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レストランのようなお料理教室

川上文代(かわかみ ふみよ)さん
インタビュー 連載第1回
渋谷区広尾にある料理教室、デリス・ド・キュイエール。主宰である川上文代さんは、辻調理師専門学校卒業後、国内外での修行を経て母校の教壇にも立たれるプロ中のプロです。専門もフレンチ、イタリアン、パティスリーを中心に多岐にわたり、現在は講師業のほか、本や雑誌のレシピ開発、店舗のプロデュースと幅広くご活躍中。バイタリティの塊とも言える川上さんのデリス・ド・キュイエールへの思い、そして「食」への徹底したこだわりに迫ります。
掲載日: 2009/12/4(金)
「今日はよろしくお願いしまーす!」 元気な笑顔で迎えてくれた川上文代先生が今回の主人公。
広尾で人気の料理教室デリス・ド・キュイエールの主宰でいらっしゃいます。
「どうぞ召し上がってください」と勧められたハーブティーを遠慮なくいただくと、これが本当によい香り。
「フランス人に一番人気のあるベルベンヌ(レモンバーベナ)ですよ。フレッシュな葉をマグカップにたくさん入れてお湯を注ぐだけですごく美味しいんですけど、自宅で育てていたベルベンヌが枯れちゃってドライのベルベンヌで残念。ローズマリーやローリエは元気なんですけど」とまた笑顔。あっという間に先生の魅力に引き込まれます。
長いおつきあいができる教室
――デリス・ド・キュイエールはどんなお教室?というところからお話をうかがえますか。
川上 私が辻調理師学校で講師の仕事をしていた頃は、「将来はお店を持ちたいな、でも資金集めとか開店準備が大変そう」とちょっと躊躇していて。三十路を迎えて「そろそろ独立」と考えたとき、ずっと続けてきた教える仕事だし、お料理教室ならば特別な資格がなくてもいいし、ということでスタートしたのがデリス・ド・キュイエールでした。「私にはお料理教室しかない!」という決意で始めたんです(笑)。
はじめから「生徒さんと長くつきあえるようなお教室にしたい」と思っていたので、年会費はいただかないことにしました。最初に入会費1万円をいただきますが、一度払っていただいたらあとはその日の受講料をいただくだけ。今年で14年になりますが、初年度に入会された生徒さんがいまだに来てくださるんですよ。私にとっては皆さんが生徒さんであり、お友だちなんです。
「子育てが終わって久しぶりに来ました。5年ぶりです!」という方もいらっしゃるし、「結婚まで3ヶ月。ダッシュで花嫁修業に来ました!」という切羽つまった方が(笑)集中的にいらっしゃることもありますよ。
●コンセプトは「一緒においしく食べましょう!」
川上 デリスでは3、4日ごとに、イタリアン、フレンチ、パティシエなど、コースが変わります。メニューも例えば、昨日まではフレンチのジビエ、明日からはイタリアンのリゾットとどんどん変わりますから、3、4日ごとにいらっしゃる方もいらっしゃいます。
レストランとしても楽しんでいただけるんです。もちろんお料理の技術や知識を学んでいただきますが、午前のクラスはランチ代わり、午後のクラスはディナー代わりにもなっちゃいます。メニューは前菜、メイン、デザートの構成で、飲み物もワイン、コーヒー、紅茶、お好きなものが出ますし、パンもつきます。
調理台のトップを大理石にしたのも、ここをテーブル代わりにして、みんなでおしゃべりしながら立食パーティもできちゃうからです。材料を切ったり、生地をこねたりのばしたりはもちろんですけれど、キッチンがコミュニケーションの場になるようにというイメージがありました。
おひとりでもお友だちとご一緒でも、気軽に来て楽しんでいただける、そんなお料理教室でありたいですね。
おいしく楽しく勉強でき、長いおつきあいもできる、そんな料理教室でありたい。デリス・ド・キュイエールは「おいしい(デリス)スプーン(キュイエール)」という意味で、「一緒においしく食べましょう!」をコンセプトにしています。
――レストラン代わりに、というのが面白いですね。
川上 ぜひ皆さんもお気軽にいらしてください! レストランでワインを飲みながらディナーを食べることを考えると、同じ金額でデリスは料理の勉強もできますし、なにしろ私を筆頭に生徒さんも食いしん坊ぞろいなので、世界各地の美味しいものをたくさん味わっていただけます。
鹿肉やヤマシギが解禁になれば取り寄せたり、旬の素材をメニューにどしどし盛り込んでいますし、新酒の季節にはトスカーナ産、シチリア産、初呑み切りなど、世界各地のお酒を取り揃えて、「さあ今日は何を空けようかしら!?」とわくわくしながら試食しているんです。
――ジビエ料理も勉強できるんですね。
川上 ご希望の方がいれば毛をむしるところから実習することもありますよ。一般の方には「食べる気がしなくなる…」と言われますが、グルメの方は興味を持たれます。さすがにこの教室ではやりませんが、辻調で講師をしていたときは、生きた食用のウシガエルの解体もやりましたから、私。ふふふ。
デリスの「料理エキスパート試験」
――先生は現在も、プロの料理人向けの講義をされています。高い技術と理論をお持ちですから、本格派志向の生徒さんにも対応できるのがデリスの強みですね。
川上 はい。デリス独自の料理エキスパート試験は、お料理を真剣に学びたい方向けのカリキュラムで、4月と10月に行っています。デリスで学んだ技術や知識をより身につけていただくために、この試験に向けて集中して勉強される方もいらっしゃいます。
私の著書「料理の教科書」シリーズから1冊を課題にして、そこから50問の筆記と、2時間で前菜とメインの2品を仕上げる実技が出題されます。技術や手順だけでなく、例えばイタリアンが課題ならチーズ、お米、パスタなど、食材についての細かな知識も必要とされる試験になってます。
合格するには本を隅々まで読んで、知識を身につけなければいけませんから、確実に力はつきますよ。
●子ども時代の夢が叶った「料理の教科書」
――エキスパート試験の教材である「料理の教科書」は、中国語版が出るほどの人気シリーズですが、料理のプロセスの見せ方が素晴らしいですね。
川上 カメラマンさんが一番大変ですよね。見開き2ページの写真で手順を説明するために、実は200枚以上の写真を撮っています。調理撮影は「ここがポイント!」と私が手を止めたショットを撮ってもらって、少し作業を進めたところで「ここも!」とまた手を止めて撮って、その繰り返しですから。
――ポイントの拾い方も的確で、理論に裏打ちされた川上先生ならではのお仕事です。
川上 どのポイントで何を確認するかがわからないと、美味しい料理は作れませんからね。 私は幼稚園の頃から料理の本を見るのが好きで、母親の料理本をよく見ていたんですが、できあがりのほかに、作り方の写真が2点くらいしかなかったの。それを見ながら「この写真とこの写真のあいだがどうなるか知りたい!」とすごく思っていたんです。
母親に聞いても「わからないけど、こうなんじゃない?」と曖昧な答えが返ってくるだけで、「それ本当?」って子どものくせに疑ったりして(笑)。だから「料理の教科書」シリーズは「知りたい!」と思った子どもの頃の夢が叶った本でもありますね。この本なら子どもが見ても作れますから。
――作り方を知りたいならテレビの動画がよさそうですが、この本のように写真でポイントを見せてもらったほうがわかりやすいです。
川上 テレビだと「ここがポイント」という瞬間に画面が流れて変わってしまいますが、焼き色や食材から出る泡の様子が変化する一瞬を写真で撮って、その状態をどう見極めるのか、それがなぜ大切かを文章で説明するのが一番頭に残りやすいと思います。
料理の種類もフレンチ、イタリアン、和食、エスニック、デザートと、オールジャンル網羅していますし、後々残る書物で間違いは書けないので、何度も見直しをします。良い素材が入らなかったら撮り直しもありますし、大変な作業ですが、とてもやり甲斐のある楽しい仕事です。
(次回へつづく)
インタビュー=深澤真紀(タクト・プランニング)
テキスト=橋中佐和(タクト・プランニング)
写真=下村しのぶ

