大切なのは人と人のつながり

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若宮寿子さん

インタビュー 連載第4回

今月のサロネーゼは若宮寿子さん。ママ友から「お料理を教えて!」と頼まれて始め「いつのまにか15年」と笑う若宮さんが主宰する「若宮ヘルシークッキングスタジオ」は、“美味しい・簡単・ヘルシー”をテーマに多彩なメニューを月替わりで学べるのが魅力。栄養士として企業のレシピ開発や、東京湾をクルーズする船のメニューもてがける若宮さんの自宅サロンにうかがってきました。

掲載日: 2010/09/06(月)

●活躍の幅が広がる鍵

109.jpg――今、どれくらいの頻度でレッスンを開催されてますか?

若宮さん 外部の仕事があるので、1ヶ月のうち1週間を「レッスンの週」にして、その週の水・木・土の3日間開催しています。

――東京湾をクルーズする船のメニューもてがけていらっしゃるとか。

若宮さん  ええ、東京湾を巡る「シンフォニー」というクルーズ船の、春と秋の企画メニュー監修をさせて頂いています。

シンフォニーとの出会いは 実はひょんなことがきっかけだったんです。教室が5周年の時、生徒さんに「記念に何かやらないの?」と言われて。別の生徒さんにシンフォニーを紹介頂き「ドレスアップクルーズ」という企画を利用してイベントをしたのですが、その時の写真が「栄養と料理」という月刊誌に掲載され・・!いまだかつてドレスを着た栄養士なんて載ったことがないと思います(笑)。

それがきっかけで、体に優しい低カロリーメニューを提案したり、アレルギー食のアドバイスなどさせて頂くようになりました。

この秋の企画はランチクルーズ、総料理長の料理教室ではその日のメニューの中から2品の作り方をご紹介いただけます。総料理長のトークも楽しくてとてもオススメです!

――企業の講演やレシピ開発も長年していらっしゃる。 

若宮さん はい、食品会社のコンサルティングや講演、レシピの開発、料理教室の講師などをしています。ほかにレシピ本の監修や雑誌の連載などです。

――若宮さんは、※1米国(NSF) ※2HACCP(ハセップ)の資格もお持ちとか。

若宮さん フリーになって仕事を続ける中で、この方々と長く一緒に仕事をしたい、もっとお役に立ちたい、と思って資格を取得しました。なので、数万食の外食のコーディネートもできるようになりました。今は東京都でも家庭の衛生管理にHACCPの手法を取り入れ案内されています。良かったらチェックしてみてください。

――なるほど、仕事への真摯なお取組みが、活躍の幅がどんどん広がる鍵ですね。

若宮さん でも私、一度も営業というものをしたことがなくて・・全部、ご紹介やご縁。なので ありがたいことです。人と人のつながりは大切と深く思います。

最近は娘と同じぐらいの年齢の方とお仕事することも多くなってきましたが、私が経験したことをどんどんお伝えして、お役にたちたいと思っています。

●充実感が次への力

036.jpg――それにしても、とても一人ではこなせないのでは?と思う仕事量です!

若宮さん  そうでもなくて、逆にいろいろさせてもらうことでバランスが取れていると思います。企業さんのお仕事は急な締切も多くて、同じ年の友達よりは寝る時間がずいぶん少ないかもしれませんが、満足いくメニューができあがったときの嬉しさや、お教室が終わってほっとしたときの充実感はまた次の力になって、すぐに「じゃあ次何しよう!」って思うんです。やめられません(笑)

――とても楽しそうですね!仕事がツライ、なんて思ったことがないのでは!?

若宮さん
  そうですね!どんなに忙しくてもツライ、と思ったことはないですね~おいしいわ~とにっこり笑顔がにあう仕事ですしね。

それに、出会う方みなさんいい人ばかりで、もうウン十年フリーで仕事をしていますが、一度もいやな思いをしたことがないんです。本当にありがたいことです。

●長年支持される工夫

071.jpg――長年お料理サロンを運営される中で、大変なことや困ったことがありますか?またスムーズに開催するために工夫していらっしゃることがあれば教えてください。

若宮さん そうですねぇ・・一番大変なのはお掃除ですね(笑)

工夫は・・リスク回避をしていることかしら。
生徒さんが家を出てお帰りになるまでカバーされる保険に入ってるんです。例えばレッスン中のケガやヤケドなどもカバーされます。
大切な生徒さんをお預かりするわけで、生徒さんのご家族にも、そして私の家族にも迷惑かけるわけにはいかないですから・・

