「上野のサロネーゼ」の人気レッスン

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Backe 晶子(ベッカあきこ)さん

インタビュー 連載第1回

今月のサロネーゼはBacke晶子さん。1日2組・完全予約制のご自宅カフェ「Backe」も、上野のサロン「Backe分室no.605」の「お教室開業講座」「カフェ☆PAN講座」も、「超」のつく人気ぶり。募集がかかるとすぐ満員になる分室での貴重なレッスンを、Dreamia Clubサポーターと一緒に体験させていただきました。(毎週月曜更新)
 

掲載日: 2010/04/12(月)

 上野駅から歩いて8分ほど。昭和レトロの雰囲気を残す雑居ビルの一室のドアを開け、「こんにちは!」と入ったBacke分室no.605。
 白壁と木の風合いが美しいカフェのようなお部屋から、本日の主役、Backe晶子さんが「ワォ!」と元気にご登場されました。
 いろいろなサロンにうかがいましたが、「ワォ!」は初めて。いったいどんなレッスン体験になるのでしょう!? 期待が高まります。
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 6人掛けのダイニングテーブルが置かれた、開口部の多い部屋にはふんわりとやわらかな光が差し込んでいます。すぐそばに幹線道路があるのがまったく気にならない、静かで居心地のよい空間です。
 キッチンはクリナップの古いモデルです。「レトロでかわいいでしょ」と晶子さんもお気に入り。クロスや調理器具、小物は白がメインですが、部屋のムードが甘くなりすぎないのは、差し色のブルーがきいているからでしょうか。

 部屋に置かれた小物はBacke分室no.605で講座をもたれている先生や、晶子さんのお知り合いのショップで扱われているグッズたち。晶子さんとテイストの合うクリエイターさんが扱う品物だけあって、サロンの雰囲気にぴったりです。
 

●Dreamia Clubサポーターも飛び入り参加

_SSP0126.jpg   今日の生徒さんは、分室の常連さんで、ご自身もパン教室を運営されている結城さん、太田さんのお2人(キッチンの片隅に置かれていたパンはお2人のお手製でした!)。
 そして取材見学に同行された、Dreamia Clubサポーターの木村麻耶さん山口礼子さんも、晶子さんの「ぜひ!」というお言葉に甘え、特別に飛び入り参加させていただきました。

 晶子先生、ありがとうございます!

 お茶を準備しながら、晶子さんは早速、オーブンレンジの操作に忙しげです。何をされているのでしょう?

「仕込みのお湯の準備です。パンは粉と水と、砂糖と塩がちょっとずつ入るだけで、味の決め手は仕込みの温度と言ってもいいくらい。37~38℃を狙っているのだけれど、その温度にもっていくのが難しいの!
 熱湯と水を混ぜる方法もあるんですが、私は耐熱容器に水を入れて、電気オーブンレンジで温度調整してます」

 下準備を進めつつ、「サポーターのお2人はベーグルづくりは? やられたことがない。なるほど、了解です!」と生徒さんのレベルをさりげなく確認。

「はい、どうぞー」とお1人ずつ丁寧にお茶を出し、レッスンがスタートします。

 晶子さんがテーブルに着いて、レシピの説明?と思いきや、「ではBacke恒例の自己紹介タイムでーす!」と意外な展開。

「お名前と、今日はこれを学びたい!というところを教えてください」と晶子さんに促され、常連さんの結城さんから。「ベーグル講座は2回目。晶子さんのツヤツヤでおいしいベーグルを楽しみに来ました」 
 続いて太田さん。「ベーグル講座は今日がはじめて。本では拝見しているので、実際にいただくのが楽しみです!」

 Dreamia Clubサポーターのお2人も緊張気味に自己紹介。「ベーグルづくりははじめてです。家でもつくってみたいと思います!」と木村さん。
 続いて山口さん。「ベーグルは食べる専門で、つくるのははじめて。しっかり吸収して帰りたいです!」

「はい! こんなゆかいな仲間たち4人とベーグル講座をはじめてまいりましょう(笑)」 全員を笑顔にしたところで、晶子さんの講義がはじまります。
 

●わかりやすく、そして楽しい!

