ローカロリーで美味しく食べられる、和菓子の魅力(連載 第2回)
レコード会社のディレクターとして勤務中、和菓子の本に出合い、その後東京製菓学校の和菓子専科を卒業された、金塚晴子さん。現在、家庭で美味しい和菓子の作れる教室「和菓子スタジオへちま」を主宰するほか、出張講座やテレビ、雑誌などの多方面で活躍中です。連載第2回目となる今回は、和菓子作りのこだわりや魅力について伺いました。

お店よりも安心して食べられる、手作りの和菓子
金塚晴子さんの和菓子作りのポイントは、お菓子屋を開いて“売り物”になるかどうかではなく、お菓子屋で買うよりも家庭で作ったほうが“より美味しく食べられる”レシピであることです。「保存性や壊れにくさは、お菓子屋の方が特に気をつけていることだと思いますが、日持ちをするということは、それだけ糖度を高くしなければならないだろうし、特殊なものを入れなければならないかもしれません。保存性よりも“安心で美味しい”というところを考えて教えています」。
普通の家庭にある身近で安心な材料を使うことで、親子で一緒に楽しみながら手を動かして作り、安心して食べられる。そんなレシピがたくさんあるのも、金塚さんの和菓子の魅力です。

日本の伝統的な和菓子はローカロリーでヘルシー
さらに、和菓子はとても健康的なお菓子と金塚さんはいいます。「和菓子は、手のひらで作っていく工程の多いお菓子です。材料のほとんどが、粉、水、豆と野菜でできています。レシピによっては卵を少し使いますが、油分などの動物性脂肪はほとんど使いません。また洋菓子は、主に粉を油でつないで作りますが、和菓子は粉を水でつないで作るので非常にローカロリーですし、材料も身体に良いものばかりなんです」。日本の伝統的な和菓子は、実は現代人の悩みであるメタボリック症候群の予防にも繋がります。
また和菓子と洋菓子の特徴は、気候や風土の違いが関係するといいます。乾燥の激しいヨーロッパでは、油を使わないと生地がすぐに乾燥してパラパラになってしまいます。しかし、日本はかなり湿度が高いので、水でつないでもあまり早くに乾いてしまうことは少ないといいます。「クロワッサンはヨーロッパで食べたほうがパリッとして美味しくて、しっとりしている日本の生菓子は、ヨーロッパに持っていってもすぐに乾燥して美味しさを失ってしまうでしょう。和菓子のしっとりとした感触は、風土をよく捉えた日本のお菓子の特徴です」。

ふとしたきっかけから生まれたレシピの工夫
家庭で美味しく作りやすいように、和菓子のレシピを次々と考案されている金塚さんですが、その工夫の出発点となったのは、料理雑誌の連載がきっかけでした。「私は以前、小豆はお釜でじっくりと煮る、というスタンスだったのですが、連載のときに餡を作るのがあまりにも大変なので、ディレクターに「小豆をフードプロセッサーにかけて作ってみてください」と言われたことがあるんです。最初は嫌なので使いませんって言っていたのですけど、試さないでお断りするのも……と思い直し、実際にやってみたら、漉し餡や粒餡がすごく美味しかったんです! それ以来、ほかのお菓子にもフードプロセッサーを使って何かできないかと工夫するようになりました」。
そのほかにも、お餅作りに電子レンジを活用するなど、金塚さんが実践してみて、今までよりも調理し易くより美味しくなった方法をオススメしています。
なお、4月3日(金)には、Dreamia Clubの主催で和菓子の講座を開催予定です。当日は、『初桜』という練りきりの和菓子と、ぎゅうひで作った『春うらら』のデモンストレーションを予定しています。ぜひ講座に足を運んで見てくださいね。
次回の最終回は、スタジオの“へちま”という名前の由来から普段の生活、和菓子の仕事に興味がある方へのメッセージなどを伺います。お楽しみに!
Dreamia Clubの和菓子講座については、下記をご覧ください。
第1回 ディレクターから和菓子作りへの転身、きっかけは一冊の本
第2回 ローカロリーで美味しく食べられる、和菓子の魅力
第3回 小さな部分をいつまでも大事にできるような、そんなキッチンであってほしい

金塚 晴子
- プロフィール:
- 和菓子職人。東京・目黒生まれ。青山学院大学文学部を卒業後、レコード制作ディレクターとしてヒット曲の制作に携わる。退社後、一冊の本から和菓子づくりに興味が沸き、東京製菓学校和菓子専科に入学。87年から自宅に和菓子工房「へちま」を作る。その和菓子が話題になり、中目黒に和菓子スタジオ『へちま』を開設。これまでには数々の和菓子の本を出版、そして雑誌ではコラム執筆、TV出演など、活躍は多岐にわたっている。
- 和菓子スタジオへちまHP
- 著書:
- 和菓子とわたし
1,680円(淡交社)
詳しくはこちら
- 人気の和菓子基本のキホン―買うより作ろう!
1,680円(講談社のお料理BOOK)
詳しくはこちら
レシピ
桃の精(練切)(10個分)

材料
- 練切・・・180g
- 中あん(白あん又は黄身あん)・・・130g(13g×10個分)
- 色粉(黄・赤・挽茶色)・・・少々
- 片栗粉(打ち粉用)・・・適量
- 卵白・・・少量
準備
- 中あんは10等分しておく
- 色粉は少量の水で溶いておく
作り方
- 練切種の打ち、100gをクリーム色に、50gをピンク色に、30gを緑色に着色する
- クリーム色とピンク色に染めた練切は、それぞれ10等分する。緑色の練切は1.5mm厚さにのばし、葉っぱの抜き型で10枚抜く
- クリーム色の練切を手のひらで丸く広げ(直径4cm程度)、その上ピンク色の練切をおいて、再度押し広げ(直径5~6cm)、ピンク色が薄くぼかし出るようにする
- 3の練切で中あんを包み、丸く形を整えた後、三角ベラを使ってすじを入れ、桃の形にする
- 卵白を少量塗ったことろへ、抜いておいた葉っぱ型の練切を付ける
関連講座
こちらの関連講座は終了いたしました。
講座レポートをアップしていますので是非ご覧ください!
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