1. Dreamia Club Home
  2. インタビュー・ブログ
  3. 今月のDreamia人
  4. 「マカロン由香」ができるまで

読む

「マカロン由香」ができるまで

コメント(0)トラックバック(0)

  macarontop.jpg

マカロン由香(まかろん ゆか)さん

インタビュー 連載第2回

 今月のDreamia人は出張料理人のマカロン由香さん。東京・青山でお料理教室【Le Macaron YUKA.】(R)も主宰されています。有名女子大を卒業後、幼稚園の先生を務められ、20代後半に「料理を極める!」と決起。「フランス料理をやるからには!」と猛スピードで語学習得→渡仏→(途中で挙式)→三ツ星レストラン修行と目まぐるしく立ち回り、現在もお忙しい毎日を送っていらっしゃいます。料理が時間を豊かにしてくれることを教えてくれるマカロンさんに、パリ修行時代の裏話も含め、お仕事へのこだわりをうかがいます。

掲載日: 2010/02/12(金)

「マカロン」のヒミツ

_SSP4556.jpg――前回マカロンさんの出張料理人としてのお仕事と、料理教室【Le Macaron YUKA.】(R)のことをうかがったのですが、他にどうしても聞いておきたかったことがありまして…。

マカロン なんでございましょう!(笑)

――「マカロン」と名乗られた経緯なのですが。

マカロン あーなるほど! マカロンが好きだから…ウソですウソです!(笑)

 本当は、フランスで修行していた頃のあだ名です。修行日記をブログに書きつづっていたときすでに「マカロン由香」を名乗っていたので、帰国して料理の仕事をはじめたときには当然のように「マカロン」になっていました。

 その前に、「なぜマカロンか」ですよね?(笑)
 フランスのレストランで働いていたとき、ある時期になると厨房のあちこちから「マカロン」という言葉がよく聞かれるようになるんです。
 不思議に思って、同僚に「みんなマカロンって言ってるけど、なんで?」と訊いたところ「ミシュランの星のことだよ」と教えてくれて。ミシュランの星は一般的には「エトワール」と言いますが、業界用語ではマカロンだったんです。

 私たちは「マカロン=macaron」と聞くと必ずあのお菓子をイメージしますが、macaronには「(丸い)勲章、メダル」という意味もあるんですね。
 なるほど!これはおもしろい!と思って、自分のニックネームやハンドルネームとして使い始めたのが「マカロン由香」という名前の誕生でした。

 【Le Macaron YUKA.】(R)のロゴをご覧いただくと、Le Macaronと単数形になっているところがポイントです。お菓子の場合はLes Macaronsと複数形になるので、フランス語がわかる方にはわかる、という。深すぎましたか?(笑)。

――なるほど。伺ってよかったです。

幼稚園の先生から料理人へ

_SSP4721.jpg――マカロンさんは日本女子大をご卒業後、幼稚園の先生をされていました。

マカロン 恩師で、私が幼稚園の先生になることをすすめてくれた教授の推薦で、大和郷(やまとむら)幼稚園というところの先生になりました。
 私が考えていた幼児教育の方針に合う幼稚園は都内では少なかったのですが、大和郷幼稚園はその1つで、ここで7年勤めました。

――マカロンさんが目指していたのはどんな幼児教育だったのでしょう。

マカロン 【Le Macaron YUKA.】(R)で料理を習われている会長さんや社長さんと、子どもたちは何ら変わらず、どちらも1人の人間である、というのが私の考え方の基本です。
 子どもはただ、表現の方法がわからないだけで、大人がうまく導けば大きな可能性を発揮するもの。私はそのお手伝いがしたいと思っていました。

 ほとんどの幼稚園はカリキュラムがガッチリ固まっているものですが、大和郷幼稚園は教育者の裁量がある程度許されていましたから、音楽も幼児向けの歌だけではなく、ピアノでジャズを弾けば、子どもたちはそれに合わせて歌うし踊るし、自由にやらせてもらえていたので、7年間はとてもおもしろかったですね。

――そんな充実した日々から突然、料理人の道に進まれるわけですが。

_SSP4667.jpgマカロン うーん…突然と言えば突然ですね(笑)。どこからご説明しようかしら…まず、母が料理好きだったこともあって、私も小さい頃からお料理は好きでした。
 それから、私ってなんでも並行してガーッとやってしまうクセがありまして(笑)、実は幼稚園の先生と料理の他に、油絵にも熱中していました。

――油絵もやられていた!?

マカロン ええ(笑)。とにかく自己表現が好きで、それからなにかと体当たりで飛び込んでしまいがちなんです。

 幼稚園の先生から料理人になるために、フランスのレストランに飛び込み修行したのと同じような勢いで、学生時代、ある現代画家のところに「弟子にしてください!」と飛び込んだことがありました。
 でも、自信満々で絵を描いたら、「写真でも撮ったのか」とバッサリ。
「うまい絵を描いても意味がない」と思い知らされたものの、「おまえは何が伝えたい?」と言われるだけで何を指導されるわけでもなく、ただただ描き続けました。

 銀座や青山で個展も開きましたが、買い手がついても売ることはありませんでした。売るつもりなら、もっとすべてを注ぎ込んで描かなければいけないと思っていました。
 その分の情熱を料理につぎ込むことにしたわけです。

料理の道を選んだきっかけ

_SSP4553.jpg――料理に本格的に取り組もうと思われたきっかけは?

