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暮らしにエッセンス from キッチン

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「美味しいコーヒーって何だろう?」豆編(連載 第1回)

[2009年1月03日(金)]

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毎日の暮らしに欠かすことの出来ないコーヒーですが、コーヒーの選び方、美味しさ、楽しみ方は意外と知られていないですよね。今回から3回連載で、豆の品質と鮮度にこだわった自家焙煎スペシャルティ コーヒーとカフェポッド専門ショップの南青山マメーズの椎名 香さんに、本物のコーヒーの美味しさ・楽しみ方を伺います。

美味しいコーヒーに必要なこと

美味しいコーヒーに必要なこと

南青山マメーズで開催している私たちのセミナーで、「美味しいコーヒーって、どうして美味しいと感じるのでしょう?」と尋ねると、皆さん意外と答えに困ってしまいます。もしかすると難しく考えすぎているのかもしれませんね。

3回の連載コラムでは、この美味しさの元のなる要素を3つに分け、毎回1つずつお話していきたいと思います。
さて、美味しさの元になる3つの要素とは何か。答えは非常にシンプルです。まずはコーヒー「豆」、そしてその豆に命を与える「焙煎」、最後はそれを飲むための「抽出」。この3つが揃ってこそ、美味しいといえるのです。コーヒーを美味しく飲むには、ビーンズ トゥ カップ(Beans to Cup)=コーヒー豆からカップに注がれるコーヒーまですべてを考えている事が大切です。決して、コーヒー豆だけが良ければ美味しくなるわけではなく、焙煎の技術、そして抽出方法から、注ぐカップまで考える事で、美味しいコーヒーになるのです。

第一回目の今回は、コーヒーの美味しさの3つの要素の内、コーヒー「豆」の美味しさのお話からスタートです。

コーヒー豆の美味しさの評価基準

コーヒー豆の美味しさの評価基準

コーヒー豆は、美味しさという視点で見ると、ここ10年ほどで大きく変化しました。理由の一番に挙げられるのは、「スペシャルティコーヒー」という概念の登場です。

1982年、アメリカで「スペシャルティコーヒー協会(S.C.A.A.)」が設立され、コーヒー豆を「美味しさ」で評価するテイスティング手法が確立されました。それ以前のコーヒー豆のクオリティを示す評価基準は、標高や、豆の中にどれくらいの数の欠点豆が含まれているか等、各国で採用されている評価項目が異なり、決して味そのものを評価するというものではなかったのです。

それに対して、コーヒー豆の味そのものをテイスティングという形で得点化し、客観的な基準で評価するという手法は、生産者から消費者まで一貫した基準にのせ、美味しさという本来最も大事なポイントを評価するものです。もちろん、ただ評価基準を作っただけでコーヒーが美味しくなるわけではありません。基準がないということは、産地にも「美味しい」コーヒー豆を作るという意識がないことを意味します。したがって、「スペシャルティコーヒー協会」は、産地への生産指導へも力を入れました。生産管理を通じて、コーヒー豆を素材から美味しくしていこうという試みです。

こうした動きに呼応して、また市場でも美味しいコーヒーを求める声が高まるにつれ、産地でも「美味しさ」というクオリティがビジネスにつながるということを理解する作り手が現れはじめました。そして、その評価基準を使った「品評会」が開催されるようになると、農園やその農園のコーヒー豆が客観的に順位付けされ始めました。2000年あたりから、産地にもインターネットが普及したことで、各地でインターネットを使ったオークションが実施され、高品質なコーヒーを目指す「美味しさ」の追求がさらに加速し、重要視されて、新たなビジネスを生み、ようやくこのスペシャルコーヒーと言う概念が広まったのです。

コーヒー豆もワインのブドウと同じ情報を

コーヒー豆もワインのブドウと同じ情報を

このコーヒー豆の「美味しさ」を評価するという動きによって、コーヒー豆のトレーサビリティも格段に進歩しました。というのも、出所のはっきりしたコーヒー豆をテイスティングしなければ、評価する意味がないからです。
分かりやすくワインを例にとれば、フランス産であるということしか分からないワインをいくらテイスティングしても、実際にはバラついてしまい、評価が確定しません。さらにフランスのボルドーで作られたワイン、というだけでも、不十分です。ボルドーのこの農園(シャトー)このエリアで作られた、この品種のぶどうを使ったワイン、ということまで分かってようやく、「美味しい」という評価が得られるテイスティングが可能になります。

同じように、スペシャルティコーヒーとして評価されるコーヒーは、最低限、どのエリア・農園で栽培され、コーヒーの木の品種や栽培方法、さらにコーヒーの実から種であるコーヒー豆を取り出す際の精製方法に至るまでの情報を持っていなければなりません。その上で、客観的な評価を受けているということが、大切なのです。

コーヒー豆の美味しさを支える事実

コーヒー豆の美味しさを支える事実

もちろん、嗜好品であるコーヒーですから、スペシャルティコーヒーでなければ美味しくない、と決めつけることはできません。
ただし、コーヒーをまず豆で選ぶ場合、エリア・農園名、木の品種、精製方法などが分かるコーヒー豆であれば、少なくともそうでないものに比べて、美味しい可能性は高いということを覚えておかれると良いと思います。

私たち「南青山マメーズ」は、インターネットを中心とした自家焙煎ショップですが、「スペシャルティコーヒーの美味しさを皆様にご紹介する」ということを、最初の約束にしています。インターネットという特性を生かして、すべてのコーヒー豆の詳細な情報を載せることで、「美味しさ」を支える事実を、お客様にお伝えしているのです。

次回は、このコーヒー豆を、焙煎するお話です。焙煎前の豆は生豆とか、グリーン豆と呼ばれ、皆さんが想像されるようなコーヒーの香りも味もしない、ただの種です。これを、あのかぐわしい香りをまとったコーヒー豆にしてゆくのが、「焙煎」です。その「美味しさ」への秘訣は、また次回に。

第1回 「美味しいコーヒーって何だろう?」豆編
第2回 「美味しいコーヒーって何だろう?」焙煎編
第3回 COMING SOON

椎名 香

プロフィール:
椎名 香
新しいスタイルの自家焙煎ブランド「南青山マメーズ」を主宰。ブレンドを全てスペシャルティコーヒーで構成し、その内容をすべてオープンにするなど、今までのコーヒー業界の常識にとらわれず、「美味しさ」をいかに納得できる形で実現できるか、日々探究している。業務用まで含めて「焙煎日」を明記する鮮度へのこだわりなど、「南青山マメーズ」の商品、そしてセミナーなどを通じて、もっとも新しい「コーヒーの今」を伝えることに邁進中。

南青山マメーズ 焙煎工房

ショップ情報:
南青山マメーズ 焙煎工房
インターネットショップである「南青山マメーズ」であるが、実際に焙煎を行っている工房には、ショップも併設されている。焙煎から5日以内のコーヒーだけが並ぶショーケースを持ち、試飲やエスプレッソメニューのテイクアウトも可能。月1回のコーヒーセミナーも実施中。水曜定休。
〒144-0052 東京都大田区蒲田1-18-5 
(JR蒲田駅東口より徒歩7分、京急蒲田駅西口より徒歩7分)

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