一瞬で魅了する雰囲気作り

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宮澤奈々(みやざわ なな)さん

インタビュー 連載第1回

今月のサロネーゼは、「セ・トレボン」を主宰する宮澤奈々さん。カジュアル懐石・フレンチ・イタリアン・エスニックなど幅広いお料理と、お料理に合わせたセンスの良いテーブルコーディネートが学べるレッスンは、噂によるとなんと約500名程のキャンセル待ちがあるようです。「料理を作る楽しさを伝えたい」という宮澤さんの自宅サロンにうかがってきました。

掲載日: 2010/09/13(月)

miyazawa.png「はじめまして!」と玄関を開けると、柔らかなアロマの香りと共に、宮澤さんが「こんにちは~」と優しい笑顔で迎えてくださいました。

レッスンが行われるリビングダイニングは、黒を基調とした家具がゆったりと置かれスタイリッシュな印象。キッチンは、広い調理台のあるオープンキッチンで、落ち着いたブラウンの色目があたたかみを醸し出しています。大きな窓からは明るい日差しが差し込み、解放感のあるとても心地よい空間です。

「セ・トレボン」では幅広いお料理を月替わりで教えていらっしゃいますが、お伺いしたこの日のテーマは「タイ料理」。テーブルには、まるで外国のインテリア雑誌の1ページのように洗練されたタイ風のコーディネートがセッティングされており、取材スタッフから思わず「わ~素敵!」と歓声があがります。

今日はいったいどのようなタイ料理を学べるのでしょうか!?
早くも期待に胸が高まります。

 

●「セ・トレボン」流タイ風コーディネート

1-1.jpg一瞬で“宮澤ワールド”に引き込まれる素敵なテーブルコーディネート。
「ふだんあまり使ったことがない色なのですが・・」とおっしゃるオレンジと、インテリアと一体感のある黒をベースに、エスニックなエッセンスが満載です。

エキゾチックな模様が施された太めの黒のキャンドルと、ナプキンと同色の細めのオレンジのキャンドルがバランスよく置かれ、テーブルを彩るフラワーアレンジも黒い花器×オレンジ系の花。銘々のセッティングにはタイを象徴する蘭の小さな花が散りばめられています。

より気分を盛り上げてくれているのは、お皿に敷かれたバナナの皮や、でん、と置かれた存在感のあるタイのお重!光に反射してピカピカと輝いています。

「今回のタイ料理のレッスン用に購入したんです。ちょっと怪しい感じでしょ?」とチャーミングに微笑む宮澤さん。細部まで雰囲気作りに気配りされているのを感じます。
 

●エプロンにもこだわりを

1-2.jpg レッスンは11時半からですが、11時ごろから次々に生徒さんがいらっしゃいます。
今日の生徒さんは9名。毎回、8名~10名程度で開催していらっしゃるそう。この日は、Dreamia Clubスタッフの村山も参加させてもらいました。

「こんにちは~」生徒さんが弾むような笑顔と明るい声で入っていらっしゃり、すぐにキリリとエプロンを身につけていかれます。よく見ると、先生と色違いのエプロンの方が多数!胸元には「セ・トレボン」のロゴがキラキラとラメであしらわれていて、とてもおしゃれです。

「エプロンにはちょっとこだわりがあって・・。お尻が隠れるデザインを考えて、オーダーして作ってもらったんです。いろいろな色があって、ご希望の生徒さんは注文していただけます。リバーシブルで裏も可愛いんですよ、うふふ」
ちょっと照れながらご紹介くださった宮澤さん。

落ち着いたピンクや上品なパープルなど、生徒さんのカラフルなエプロンでますますサロンが華やかになってきました。

お料理する時、素敵なエプロンはモチベーションがあがる大切な要素。
こんなおしゃれなエプロンならより楽しくレッスンに参加できそうです。

そして次に皆さんが取り出したのは、カメラ。
テーブルコーディネートをいろいろな角度から撮影するみなさんの表情は真剣そのもの!レッスン前の撮影大会も、「セ・トレボン」の特徴のようです。

