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「Eat your Vegetables !」 =ちゃんと野菜を食べなさい!がコンセプトのヴィーガンカフェ

清野 玲子さん インタビュー 連載第2回
デザイン会社の『008(ダブルオーエイト)』と、完全菜食主義のヴィーガンがコンセプトの『カフェエイト』を経営し、著書『VEGE BOOK1~3』のヴィーガン料理も評判の清野玲子さん。ご自身の経験を生かし、カフェをオープンするまでの軌跡や、コンセプトなどについて伺いました。
掲載日: 2009/4/30(木)
カフェオープンまでの期間は、約3ヶ月!
青山でカフェをオープンするお話がきたのは、2000年7月のことでした。そしてオープンの期日は10月と決まっており、なんと既に3ヶ月しかありませんでした。しかし、その前に映画の制作に携わっていたことで、その困難を乗り越えられたので大丈夫、と確信があったと清野玲子さんはいいます。
映画は『5 poisons』という、日本に住む外国人の5つのオムニバスムービー。構想から編集の終了まで、期間はほんの1ヶ月半でした。「とにかくお金がなかったので、短期集中。その後の上映イベントも自分たちで半年くらいかけてやりました。本当に大変だったけれど、1ヶ月半でなんとか完成させたということで、心臓に毛が生えてしまったというか(笑)。カフェの方もなんとかなる!という気持ちになりました」
清野さんはデザインの仕事で、他社のお店の立ち上げやブランディングも手がけていたので、自分たちのお店でも、クライアントがいるつもりで作っていけば大丈夫だと考えました。「まずは表層を作るところから入っていきました。デザインをして、ユニフォームはこんなで、というところから。メニューを考えるのも、わりとデザイン的な発想でつくりました」。
3ヶ月でのオープンは、本当にあっという間。大変だと思う暇もなかったといます。「野菜をおろしてくれる農園の方を探したり、材料の手配から全てをやっていたので、スタッフよりも、とにかく材料がないと始まらない! という優先順位でやっていました。」スタッフの募集をかける余裕もなかったそうですが、いろいろな方に声をかけているうちに、オープンまでには自然とスタッフが集まってきてくれたといいます。おそらく清野さんの熱意に動かされ、協力を惜しまない仲間たちが大勢いたからなのでしょう。
『カフェエイト』へ繋がる清野さんの熱い想い
『カフェエイト』のオープンを決意するには、常々感じていた外食産業に対する違和感や、私ならこうするのに!という清野さんの理想や熱い想いがあったといいます。「何でもすぐにミッションを感じてしまうタイプなんです(笑)。当時は、ようやく食の問題が取りざたされてきたときでした。牛乳の安全性の問題がニュースになり、次には外国産の牛肉を国産と偽る偽造問題が発覚しました」。
清野さんは、20代半ばの頃には料理写真の勉強のために、料理撮影専門の会社に勤めていたことがありました。「一流の料理人の仕事をたくさん見てきたのですが、同時に外食産業の裏側を見る機会がたくさんありました。そこで、こんなもの使っているんだ、と驚いてしまうことが多くて。そのころに一時、外食がぜんぜんできなくなってしまったんです。」加工食品、量増しのための業務用素材など、疑問を感じるようなことをしているお店が少なくなかったそうです。『カフェエイト』では、とにかくお客様に説明できないようなものは絶対に使わず、それが当たり前なんですよ、ということを少しずつ伝えられたらいいなといいます。
もうひとつは、キャッチフレーズになっている『Eat your Vegetables !』。ちゃんと野菜を食べなさいよ!と子供のころによくお母さんに言われている台詞が、オープン当初からカフェのコンセプトです。「私が事務所で割烹きよのをやっていたとき、野菜を食べないとダメだよ! と仲間に言ってはどんどん野菜を出していたんですけど、それをみんな喜んでいてくれていました。よくよく考えると、大人になり社会人になって「野菜を食べないとだめだよ」と言ってくれる環境は、ふと気が付くとものすごく減っていますよね。」直接的に野菜を食べないといけないという話ではなく、そう言ってあげることは、相手を思いやる優しい気持ちがあるからこそ。そんな気持ちを持って食事を提供するお店があってもいいんじゃないかなと思いました。そして、「お母さんやおばあちゃんの代わりに、ちゃんと野菜を食べなさいよ! 残しちゃだめですよ! っていうお店があってもいいんじゃないかなって。そういえば、最近野菜を食べてないなと気づく良いきっかけにもなると思います」。
