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常滑焼急須(後編)

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和多田 喜さん

インタビュー 連載第4回

「美味しいお茶を淹れたい」本気で取り組み始めて、もうかれこれ4年になる“本格日本茶カフェ「表参道 茶茶の間」の日本茶ソムリエの和多田喜さん。連載最終回の第4回目は、日本茶を淹れる道具でもっとも重要な「急須」の機能性や美味しいお茶の淹れ方についてお届けします。和多田さんも愛用する常滑焼「高資窯(たかすけがま)」で淹れるお茶の魅力についてお届け致します。

掲載日: 2009/07/30(木)

出汁の取り方とお茶の抽出

淹れ.JPG お茶を淹れるという行為をもし他に例えるなら、出汁の取り方と似ています。例えばカツオ出汁なら、一番出汁、二番出汁と分けて浸出させることがありますよね。
同じカツオ節でも、サッと取り出してお吸い物に、じっくり煮込こんで蕎麦のつゆになど、作りたい味や風味に合わせて、火加減、水の量、煮出す時間を変えたり、網ですくったり、手ぬぐいで濾したり等、搾り方で出汁の味や風味は多彩に広がります。
急須でお茶を淹れる時も、こだわりのある急須を使うことで、同じ茶葉から多彩な味や風味を作り出すことができるのです。
お茶を抽出するのに重要な急須のポイントについて、もう少し掘り下げていきましょう。

急須の形状

淹れ (2).JPG 急須は、胴部分の形状と急須の蓋の大きさが重要です。お湯を急須にどう注ぐか(高い位置からや、勢い良く等)によって茶葉がどのように開くか決まります。

実際に私が使っている「高資窯」の急須で述べますと、この急須はまず開口部が大きいことがポイントです。茶葉が入れやすく、茶葉の状態も見やすいので、茶葉がお湯とどう触れあうか、茶葉が開く加減を見ながらお湯を注げる為、調整しやすいのです。また、楕円形で蓋の部分を大きくとっていることで、回りからそっとお湯を注ぐ事も、中心部へ勢いよくお湯を注ぐことも可能な万能形状になっています。これが、美味しいお茶を淹れるのに大変使いやすい形なのです。また、注ぎ口は液垂れしないよう、職人さんの手作業で細工がしてあります。ちょうど、前回の写真にも注ぎ口の作業風景がありますのでそちらもご覧ください。具体的には、注ぎ口の下の部分に板を軽く押しあて、返しを作ります。そのお陰で液垂れしません。

茶こし

茶漉し.jpg 実は、茶こしはとても重要です。茶こしの“素材”がお茶の味を左右するといっても過言ではありません。ポイントは金網を使っているかどうかです。金網の良いところは目が細かく、最近多い深蒸し茶と呼ばれる粉状のお茶を淹れるのに適しているところ。一般的には金属の臭いがお茶につかないようフッ素加工を施しています。しかし、経年劣化で金属の臭いを付けてしまうことがあるのでそうなったら金網の交換が必要です。
一方、急須と同じ素材で急須自体に茶こしがついているものもあります。こちらは、先程のようなお茶の味を損ねる心配はありませんが、急須によって茶こしの形状が千差万別で違いがあります。高級な良いものなら細かい目のものが多く、お茶のエキスが抽出しやすくなりますが、安価で簡易なものだと目詰まりが起こることもあります

工房.JPG 私も愛用する「高資窯」の急須で最も気に入っている点が、茶こしなのです。細かいササメ状になっており、粉茶や深蒸し茶などのお茶から、最高級の手もみ茶まで、茶葉を選びません。粉になってしまったハーブティーでも、茶こしから漏れることなく、しっかり注ぎ切ることができるので、味わい深いお茶を淹れる事が出来ます。

注ぎ加減

急須全体.jpgのサムネール画像のサムネール画像 お茶は1煎目、2煎目、3煎目と煎を重ねて楽しむものですので、急須の中の浸出液を注ぎきれるかどうかが重要です。そうでないとお湯が急須に残り、必要以上に茶葉が湯に浸って風味が飛んでしまいます。急須の形状によっては、注ぎきったつもりでも、浸出液が多少残ります。そうすると、自分好みの味に調整するのが難しくなりますので、「最後の一滴」まで淹れられるものが良いものといえます。また、急須にお湯を満たしてから、湯のみへ注いで何秒で全て出し切れるかも重要です。急須の注ぎ口の状態によって、抽出液が出切る時間が異なります。理想は、そのような浸出液の残り具合や、淹れるスピードを自由に調節できるものです。

「高資窯」は、内容量が約110ccで少量のため、熱湯を入れても直ぐに注ぎ切ることが出来ます。そのため、熱湯で茶葉が開き渋みが出すぎることがありません。また、高級茶は5煎以上、美味しく味わえるので、単純計算でも115cc×5回で575ccとなり、1人でも飲み切れる量です。煎の移り変わりを楽しむなら、小さい急須の方がよいのです。また、低温でお茶を淹れた場合、傾け加減を調節することで、優しい甘さからしっかりとした渋みと濃い味などを自在に変化させられます。

持ち手の状態

握り手.jpg 茶葉とお湯を入れたあとは、急須を必要以上に揺すってしまうと渋みが出ますので、急須を余計に振らないような形状の持ち手が理想的です。同様に持ち手が、急須の胴のどの位置に付いているかも重要です。湯飲みへお茶を淹れるとき、急須の重心が持ち手にあれば、余計な振動を与えないので、お茶をまろやかに淹れることが可能です。もちろん、渋みを出したい場合は、いつでも急須を振れるわけですから心配は無用です。自由自在に渋さが調節できるのが理想ですね。

「高資窯」は、持ったときの手に伝わるバランスが非常に優れています。急須の胴の重心部分にもち手がついているので、持ち心地も良く、急須内のお茶の残量を感じながら、どれほど急須を傾ければよいか想像がつくのです。

 

高資さんと.JPG 多くの事を語りましたが、つまり急須は、入れ方の難しい甘くまろやかな味から、渋みのある味まで幅が広い淹れ方ができるほど良いものなのです。
美味しいお茶を淹れたい」それはお茶好きの人だけでなく、誰もが思うことなのではないでしょうか。お茶を淹れるための唯一の道具だからこそ、急須をもっと大切にしてくださいね。

実際、茶茶の間では、この高資窯の急須を使い、一杯、一杯丁寧にお茶を淹れています。是非一度、味わいにいらして下さい。

プロフィール

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和多田 喜(よし)

日本茶インストラクター協会認定 日本茶インストラクター

アトピー性皮膚炎の克服のために飲み始めた日本茶に魅せられ日本茶の世界へ。
その体験からくるお茶の魅力を伝えようと、本格日本茶カフェを考案「表参道 茶茶の間」を2005年に開店。
同年より、日本茶の淹れ方セミナーを主催。
数少ない日本茶を淹れるプロフェッショナルとして、各種メディアで美味しい日本茶の入れ方を提案。

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表参道 茶茶の間

所在地〒150-0001渋谷区神宮前5-13-14

TEL&Fax03-5468-8846

◆表参道 茶茶の間
 URL:http://chachanoma.com/

◆日本茶専門カフェ 表参道 茶茶の間
 URL:http://www.cafeblo.com/chachanoma/

 

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