 

●プラスαのホスピタリティ

「みなさん、レシピはあちらに用意してありますので取ってくださいね~」

宮澤さんのかけ声で一人3枚ずつ取っていかれます。2枚はテキストのみのレシピ、そしてもう1枚は、宮澤さんが撮影された、今日の6品の写真を1枚にまとめたもの。

「趣味で写真を習っていて。毎回自分で撮影して1枚にまとめたこういったものをお渡ししています」とのこと。

一品一品完璧にコーディネートされたそれぞれの写真には、料理名がカタカナで記載されており、料理名だけではどんな料理か想像しにくい今日のメニューも一目でわかり、ありがたい気配りです。
こうしたホスピタリティも人気の秘訣なのでしょう。

ふと、何度もレシピを試作して、料理に合うテーブルコーディネートを考え抜いて、そして生徒さんが喜んで下さる様子を想像しながら準備を進めていらっしゃったのだろう・・と目に見えない宮澤さんの努力や心のこもった準備の姿が垣間見えたような気がしました。

 

●いよいよレッスン開始!

1-3.jpgやがて開始時間になり、レッスンのスタートです。
まずは調理台の周りに生徒さん全員が集合。宮澤さんから、レシピの説明がはじまります。
今日のメニューは、「ヤムウンセン(春雨の和え物)」「キョトート(タイ風揚げワンタン)」「パッタイ(タイ風炒め物)」「ココナッツプリン」など全部で6品。

「セ・トレボン」では、デモンストレーションが基本ですが、何品かは生徒さんに調理をしていただくスタイル。食材は宮澤さんが事前にカットしたり、分量を計ったり、とスムーズに進行するように用意を整えていらっしゃいます。

ふと目を引いたのは、小さな透明の箱に小分けされた食材や調味料類。
ガーリック、干しエビ、飾り用にカットしたピーマンなど、今日使う分が、ふた付きの四角いプラスティックに入れられ、黒いタッパーの中にきれいに整列しています。

「こうして揃えておくと、やる気がでるので(笑)。」と笑う宮澤さん。
パーティの時にも重宝するプラスティックの器ですが、レッスンの時の食材入れに応用しているそう。見た目にもキレイでおしゃれ、料理がより楽しくできそうでとても素敵なアイデアです。

「では、ココナッツプリンから作りますね。誰か作りたい方は~?」という宮澤さんのかけ声に「はーい!」と生徒さんの立候補があがります。

「ではお願いします。まずカラメルを作りましょう。銅鍋を使いますが、銅鍋は余熱が強いためだんだん茶色くなってきますので、時々火を消して鍋をまわして様子をみます。カラメルは温度が高いので、テフロン鍋ですとテフロンが傷みやすくなってしまうので銅鍋を使っています。

茶色くなってきたらしばらく放置して、決して途中で混ぜないようにしてください。スプーンで触ったりするとそこから結晶化してしまいますので」

細かなアドバイスを丁寧に伝えながら続きます。

 

●応用アイデアも満載

1-4.jpg「次にキョトートです。キョはワンタン、トートは揚げるという意味です。では中の具を作っていきますね。黒胡椒を使うのですが、今日は生の黒胡椒を用意しました。これをクロックというタイ料理で使う小さな石臼でつぶしていきます。お家で作る時は普通の黒胡椒で大丈夫ですよ。」

細い枝に小さな黒い粒が連なり「海ぶどうみたい!生の黒胡椒、初めてみました」という生徒さん達に、「あ、ぜひ食べてみてください。意外においしいんですよ」と宮澤さんが試食を勧めます。
一粒食べて見ると・・辛みは弱く、後味さっぱりのフレッシュな味。
「やわらかくておいしい~!」「爽やかな味ですね!」と生徒さんに大好評です。