_SSP0199.jpg 「ベーグルはバターなど油脂が入らないので、生地がこねづらいです。
 今日は配合の違ったベーグルを2種類つくり、食べ比べていただきますが、最初につくる(1)スーパーキングとカメリアは、なかでも比較的こねやすい配合ですね。
 もうひとつ、(2)ローランドとアタという粉の組み合わせは、私がベーグルを最初につくった配合ですが、これは本っ当ーにこねづらいです(笑)。

(1)は自宅カフェの秘伝のレシピですよー! では…せっかくですから木村さんと山口さん、生地をこねてみますか?」

 ありがたいお申し出にサポーターのお2人はワクワクと不安の入り混じった表情。晶子さんのデモンストレーションがはじまります。

「大きなボウルに、スーパーキングとカメリアをふるってあります。真ん中をこんもり高くして、ボウルの端と端に三温糖と塩を離して置きました。

 仕込み湯をお砂糖めがけて注ぎ、そこにイーストを振り入れ…この状態でイーストを溶かしてしまいますねー。
 見えますか? ここで塩にお湯がかかっていないのがポイント。イーストに塩がかかってしまうと、塩がイーストの力を抑えてしまうんですね。
 イーストをあらかじめ溶かしておけばいいのかもしれませんが、私のやり方はこんな感じ。これで十分おいしくできます!

 イーストが溶けたら塩も構わず混ぜてしまいましょう。
 混ぜてすぐは生地がべちゃべちゃ。とても扱いづらい状態ですが、ボウルの周りについた粉を手についた生地でふき取るように押し付けていきます」

「デモンストレーションなので見やすくゆっくり作業していますけれど、ご自分でされるときはパパッと手早くね。

 手とボウルがこのぐらいにきれいになったら(と言って手やボウルの具合を見せます)オッケーです! 生地をこね台に移しますよー」

 生徒さんは皆、身を乗り出して晶子さんの手元に釘付け。サポーターの木村さんはポイントになるショットを押さえようとカメラを構え、ひときわ気合が入った様子です。

 具体的でわかりやすく、なおかつ笑いがいっぱい。オーディエンスを引きつける晶子さんのパフォーマンスは筋金入りで、かんたんに真似できるものではありません。

●ベーグルをおいしくする〝こね〟

_SSP0220.jpg 「はいっ! これが私の〝最強ブレッドボード〟です。と、いいながらただのまな板。ホームセンターで999円で買いました、ハハハハ」
 とおちゃめな笑いを散りばめながら、〝こね〟の作業へ。

「「伸ばす」というより、「押す」というイメージで力をいれて一生懸命こねていきます。

 私は見ての通りおしとやかなので(笑)、力がないんですね。で、編み出した方法が、生地の周りから少しずつこねていく方法(*晶子さんの秘技は講座でぜひ体験してみてください!)…。これなら力がない方でも上手なベーグルづくりができます。

 とにかくしっかり圧を加えてこねること! 10分は一生懸命こねてくださーい。

 寒い時期にはヒーターにも注意が必要。風が当たると乾燥しやすいので、10分以内に仕上がるように。休んじゃダメですよっ(笑)!」

 コメントが具体的で、言葉選びが的確、かつ非常におもしろいので、お話を聞いているとベーグルづくりのポイントが、自然にすんなりと頭に入ってきます。

 晶子さんがしばらくこねた後、「飛び入り参加のお2人もぜひ、手触りを体験してみて」と、木村さん、山口さんがご指名を受けます。
「その後でプロの〝こね〟も見せてもらいましょうか」と、結城さん、太田さんにするどい視線を向け、ニンマリ笑う晶子さん(笑)。
 ポイント実習に移行します。
 

●初心者も上級者も

_SSP0258.jpg 「上から押して伸ばして丸めて、の繰り返し…けっこう生地が硬いでしょう? そうそう、その調子」と晶子さんの声援で木村さんが作業をしていると、力が入りすぎたのでしょうか、テーブルまでギギッと動いてしまいました!
 晶子さん「おっとー!」と大笑い。

「テーブルを壊しそうですぅ」と泣き笑いの木村さんに、晶子さんはすかさず「でもそのくらいの気合、いいですよー」とフォローしてくださいます。

 続く山口さんもテーブルの脚が浮くほどの力の入りっぷりで、「料理教室よね?」とまたまた大笑いの晶子さん。
 山口さんは「本当に硬いんですね!」と驚かれていましたが、失敗(?)をこうして体験できるのもとても貴重です。

 この後、「結城先生、太田先生、ワザを見せちゃってください!」と晶子さんに促され、ご自身もそれぞれ自宅パン教室を主催されているお2人が、プロの〝こね〟を披露されました。

 参加される生徒さんの中にはいつも、必ず何人か「先生」がいらっしゃるそうで、晶子さんの技のみならず、いろいろな先生の技術を見て学ぶことができるのもBacke分室no.605ならではの魅力です。

