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伝えたい!美味しいこだわり食材

厳しい選択眼を持ったプロが太鼓判!職人の心が伝わる、誠実に作られた“ほんものの食材”をご紹介

「おいしくて安全な食べものを食卓に」雑穀編(連載 第6回)

[2009年4月1日(水)]

  1. 関連講座

「おいしくて安全な食べものを食卓に」届けるために生産者、流通、消費者の架け橋をめざす「食の学校」を主宰する塩川恭子さんに、私たちの暮らしになくてはならない食材をご紹介いただきます。“丁寧につくられた食材”コラムの第6弾です。

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日本人の主食は雑穀だった

五穀、六穀、十穀米、十穀味噌に雑穀醤油。五穀ラーメン、五穀こんにゃく、五穀餃子。雑穀がテーマの商品も数多く登場しています。健康ブームは雑穀に行き着いた感がある今日ですが、そもそも雑穀ってなに? 雑種・雑草、雑酒など、どうもひとくくりで片付けてしまう使われた方にいささか不満です。雑種は強さの証明、名もない雑草なんてありえないし、あったら大変です。なかでも「雑穀」のもつパワーはかなりの優れものと世界中から注目されているからです。「雑穀」という総称はいろいろな使われ方があり、あいまいともいわれているようですが、アワ、キビ、タカキビ、ハトムギ、オオムギ、ソバ。最近ではアマランサス、キノアといったところが代表的なものでしょう。

雑穀の紀元は1万年前から、ユーラシア、アフリカで栽培が始まったといわれます。私たち日本人の先祖も、縄文前期の稲作以前からアワ、キビ、ヒエ、ハトムギ、シコクビユなどが栽培されていたようで、主食のルーツは雑穀にあります。西欧諸国ではほとんど食糧にされることはありませんが、アフリカ、アジアを中心に今でも重要な食糧として確たる位置を占めています。

適地・適作で花開いた雑穀王国 岩手

では雑穀は栄養学的にはどんな優れものなのでしょう。もちろん各々に特有の栄養価や優れた機能性を持ちますが、白米と比べて現代人に不足がちなカルシウム、カリウム、鉄分などのミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。特にインカ帝国時代の重要な主食だったアマランサスやキヌアはカルシウム、鉄分、亜鉛、食物繊維とも際立った栄養価をもつといわれています。また、健康によい食べもの、という捉え方以上に評価されるべきは、適地、適作ということとそれに培われてきた地域特有の雑穀文化です。

岩手県はその雑穀食文化が花開いた代表的な地域です。都会の自然食品店や健康食品売り場に置いてある「雑穀の栄養価」や食べ方うんぬんのPOPつきで特別扱いの商品とは違うのです。何の能書きも無しに、どんな店でもあたりまえにドーンと在る。しかも小分け小袋などではなく、500g、1kgレベルで堂々の存在。まさに日々の暮らしと共にあり続けた食そのものです。

岩手県北部の山間部は初夏に「やませ」というオホーツク海から吹いてくる冷たい偏西風に見舞われる地域。水利も悪く米栽培には適さない。冷害に強いアワ、ヒエ、キビの栽培が長い歴史の中で、米食とは異なった独特の食文化をはぐくんできました。生産、消費ともに雑穀王国といわれる由縁です。ちなみにその中心地となる二戸市(にのへし)はかつて全国でも胃がん死亡者が少ない地域としてWHOの調査対象になったこともあるそうです。

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真っ赤に燃えるアマランサスの畑

「八月の終わり頃おいで、真っ赤に燃える畑が見られるよ」そう声をかけてくれたのは岩手県九戸郡で雑穀の生産、加工販売をしている尾田川農園の尾田川勝雄さん。でも「野焼き」ではありません。収穫間近のアマランサスの畑なのです。アマランサスが日本で栽培され始めたのは20年以上前ですが、尾田川さんは早い時期からこの地域で栽培を始めた方です。

「南米でアマランサスの穂波を見たときに、その見事な赤い波にすっかり魅せられてしまった」といいます。身の丈ほどに大きくのびるアマランサスは倒伏しやすいし、雑穀のなかでもごく小粒な種子は収穫のタイミングを逃すとパラパラ吹き飛んでいってしまうなど栽培管理が難しい。収穫後の異物選別にも手が掛かります。八月末アマランサスの畑は文字通り赤く燃えます。風が吹くとザーッと一斉にゆれる赤い穂波のうねり。遠いアンデスに思いを馳せるに十分な感動的景色です。

日本人の主食のルーツ、そして栄養価が豊富な雑穀を是非生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?

塩川恭子さん連載「おいしくて安全な食べものを食卓に」のバックナンバーはこちら

連絡先:

尾田川農園
〒028-6302 岩手県九戸郡軽米町大字軽米19-73
TEL:0195-46-2792   FAX:0195-46-3903

塩川 恭子(しおかわ きょうこ)
プロフィール:
青森県生まれ。出版社で女性誌の「食・暮らし」部門の編集担当。 その後、病弱だった子供の育児期間を通 して「生命を健やかに育む食とは」をテーマに、共同購入グループの設立運動に参加。広報、商品開発のメンバーとして全国の産地、メーカーを訪ね歩いてPB商品開発に携わる。流通共同研究所を経て独立。90年、東武百貨店池袋店の全面リニューアル計画に、(株)新生活研究所の食品ディレクターとして参画し、MD、商品開発、売場展開の指導にあたる。96年、「おいしくて安全な食べものを食卓に」届けるために、生産者、流通 、消費者の架け橋をめざして「食の学校」を主宰。全国各地の生産者や流通業者をはじめ、さまざまな分野で「食」の仕事に携わる人たちとともに、有機・無農薬栽培や自然食品など「日本のオーガニック」のあり方を学び、普及させるネットワークづくりを行っている。
http://shokunogakkou.com
関連講座

下記の講座は終了しました。タイトルをクリックすると講座レポートがご覧いただけます。

伝えたい!美味しいこだわり食材講座vol.1「本物の調味料を知ろう ~醤油と塩~ 」
2008年12月6日(土)開催

伝えたい!美味しいこだわり食材講座vol.2「本物の調味料を知ろう~みりん(料理酒)・酢」
2009年1月22日(木)開催

伝えたい!美味しいこだわり食材講座vol.3「本物の調味料を知ろう~味噌」
2009年2月28日(木)開催

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