「レシピにある、調味料の『シーユーカオ』はタイの醤油ですが、同じ大豆から作られている中国のシーズニングソースでも良いです。シーズニングソースがなければ、味が似ている薄口醤油でも大丈夫ですよ。

そしてスイートチリソースは、買ってもなかなか使い切れなかったりしますので、手作りがお薦めです。レシピの材料を混ぜて煮るだけで簡単にできますのでぜひ作ってみてください」

珍しい食材や調味料を知るのも料理教室の楽しみの一つ。とはいえ、使う頻度がそう多くないものは購入してもつい残ってしまいがちですが、無理に購入しなくても代用できるアイデアを教えてもらえるのはなんとも嬉しいですね。

「では次にこれを炒めてくださーい。やりたい方は~?」
「はーい」と、先程とは違う生徒さんが立候補し、コンロの前へ。

「ではこちらのみなさんはワンタンで具を包んでいってくださーい。こうして、少なめに具を包んでいきます」と、お見本を見せたあと生徒さんにバトンタッチ。
「これくらいですよね?」と具の量を確認しながら生徒さんがどんどん作っていかれます。

出来上がったお料理がどんな風にこの素敵なテーブルコーディネートに加わっていくのでしょう?ワクワクした雰囲気の中レッスンは続いていきます。

(次回へつづく)


インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=菊池友理
 

プロフィール

宮澤 奈々さん

「セ・トレボン」主宰

FFCC(上級コース)卒業、ディプロム取得
EcoleSuperieureDeCuisineFrancaiseParis校卒業、ディプロム取得。
イルプルーシュルラセーヌ(パティスリー本科卒業、ディプロム取得)。
フレンチ、イタリアン、カリフォルニアキュイジーヌのレストランにて研修。
多数料理教室にてフレンチ、イタリアン、中華、韓国、タイ、スペイン、パン、ケーキを学ぶ。
世田谷ケーキ店にて勤務。
1996年より料理教室開設。
懐石料理屋にて料理教室アシスタント。
現在東京ガスやBOSCH等のイベント講師をしている。

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レシピ

キョトート(タイ風揚げワンタン)

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材料

ワンタンの皮・・・1パック
豚挽肉・・・100g
海老ミンチ・・・100g
パクチーの根・・・1本
ニンニク(すりおろしたもの)・・・1片分
黒胡椒・・・小1/2
シーユーカオ(またはシーズニングソース)・・・小1
 

作り方
  • ボールに豚挽肉、海老ミンチ、クロックで潰したパクチーの根とニンニク、黒胡椒を混ぜる。
  • ①にシーユーカオを入れ、粘りが出るまで混ぜる。
  • ワンタンの皮に②を包み、180℃で揚げる。

スイートチリソースで頂きます♪
(粗挽き唐辛子:小1/2、酢:大2、砂糖:大2、ニンニク:少々、ナンプラー:少々を混ぜても作れます)

レシピ

パッタイ

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材料

卵・・・2個
豚挽肉・・・150g
海老・・・8尾
厚揚げ・・・1/2個
タクアン・・・5cm
紫玉葱(ホームデン)・・・4個
干し海老・・・20g
もやし・・・1パック
ニラ・・・1/2束
ピーナッツ・・・1/2カップ
ニンニク・・・少々
プリッキーヌファー・・・大1
唐辛子粉・・・お好きなだけ
クエイティオセンレク・・・260g(水に戻しておく)
オイル・・・1/2カップ
レモン・・・櫛形切りお好きなだけ

【調味料】
水…100cc
タマリンド(お好きなジャムでも可)…25g
ケチャップ…30g
シーズニングソース…15g
砂糖…大1
ナンプラー…大2
チリソース…30g
 

作り方
  • フライパンに油を多めに入れ、卵を焼く。
  • 豚挽肉、海老、厚揚げを軽く炒め、クエイティオセンレクを入れ、少し柔らかくなったら調味料、もやし、ニラ、干しエビを混ぜ、タクアン、ピーナッツを添える。