 晶子さんの絶妙なツッコミを受けながら実習を進めるうちに、常連の先生方も、今日はじめてのお2人も、とってもリラックスしたいい表情です。
 作業台となったテーブルの周りには飾り気のない笑いがあふれ、その中心にはBacke晶子さんのとびきりの笑顔がありました。


(次回へつづく)

インタビュー=深澤真紀(タクト・プランニング
テキスト=橋中佐和(タクト・プランニング
写真=下村しのぶ

プロフィール

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Backe 晶子(ベッカあきこ)さん

完全予約制の自宅カフェ「Backe」オーナー&お教室プロデューサー。

結婚を機に独学ではじめたパン作りをきっかけにHPを立ち上げ、さまざまなカフェイベントへの参加、レシピ本の出版を経て、 2007年茨城県にある自宅を改装し、1日2組限定、完全予約制のカフェ「Backe」をOPEN。
カフェではじめたパン教室が好評だったため 2009年からは台東区上野にお教室専用のスペース「Backe*分室no.605」を構え、、パン教室にとどまらず「お教室開業講座」「自宅カフェ開業講座」など「好きな事を仕事にしたい」女性に向けての講座を開催中。
 

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Backe分室no.605

晶子さんの「お教室開業講座」「カフェ☆PAN講座」のほかに、8人の先生方による講座が開催されています。詳しくは晶子さんのご自宅カフェBackeのホームページから、「Backe分室no.605について」をクリックしてください!


レッスンをご一緒したお2人のサロン情報です。
太田有羽子さん: 東京・八王子の自宅パン教室「Maman Reve(ママン レーブ)」主宰。
結城なお子さん:東京・調布の自宅パン教室「Atelier705」主宰。

 

レシピ

Bache ベーグル(4人分)

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材料

スーパーキング(最強力粉)…200g
カメリヤ…100g
インスタントドライイースト…小さじ1/2
三温糖…大さじ2
塩…小さじ1/2
ぬるま湯(35℃程度)…175cc
三温糖(ゆでる時用)…大さじ2
 

作り方
  • ボウルに計量した粉をふるい入れ、塩と砂糖をはなしていれる。
    ボウルを傾け、砂糖とそのまわりの粉を軽く混ぜながらくぼみを作り、そこにぬるま湯をそそぎイーストを振り入れ指で溶かすように粉と混ぜ合わせていく。
    ひとまとまりになったら台の上にうつし手のひらに体重をかけて、押しのばすようにしっかりとこねる。
  • こねあがったら軽く手で押し平たい円にしてスケッパーで4等分する。
  • 切り口を包み込むように半分に折りさらに半分に折って丸め、表面に張りをもたせてとじめを下にしてしっかりととじる。きつく絞ったぬれ布巾をかけ10分のベンチタイムをとって生地を休ませる。
  • 生地を台の上に取り出し軽く手で押しガスを抜き、平たい楕円にして三つ折りにして均一の太さになるように転がしながら、約25cmの棒状にする。生地の端と端を合わせてしっかりとめる。
  • オーブンペーパーを敷いた天板の上に軽く茶こしでコーンミール(分量外)を振り、生地を並べきつく絞ったぬれ布巾をかけ、あたたかい場所で2倍にふくらむまで約35~40分発酵させる。
    (発酵終了時間に合わせて、なべにお湯を沸かして三温糖を溶かしておく。)
  • ぐらぐらと煮え立ったお湯の中に生地をひとつひとつ入れていき、入れた順にひっくり返し、水気をきって天板に戻す。200度に余熱しておいたオーブンで約20分こんがりと焼き色がつくまで焼く。

あっさりミネストローネ(約4人分)

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材料

ブロックのベーコン…100g
えのき…100g
玉ねぎ…1個
にんじん…1本
にんにく…1かけ
キャベツ…1/4個
サラダ油…小さじ1
塩…小さじ1/2

スープ…4カップ
(お湯4カップにコンソメキューブ2個を溶かしたもの)

パルメザンチーズ…適量
 

作り方
  • ベーコンとにんじんは1cm角くらいに切り、キャベツは粗いざく切り、玉ねぎとにんにくはみじん切り、えのきは2cmくらいの長さに切っておく。
  • 鍋にサラダ油を熱しにんにくをこげつかないように炒め香りが出てきたら、ベーコン、玉ねぎ、にんじんを炒め、野菜がしんなりとしたらキャベツとスープを加え、軽く煮込む。
  • 塩・黒こしょうで味を整えて、仕上げにえのきを入れ、ひと煮たちしたらできあがり。
  • 器に盛り、お好みでパルメザンチーズをふって食べる。