お教室から地域へ、子供たちへ

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中川 佳省さん

インタビュー連載 第4回

茨城県・つくばみらい市で「yoshimi baking school」を主宰する中川佳省さん。2年前から本格的にお教室をスタートさせ、「家族が笑顔になる、自分がやさしくなれる」と熱いファンが集います。パン教室を超えた"ヨッちゃんワールド"の魅力をお伝えする連載最終回は、中川さんへのインタビューの続きをご紹介します。

掲載日:2011/2/28(月)

二足のわらじ

───お教室がある日の1日のスケジュールはどんな感じですか?

中川さん
 レッスンのある日はこんな感じです。

5:30起床 洗濯
6:30朝食の支度
7:00朝食
8:00掃除
8:30レッスンの下準備
9:00ご主人の会社の仕事
9:30レッスンスタート

14:00レッスン終了、片付け
15:00フィットネスクラブ
16:00買い物
17:00夕食の支度
18:30夕食、子供を習い事に送る
19:00事務処理、ブログ更新など
21:00入浴
22:00就寝

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───ご主人の会社のお仕事もされているんですね。

中川さん 私はもともと会計事務所に勤めていたんです。結婚して、主人が会社を始めてからはずっと経理担当です。

───経理とパン作り、一見まったく畑が違うようですが。

中川さん
 実は、どちらも数字が大事という点では共通しているんですよ。お料理は適当な分量でもなんとかなりますが、パンはきっちり計量しないとふくらみませんから。

───パン教室を始めるにあたって、ご主人はどんな反応でしたか?

中川さん
 主人の会社も食に関係することなので、いい相乗効果があると思っているようです。実際に、今度初めてお店をオープンするんですが、メニュー開発なども手伝っています。

───レッスン後、フィットネスクラブにいらっしゃるんですね。

中川さん
 パン教室を始めてから食べる量が増えたので、食べた分は動かなくちゃと思って。それに、1日じゅうしゃべりっぱなしだから、30分ぐらい黙っている時間も大切かなと(笑)。こんな時にアイディアが浮かんだりするんですよ。
 

 

広がる「ヨッしいの法則」

───おいしいものを見つけるのもお上手ですね。どうやって情報収集されるんですか?

中川さん お料理好きの友達を家によぶんです。「1品持ってきて」って言って。5人集まれば5品でしょ? 試食しながら「どうやって作るの?」「私ならこれにこれを入れる」なんて、その場であれこれやって。それだけでも5品の何倍ものおいしいもの情報が集まることになります。

あとは外に食べに行った時、おいしいと思ったものはメモに書き留めておいて、すぐ次の日の夜に作ります。時間があくと味の記憶が消えてしまうし、家族にも「この味でよかったっけ?」って確かめられるので。

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───「ヨッしいの法則」、一度聞いたら忘れられません。

中川さん 家族の集まるときにはおいしいものを食べる、というのは家庭の原点ですよね。

うちの母親はずっと具合が悪くて、3人姉妹が交代で食事を作っていたんですけど、私、高校生のときに最初にすき焼きを見よう見真似で作ったら、ビチャビチャになっちゃった。なんでこんなになるんだろうってしょげてたら、母が「野菜から水が出るんだよ」って教えてくれて。なんでも一度失敗させてから教えるのが、母の教育方針だったんですね。おかげで私はだんだんおいしいものが作れるようになって、料理が大好きになりました。

私は生きることは食べることだと思うので、子供たちにもどんどん包丁を持って料理する機会を増やしたいと思っているんです。

───お子さん向けのイベントもいろいろと企画・実行されているとか。
 
中川さん はい。2010年8月には青年会議所(JC)がやっている「100k徒歩の旅」という、お菓子もゲームもテレビもない環境の中で、子供たちが4泊5日徒歩の旅をするというイベントで、私と有志の生徒さんたちがボランティアで230名分の食事を作りました。

子供たちも一緒にごぼうを洗ってくれたりして。子供はその中で育みがあるんですね。食事を食べる時に、「俺は絶対にいただきますなんて言わない」っていう子が、旅が終わるころには「いただきます!」って言えるようになるんです。「おかわりちょうだい!」って来るようになる。それしか食べるもの、ないですから。もううれしくて、号泣しながらよそってました。

───感動的なお話ですね。

中川さん 9月には幼稚園でお料理講習会を、11月には地元のレストランにご協力いただいて「キッズ・テーブルマナー」講座を企画しました。

うちの子供が10歳で、10歳といえば「二分の一成人式」でしょう? 二分の一成人式を迎えるにあたって、ちゃんとマナーをもって食べられるようになってほしいという願いから始まったものなんです。

マナーというのは、ナイフとフォークをどう使うかということだけじゃなくて、「いただきます」が心から言えるかどうか。「いただきます」という言葉は、作ってくれた人への感謝でもあるし、お肉やお魚などの命をいただくという意味もあるということを、知って言わないのは本人の勝手だけど、まったく知らないで過ごすよりは知る機会を与えたいと。

生演奏つきですよ、ぜいたくでしょう? 私がつくば大の学園祭でジャズ研究会の人たちをスカウトしてきて、参加してもらったんです(笑)。

 

お教室はエネルギーのもと

───どうしたらそんなにいろいろなアイディアが湧き出るのでしょうか。

中川さん 「キッズ・テーブルマナー」は、お教室中に生徒さんたちとおしゃべりしてた時に飛び出したアイディア。

あとは家事をしている時がほとんどですね。お風呂掃除をしながら「あ!いいかもしれない 」とか(笑)。これからもどんどん企画して、どんどん実現していきたいと思っています。
 

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───10年後にはどうなっていると思われますか?

中川さん
 どうなっているんでしょう(笑)。ご縁をひとつひとつ積み重ねて今の私がいますから、それは変わらないのだと思います。

子供たちにもきちんと包丁を持たせて、料理の楽しさ、「ヨッしいの法則」を実感してもらえるようなショールームを作りたいとか、学生にもっと参加してもらえる機会を作りたいとか、そんな夢はありますね。

───楽しみですね! 今日は本当にありがとうございました。

中川さん
 こちらこそありがとうございました。  

 

(おわり)
 

前回のインタビューはこちらから
 


インタビュー・テキスト=奥谷裕子
写真=原田崇
 

プロフィール

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中川 佳省(なかがわ よしみ)さん

「yoshimi baking school」主宰

息子が幼稚園に通う頃、硬いパンしか焼けず「私には、パンなんて絶対焼けないんだわ~」っと思っていた時、お友達のお誘いでつくばのパン教室に勇気を持って訪ねました。産まれて初めてフワッフワのパンが焼けた時の感動は未だ忘れることができません。その時に何回「美味し~い・美味し~い」と叫んだことでしょう(笑) 以来、パン作りに魅了されてから5年!美味しい感動を誰かにお伝えできれば・・・っと自宅サロンを夢をみて、昨年9月パン講師資格を取得し自宅のキッチンにて20名程の生徒さんと毎日楽しい時間を過ごしています。

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