講師: 川上 文代(かわかみ ふみよ)
日時: 2010年02月11日(木)祝日
場所: パーティスペース「Dreamia 新宿」
(クリナップ新宿ショールーム内)
川上文代さんの講座開催決定♪
詳細はComing soon...

川上 文代(かわかみ ふみよ)
料理研究家
「デリス・ド・キュイエール 川上文代料理教室」主宰
1965年、千葉県館山に生まれる。
1996年、東京・広尾に「デリス・ド・キュイエール 川上文代料理教室」を開設。
持ち前の明るさと気さくな性格と確かな技術に裏打ちされた “本物の技”は知る人ぞ知る存在となっている。
教室では本格的なフレンチ・イタリアン・パティスリーを中心に、基本の家庭料理、世界の料理、オリジナリティ豊かな料理を提案。
辻調理師学校外来講師、NHKきょうの料理講師、雑誌や新聞へのレシピ掲載、企業での料理開発、食育インストラクター、料理コンサルタントとしても活躍。

デリス・ド・キュイエール
所在地東京都渋谷区広尾1-7-2 藤和広尾レジデンス404
TEL03-3406-0099
FAX03-6427-6969
日曜日に作るらくらくリレーメニュー7days (講談社のお料理BOOK)
1,648円(講談社)
たれとソースの早引き便利帳 (SEISHUN SUPER BOOKS)
1,260円(SEISHUN SUPER BOOKS)
イチバン親切な料理の教科書―豊富な手順写真で失敗ナシ!
1,470円
フレンチ・シンプルレシピ
1,575円
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- 投稿者 みみ : 2009年12月 5日 11:32
- 投稿者 yayoi : 2009年12月 4日 17:13
- 投稿者 tajimak2 : 2009年12月 4日 14:35
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川上先生にお世話になって4年目の今年、フランスに家族で引越をしました。その準備もあってお稽古に通わせていただいていました。
こちらで地元の料理教室に通い始めましたが日本人は私ひとり、通訳もなくすべてフランス語で進みます。言葉がまだ片言なのに、講師が何のために何をされているか良く分かり、自分でも驚いたと同時に、何とかフランスの教室でもついて行けそうです。いまさらながら川上先生にはすばらしい授業をしていたおかげだと、こちらに来て改めて感じています。
あこがれの方が、川上先生のファンでして、私も著書を拝読しそれ以来のファンでした。
お教室は気軽に行けそうですね!
今度ぜひ参加してみたいです。
川上先生の教室で 講師を招いて、メキシコ料理を行ったとき、興味があり参加したことがあります。
もちろん講師が、作るわけで、先生は アシストのポジションにおられましたが、メキシコ人の講師が通訳がいたとはいえ、説明に詰まると さっと解説を加え、材料を見せると、関連する書籍のページを開く、ミスをしそうになるとさりげなく手を添え、ポイントでは生徒たちに、実演まで行わせる。
目に見えない 人使いの妙と、講座自体を より内容のあるものにしようと言う意思を、しっかり見せて頂き、ほとほと感心した事を覚えています。
夢を叶えた人と言いますが、川上先生の夢は、次から次へと際限なく広がっていると思います^^
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