幸い一回も使ったことはないですが、安心材料があるので気持ちを穏やかにレッスンできるのかもしれません。

――なるほど。生徒さんにとってもありがたい心配りだと思います。レシピも工夫されているとか。

若宮さん レシピは、今日お配りしたものとは別に、あとで完成写真を入れてきちんと整えてお渡しするんです。実はこういうのを作るのが得意な生徒さんがいらっしゃり。ホームページの教室参加記録のブログの、更新などもお仕事としてお願いしています。謝礼は微々たるもので申し訳ないのですが、お仕事としてお願いすることでお互いに気持ち良く続けていけてます。本当に、周りの人に助けてもらっているんです。

076.jpg――料理教室用と本に掲載用のメニューは意識的に変えてらっしゃるそうですね。

若宮さん  本などで紹介するお料理は、「簡単に作れそう」と思ってもらえるものにしています。見るからに「難しそう」と思われたら作ってもらえないですから。

反対に、料理教室用のお料理は、手が込んでいるように見えるものにしています。少々難しそうに見えてもその場でお教えすることができますし、私のレシピは見た目に反して簡単に作れるのが特徴ですので(笑)。

――意識してスキルアップしていることはありますか?

若宮さん
  そうですね、積極的に情報を得ることでしょうか。食に関して国がどう動いてどう変わっていくかとか。

例えば日本では葉酸不足で脳や脊髄の先天異常の赤ちゃんが生まれる数が多いのですが、外国では国が葉酸摂取を奨励しています。先進国の中で葉酸不足なのは日本だけなんですね。そういう情報も知っておきたいと思います。

●レッスンのある1日のスケジュール

091.jpg――とても上手に時間配分されているようですが、レッスンがある日のスケジュールを教えてください。

若宮さん  朝起きてまず犬の散歩からスタートして、こんな感じです。

5:30 起床、犬の散歩、庭の手入れ、家の外周りの掃除
7:00 朝食、家族を送り出す
8:00 掃除、洗濯、レッスンの下準備
11:00 レッスンスタート
14:00 レッスン終了。片づけ
16:30 企業担当者が来訪して打合せ
18:30 夕食のしたく
20:00 夕食
       食後、メールチェック
23:00 就寝

●キッチンは「生み出す場」

116.jpgのサムネール画像――これから料理サロンを開きたい方へアドバイスをお願いします。

若宮さん やはりホスピタリティが大切で、生徒さんには1対1で向き合う気持ちが大事だと思います。例えばメールもCCで一斉に出すのではなく、お一人ごとにちゃんとお名前を書いて出すようにしています。

あと、自分の特長、強みを知って、他のサロンとの違いを打ち出していくことでしょうか。

――もうたくさんの夢を叶えてこられたように思いますが、これからの夢はありますか?


若宮さん そうですね・・初心を忘れずに、謙虚にいろいろさせていただきたいと思っていますが、原点に戻ってレッスンをもっと増やしていきたいなと思っています。


――では、最後にうかがいます。若宮さんにとってキッチンとは?

若宮さん 全てにおいて「生み出す場」ですね。
キッチンは仕事場でもあり、ここで試作してレシピを考え新しい料理を生み出しますし、レッスンを通じて人のご縁も生まれます。普段は家族のための料理を作る場ですが、それを通じて家族のつながりも生み出していると言えると思います。最近は薬膳を学んだ娘と一緒にレシピを考えたり。
娘の友達もレッスンに来てくれるようになってとても嬉しいです。

――キッチンで生み出すのは食だけでなく、それを通じてたくさんの大切なものが生まれていくんですね。今日は本当にありがとうございました!

若宮さん こちらこそありがとうございました!

(おわり)

インタビュー・テキスト=窪田みゆき
写真=村越将浩

前回のインタビューはこちらから

※1 NSFは米国の政府機関で、国際的なHACCPコーディネーターの認証機関です。

※2 HACCP9000は米国のナサで宇宙開発に伴い開発された衛生システムのHACCP方式とQMS(品質保証システム)であるISOを合わせできたシステムです。FAO(国連食糧農業機構)とWHO(世界保健機構)により設立されたコーデックス委員会も認めた規格に基づくシステムです。*コーデックス=食品基準(ラテン語)