マカロン 学生時代、友だちを招いたパーティで、いつもどおり母が料理を用意してくれていたのを、突然「ずるい!」と思い始めたことがありました。

――「ずるい!」ですか?

マカロン こんな楽しいことを母だけが独占しているのが急にうらやましくなったんです(笑)。
 それ以来、「ママはいいから」と母をキッチンから追い出し、「ママがパーティ料理なら私はコース料理を出すわ」と張り合いはじめました。今思い返すと、我ながら「何と戦ってるの?」と思いますけれど(笑)。

 ちなみに、今もレシピは毎回、筆書きしているのですが、そのスタイルは最初にコース料理をつくったこのときから変わりません。

 そうこうするうちに友人や知人から「お料理を教えて」と頼まれ、週末にお教室の真似事をするようになって、「どうせやるなら極めたい」と、24歳ぐらいから料理の道に舵を切りはじめました。

――その頃はお料理教室に通われた?

マカロン 料理教室は行きませんでした。本を読んだり、料理番組を見て独学しました。3歳の記憶も、キューピー3分クッキングの映像というぐらい料理に興味があり、見たものを真似するのがもともと得意で、すぐ覚えちゃう人だったんです。

――20代前半は幼児教育、料理、油絵という3本柱で進まれたわけですが、20代の終わり頃に「あ、私はお料理だ」と思われたのはどうしてだったのでしょう。

マカロン 私にとっては料理も1枚のキャンバスに描かれた油絵のようなもので、料理はさらに味もついているという感覚です。
 なので、進路を料理に絞ったというより、自己表現が、料理づくりのさまざまな作業――材料を切る、鍋を振る、盛り付ける――でできるかもしれないと気づいたというか、人間の五感に立体的に訴えかけるような表現ができておもしろそう!とひらめいたんです。

フランスで必ず何かをつかまなければ!

_SSP4756.jpg――幼稚園を辞められてすぐ、エコール辻東京に通われ、ここでフランス料理、イタリア料理、製菓の基礎を学ばれます。

マカロン はい。エコール辻に入ったときは、フランスへ行くことなど考えてもいなかったのですが、5日めでフランスへ行きフランス料理の修行をする準備をはじめました。

――5日めですか!? 決断が早すぎます!(笑)

マカロン 次の日にはテレビやラジオでフランス語講座を聞きはじめ、フランス語漬けの日々に突入!ですもの(笑)。エコール辻の日本語の授業も、メモはフランス語で書いていました。

 私がフランスに行きたかった理由はただ1つ、日本に持ち帰ってものになる何かを必ずつかみたい!ということ。「すてきなフランス暮らし」を味わいたいわけではなく、コミュニケーションを取れなければ意味がないので、フランス語をまず勉強しました。

 当時、私はもう20代後半で、料理の仕事の経験のないただの素人です。フランス語の勉強にも時間をかけていられません。ですから、母が自宅に英語圏の留学生のホームステイを受け入れ始めていたのをいいことに、「フランス人もステイさせて!」と頼み込みました。

 嫁入り前の娘がいる家庭ですから、女性の留学生が希望、しかも母のリクエストで英語の話せるフランス人という要望を出していたのですが、割り当てられたのは英語を話せないフランス人男性(笑)。

 母は抵抗があったようですが、私はフランス語を話す相手がいれば誰でもよかったので、なんとかホームステイを受け入れてもらい、朝から晩までフランス語を話す生活に自分を追い込みました。
ここまでが、フランス行きを思い立ってから10日ぐらいだったはずです(笑)。

――すごい…エコール辻の授業も始まったばかりですよね?

マカロン そうですね、まだ包丁を研いでいるだけで、食材には触ってなかったかも(笑)。
 ただ私は、当時の自分の年齢も、キャリアがないこともハンディキャップだと思っていましたし、料理業界に入るには明らかに遅すぎると認識していました。
 人と同じことをやっても仕方がない。できることはすぐやらねば!と焦っていたので、このハイペースでも歯がゆいくらいでした。

(次回へつづく)

インタビュー=深澤真紀(タクト・プランニング
テキスト=橋中佐和(タクト・プランニング
写真=下村しのぶ

先生に直接学べる講座

kozakmakaron.jpg

講師:マカロン由香

日時: 2010年04月03日(土)

場所: パーティスペース Dreamia新宿
           (クリナップ新宿ショールーム内)
 
 

マカロン由香さんの講座開催決定!
詳細はComing soon...

プロフィール

makaronsamaprof.jpg

マカロン由香さん

出張料理人

日本女子大学卒業後、教育業に従事。
エコール辻東京フランス・イタリア料理マスターカレッジ卒業後渡仏。
エコール・リッツ・エスコフィエディプロマ取得。
ホテルリッツ「エスパドン」、三つ星レストラン「ルドワイヤン」「アルぺージュ」で修行を積み帰国。
帰国後有限会社サブライムとして出張料理【La Macaron YUKA.】、料理教室【La Macaron YUKA.】を主宰、2008年にはM&C株式会社を立ち上げ、ワインバーやレストランプロデュースを手掛ける。
出張料理人、料理講師、講演、雑誌掲載、レシピ開発、ラジオ・テレビ出演他

Le Macaron YUKA.HP

コメント(0)トラックバック(0)

トラックバックURL:http://dreamiaclub.jp/mt/mt-tb.cgi/1137

トラックバック(0)

コメントを投稿される方は、ページのトップからログインしてください。
ページのトップへ>>