発レッスンですのでご興味をお持ち頂いた回にご参加頂けます。
レッスンはデモンストレーションと実習で行い、サロンでご歓談頂きながらお食事をお楽しみ頂きます。

当校は全国料理学校協会の加盟校です。レッスンの受講回数により、全国料理学校協会の技術検定証 初級、中級、上級、助教員、教師資格が取得できます。またNPO日本食育インストラクター協会の加盟校です。レッスンの受講と講習、試験により食育インストラクター1、2、3、4級の資格が取得できます。

マイサロンはこちら

レシピ

トライフル(下段:透明カップ)
トライフル(下段:透明カップ)

材料
スポンジケーキ台 100g
カスタードクリーム 160g
ラム酒  小さじ1
生クリーム 60g
好みのフルーツ 適宜
ラズベリーシロップ 大さじ4

作り方

  1. カスタードクリームにラム酒を混ぜる。
  2. 生クリームは7部立てに泡だてる。
  3. グラスにスポンジ生地、ラズベリーシロップ、フルーツ、カスタードクリームを重ねて最後に生クリームを盛る。