・HACCP(危害分析重要管理点)=食品安全危害のリスクを最小限に抑える衛生管理東京都の自主管理認証制度などもこのプレシステムが用いられています。

・HACCP9000コーディネーターは このシステム構築支援が主な役割ですが日常的にはHACCP衛生システムに基づき 万全な品質管理体制を目指して衛生指導を行い供給者・顧客・規制当局に対し食の安全性の信頼を高め結果ビジネスリスクや責任問題発生の低減を目指しています。

下記サイトが東京都の食品安全情報サイトです。 
家庭で行うHACCP ~家庭でできる食中毒予防6つのポイント~ 
このページ左側 知って安心トピックスの下のHACCPのバナーから 分かりやすい説明文をご覧頂けます。  

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シンフォニーについて

シェフの料理教室とヘルシーランチ
設定日
・ 9月16日(木)
・10月21日(木)
・11月18日(木)

総料理長が料理教室でプロの裏ワザを伝授、 若宮さんが「食」と「健康」をテーマにお話しします。

お一人様 5800円

タイムスケジュール
10:20 乗船
10:30 料理教室(当日のレストランメニューの前菜1品・メイン1品)
11:40 若宮さんのヘルシートーク
11:50 レストランでお食事
      料理教室のレシピを含むフランス料理
13:20 フリータイム秋風を感じるデッキ等お楽しみください。
14:00 帰港

秋の素材を使ったヘルシーフレンチのレシピをお持ち帰り頂けます。 料理教室&トークで サロネーゼの方々にはご自分のサロンでのヒントなど見つけて頂けたら幸いです。 更にお料理や語らいをお楽しみながら 広々した東京湾の海と空を 眺めリフレッシュ。 通常のレストランでは体験できない 異空間でのランチをお楽しみ頂けます。

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プロフィール

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若宮寿子(わかみや ひさこ)さん

栄養士

FCAJ認定フードコーディネーター
米国NSF HACCPコーディネーター

企業にて9年間栄養士として勤務し 出産を機に退職。
その後 フリーにて活動を始め1995年より 美味しく、ヘルシーをモットーに若宮ヘルシークッキングスタジオ主宰し今年15周年を迎える。
また、外食企業・ホテル・レストランのフードコンサルティングや新聞・雑誌・テレビから あらゆる世代に向け 健康と美しさをサポートするオリジナルレシピを発信中。

レシピ

とり手羽の黒酢煮(4人分)

夏といっても 冷房のきいた部屋では体の冷えが心配。暑さ対策と同様 冷え対策も大切な昨今。薬膳の体を温める食材(鶏肉・根菜・黒砂糖等)を組み合わせ 丁度30分で出来る主菜です。

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材料

手羽先・・・8本
ごぼう・・・1/2本
ねぎ・・・1/2本
しょうが・・・大1かけ
いんげん・・・4本
黒酢・・・大3
黒さとう・・・大2
しょうゆ・・・大2

作り方
  • 手羽先の内側に縦に切り込みを入れる。
  • フライパンで手羽先を焼き、出てきた油は拭き取る。
  • ②にごぼう、ひたひたの湯、黒酢、しょうがを入れ10分煮ます。
  • ③に砂糖・ねぎを加えさらに10分煮ます。
  • 最後にしょうゆを加え10分煮て皿に盛り茹でたいんげんを添える。

レシピ

湯葉巻き南瓜の海老あん(4人分)

かぼちゃには 美肌をキープするのに働くカロテンとビタミンEが豊富。紫外線による肌のダメージを予防するのにお勧めです。板ゆばは案外手軽に使える食材なのでチャレンジしてみて下さい。

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材料

かぼちゃ・・・1/4個
アスパラガス・・・2本
片栗粉・・・大1
板湯葉(3分水で戻す)
むきえび・・・12尾 



【A】
だし汁・・・200ml
しょうゆ・・・小1/4
塩・・・小1/4
砂糖・・・小さじ2

【B】
片栗粉・・・小さじ2
水・・・小さじ2

作り方
  • かぼちゃは種を取り濡らしたペーパータオルをかけラップをして600Wで6分電子レンジで加熱します。アスパラガスは色よく茹でます。
  • かぼちゃをスプーンですくいボウルに入れ片栗粉を加え混ぜます。
  • 巻きすにラップをしき、戻した板湯葉を敷きかぼちゃを平らに広げアスパラを芯に巻いたら、ラップでくるみ3分レンジで加熱し、冷めたら切り器に盛る。
  • Aを合わせむきえびを煮てBでとろみをつけ③にかけます