日々の生活に追われて余裕がなくなってくると、食べ物に対して食べる側の思いやりもなくなりがちです。ただ合理的に、とにかくおなかが満たされればいいと思ってしまうことも。しかし、お店を通して思いやりの気持ちを伝え続けることで、「残したらバチがあたるなぁ」「野菜を作ってくれた人に申し訳ないなぁ」という気持ちを思い出せるようになってくれたらといいます。
青山でオープンした『カフェエイト』は、コンセプトはそのままに、2006年2月に現在の目黒へと場所を移しました。また、2003年9月には表参道にある自然派ヘアケアコスメ、アヴェダの店舗に併設する形で『ピュアカフェ』もオープン。両カフェには、日々多くのお客様が訪れています。
メニューや食に対するこだわり
『Cafe Eight『カフェエイト』をスタートして、始めのころは清野さんと川村さんを含め8人しかスタッフがいなかったこともあり、料理出るの遅いよ、メニューが少ないよ、などのありがたいご指摘もいただきました。しかしその反面「何でお肉がないの?」という不満や指摘は全くなく、逆にお肉がメニューにないことにも気づかないお客様がほとんどだったといいます。
ヴィーガンというコンセプトはあえて隠してのオープンでしたが、それが成功だったといいます。「当初、カフェを始めようと思っていろいろな人に相談しに行ったとき、10人が10人とも、絶対に失敗するからやめたほうがいい、お肉がないのに人はまず来ないよ、と言われました。」しかし、清野さんの食に対する視点は違いました。東京はレストランなど多くの飲食店があるので、メニューも豊富でよりどりみどりだと思いがちですが、実際はメニューによって、お店にあるものの中から「選ばされている」ことに気づいたといいます。
「私はヴィーガンなので、お店に入るたびに野菜だけのメニューはなぜないのだろうと思っていましたし、あれば野菜料理を頼む人はたくさんいると思っていました。だから、逆にお肉がメニューになかったら、それ以外の料理をメニューの中から普通に選ぶんじゃないかなと考えたんです」。『カフェエイト』のメニューは、季節の食材をふんだんに使い、お客様に楽しんでいただけるように構成しています。旬のものを使うのは当たり前のことですが、とにかく完全菜食のヴィーガンを逆に武器にできるくらいの楽しいメニューを心がけているといいます。
最終回は、清野さんのライフスタイルや、野菜の生命力について、こだわりのキッチンアイテムのお話などを伺います。どうぞお楽しみに!
撮影・キッチンミノル
文章・立川 奈緒子

清野 玲子
(有)カフェエイト/(有)ダブルオーエイト 主宰
1968年、東京都生まれ。
生まれながらにして「母乳も牛乳も受け付けず、豆乳で育った」ベジタリアン。27歳のときに友人と設立したデザイン会社「(有)ダブルオーエイト」で様々なCDジャケットや広告等のアートディレクションを手掛けつつ、2000年、料理、空間、すべてに関わるプロデューサーとしてヴィーガンフードカフェ「Cafe Eight」をオープンし、国内外のアーティストからも高い評価を受ける。
03年9月表参道にオープンした「PURE CAFE」では、さらにカジュアルでファッション性の高いベジタリアンフードとエコロジーのあり方を提案している。オリジナルレシピ本「VEGE BOOK」シリーズはリトルモア社より発売中。
直営店Cafe Eight・Pure Cafe
2000年に南青山でスタートした「Cafe Eight」は場所を移し現在目黒区青葉台(池尻大橋)で、また港区南青山(表参道)ではAVEDAのビル内に「PURE CAFE」を直営しています。いずれの店もVEGAN(ヴィーガン/乳製品、動物性のものを一切使用しない)スタイルでありながら楽しくダイナミックな料理を提供し国内外から評価を受けております。
所在地:T+Building 1F 3-17-7 Aobadai Meguro Tokyo 153-0042
TEL+FAX:03-5458-5262
営業時間:11:00 - 22:00 (L.O. 21:30 )
VEGE BOOK Eat Your Vegetables! 1,890円
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