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小さな部分をいつまでも大事にできるような、そんなキッチンであってほしい(連載 第3回)
レコード会社のディレクターとして勤務中、和菓子の本に出合い、その後東京製菓学校の和菓子専科を卒業された、金塚晴子さん。現在、家庭で美味しい和菓子の作れる教室「和菓子スタジオへちま」を主宰するほか、出張講座やテレビ、雑誌などの多方面で活躍中です。最終回では、スタジオの“へちま”という名前の由来から普段の生活、和菓子の仕事に興味がある方へのメッセージなどを伺いました。

へちまのようにブラブラと、が金塚さんスタイル
金塚さんは和菓子作りの当初から“へちま”という名前を屋号にしています。その由来について伺うと「あまり意味はないんです。夏の間は私もへちまのように、風になびいて気ままにブラブラしていたいな、と思って名づけました」。
へちまのように、自由に気ままに――そんな金塚さんのスタイルは、新しい和菓子のアイデアにも繋がっているようです。「和菓子作りを頼まれているときに、ちょうど山が芽吹いてきて色んな緑色に染まっているのを見ると、あ、きんとんのようだなぁと思うんです。抽象的な水玉のような柄や、洋服や着物の柄なども、ふとモチーフにできないかと思うときがあります。でも、特に考える必要のないときは、ぼーっとしています(笑)。」へちまのように、いつも飾らない魅力的な金塚さんのお人柄は、和菓子にもそのまま表現されているようです。

キッチンの楽しみ方と将来残したいもの
お仕事のない日に自宅にいるときも、やはり一日中キッチンにいるといいます。「前の仕事の時は料理が気分転換だったんですよ。気ままにその時にある材料の中で、メニューや工程を考える時間が一番好きですね。思ったような味になったときは、さらに楽しい。季節によって食べられるものが違うから、やはり野菜がメイン。それと、お魚が好きですね」。
そんな金塚さんが、将来のキッチンに残したいものは、「直火」。こんがりとした焦げ目は、欠かせない美味しさのようです。お菓子を作っているときの、銅鍋にはりついた餡などのお焦げの美味しさは、作った人にしかわからない特別なもの。「家庭のキッチンだからこそ知ることのできる、ジャストを少し越えたところにある美味しさが素敵だなぁと思います。餡や栗を練っていて、銅鍋の周りにはりついたカリカリッとしたものの美味しさ。そういうものは、あまりにも無機的になると生まれないと思うんです。小さな部分をいつまでも大事にできるような、そんなキッチンであってほしいと思います」。
和菓子作りにあると便利で、よく使うアイテムは、『へら』。和菓子は練る作業が多いので、10種類くらいある中からゴムべらや木べらなど、その作業に合うものを選んでよく使っています。また、和菓子は小さいのでお皿選びはとても重要だといいます。「私の場合は、和菓子自体に色と形があるので、お皿はわりとシンプルなものを選びます。磁器や陶器、半磁器などの中から、白やアイボリー、グレー、黒、などで柄のないものが多いですね」。

和菓子の仕事に興味がある方へのメッセージ&今後の活動
和菓子の仕事に興味がある方に向けて、「何事も“案ずるより生むが易し”。やらないうちは、何も始まらないと思います。作っているうちに、私のように自然と仕事になることもあるし、ならないこともあるとわかるはず。まずはやってみることが大事です。和菓子がどう作られるのか、知ることはとても楽しいので、ぜひ一度体験して欲しいですね」。興味を持ったら、その世界に飛び込んでみることの大切さを、自身の体験からアドバイスしていただきました。
今後は2009年の秋ごろを目標に、野菜や雑穀を使った和菓子の本を出したいと、いろいろと試作をしているそうです。へちまのように、ブラブラと――金塚さんのこれからのご活躍が、とても楽しみですね!
Dreamia Clubの和菓子講座については、下記をご覧ください。
第1回 ディレクターから和菓子作りへの転身、きっかけは一冊の本
第2回 ローカロリーで美味しく食べられる、和菓子の魅力
第3回 小さな部分をいつまでも大事にできるような、そんなキッチンであってほしい

金塚 晴子
- プロフィール:
- 和菓子職人。東京・目黒生まれ。青山学院大学文学部を卒業後、レコード制作ディレクターとしてヒット曲の制作に携わる。退社後、一冊の本から和菓子づくりに興味が沸き、東京製菓学校和菓子専科に入学。87年から自宅に和菓子工房「へちま」を作る。その和菓子が話題になり、中目黒に和菓子スタジオ『へちま』を開設。これまでには数々の和菓子の本を出版、そして雑誌ではコラム執筆、TV出演など、活躍は多岐にわたっている。
- 和菓子スタジオへちまHP
- 著書:
- 和菓子とわたし
1,680円(淡交社)
詳しくはこちら
- 人気の和菓子基本のキホン―買うより作ろう!
1,680円(講談社のお料理BOOK)
詳しくはこちら
レシピ
桃の精(練切)(10個分)

材料
- 練切・・・180g
- 中あん(白あん又は黄身あん)・・・130g(13g×10個分)
- 色粉(黄・赤・挽茶色)・・・少々
- 片栗粉(打ち粉用)・・・適量
- 卵白・・・少量
準備
- 中あんは10等分しておく
- 色粉は少量の水で溶いておく
作り方
- 練切種の打ち、100gをクリーム色に、50gをピンク色に、30gを緑色に着色する
- クリーム色とピンク色に染めた練切は、それぞれ10等分する。緑色の練切は1.5mm厚さにのばし、葉っぱの抜き型で10枚抜く
- クリーム色の練切を手のひらで丸く広げ(直径4cm程度)、その上ピンク色の練切をおいて、再度押し広げ(直径5~6cm)、ピンク色が薄くぼかし出るようにする
- 3の練切で中あんを包み、丸く形を整えた後、三角ベラを使ってすじを入れ、桃の形にする
- 卵白を少量塗ったことろへ、抜いておいた葉っぱ型の練切を付ける
関連講座
こちらの関連講座は終了いたしました。
講座レポートをアップしていますので是非ご覧ください!
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